京太郎「お疲れ様です、新子警部」 憧「ん?ああ、お早い到着ね、松・・・京太郎」 玄「カァーット!憧ちゃん、そこはちゃんと『松実君』と呼ぶのです。大事なところだからね!」 憧「くっ・・・ええ、ごめんなさい・・・!」 京太郎「はは・・・やっぱ慣れないよな・・・」 玄「では続きから行くのです。よーい、アクショーン!」 憧「んんっ・・・来てもらって悪いけどたぶん今回貴方の出番はないわ」 憧「害者は赤土晴絵。死亡推定時刻は昨夜の20時から22時、死因は服毒。コーヒーに含まれていたものと同じ薬品が理科室から一つなくなっていることも確認がとれてる。部屋も密室。遺書にある通りアラフォーを苦に自殺と見て間違いないわね」 京太郎「・・・ふむ、はたしてそうでしょうか?」(アラフォーを苦に、って何だろう・・・) 憧「えっ?」(アラフォーを苦に自殺、ってどんな理由よ・・・) 京太郎「コンロに残っているコーヒー、服毒のためにしてはとても多い。それに流しに溜まっている使用済みの食器ですが、一つだけ綺麗に洗われていてまだ濡れています」 憧「・・・死ぬ直前に誰かと会っていた?害者の人間関係調べ直す必要あるわね、さっそく行くわよ京太郎」 玄「カットカット!今京太郎君は『松実京太郎』なんだからそこは大事なのです!」 憧「ああもう!パトーナーなんだから名前呼びでも普通でしょ!?」 玄「全然違うのです!所詮警部はちょい役!この劇のテーマ夫婦愛!事件解決に悩む探偵京太郎君を妻であるおねーちゃんが内助の功で支えるお話なのです!」 憧「ちょい役!?」パラパラパラパラ バンッ 憧「ちょっと!あたしの出番ここと最後の推理シーンだけじゃない!」 穏乃「憧はまだいいよ・・・私のセリフ『赤土さんかなり借金があったみたいですよ?』だけだよ?」 晴絵「ね、ねぇ・・・私の役もうちょっとなんとかならない?ちょっとこれダメ人間過ぎるんじゃ・・・」 灼「大丈夫。ハルちゃん輝いてると思・・・」 晴絵「これで!?」 ギャーギャー 宥「玄ちゃん・・・大丈夫・・・?」 玄「今更脚本に変更はないのです・・・が、演者の説得も監督の仕事」 玄「みんなと話してくるからしばらくおねーちゃんと京太郎君は二人で遊びに行っていてほしいのです」つ鷺森レーン割引券 宥「え、ええ・・・!?きょ、京太郎君と二人でなんて・・・」モジモジ 玄「おねーちゃん」ズイ 玄「この劇は二人の仲が良ければ良いほど成功するのです・・・!ベストを更新するまで帰ってきちゃだめだよ?」ズイィ 宥「わ、分かった・・・!」ヒキッ 京太郎「玄さんなんて?」 宥「え、えっと・・・みんなと話してる間二人で遊びながら役作りしてって・・・」つ鷺森レーン割引券 京太郎「あ・・・ふ、夫婦役ですもんね・・・!」カアァ 宥「うぅ・・・」カアァ 京太郎「い、行きましょうか・・・!」 宥「う、うん・・・!」 ソウイエバコノマエクロサンガ… フフ、アッタカーイ・・・ ガラッ バタン 憧「・・・行ったみたいね。まったく二人とも煮え切らないんだから」 玄「・・・・・・フッ」 玄「バカな監督の振りをして・・・奥手な姉の恋路を応援する・・・」フー テク テク テク クルッ 玄「楽な仕事じゃないよっ!!」バーン カンッ 穏乃「私の出番・・・」 晴絵「これで輝いてる・・・?普段の私ってそんなダメ・・・?」 カンッったらカンッ