§20 減衰振動

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これまで扱ってきた運動には媒質の影響は無視されてきた。しかし現実には、媒質内で物体の速度を減少させるような抵抗が物体に及ぼされる。運動する物体のエネルギーは散逸してしまう。一般的には運動する物体の加速度は速度と座標だけでは記述することはできないのだ。 もし媒質内の散逸過程を特徴付ける振動数に比べてずっと小さい振動なら、 速度だけに依存する摩擦力が働くとみなして記述することができる。 摩擦力を速度のベキ展開したとき、2次以上の項を無視すると(例えばニュートン流体のようなものか)、摩擦力は <math>f=-\alpha \dot{x}</math> と書ける。<math>\alpha</math>は正の定数である。運動方程式は <math>m\ddot{x}=-kx-\alpha\dot{x}</math> となる。ここで、 <math>\frac{k}{m}=\omega_{0}^{2}, \frac{\alpha}{m}=2\lambda</math> とおくと、 <math>\ddot{x}+2\lambda\dot{x}+\omega_{0}^{2}=0</math> となる。<math>x=e^{rt}</math>とおくと、 <math>r^{2}+2\lambda r+\omega_{0}^{2}=0</math> となり、運動方程式の解は <math>x= c_{1} e^{-\lambda + \sqrt{\lambda^{2}-\omega_{0}^{2}}}+c_{2} e^{-\lambda - \sqrt{\lambda^{2}-\omega_{0}^{2}}}</math>
これまで扱ってきた運動には媒質の影響は無視されてきた。しかし現実には、媒質内で物体の速度を減少させるような抵抗が物体に及ぼされる。運動する物体のエネルギーは散逸してしまう。一般的には運動する物体の加速度は速度と座標だけでは記述することはできないのだ。 もし媒質内の散逸過程を特徴付ける振動数に比べてずっと小さい振動なら、 速度だけに依存する摩擦力が働くとみなして記述することができる。 摩擦力を速度のベキ展開したとき、2次以上の項を無視すると(例えばニュートン流体のようなものか)、摩擦力は <math>f=-\alpha \dot{x}</math> と書ける。<math>\alpha</math>は正の定数である。運動方程式は <math>m\ddot{x}=-kx-\alpha\dot{x}</math> となる。ここで、 <math>\frac{k}{m}=\omega_{0}^{2}, \frac{\alpha}{m}=2\lambda</math> とおくと、 <math>\ddot{x}+2\lambda\dot{x}+\omega_{0}^{2}=0</math> となる。<math>x=e^{rt}</math>とおくと、 <math>r^{2}+2\lambda r+\omega_{0}^{2}=0</math> となり、運動方程式の一般解は <math>x= c_{1} e^{-\lambda + \sqrt{\lambda^{2}-\omega_{0}^{2}}}+c_{2} e^{-\lambda - \sqrt{\lambda^{2}-\omega_{0}^{2}}}</math> である。 <math>\lambda<\omega_{0}</math>のとき、rの二つの値は複素共役なので <math>x=Re\{A\exp{-\lambda t-it\sqrt{\omega{2}_{0}-\lambda^{2}}}\}</math> と表わされる。<math>A</math>は任意の複素定数である。これは <math>x=ae^{-\lambda t}\cos(\omega t+\alpha),{ }\omega=\sqrt{\omega_{0}^{2}-\lambda^{2}}</math> とも書ける。これはいわゆる減衰振動である。 <math>\lambda<\omega_{0}</math>ならば、

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