044-277 Re;Birth/Re;Start

麗らかな日差しに照らされたカフェのオープンテラスにその2人はいた。

その、ともに整った顔立ちの少年と少女はテーブルを挟み向かい合せに席につきながらもデートと呼ぶには趣の異
なった空気の中にいた。
少年はテラスとは道をはさんだビルの壁面に設置されたパブリックヴューに視線を固定しており少女はテーブルの
上へと、その視線を定めていた。
「・・・なんで、扇さんが首相なんだ?」
眼差しはそのままに、少年はポツリといった感じで呟いた。
その誰に向かっての問いとも言えぬ呟きに少女は問い返す。
「・・・なんだ、扇が首相では不満なのか?」
少年はその問い返しには答えず、モニターに映し出されているニュース映像を見続けている。
「この日本を解放した黒の騎士団の古参幹部で、事務方のトップだ。その功績をもって新政府の代表として選ばれた
としても不思議はあるまい?」
「そういう問題じゃない」
そこで初めて少年はくせのある銀髪を揺らし少女へとその顔を向けた。
少女もそれに応えるように手にしたピザのピースを皿へと戻し、金色の瞳を彼へと向けた。
「ではなにが不満だと言うのだ、ライ」
「・・・資質と矜持の問題だ」
答えた少年・・・ライの声音にはどこかいらだったような響きがあった。
「わずかとは言え、彼とは共に仕事をした。堅実な仕事振りで有能だとは思うがあくまで黒の騎士団での話だ。国家
元首は仲良し倶楽部のリーダーや寄合所帯の調整役とは違う」
「ほお?」
「それに自分達の組織を優秀な人物とは云え他者に譲り渡して、その決断に従っていたんだ。自らが国を率いるとい
う気概も気骨もあるとは思えない」
その答えに、少女はその緑の髪を失笑にゆらした。
「ふふ。ライ、お前も騎士団の一員だったんだぞ? 昔の仲間とは云えずいぶんな言い草じゃないか?」
「確かに騎士団も僕にとっては大切な場所だった。だがそれと人物に対する評価は別だ。それに僕は別に日本解放を
願って騎士団にいたわけじゃない。確かに母の故国として日本に親しみは感じるが愛着はない。強いて言えばブリタ
ニアの支配の仕方が間違ってると思ったからだ。・・・そして、なにより『力』のこと知りたければと君が誘ったん
だぞ、C.C.」
「そうだったな。・・・だが扇とて望んで今の立場にいるわけではない。奴としては新妻や我が子と一緒にのんびり
と生活したかっただろうな」
「なら何故、扇さんは首相などになった?」
少女の艶やかな唇が皮肉気に弧を描く。
「わからんか? それこそ“そういう問題”なのだ」
ライは眉をひそめ、その青い瞳で魔女を自称する少女を見返した。
「つまり誰でもよかったのだ。『ゼロに付き従い日本を、そして世界を解放した黒の騎士団の幹部である日本人』
ならば、な」
「・・・・・・」
「英雄は神のごとく手の届かぬ立場へと去った。ならば平和の次を求める人々にやがて生まれてくる不満をどんな
立場の人物なら抑制できる? そういう意味では扇はいまになって責任をとっているとも言えるな」
「・・・・・・では誰が主導者なんだ?」
「神楽耶、ということになるだろう。いまの政府閣僚や主要な官僚は皇コンツェルンの推薦した人物や元スタッフ
が務めている。もっとも次世代の人材が芽を出すまでということらしいがな」
肩をすくめ、首を振りながら溜息をつくライに、C.C.はからかうかのような言葉をかける。
「どうした? まるで年寄りが新たな時代に嘆いているみたいだぞ」
「・・・いや。眠っていたのはわずかだと思っていたが、それでもあの女の子が『大人』に成り始めるくらいには
時は過ぎているんだなと思っただけだ」
「・・・そうだな。世界は常に時を刻み、人々は日々前を目指し進んでいる・・・。そして『王』達が理想や野望
を追い、国や世界率いる時代は終わりを告げた・・・」
C.C.は視線をライからもはずし青く澄んだ空を見上げた。


「それで改めて聞くが、僕をわずか2年余で目覚めさせた理由はなんだ?」
ライは先程よりは落ち着きを取り戻したと感じられる響きで魔女に問いかけながら彼女の皿からピザを一ピース、
手に取り口へと運んだ。
「・・・お前、ピザは嫌いだったんじゃなかったか?」
「あまり好きじゃないと言った覚えはあるが、嫌いだといった記憶はない。それに目覚めてからすぐに連れ出され
て僕はお腹が減っている」
しかしピザに執着する魔女はその行為を目にしながらも咎め立てはしなかった。
「?? 食べてもいいのか?」
「それは“お前に取っておいてやった分”と認めよう。私のことは気にせずピザの素晴らしさを堪能しろ」
「???」
ライは魔女の言に腑に落ちぬものを感じながらも空腹をわずかながらも癒す。
「それで起こした理由はなんだ? まさか世間話や思い出話をするためじゃないだろう?」
「まったく、せっかちな男だな。はやいオトコはキラ・・・おい、それは私のピザだぞ!」
ライはさらに一ピースのピザを取り上げ、口へと運んだ。
「下世話なごまかしに付き合うくらいなら空腹を満たす方がましだ」
「・・・ほう、仮にも王の力を持つ者があさましい真似をしてくれたものだな」
「なら、早く理由を話せ。・・・・・・待て、僕の紅茶に何をする!?」
C.C.は仕返しとばかりにライの紅茶へと手元にあったシロップを2つ3つと次々に注ぎこむ。
「これは罰だ。それを飲み干さぬ限り答えてやらんからな!」
「・・・・・・この魔女め!」
「ふふん、そうとも。私はC.C.なのだからな」
挑発的に嘲笑う緑の魔女。
その笑みを苦々しく見つめながらも、ライはその喉にからむ様な甘さになった紅茶を飲み干した。
そんなライの表情のわずかな変化を満足そうに見届けた魔女は立ち上がり、王へとその右手を差し出した。
「歩きながら話そう。・・・お前の知らない物語を・・・」
 C.C.がやさしく微笑んでいた。


「そうか・・・そんなことがあったのか・・・」
ライは魔女に合わせていた歩調を止め、人気のない歩道で瞑目した。
魔女もそのわずか先でその足を止めると銀髪の少年へと振り返る。
「真実を知るものはわずかだ。決して他人には話すなよ」
「それぐらいはわきまえてる。・・・なあ、C.C.」
「なんだ?」
「誰も『彼のこと』を理解していなかったのか?・・・カレンやナナリーも?」
再び歩みはじめた少女を追い、少年もその歩を進める。
「そうだな・・・カレンもナナリーも、あいつの想いを知るにはあまりに幼く、そして一途すぎた」
 追う形のライからはC.C.の表情はその豊かな髪によって完璧に隠されていた。
「それにな、やつらの犯してきた罪、犯そうとしている罪の大きさの前に怖れを抱いたしまったのかも知れない。
理解するよりも、2人を止めることを彼女たちは選択した・・・。やつらの『覚悟』も知らぬままに」
「・・・覚悟?」
「ああ。例え人の心を砕き、その生命を奪うことになろうとも。未来永劫に人々からその名が罵られることになって
でも、と。やつらは『それでも』と覚悟を決めて事を起こした」
「・・・立ち止まって、振り返り、考えることはしなかったのか?」
揺れる豊かな緑の髪を追うライの脳裏を在りし日の自分と過ぎ去っていく、いくつもの顔と表情があった。
「やつらは走り出す前に時間をかけた。走り出してからも幾度かは振り返っていたよ」
「・・・・・『それでも』か・・・」
「ああ。私は途中で投げ出してもいいと思ったんだがやつらは走り続けた。そんなやつらを前に彼女らの覚悟は残念
ながら届かなかった。・・・惜しいところまでいったらしいんだがな。
そこまでだったんだよ、ライ。
そこでカレンもナナリーも絶望してしまった。理解することも、止めることもあきらめてしまったんだ。
      • きっと全てを理解できた時は、全てが終わった時だっただろうな・・・」
「・・・彼のやることだ・・・。途中で悟られるようなヘマしないだろう」
「もちろんだ。ああ、そうだ。別にあの二人を責めているわけじゃないぞ?。そもそも私も止められなかった一人だ。
そんな私にはそうする謂れも資格も権利もないからな」
「大丈夫だ。それぐらいはわかっているよ」
街路樹がつくる緑の天蓋から木漏れてくる光が言葉をとめ、歩み続ける2人を音もなく照らす。
ふと、揺れる髪にわずかな動きが一拍加わり、それを追うかのように少女は呟くかのように少年に問うた。
「なあライ。・・・わたしはひどい事を言ってるか?」
「・・・・・・いや。・・・それに魔女がそんなことを気に病むのは魔女らしくないよ・・・」
相変わらず人気のない歩道を2人は歩んでいく。


「なあ、C.C.」
「今度はなんだ?」
「・・・なぜ僕をその時に目覚めさせなかった?・・・自分で言うのはなんだが僕は使い勝手のいい駒のはずだ」
「ふん・・・。私がお前を起こしたことが不満だったんじゃなかったのか?」
緑の魔女の黄金の瞳が、銀の王の蒼穹の瞳と交差する。
「・・・まあ、いい。そうだな、理由は2つあった」
「どんな理由か聞いてもいいか?」
一度あわせられた瞳はしかし背を向けゆっくりとふたたび歩み始めた魔女の髪に遮られた。
王も魔女にあわせるかのようにその揺れる髪を追う。
「ひとつは余計なリスクを背負いたくはなかったからだ」
「リスク?」
「ああ。あいつが捕らえられた後、皇帝は生徒会のメンバーにもギアスをかけ彼らの記憶を書き換えた」
「!!?」
「どこぞの誰かも似たようなことをしたわけだが、私だけは憶えていた・・・お前がいかに彼らを大切に想って
いたか、を。そんなお前がその事実を知ったとき、どんな行動に出るのか。それを想像することは難しくはない」
「・・・なるほど確かに十全な戦力とはなり得ないな」
「そうだろう?」
わずかに振り向いて見えた魔女の瞳が、それ見ろと言わんばかりに細められる。
「もう一つはそうだな・・・。私が願ったからだ・・・」
「・・・願った?」
「お前が再びの眠りについた時、私は願った。『次に目覚める時もこの世界がお前にとってやさしい世界である
ように』とな・・・」
魔女は今度はその表情を伺わせようとはせず、ライには揺れる豊かな髪が映るのみだ。
「とてもじゃないがあの時は、やさしいとは言えない世界だった。確かにお前がいれば避けれた悲劇もあったか
も知れない。だがまた別の悲劇が生まれお前やあいつを襲ったかもしれない。・・・やはり魔女は己が欲望に忠実
でなくてはな」
「・・・C.C. 君はやさしいな」
「前にも言わなかったか? 自分がやさしかったかなど忘れてしまったよ・・・」
二人はしばし無言のまま、魔女の歩むままにその歩を進め続けた。


「さて、起こした理由だったな」
「・・・ああ」
「それも2つある。一つはこの世界が『ギアス』のいう力の存在を識ったからだ」
今度は少女から足を止め、振り向いた金の瞳が鋭く青の瞳を射抜く。
「先程の真実と同様に知る者はわずかだ。しかし知られてしまった事実は密やかにわずかづつ、だが確実にこの
世界に知れ渡っていく。・・・その存在が消え、いずれ忘れ去られない限りはな」
ライの硬質な表情にも、厳しげな気配を漂わせる。
「皇帝が事を起こした際に各地の遺跡でも異変は観測されていた。世界が平和となった今、いずれ調査を行う者
も現れるだろう。そして、バトレーのようにお前を見つけ出す者もいるかも知れない。それは双方にとって決して
幸福な出会いになるとは限らんからな」
「世界の影の中に潜み続けてきたギアスも、高度にに発展してきた情報社会にその隠匿性が保てなくなったか」
「そういうことになるな・・・」
「・・・もう一つの理由は?」
そこで魔女はその足を止め振り返ると、どこか切なげで、でも優しく微笑んだ。
「ライ。いまが『やさしい世界』だから、だ」
「・・・やさしい世界?」
「そうだ。争いよりも話し合いを、虐げるよりも助け合いを。人々がそんな選択を大切にする世界だ」
やさしい魔女は微笑むままに、再び王へとその右手を差し伸べる。
「他者からの支配や抑圧に抵抗し解放を望む心が生み出す『ギアス』の力。・・・そんなモノを必要としない、
綺麗だがいつ壊れるとも知れぬ硝子細工のような世界だ。あいつらがその生命と存在をかけて創り出した世界。
      • ライ、お前はそんな世界で生きてみたくはないか?」
ライは、その右手に困惑しながらも重く小さく問い返した。
「・・・もし、いまがギアスを必要としない世界ならば、そこに僕はいるべきではないんじゃないか?」
C.C.はそんな、王として騎士として幾多の戦場をくぐり抜けてきた少年に似つかわしくもない怯えに、その笑みに
慈愛の色をくわえて再び問い返す。
「ライ。いまのお前にとって、この世界は何色だ? かつてのように灰色の世界か? それとも色づいた世界か?」
「・・・・・」
「ふふ、相変わらず世話の焼ける困ったやつだな」
少女は左手で、少年の右手を握ると差し出していた右手で蒼い空を指差した。
「私がいいことを教えてやろう。・・・ライ、あれを見ろ」
その細い指先が指し示す空を見上げるのを待っていたかのように、空に光の花が咲いた。
その光の花は、黄色や緑、赤、青、紫と次々とその色が変えながらもライの視界いっぱいに咲き誇っていく。
「・・・花火? こんな昼日中にいったい誰が?」
「この道の先には再建されたアッシュフォード学園があり、あの花火の下にはお前にとって大切な人達がいる」
「!!」
「おっと、逃げようとするな」
踵を返そうとするライをC.C.は優しく、しかし抗いがたい何かをもってつなぎ留めた。
「わかっているのか、C.C.!! 僕のギアスはいまだ暴走したままなんだぞ!?」
「ああ、もちろんすべてわかっている」
穏やかな声がライをなだめ、今度は右手がライの頬をやさしく撫でる。
「わかった上でお前に問おう。 お前はあそこで皆と一緒にくらしたくはないのか?」
「・・・やっぱり君は魔女だよ。すべてわかってるくせに僕にそれを問うのか?」
そうだと頷く彼女を前に、ライは絞り出すかのように答える。
「・・・・・・みんなと一緒にいたい・・・」
それは空に咲く花火の音に消えそうなくらい小さな、でも大きな願いの声だった。

C.C.はライと手をつないだまま空を見上げ語りかけた。
「ライ、あの花火はあいつが遺した『約束』だ」
「・・・」
「いつか、また学園でみんなで花火をあげようと約束してたらしい。結局、果たせなかったがな」
「・・・」
「その『みんな』の中にお前は入ってはいない。私はあいつの中に眠るお前の記憶までは戻さなかったからな。
だがなライ、私だけはわかっているんだ。
お前が皆を信じていたように、あいつがどれだけお前のことを信じていたのかを。
だからお前と目覚めさせ、ここに連れてきた。
お前にあの花火を、いまの世界を見せてやりたかった」
「・・・C.C.」
「あそこにはもうあの二人もシャーリーという娘もすでにいない。
それでもカレンやナナリー、生徒会の皆がいる。 お前が『未練』と呼んだものがまだ、ある。
まだ取り戻すことができる。まだ間に合うんだぞ」
「C.C.・・・それでも僕は・・・!!」
C.C.は自分とは対照的に足元を見詰めるライへとその視線をおとした。
「ずいぶんと人間らしくなったじゃないか。 お前の記憶探しに付き合ってやった甲斐があったというものだ」
ライは力のない苦笑をわずかに浮かべた。
「そんな“人”として生まれ変わったばかりのお前に魔女から誕生祝いだ。受け取れ」
そう言って魔女は、かつて王だった少年に小さな包みを手渡す。
「・・・これは?」
「お前のIDカードとチョーカーが入っている。 もちろんIDは偽造したホンモノだ。 だがチョーカーの方
は“スペシャル”だ」
「スペシャル??」
「お前の暴走したギアスを抑えてくれる」
あまりのことに言葉を失ったかのようなライにC.C.は語る。
「ライ、もう一度言うがいまは『やさしい世界』だ。
世界がやさしくないことが当然だった私たちには失笑ってしまうような馬鹿げた世界だ。
だが、そんな世界をあいつらは“創った”。 お前がギアス使おうと思うような出来事はまず、ない。
お前が進んでギアスを使わない限りは、お前が学園を卒業するくらいの時間はそんなモノで稼ぐことはできる」
「・・・・・・」
「行け、ライ。 一度は自分の足であきらめたものを、もう一度自分の足で取り戻してこい」
「・・・・・・C.C.」
「恒久的な平和など幻想にすぎん。 なににだってリミットはある。 女神の前髪を掴み損ねるなよ?」
包みを握りしめ立ち尽くすライに、しょうがないやつだと嘆息し、包み込むようにやさしく抱きしめ囁く。
「『赤児』にとって自分の見える所、手に届く所が世界の全てだ。
そして徐々に自分の世界を広げ、世界を知り学んでいくんだ。
私もそんな生まれたばかりの赤児に詫びを強要するほどは非情ではない。
だからそれまではかつての非礼に対する侘びは待ってやるからこの世界を広く知ってこい」
「・・・ありがとう、C.C.」
ライは初めて、C.C.を抱きしめ返した。
そんなライの言葉に魔女はうそぶいてみせる。
「魔女の贈り物がタダだとは思うなよ? いずれ泣いて詫びさせた上でこき使ってやるからな」
「・・・借りておくよ」
まだ街路の先の空に、光の花が次々と咲き乱れていた。

「・・・もうじき花火も終わるだろう。もう行け、ライ」
人の理からはずれたままの少女が、人の理に戻ろうとする少年の胸を軽く押した。
「C.C.、君はどうするんだ?」
魔女から身を離したかつての王は問う。
「私はいまだ旅の途中だ。・・・心配するな、そのうち迎えに来てやる」
「そうか。・・・じゃあ、その時まで」
「ああ。また、な」
ライはかすかな微笑みを残すと背をむけて学園へと歩み始めた。
その背中にいま一度、C.C.は彼の名を呼んだ。
「ライ!!」
振り返ったライの眼に、会心の笑みを浮かべたC.C.が映る。
「ライ、いつか『笑って逝ける』ように、な!」
腕が上げ、それに応えると今度こそ振り返りもせず、一度はあきらめた未来がまだある場所へとライは進む。
その姿を見送りながら魔女と自らを称する少女は願うのだった。
―――彼の新しい人生が『やさしく』あることを。

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 ・
 ・
 ・
 ・
 ・

『僕はライといいます。僕をこの学園にいれてくれますか?』

                    END & Re;Start




おまけ

ライがクラブハウスに間借りすることになった部屋に、チーズの匂いが満ちていた。
ラ「・・・・・・」
C「おかえり」
ラ「・・・まさかと思うが、もう迎えに来たのか?」
C「いや?」
ラ「じゃあ、なんでここにいる!?」
C「なんだ、知らんのか? 宅配ピザは宅配先がないと不便なんだぞ?」
ラ「・・・僕を学園に戻らせたのは、このためか?」
C「違うぞ。お前、あの時の私の話を聞いてなかったのか?」
ラ「・・・・・・」
C「やらんぞ」
ラ「いらない。それに僕はピザはあまり好きじゃない!」
C「あいかわらずつまらん奴だな」
ラ「・・・咲世子さんが言ってた、様子に見に来た『姉』とは君のことか?」
C「うるさいやつだな、ピザが冷める」
ラ「頼むから答えてくれ」
C「お前の学費や生活費は、私の『ピザ口座』から出してやってるんだ。そのくらい名乗ってもよかろう」
ラ「ピ、ピザ口座??」
C「ブリタニアの国家予算のごく一部から244のマネーロンダリングを経て振り込まれる仕組になっている」
ラ「・・・・・・(なにをやってたんだ彼は!)」
C[さて、ピザも食べ終わったので私は旅に戻る。ああ、箱は片付けおいてくれ」
ラ「・・・・・・」
C「また来てやる。じゃあな、坊や」
ラ(卒業するまでほっといてくれ~~~!!)

ちゃんちゃん(ごめんなさい)


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最終更新:2010年04月18日 00:45
ツールボックス

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