───2010,Sep,
「日本は負けました。負けるべくして負けたのです」
私は叫んだ。
「負けただなんて認めない。この心が折れない限りは負けただなんて思わないッ」
いつからだろう。私たちの間にこんなにも距離を感じるようになったのは。
──姉さん──
コードギアス LOST COLORS [手をとりあって]
───2018,Jul,行政特区日本
特区を脱出した扇様たちに付き従い、私は行政特区日本へとやってきた。
それが私の望み。
自分を、この世界さえも変えてくれるかもしれない存在に会うために。
あの日から私もずっと嘘をついてきた 。
生きているという嘘。
名前も嘘ならば、経歴も嘘。
嘘、嘘、嘘。嘘ばっかり。
何も変わらない世界にうんざりしているくせに、それなのに絶望に浸って諦める事もできない。
「だから」
首筋にナイフを突きつけ、その相手を──黒衣の人物を壁に押しつける。
「女性の深夜の訪問にしては随分と手荒なことだな」
「申し訳ございません。殿方を深夜に訪れる際の作法は存じ上げておりませんでした」
私はゼロに刃を向ける。
次回、コードギアス LOST COLORS [手をとりあって]
その4.25 【篠崎咲世子】編 7月4日夜投下予定
ご期待ください
最終更新:2009年07月04日 13:35