京太郎「ホワイトデーのお返しなんだけどな」 憧「うん?」 京太郎「市販のやつを渡すだけって味気ないなぁと思うんだよ」 憧「うん」 京太郎「だから、今日は1日憧の言うことを何でも聞こうと思う」 憧「何でも?」 京太郎「できる範囲でな」 憧「ふ~ん……でも急に言われてもパッと思いつかないし……」 憧「直してほしいところなら山ほどあるんだけど」 京太郎「山ほど!?」 憧「ま、思いついたら言わせてもらうわね」 京太郎「おう、じゃ行くか」 ◆ 憧「ね、どっちがいいと思う?」 京太郎「う~ん……こっち?」 憧「えー、こっちー?」 京太郎「じゃあこっちか?」 憧「うん、やっぱりこっちよね」 京太郎「いつも思うんだけど、これ俺の意見いるか?」 憧「えー楽しいじゃない」 京太郎「女の考えることはわからん……」 憧「でも京太郎、最近正解率高くなってる気がする。あたしの教育の賜物?」 京太郎「え、これクイズだったの?」 ◆ 憧「これおいし~」 京太郎「まじで?一口ちょうだい」 憧「ん……はい、あ~ん」 京太郎「あー、ん………うまいな、これ」 憧「でしょ?さすがあたし」 京太郎「俺もそっちにすればよかった」 憧「そっちもちょっとちょーだい」 ◆ 京太郎「あっ」 憧「どしたの?」 京太郎「憧の言うこと聞くっての完全に忘れてた」 憧「あ~、そういえばそんなこと言ってたわね」 京太郎「普通にデートしただけじゃねーか……」 憧「楽しかったわよ?」 京太郎「よし、憧!なんか言ってくれ!!」 憧「えー……」 京太郎「さぁっ!!」 憧「もう……京太郎にしてもらいたいことねぇ……あっ」 京太郎「思いついたか?」 憧「いやでもぜったい無理だし……」 京太郎「いいからいいから、とりあえず言ってみろって」 憧「子どもが欲しい」 京太郎「へ?」 憧「あたしね早く子ども欲しいのよ、女の子」 京太郎「10年くらい待ってくれ」 カン