043-597 年の初めの出来事 @名無し

「ねぇねぇ、ライ。日本って言う国は、新年を盛大に祝うって伝統があるらしいんだけど知ってた?」
ミレイさんが笑いながらそう言ってきた。
どうやらスザクが学園に来てからというもの、日本の伝統や文化に興味を持ったらしい。
そういえば、この前も日本の文化関係の本を読んでたっけ。
でも、あの手の本は発禁のはずなんだけど、どこから手に入れてくるのだろう。
そんなことを思いつつ、答える。
「そうなんですか。知らなかったなぁ……」
まぁ、記憶がないのだから当然の答えだったんだけど、そんな僕の反応を見て、一瞬だがミレイさんの表情が変わった気がした。
なぜ、そう思ったのかというと、ほんの一瞬ではあるが小悪魔のような微笑が見えたように思えたからだ。
そんなことを思ったものの、気にしないことにした。
いくら言っても無駄だと学習したためかもしれない。
それに、そんな部分や少々強引な性格を含めて、僕はミレイさんに好意を抱いているのだから。
「そういえば、ライは日本人の血も引いているのよね」
思い出したような言葉に僕はうなづく。
「ええ。ミレイさんが調べてくれたじゃないですか」
「うんうん。そうだった、そうだった」
確認するかのようなその声に、また僕の中で引っ掛かりを覚える。
だが、何が引っかかるのかわからない。
少し考えたほうがいいのかもしれない。
そう思ったものの、ミレイさんの言葉がそれをさせてはくれなかった。
「だったら、少しは日本の文化とか伝統を知っておくべきだと思わない?」
両肩をつかまれ、ずいっと言い寄って来られてしまい、僕は無用心にうなづいてしまう。
もちろん、勢いとかだけではない。
それ以上に僕の意識が別の部分に集中してしまい、不覚にも言われるままになってしまったのだ。
そう。その部分とは……。
ミレイさんのどう考えても規格外としか言いようのない豊満な胸の膨らみが、僕の胸に当たっているのだ。
確かに近いとはいえ、これぐらいで胸が当たるのはミレイさんぐらいではないだろうか。
後は……カレンぐらいか……。
だが、その場合、ここまで柔らかさがわかるほどではないだろう。
そう言う訳で、思考が完全にそっち方向に走ってしまい、その後のミレイさんの会話を聞きそびれてしまった。
だが、気にもならない。
それほどのものだったからだ。
まさに、魔乳というべきものだ。
そんな事が頭に浮かび、思考が真っ白になっていた。

そして、手を握られて引っ張られることで、やっと僕は我に返り慌てて聞く。
「えーっと、どこか行くんですか?」
「もう。聞いてなかったの?仕方ないなぁ……」
ミレイさんはそう言いながらも、ぐいぐいと僕を引っ張り続ける。
「日本の伝統を実践しに行くの……」
そう言い切るとミレイさんはますます強く僕を引っ張っていこうとする。
そんな彼女の顔には、決心した表情になっていた。
こうなると多分、何を言っても無駄だろう。
だから、僕は素直に従うことにした。
「わかりました。僕で出来ることなら、全面的に協力しますよ」
そう言うしかもう選択肢はない。
そして、その言葉にミレイさんはすぐ返事を返してくれた。
「うん。一生懸命、協力してね」
ミレイさんの声が喜びに震えているのがわかる。
そんなにうれしいことなのかな……。
そんなことを思いつつ、僕は聞き返す。
「で、日本の伝統の何を実施するんですか?」
そんな、僕の言葉に、ミレイさんの頬が朱に染まった。
そして、小声で答える。
「『姫始め』っていう行為よ」
うーん、知らない言葉だ。
でも、ミレイさんが実施したいなら、付き合うしかないか……。
そんなことを思いつつ、僕は彼女に従うのだった。

そして、その日、僕はミレイさんの所有物になった。

ちゃんちゃん♪


最終更新:2010年01月08日 17:14
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