043-085 反逆裁判~初めての反逆~ @羽付き羊



とあるマンションの一室で1人の女性が頭から血を流して横たわっている。
「くそ…何で私がこんな目に…」
そう言っている男の手にはチーズ君の置物を持っている、血まみれでそれが犯行に行われた凶器という事を物語っている。
「捕まりたくない…どうすれば…」
パニックを起こしそうだった頭に先程ここを訪れようとした男を思い出していた。
「そうだ…アイツのせいにするんだ、アイツのせいに…」
自分の罪を逃れる事ができる可能性が出てきた男は笑い始めた。
「くはははは…ははははは!」
狂気に満ちた悪魔の笑顔で…

8月3日 午前09:47
地方裁判所 被告人第2控え室

(うう~キンチョウするな~)
「お前もよくやるよなぁ~初めての弁護が殺人事件なんてな。」
僕の師匠のノネットさん言うように初めての弁護が殺人事件なんて正直嫌だった、しかしそうは言ってられない、何故なら…
「ライ~、オレ、アイツがいない人生なんて死んだ方がマシだ~。俺を有罪に、いや死刑にしてくれ!」
(無茶言うなよな…)
「アイツを殺したのは誰なんだ!?教えてくれよ、ライー」
(新聞にはお前って書いてあるんだけど…)
そう僕が初めての裁判をこの殺人事件にした理由はコイツ、リヴァルだ。殺人事件の犯人にされているコイツを救うために僕はココにいる。
コイツは色々バカな事はしていて“事件の影にヤッパリヴァル”なんて言われているが殺人なんてする奴じゃない、しかも自分が好きな人間を殺すなんて彼が物語の主人公になるくらいありえないのだ。
「おい!いくらなんでもそれは失礼だろ!?」
だからこそ僕はコイツの無罪を勝ち取らなければならないのだ!
「…無視かよ!もういい、死んでやる~」
「うるっさい!法廷の準備できるまで寝てろ!」
「ぐぎゃ」
…ノネットさん、被告人にボディブローは止めてくださいよ…
「だってコイツうるさいからな、もう聞くこと聞いたし裁判まで寝かした方が楽だろ?」
そうですけど…まぁいっか。
肝心なのは今日コイツの無実を証明する事なんだから…
あっ紹介が遅れたね。僕の名前はライ。3か月前から弁護士になりエニアグラム法律事務所で働いている新米弁護士だ。
今日は記念すべき初めての法廷に立つのだが…
なんというか初めての裁判が殺人事件で、しかもほぼ有罪確定の裁判の弁護をするのは敗北記念にピッタリな気がするんだけどね…
その事件の内容は至ってシンプル、マンションの一室で若い女性が殺された。捕まったのは不運にも彼女と付き合っていた男、リヴァル・カルデモンド。
一応、小学校からの親友というか悪友というかまぁそんな感じの付き合いだ。…さてコイツはさっきも言ったけど犯罪に手を染めるようじゃない、ただひたすらに運が悪い(ついでに女性運も)
ただ一つ言える事は今コイツは無実の罪を被せられようとしている。それを救うのが弁護士ってヤツだと僕は思っている。…そうアイツがそうだったように…
僕はコイツを救う、僕の弁護士人生にかけて!
「まだ始まってもないものをかけるなよ…」
ノネットさんそれは言わないでくださいよ…


8月3日 午前10時
地方裁判所 第2法廷

ざわざわざわ…
僕はどうも初めての裁判という事で僕は色々緊張しているらしい。何故なら裁判長の席に仮面を被った人物がいるという幻覚をみているからだ。
「またジェレミア裁判長仮面被ってるよ…あの人いつもあれだな…」
ええ!?僕の幻覚じゃなかったんですか?
「ん?まぁ近年犯罪の増加に伴い優秀な人材を裁判員にしたりして性格やら趣味やらは無視だったからな~」
…これでいいのかな?この国の将来は色々心配になってきましたよ…
「まぁ、あの人はあの人なりの真実ってやつを求めてんじゃないか?」
「おはようございました」
「…たぶん」
たぶんって…
「それではリヴァル=カルデモンドの法廷を開廷したいと思うが、検察側、弁護側準備は整っているのか?」
というのを聞いてやることはやりそうだなあと思いますよ、ノネットさん。
「そうだろ?」
「え~検察側準備完了です」
む、検事が何か言ってますよ?
何か冴えない人ですね、あの人なら勝てそうな気がしますよ。
「アイツは扇検事!」
知ってる人ですかノネットさん?
「久しぶりだなノネット弁護士」
久しぶりとか言ってますよ?
「いや…噂だけしか聞いた事はないが、ずいぶん汚い噂しか聞かないぞ例えば…」
じゃあ何で久しぶりって言ってるんですかね?…例えば何ですか?
「記憶喪失の女の面倒をみたからといった理由であんな事やこんな事をしたり、このスレには書けないような事を毎晩したらしいぞ。」
「ちょっと…」
許せませんね!
「さらに自分が目立ちたいからと言って上司を裏切って今の地位にいるというヤツらしい…」
「おいってば」
絶対に許せませんね!
「さらにさらに今では記憶喪失の女は身ごもっているのだ!」
有罪にいや強姦罪で裁きましょう!裁判長もそう思うでしょう?
「死刑だな、絞首刑。」
「双方の同意があってしてるんだ!!!!結婚してるし、愛し合ってるんだからいいだろ!?」
顔真っ赤ですね…あの人冗談通じないんでしょうか?
「まったく空気読めん奴だな、色々な意味で終わってる。」
「全くだ…大体本当にそうなら今ココにいないだろうというのが分からんのか?」
「…アンタ等全員名誉棄損で起訴するぞ!」
裁判長、弁護側準備完了しています。
「では始めようか」
「………」

(睨んでるよ…こっち見ないでほしいね全く。)
「っごほん、え~弁護人は今回初めての法廷だと聞いたのだが間違いはないか?」
はい、その通りですが…
「依頼人が有罪になるか無罪になるかはお前次第だという事を肝に銘じておけ。」
もちろんです。
「じゃあ初めてという事だから手始めに被告人の名前を教えてもらおうか?」
よし、それならちゃんと調書を読んだから分かるぞ…
被告人は…
…ひ、被告人は…
ありゃりゃりゃ?
ってヤバっ、ど忘れしちゃった…
「ら、ら、ら、ライ、お前ってやつは…」
すいません、色々インパクト強すぎちゃって混乱したみたいです…
でもそんな痛い子をみる様な眼で僕を見ないで下さいよ…
「事件の事は法廷記録、法廷記録はRボタンでいつでも呼び出せるから、それで確認しとけ」
ノネットさんRボタンって何ですか?
「ああ、ここはアドバンスとかDSとかじゃなかったな~スマン、スマン、ボケていたみたいだ。普通に机の上にあるから見とけ。」
了解しました。ええ~と、あった、あった。

被告人の名前は“リヴァル・カルデモンド”時々ラジオネームで“リカルデント”と呼ばれたりします。
「何で知ってんだよ!」
ははは、毎週反逆の山○DXを聞いていたから当然だよ。もはや中毒リスナーさ、
高槻えじゃないか~♪そじゃないか~♪ってね
「…それは引いたぞ?ライ…」
そんな眼で見るなよリヴァル…
「…ほ、ほう~リカルデントとはずいぶん歯に優しい名前だ。よろしい次は被害者の名前を」
(裁判長も少し引いてるし…)被害者の名前はC.C。というかこの人の本名が法廷記録にも残っていないんですが…
「それは大人の事情というものだ。よろしい次に被害者の死因は?」
死亡推定時刻は16:00~17:00までの間で、死因は鈍器で1発ガツンとやられていますね「よろしい…ところで扇検事?今の弁護人の発言の通り凶器は何だ?」
「凶器はこの《チーズ君》の置物です、死体のそばに転がっておりました。」
「証拠品として提出してくれ」
○チーズ君の置物
とあるピザ屋のマスコット《チーズ君》の形をした置物。
かなり重いし色までしっかり付いているかなり精巧。

「とまあ、こんな風に審理が続いていくと証拠品が増えるんだ。それはお前の武器になるからよく覚えておけよ?」
はい、ノネットさん。
この辺で法廷記録をまとめておくか…
○C.C.の解剖記録
死亡時刻は、7月31日
午後4時以降5時まで。
鈍器による一撃で失血死。(記録自体は8月1日に判明している)

なるほど…まぁ、これだけじゃあ証拠は不十分ですね…
「それは私以外の検事にあたった場合だ…君の依頼人はもう有罪を待つだけなんだよ、くははは!」
…僕は信じる、僕の依頼人は絶対に無実だ、それだけは誰にも譲れない!
「ふふ…その強がりが何時まで持つの…「さっさと被告人を呼べよ、この会話は時間の無駄だ」ぐぬぬぬ…ノネット弁護士!」
「早く呼べ、この犯罪者!」
「そうだ、このジェレミアからも要請する速やかに呼んでまいれ、この犯罪者!」
何で2人とも煽ってるんだ?
「「私もまだ結婚していないというのに…」」
…嫉妬かな?
「俺は犯罪者ではない!何度言ったら分かるんだ!」
「「まだ2回目だ、とっとと呼んで来い!」」
…この2人仲良いな~
「ぐぬぬぬぬにぃねぇぇ…」
あ~あ、あんなに歯ぎしり立てて大丈夫かな?
「お前ら3人まとめてこの裁判終わったら起訴してやるぅぅぅ!」
えっ?僕も入ってるの?

そうこうしてる内にリヴァルは証言台に立っちゃってるし…
「君は被害者に最近フラれたそうだね?」
普通に聞き始めたよ、あの極悪検事さん。
「んだと?今世紀最高のカップルに向かって何て事を言うんだ!」
リヴァル。お前に彼女できたなんて誰も知らなかったんだぞ?
「本当だって、ただ最近はこっちから連絡いれても出なくてさ…」
「それを“フラれた”て呼ぶんです。実際彼女は君にあまり会っていないし殺害される前の日も海外旅行から帰ってきたばかりだったんだ。」
「な、なんだって…」
「裁判長。被害者のパスポートです。亡くなる前日までニューヨークにいたようです。」
○パスポート
事件前日7月30日にニューヨークから帰国してきたらしい。
チーズの臭いが半端ないパスポート。何故こんなに臭いが?

「彼女はニートで収入がありませんが彼女には“下僕”がたくさんいたようです」
「げ、下僕?」
「彼女に貢ぐ男たちの事を彼女はそう呼んでたらしいです。」
な、なんて女だ…まるで魔女だな…
「何だって?」
リヴァルの眼を今日は見る事ができそうにないな、可哀想すぎる…
「嘘だ!俺はアイツに罵倒されたり、“童貞坊や”とか“サブキャラ”とか“忍者に生まれ代われ”とか言われてきたけど…」
その時点で付き合ってるのがすごいよ…
「俺が“ピザ”を作った時は『お前のピザはなかなかだな』って言って食べてくれたんだ!…俺の金で」
それはカモられているというのでは?
「…被害者のC.C.はそういう人間だったって事だ。君は彼女についてどう思うかな?」
「ちぃ…狡い手を使いやがって、ライ、この質問に答えさせたらややこしい事になるぞ?」
そうですね…リヴァルのヤツはたぶんこう言いますね
「「死んでやる…もう、死んでやる!天国でアイツを問い詰めるんだ!」」ってぐらいに言うんじゃないで…もう言っちゃいましたね
「もうダメかもな…」
「…では、審理を続けようか。」
裁判長…あっちに傾いてきてるよ…
「まぁ被告の動機は分かってもらえたと思います。」
「…うむ」
とほほほ…
「それと事件当日君は彼女の部屋に行っているね?」
「行ったよ?だから何?」
ざわざわざわ…
「静粛に!」
何で木槌じゃなくて仮面で叩いてるんですか?
「さぁ?気分じゃないのか?ときどきはちゃんと木槌だしな」
そんなんでいいんですか?この国ヤバいかもしれませんね…

「それで?貴公は?」
「ただ留守で会えなかったんだよ…結局…」
“異議ぁりぃ”
(何かイマイチ迫力にかけるな…)
「裁判長。彼は嘘をついております。我々には今のウソを立証する証人がいます。死体の発見者です死体を発見する直前に殺人現場から出てくる被告人を目撃しているのです!」
ざわざわざわ…
「静粛に!静粛に!今すぐその証人を呼んでまいれ!」
「はい。現場の第一発見者のバドレー・アスプリウスさんを入廷させて下さい。」
何だ?…どっからどうみてもあっちの人の方が怪しくないか?クネクネしすぎだし何より明らかにヅラ!何を考えてるんだ?いくらなんでもヅラが波平さんVer.はおかしいだろ!
「アナタが宗教団体“嚮団”の勧誘のバドレーさん?」
「は、はいさようでございますよ。」
「では、さっそく証言を言ってもらおうかね?」
な、何故誰も突っ込まないんだ?明らかにヅラだよ!上下10㎝以上髪が浮き沈みしてたら誰だってわかるだろう?
…もういいや、見なかったことにしよう…

<証言開始>
~事件の当日目撃したこと~
勧誘していたらとある部屋から男がでてきたんです。何か慌てていてドアを半開きにしたまま部屋を出て行きました。
おかしいと思って、ちょっと部屋を覗き込んでみたんですよ。
そしたら女の人が死んでいてね…それを見て私は恥ずかしながら腰を抜かしてしまいまして部屋に入れなかったんです。
私はすぐに警察に連絡を取ろうと思ったんですが…
彼女の部屋は電話が通じなくて近くの公衆電話から連絡したというわけです。
時間ははっきり覚えています午後2時でした。逃げた男は間違いなく被告の人です。

「なるほどな…」
(何か少し引っかかるワードがあったな…まさか本当にこの人が?)
「ところで何故現場の電話が通じなかったのだ?」
「現場はその時間は停電中でした。電話は停電中でも通じるんですが種類によっては子機は使えないんです。」
「つまり…現場はそのタイプの子機だったということだな…」
「はい、一応証拠品として提出します。」
○停電記録
事件当日の午後1時から6時頃まで、現場のマンションは停電だった。
因みにマンション名は“アーカシャの剣”らしい。

「では弁護人、“尋問”を」
じ、“尋問”ですか?
「ライ、こっからが本番だぞ。」
…あの尋問ってどうすればいいんですか?
「今の証言の“ウソ”を暴くんだ、もちろんな…」
つまり僕の依頼人が無実ならウソをついているのはあっちの方ということですね?でもどうやって?
「鍵を握ってるのは“証拠品”だ。“証言”と“証拠品のデータ”の間に決定的な食い違いすなわち“ムジュン”があるはずだ。それを突きつけろ!」
了解です。あの部分ですね…

<尋問開始>
~事件当日目撃したこと~
バドレーさん、アナタは死体を発見したのは“2時”で間違いはありませんか?
「ええ、2時ですよ。それがどうしたんですか?」
それはおかしいですね…扇検事も分かるでしょ?
「ん?何がおかしいんだ?」
(あの顔は本当に分かってないな?どんだけ~)
解剖記録のデータと明らかにムジュンしてるんですよ。被害者の死んだのは“午後4時より後”なんです。2時に死体を発見するのは絶対に不可能なんですよ。
どうして2時間もズレてるんでかね?
「……!それは…あの、」
(油汗まみれだな…やはりアイツがリヴァルを…)
“異議ぁりぃ”
「それは、些細なことですよ。単なる記憶違いでして…」
「私にはそうは思えんな、バドレー、どうして死体発見したのが2時だと?」
「…ええと、その、何というか…」
「見事なツッコミだぞ、ライ!そうやってムジュンをどんどん指摘していけばいいんだ。ウソは必ず次のウソを生み出すはずだ。そのウソをまた見抜いて、アイツを追い詰めろ!」
リヴァル、お前の無実を証明してやるからな…待ってろよ
「…あっ!そうそう、思い出しました!」
「ならもう一度“証言”してもらおうか?」
<証言開始>
~死体を発見した時間について~
死体を見つけた時、時間が聞こえてきたんです。あの音、時報みたいな感じでした、たぶんテレビだったかと。
でも、時報にしては2時間もズレがあったんですから被害者の方はビデオをみていたんじゃないですか?
それを聞いて勘違いしたのでしょね…どうもご迷惑をおかけしました…
「では弁護人、“尋問を”」
<尋問開始>
バドレーさん、テレビの音があの時聞こえたんですか?
「ええ、そうだと思います。」
また勘違いをしておられますね、そもそもマンションは“停電中”だったはずですよ?
証拠品の停電記録がそれを証明しています
「…?」
あの日は電化製品が使えるワケないって事ですよ!
「んにゃ!?」
今、一瞬ヅラが宙を舞ったぞ?
「バドレーよ、最初からちゃんとした証言をなぜ言わぬ?」
「ええと、何分死体をみたショックから気が動転したみたいで…すいません。」
いや、やつは絶対に何かを隠している。そうじゃなければここまでムジュンが続くはずがないんだ。
「…次からは真実だけを話せ、そうでなければお前を信じる事はできなくなるぞ…」
「は、はい…」

<証言開始>
~時間を聞いたことにつき~
「やっぱり、“見た”んじゃなくて“聞いた”んでした。現場には時計があったじゃないですか。ほら犯人が使った凶器のあれです…」
“待った!!”
ちょっと待ってくださいよ。“凶器”はこの通り置物ですよ?このどこが時計なんですか?
「ハンゲぅぃっぁ!!」
(今、完全にズラが宙を舞ったな…)
「何ですか…さっきから偉そうにベラベラ喋って、あれは時計なんですよぉ。間違いなく…」
「裁判長、ちょっとよろしいでしょうか?」
「何だね?扇検事」
「この置物は、証人の言うとおり実は置き時計なんですよ。首がスイッチになって時間をアナウンスするタイプです。時計には見えないんで<置物>として提出したんです。」
「なるほどな…ライよ、これでもう問題点はないか?」
問題だらけですよ…この証言こそがバドレーさんが真犯人だったという決定的な証拠です!
「「「何!?」」」
その置物が時計だということは実際に手をとってみないと分からない…しかし証人は“部屋には入っていない”と証言しているんです。これは明らかにムジュンしている!
「なるほど…」
なぜこれを証人が知っているか、それは事件当日、部屋に入ったからだ!
「な、なんだって、し、知らないぞ私は…」
アナタが殴ったんだろ?これで被害者を!彼女を殴った時にこの時計が鳴った、アナタはその音を聞いたんだ!
ざわざわざわ…
「静粛に!…おもしろいな…続けろ」
バドレーさん、アナタはかなり驚いたんでしょうね…だって被害者を殴った瞬間、置物が急に喋りだしたんですからね…
その声が強烈に印象に残った…だからアナタはその時計だけをはっきり覚えていたんだ。その時間と一緒にね…
“異議ぁりぃ”
「な、な、な、何を言ってるんだ君は?そんないい加減な事を言わないでくれ!」
いい加減?…僕の推理がいい加減ではない事は証人の顔とズラを見たら一目了然ですよ。
「ぬぐぐぐぐぐ…」
ズラが宙に浮いてるってどんな原理なんだよ…
「どうなんだ?証人?」
「私が聞いたのは…いや見たのは…うぐぐ…ぬぉぉ!」
ペチャ
ズラをコッチに投げないで下さい…いやマジで…
「るっせんだよ!細けぇ事を愚だ愚だ言いやがって、アイツが犯人なんだよ!さっさと有罪を食らわしやがれ!死刑だ!ぶっ殺せ!」
ざわざわざわ…
「静粛に!静粛に!」
「裁判長、今の弁護人には何の根拠もありませんよ!?」
「ライ、証人が聞いたという時報がこの時計だったという証拠はあるのか?」
そんなのは簡単な事ですよ、この場で時計を鳴らせばいいんですからね。裁判長、その時計をお貸しください。

いいですか。…よ~く聞いてください。ポチっとな。
《マルゲリータ!9時25分だチーズよ。朝食にはピザだよね?》
「な、何というか…変なアナウンスをする時計だな…」
…まぁ、チーズ君ですからね(こんなキャラ設定だったのか、チーズ君…)
「で、これがどうかしたのか?」
扇検事、今の本当の時間は何時ですか?
「11時25分……ぬあっ!!」
2時間、遅れているんですよ。この置時計はね…そう殺人現場で、バドレーさんが…いや真犯人が聞いた時刻と同じく、ね。
さぁどうですか?言い逃れできますか?
「…へ…っへ、っへ!!アンタ、1つ見逃してるよ!」
(?何がだ?)
「その時計が、事件当日にも遅れていたかどうか。その証拠はあるのか?」
(く…そんな事どうやっても証明できないぞ…クソッ!あと一歩だったのに…)
「ライ、貴様はそれを証明できぬのか?」
……
「ならばこれでバドレーの尋問を終わらせなければならないな…」
「へっ!ヒトがわざわざ証言しに来たっていうのに、犯人よばわりかよ!全く弁護士ってのはクズ野郎だな!」
(クソっ!…ハゲめ!…すまない、リヴァル…もう少しだったのに…僕にはもうどうしよもない…)
“待った!!”
「ちょっと待て、バドレー・アスプリウス!」
の、ノネットさん…
「ライ、ここであきらめたらダメだ…考えろ!」
でもどうしたら?事件があった日に、時計が遅れていたなんて分かるわけが
「そうだな…ならいっそのこと発想を逆…ゴホン、発想に反逆するんだ!」
ノネットさん、今少し間違えましたね?これ一応は反逆裁判なんで、その辺よろしくお願いしますよ?
「う~む、本家の方のセリフは全部入ってるんだがな~、しかも次回は私は死ぬし…」
まぁ、その辺は何とかなるかもしれませんから、指で机に“の”の字を書かないで、ね?
「もう台本貰ったもん、私どうせ死ぬもん…」
大丈夫ですよ、その代わり人気は鰻上りですし逆にそっちからの活躍はミツル…ごほん、ルルーシュより活躍しますから、ね?
「出番減らない?」
ええ!
「人気出る?」
もちろん!
「ならいいや、では気を取り直して…発想に反逆するんだ、何故“時計が事件当日に2時間遅れていたか”ではなく、そもそも何故あの時計が“2時間も遅れていたのか”とその理由を考えてみるんだ!」
…!
「分かるか?」
はい!それなら分かります、この証拠品ですよね?
「どうなんだ、ライ、何故事件当日、2時間時計が遅れていたのか証明できるのか?」
…もちろんですよ
「できるもんならやってみろ!」
お前のそのふざけた感じもこれまでだ、だが…いい加減ズラを元に戻したらどうなんだ?
そう…本編までにな!
…続けばいいのに…

“待った!!”
「俺の出番はないままなのか?こんな服まで着てスタンバッてたんだぞ?」
ないっぽいね。まぁその赤い服が似合っているから、いいんじゃないか、ルルーシュ?
「ぶぅはははははは!!私など次回作があっても出番がないんだぞ?」
仕方ないじゃん、そこまで行くと面倒なんだってば…
「私に至っては、シリーズ通して自分が役に立つシーンがあまりない。ずっとライと一緒にいれるから十分だけど…」
まぁアーニャは原作に共通点があるしね…(乗り移られただけだけど…)
「何よ、私なんか次回のシリーズの鞭持った検事役なのよ?しかも縦巻きロールの娘役なのよ?冗談じゃないわよ!」
そのツンデレ加減で選ばれたんだよ…カレン(ほとんどツンのところね)
「仮面の検事役は私か?このビスマルクでいいのか?そうなのかライ?」
…さぁ?因みに3までしか僕ネタ知りませんよ?
さて楽しんでくれました?この物語が続くにしろ終わるにしろ僕が主人公には変わりありません。今後ともロスカラをライをお願いします。
“異議あり!!”
「「「「「まだ話は終わってない!」」」」」
却下です。その異議は認められません。
“待った!!”
「ちょっと待て、私は殺されたままなのか?」
…で、ではまたの機会に、さようなら~
「待て話は終わって…」

GAME OVER
→to be continued?


最終更新:2009年09月28日 23:32
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