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「HAHAHA! 面白いなぁ、同士ライよ!」
「ええ、そうですね」
 やたらとテンションの高いジェレミアにライは適当な相槌をうつ。
「イレブンの作ったアニメは完成度が高いな、いや、この分野に置いては日本という名を冠してもいいかもしれん。
 ジャパニメーションとはよくいったものだ!」
 彼の上機嫌の理由、それはライの持ってきた映像にあった。
 やたらめったらイレブンを敵視するジェレミアに日本に対する好印象をもってもらうにはどうするか。
 それを生徒会メンバーに相談した結果、日本の長所である『アニメや漫画』といったサブカルチャーがいい、という結論になった訳だ。
「おお! 三機の戦闘機が合体してKMFになったぞ!」
「ジェレミア卿、それはKMFではなくてゲッ○ー1です」
 ライはとりあえず興奮気味のジェレミアに説明するが彼は全く聞いていない。
「ほぅ、トマホークか……今度ロイド伯爵に作って貰うか」
 振動トマホークとかを嬉々として造るロイドの様子がライの目に浮かんだ。
「分離してまた合体!? 今度ドリルだと!?」
 食い入るように画面を見ているジェレミアを見ているとライは少し微笑んだ。
 純粋で、子供の様に真っ直ぐな彼。
 だからこそ彼には『イレブン』を『イレブン』としてでなく『日本人』として見てほしい。
 この映像が少しでもそのきっかけとなればいいな、とそんなことを考えながらライはジェレミアの机に溜まっている書類の山を片付ける事にした。


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最終更新:2009年07月31日 00:22
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