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h7-7 - (2012/09/23 (日) 13:15:00) のソース

89 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/29(水) 14:50:51.63 ID:1y5iBxas0




時は…20XX年…

世界では、「麻雀」が一世を風靡していた

老若男女問わず、麻雀の持つ深い駆け引き、熱さに惹かれ

そして、溺れていったのである…

その中で、



常識では在り得ない「非常識」を惹き付ける、特殊な「チカラ」を持った者が

現れるようになった。






『能力者』






中でも、その拳を以って、牌を惹き付け、牌を操る

神に愛されし拳の持ち手

そんな者たちの事を



「神拳使い」と呼んだ










90 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/29(水) 14:51:23.68 ID:1y5iBxas0







弩ッ!!!!!!!!!







「くっはあ!!!!」








能力者の戦いは

卓上だけに在らず

それぞれが持つ闘気、全てを以ってイメージすら戦いのリングにする

在り得ないなんて在り得ない。

空間全てが闘気に支配され

次元すら包み込む

熱気!!!!

気迫!!!!

そして

立っていた者だけが勝利を手にするのである。




91 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/29(水) 14:52:00.66 ID:1y5iBxas0





「くッ…【拳王】…ッ!!!」









「拳王に後退は無い…在るのは前進制圧のみ…」




帝王は静かに言った。

自分に言い聞かせているようだった

戒めを

自惚れから出た言葉とは思えなかった

鎖

それ以外は許されない定めであるかのように…

















今日も何処かで

誰かの拳が唸り

誰かの拳が砕ける





92 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/29(水) 14:52:30.30 ID:1y5iBxas0









ここからは、

1つの物語






星の定めに翻弄される

少年少女の物語











93 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/29(水) 14:53:10.29 ID:1y5iBxas0




「あら?入部希望者?珍しいわねぇ」

部室のドアを開けるなり、彼女は微笑んでそう言った


久「私はここの部長、竹井久よ。よろしくね、お二人さん?」

まこ「わしは染谷まこ。よろしく頼む!」

メガネを掛けた少女も声をかける。

京「よろしくお願いします!俺は須賀京太郎!こっちは宮永咲です!」

咲「ちょ、ちょっと京ちゃん?私まだ入るって決めてないよ…」

京「まぁいいじゃんか。」

久「そうよ、試しに一回打ってみてから決めてもいいんじゃない?」

咲「う…ん、そういう事なら…」












まこ「さて、どう思う?部長殿?」








唐突に、それでいて自然に、彼女は言った。



94 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/29(水) 14:53:44.79 ID:1y5iBxas0

久「そうねぇ…まこも分かった?」






まこ「まぁ何となくじゃが…」






久「あたしもそうよ。」

 「じゃあ単刀直入に」




 「どの程度まで『使える』かしら?宮永さん?」







空気が変わる









咲「!?」



京「(……)」







95 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/29(水) 14:54:55.66 ID:1y5iBxas0
一気に冷めた空気は、咲の眠らせていた気を醒めさせた




咲「どうして、解ったんですか。」

京「……え!?何々!?何の話!?」







突然の話に着いて行かない者も居るのは当然のことだ




久「…能力、よ。使えるんでしょう?宮永さん?」

咲「…『読んだ』んですね。」

久「まぁ、正確には読めないけどね?でも、」

 「貴女、相当なのを持ってるでしょう?」



能力は、生まれた瞬間によってその性質が決まる。

それが開花するかは別として、だが。

性質によって、得意とする能力の種類も変わってくるのだが

例えばそう、先ほどの竹井久、染谷まこの様に

『人の気を読む』

事に特化した者も居れば

『打ち倒す』事に特化した者も居る




性質を活かした戦いが出来る者程強い。

能力を使った戦いの神髄は、自らを知り、敵を知ること。

どれほど強い能力を持っていようが

無知は力には成らない。

無知は力を縛る

無知は、罪。



96 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/29(水) 14:56:15.16 ID:1y5iBxas0
規制食らいそうなんで、一旦ここまで。
申し訳ございません、このような作品で…

97 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/29(水) 15:15:40.00 ID:1y5iBxas0

久「さて、じゃあやりましょう。見極めるのなら、卓を囲むのが一番早いわ。」






 「優希」






優希「はいは~い!だじぇ!!」






少女が現れる。

片手に食べ物…タコスだろうか

持ったまま席に着く






久「優希、食べきっちゃいなさい。汚いわよ?」



優希「ごめんなさいだじぇ!」




一気に頬張ってから飲み込む





瞬間


98 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/29(水) 15:16:14.37 ID:1y5iBxas0
優希「東場は、優希ちゃんのテリトリーだじぇ!」





フワッ




空気が揺れる






『空間』が揺れる






久「和」







和「はい。」

99 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/29(水) 16:13:35.59 ID:1y5iBxas0


また、少女が一人席に着く



スゥ…



空気が落ち着いた




いや





『空間』が落ち着いた




コレらが何を意味するのか




本来落ち着くはずのない所が揺れ、落ち着いた




すなわち




『非常識』である



彼女達もまた、能力の使い手


100 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/29(水) 16:14:05.70 ID:1y5iBxas0



始まる戦いは




道標となるか




墓標となるか



ー様子を見させてもらうかー




最初に動いたのは








京「よ~しテンパったァ!!!!」タンッ






須賀京太郎

101 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/29(水) 16:15:05.88 ID:1y5iBxas0
あまりにも、無謀


この能力者が支配する空間において


あまりにも、無謀

だが



和「(彼には使わなくてもいいでしょう。いえ)」



優希「(使う必要が無いじぇ。)」


彼はターゲットですら無かった


それどころか


同卓に居ることすら


意識はされていない


なぜなら


この卓で見ても分かるように


危険と判断される闘気は3つのみ


宮永咲


片岡優希


そして、原村和


当たり前だ


能力者の戦いに


無力な者は


居ても居なくても関係は無いのだ

103 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/29(水) 16:35:37.19 ID:1y5iBxas0



優希「ロン!!」


咲「きゃあああああああっ!」


その瞬間



衝撃が咲を襲う



京「咲!?」



優希「いえーい!優希ちゃんの会心の一撃!!」



京太郎「一体何が!?…こ、これが能力者同士の戦い!?」



和「そうです。須賀さん。優希は東場において強力な支配力を持ちます。」

 「東場は彼女の独壇場ですよ」

 「東風戦なら尚更」



京「…成程」ボソリ


104 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/29(水) 16:36:32.43 ID:1y5iBxas0
それからは一進一退


原村和の空間支配は圧倒的であった


全てが無難に動く


全てが安定している


全てが調和している


能力者の戦いにおいて


勝負が傾かないのは大きなポイントである


誰もが逆転の可能性を秘め


誰もが勝てない可能性を秘める


平こそ

もっとも勝負を乱すのである


105 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/29(水) 17:19:50.39 ID:1y5iBxas0



咲「(くっ…もう限界が近い…原村さんも…次が最後!!)」

和「(どうやら宮永さんも次が最後みたいですね…私も同じですが)」

駆け引き、というには単純すぎるように見える


が


能力者同士の戦いで


お互いが互角に疲弊することは


お互いがお互いを読み合い


常に紙一重の戦いをしてきた証。


お互いが強者である証なのだ。




剛ッ!!!!!!!


一瞬である


一瞬のうちで


早かったのは…



宮永咲!!!!!


106 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/29(水) 17:23:18.25 ID:1y5iBxas0
咲「(決まった…!!!!)」


和「(しまっ…!!!)」




刹那




ガッ!!!!!!!


咲「ッ!!??」


咲の表情が乱れる


同時に


和「(隙!?)そこです!!!!!」


ドガッ!!!!


咲「くっ…は!!!」


ドサッ


久「ん~惜しかったけど、これは和の勝ちね。」





戦いは終わった


僅かな疑問を残しながら




107 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/29(水) 17:23:58.03 ID:1y5iBxas0















咲「(さっきのは…北斗五指烈弾…)」

 「(かなり加減はされてた…けど)」

 「(あの部室の中に…神拳使いが居た…!?)」















108 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/29(水) 17:42:45.24 ID:1y5iBxas0


久「やれやれ、貴方が誘ってきたわりには中々嫌なことするじゃない?」

 「性格悪いわねぇ~」



 「須賀くん?」






京「いえ、そんな事無いですよ」




少年は思い出していた

はるか遠い地で

皆で過ごしていたあの頃を

その時誓った事を







京「柔の北斗との約束です。」

 「北斗の者を集め、北斗を残す為の、ね。」


109 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/29(水) 17:45:30.69 ID:1y5iBxas0

 「北斗は変わってしまいました。」

 「剛の北斗がああなって」

 「残された調和の北斗は忘れようとしていた」







 「それではダメなんです。」