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◆06. 【冥府への旅】
















また別にレント海の島の話をする。

学生時代の栗本薫が1972年から1973年にかけて執筆した
『グイン・サーガ』の数千年後の世界を舞台にした枝編
『トワイライト・サーガ』。
『ロマンシングサガ2』『3』の元ネタ作品でもある。


独立した10本のエピソードからなっているこの話における
第9話が『迷路島』だ。


あらすじを述べると、東方帝国の呪術師から逃れるため、
船に乗ってレント海に乗り出した
主人公ヴァン・カルス。

沖合に出た頃に船員たちが海賊の本性を露にしたため、
ほぼ全員切り捨てたところ、船は針路を失って漂流してしまう。


生き残った老海賊が語るところによると、この船は
呪われた島シムハラへと向かっているという。

シムハラは闇の魔神ドールを祀る人々が住まう孤島であり、
そこには生きて帰ってきた者は1人もいないと言われる
あの世へと続く大迷宮が存在する。
迷宮の深部には人々に畏れられる神トゥールゴルスがいるという。

やがてシムハラに漂着したカルスは迷宮に放り込まれる。
そして光の一片もささぬ迷宮の深部でトゥールゴルスと対峙しバトルになる。
闇の中で彼は、かつて恋焦がれてきたが病死した
ラナ・レイ姫の霊の姿に出会い、やがて迷宮を脱出。
シムハラは崩壊してまた漂流生活に戻る…というものだ。


また、このエピソードの前に控える7番目のエピソード『カナンの試練』。

これは3000年前に死んでしまった王子を生き返らせるべく
はるばるカラクダイ山脈の奥地にある廃都カナンを目指して冒険し、
美女アルミラを生贄に捧げ、黒魔術の祭壇で
封印されたクトゥルー神ラル=ゴルに祈らんとする
魔人サルーと戦うというものだ。
サルーは『トワイライト・サーガ』を通じて最大の敵でもある。






これらの話を元ネタにして作られたのが、『ロマサガ』の冥府下りのエピソードだろう。


ロマサガではガラハドという剣士が
『アイスソード』という氷の力を持つ剣を手に入れる。

氷の剣とは北欧神話の炎の剣レーヴァインあたりの
属性を反転させたものが元ネタと思われ、
ドラクエの『吹雪の剣』などさまざまな作品に登場する。


ガラハドとはアーサー王伝説に登場する
円卓の騎士の1人である。

そのアーサー王は父から受け継いだクラレントという剣を
非常に大事にしていた。
クラレントは「いかなる銀よりも眩い」と言われる光の剣だが
裏切りの騎士モルドレッドがこれを盗み出してアーサー王を殺害してしまう。

ロマサガで主人公がガラハドを殺して
彼が大事にしているアイスソードを盗んでしまうエピソードは
何となくこの話を思わせる。


























































































































































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最終更新:2020年04月11日 10:09