043-330 ゲームセンターに行こう

たまにしか取れない休日を部屋でのんびり過ごそうと思っていたある日のこと。
「ライ、ゲームセンターに行くぞ」
「ゲームセンター?」
「そうだゲームセンターだ」
「何故僕がC.C.と一緒にゲームセンターに行かなければならないんだ?」
「どうしても手に入れたい物があるんだが私では無理だ。だからお前が必要なんだ。ちなみにお前に拒否権は無いぞ」
正直あまり気が進まないのだが、行かないという選択肢は存在しないようなので素直に従うことにした。
そして僕達二人は道中何事もなくゲームセンターに到着する。
「それで、どうしても手に入れたい物って何だ?」
「チーズ君だ」
「チーズ君?それなら沢山持っているじゃないか」
「私が欲しいのはあそこのクレーンゲームの中に一体しか入ってない激辛ハバネロ唐辛子味ピザの赤チーズ君だ」
そんなピザ誰が食べるんだ・・・それに何故ピザ屋のキャラクターのぬいぐるみがクレーンゲームになっているのか。
「こういうものはルルーシュに頼んだほうがいいんじゃないのか?」
「ルルーシュにも先日やらせたがあいつはこのクレーンゲームはアームの力が弱い、こんなものいくらやっても取れるわけがないと言って不機嫌そうに帰っていったぞ」
いかにもルルーシュらしいな。
「アームの力が弱いなら誰がやっても結果は同じじゃないか?」
「何とかしろ。お前にはバトレーから与えられたありとあらゆるゲームセンターの知識があるはずだ」
「何だそのムチャクチャな設定は!」
とりあえず僕はクレーンゲームをやってみることにした。アームの力が弱いなら頭に付いているヒモの部分を引っかけて取る方法しかない。
「よし、うまく引っかかった」
僕は赤チーズ君を一発で取ることに成功した。
「よくやったぞライ」
半ば強引に連れてこられたゲームセンターだったが、C.C.が嬉しそうにしているのを見るとたまにはこういうのも悪くないかなと思う。それと一応バトレーにも感謝しておく。

「せっかく来たんだしほかのゲームもやっていくか」
「私は構わんが何をやるんだ?」
「このゲームはどうだろう?」
新機動兵器ナイトメア
白の騎士団VS鰤谷亜
「何だこのゲームは。プレイヤーキャラが弱そうな仮面男と生意気そうな体力バカ男しかいないぞ。こんなゲームやめておけ」
「だが、あるコマンドを入力すると隠しキャラの銀髪男が登場するらしい」
「ほう、ならやってみろ」
「↑↑↓↓←→←→で最後にボタンプッシュ」
僕はどこかで聞いたことのあるようなコマンドを入力した。ゲーム画面に銀髪のロイという名前のキャラが追加される。
「この隠しキャラは両方のルートで使えるらしいな」
「ならあの仮面男がやられるのが見たい。鰤谷亜ルートでやれ」
僕はC.C.の言う通りに鰤谷亜ルートを選ぶ。
ゲームスタート
「ロイ、今回の任務は白の騎士団のリーダー、セロ機撃墜だ。準備はいいね?」
味方キャラの体力バカ男スザキが説明する。
「敵のナイトメアが来たよ!」
「セロの所には行かせないぜ!」
「玉本、前に出過ぎだぞ」
出てきたのはザコ敵の二人、小木と玉本だ。
「そこをどくんだ!」
スザキがスラッシュハーケンで攻撃する。
「チクショー」
玉本機はスザキ機のスラッシュハーケンの直撃で戦闘不能になった。僕は残りの小木機を狙う。
「何だこの動きは?」
僕は素早く小木機の死角に回り込みライフルを撃つ。
「うわああっ」
小木機を撃墜。ザコ敵とはいえ弱すぎるように感じたのは気のせいか。

「ロイ、この先にセロがいる筈だよ」
スザキ機はどんどん先に進んでいく。
「出たな黒兜」
「セロは私が守る!」
ラスボスはセロと白の騎士団のエース青月エレンだ。
「ぬおおおおお、セロおおおお、貴様はこの私、オレンジ・ゴットバルトが倒すんだあ!」
突然イベントムービーが流れ、一機のナイトメアが出てきた。きっとこのキャラはやられ役に違いない。
「あんたの相手をしている暇はないの!」
エレン機の右手がオレンジ機を捕らえる。
「ぐうっ何だこの攻撃は」
「これでもう逃げられない」
「ま、まだ私は・・セロに・・・」
「さよなら」
「オハヨウゴザイマシタ」
エレン機のシャイニング波動によってオレンジは散った。
「ロイ、僕はもう一体のほうと戦う。セロは君が倒すんだ」
スザキはエレン機に突っ込んでいった。
「おのれ黒兜、私は奇跡を呼ぶ男セロだ。戦略が戦術に負けるなどありえないんだ!」
セロ機がハンドガンを乱射してくる。僕はそれをあっさりとかわし近づいていく。ちなみにスザキ機は一方的にボコられていた。
「何故だ、何故攻撃があたらん!」
僕はセロ機の攻撃を回避し続け、懐に入りソードを突き刺した。
「うおおおおお」
「セロ機撃墜、ゲームクリアです。得点は1億万点、ランクはSです」
ナレーションがわけのわからないスコアを告げてゲームは終了した。

「ランキングが2位に大差をつけた1位とは流石だなライ」
「何か明らかにラスボスが弱くなかったか?」
「そういう設定なんだろう。こんな仮面男が強いとは思えん」
ゲームの中のキャラとはいえひどい言われようだな。
「そろそろ帰ろうか」
「そうだな。夕食はピザを注文しろ。」
「注文してもいいが一枚までだぞ」
「ケチだな、騎士団の給料はそんなに少ないのか」
「失礼なことを言うな。そんなにピザを何枚も食べ続けていたらすぐに太るぞ。」
「余計なお世話だ」
こうしてライの休日は終わった。後日バトレーの元にはライからワカメと安物の発毛剤が送られたという。


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最終更新:2009年10月24日 22:10
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