「おはこんばんちわー! 黒の騎士団・零番隊隊長、紅月カレンでーす!」
「お、おは……? ええと、同じく作戦補佐のライです」
「『ライとカレンのラジオ☆クロキシ!』始まりましたっ! 全国のアンダーグラウンドラジオリスナー聞いてるー!?」
「こ、この番組は入団希望者の増加を目指し、僕達が黒の騎士団の魅力や活動を面白おかしく宣伝していくラジオ番組です……え、なにこれ」
「じゃあまずは簡単な自己紹介から。私、紅月カレンは零番隊の隊長です。零番隊っていうのはゼロの親衛隊みたいなものかな」
「実質、エース的な役割だよね」
「そうね。使用ナイトメアは紅蓮弐式。初の純日本製ナイトメアよ! 赤い色が目印だから、日本人のみんなもゲットーで見かけたら手を振ってね!」
「手を振ってどうするんだ」
「ふふん、ライ。紅蓮は器用だから手を振り返すファンサービスもできるのよ? ――こんな感じで」
「ねぇ今右腕上げたよね!? そっち輻射波動だよ怖っ!」
「黒の騎士団で紅蓮と握手!」
「死ねと!?」
「じゃあ本日の一曲目、ゼロで『正義の味方~黒の騎士団のテーマ~』」
「あれ? 僕の紹介は――ってゼロも何歌ってるんだーっ!」
『正義の味方~黒の騎士団のテーマ~』 作詞・作曲 桃色ぷにぷに
黒き炎を身に纏い 命を賭して戦う戦士
奇跡と運命(さだめ)を与えられた そう我々は黒の騎士団(※)
世界が力におびやかされる 日本が名前を変えられる
飢餓や(貧困!) 支配や(差別!) 力と力の弱肉(強食!)
許さない 許せない
絶望乗り越え その先の 輝く勝利を手に入れろ
Sight!(サイッ!) ブリタニアの悪事 見逃すな
Fight!(ファイッ!) ブリタニアの脅威 打ちくだけ
Knight!(ナイッ!) ブリタニアの支配 終わらせろ
黒き刃に全てを託し 死を覚悟して戦う戦士
(※)くり返し
「改めまして、紅月カレンです」
「……ライです。っていうか今の……その……」
「黒の騎士団に入ると、毎朝日本国旗を見上げてこれを歌います」
「何言ってるんだ!? っていうか減るだろう入団希望者!」
「あ、さっそくリスナーからFAXで反応がきてるわね」
「きょうびFAXって……。――そういえば今気づいたけどこれ生放送なのか。なら最初の挨拶で全時間向けにした意味は……」
「基本生放送だけど、地域によってはラジオを聞くのもままならない所もあるから、録音で聞く人のためにね」
「なんだ、その急な生々しい設定」
「はい、じゃあFAX読むわよ。シズオカゲットーにお住まいの、クロキシネーム、木下さんから」
「ほお、シズオカゲットーから」
「『ブリタニア軍だ助けて』」
「緊急事態!? というかラジオ聞いてる場合か!」
「こんな時、黒の騎士団に入っていたら援軍が来てくれるわけです」
「助けに行かないの!?」
「あ……ここでニュースをお伝えします。シズオカゲットーのレジスタンス組織のうち、《木下グループ》がたった今壊滅しました」
「木下ぁーっ!」
「続きましてヨコハマにお住まいの、クロキシネーム、双葉さんから。『ライさんカレンさん初めまして。トークがとても楽しく、これから毎週聞こうと思います。ところで、騎士団のお二人は休日はどのように過ごしているんでしょう。やっぱり休みとかは無いんですか?』」
「普通だ……打って変わって、ふつおたが来た……!」
「黒の騎士団だって休みはあるわよ」
「ま、まあ……団員の士気にも関わるから……不定期なのはしょうがないけど」
「今度、団結式もやるのよね。ライが幹事で」
「ん……?」
「慰安旅行形式の宴会でね。やっぱり行くとしたら温泉旅館かしら」
「――って待ってくれカレンそれは危ないフラグがたっている気がするっ!」
「混浴フラグねドンと来い! ――あっ、そろそろ時間。また来週も聞いてね」
「また急だな。ああ……でも来週はもう解散してるかも……」
「お相手は紅月カレンと!」
「ライでした……もう疲れた」
最終更新:2009年09月25日 19:50