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◆05. 【ヴァンパイア】














ヴァンパイアの設定の元ネタを辿ると、
律法では「血を食べてはならない」と制定しているが、
この真逆の存在として、ヴァンパイアは
血だけを啜って生きる存在」になった。


聖書で天使は光の世界である天界に属する存在であり、
白い衣を着ているが、
この真逆の存在として、ヴァンパイアは堕天使同様、
「闇の世界から出られない黒衣を纏った存在」になった。














聖書ではイエスは「義の太陽」と呼ばれ、
悪魔を滅ぼし、罪人の魂を地獄に引き渡す絶対者となったが、
この真逆の存在として、ヴァンパイアは
太陽に絶対的に弱い存在」になった。



ヨーロッパに伝教して以降、
キリストの象徴として十字架が用いられ、
儀式に聖水が使われるようになったが
この真逆の存在として、ヴァンパイアは
十字架や聖水に弱い」存在となった。

創作物で最上位クラスの聖遺物である
聖杯の力でヴァンパイアを退けられるのも
同様の理由による。












キリストは神の力によって死から蘇り
不老不死となり、白鳩を象徴にしているが、
この真逆の存在として、ヴァンパイアは
「悪魔の力によって死から蘇った不老不死の存在で、
黒い蝙蝠を従えた」存在となった。


旧約聖書でエジプト中の赤子を殺した殺戮の天使は
羊の血で聖別された家にだけは入れなかったが
同様にヴァンパイアはキリスト教徒の家には
「伺いを立てないと入れない」存在となった。














…云々と、要するに『反キリスト』を
象徴化したものがヴァンパイアである。

同じ吸血鬼であってもロシアのウプイリ、インドネシアのスンダル・ボロン、
フィリピンのアスワング、マレーシアのペナンガラン、
南米のチュパカブラなどと違って、キリスト教の産物なのだ。




























しかしキリスト教が存在しない筈の『ロマサガ』世界では
ヴァンパイアの他にも聖杯、ガラハド、ミリアムほか、
キリスト教関連のワードや象徴が至るところに登場する。

このあたりの設定の統一性の無さが
『ロマサガ』が『グイン』と比べて完成度の低いゆえんである。

















































































































































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最終更新:2020年04月11日 08:57