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「サンドイッチ」とは

 かけ算の式を立てる際に、「かけられる数と積の単位を同じにしよう」「同じになっているか確かめよう」とする考え方を、サンドイッチといいます。
 「1本の紐を切って、3cmの紐を4本作ります。紐は何cm必要でしょうか。」という文章題に対して、小学校では「3×4=12 答え12cm」として答えを求めます。
 しかし式の中に単位を入れると、「3cm×4本=12cm」と書くことができます*1
 「=積」は明示されないけれど、積に添える単位を推測できる事例は、日常生活でも目にします。ビールの数量で「1.5kg×4箱」とあれば、総数は「6kg」であり、「6箱」でも「6kg箱」でもないのです。
 いずれも、かけられる数と積の単位が同じであり、かける数の単位は無視されます。
 実際、かけ算を「かけられる数にかける数が作用して、答えとなる数量を得る」という立場で見るとき、かけられる数と積の単位が一致し、かける数が「~倍」に変わるのは、自然なことです。
 そして、日本語と式との対応づけや、算術・算数の教育を通じて、「かけられる数×かける数=積」という構文が定着しています。
 このように、意味と構文が組み合わさって、サンドイッチの考え方が発生したと言えます。

注意

 意味と構文の要件が欠けると、サンドイッチは利用できません。意味の面では、「かけられる数にかける数が作用して、答えとなる数量を得る」というのと異なる種類のかけ算、例えば面積・体積や、多くの物理量のかけ算*2には、適用できないということです。また1あたりに基づく場合、上記の紐の問題は「3cm/本×4本=12cm」となり、これもサンドイッチの適用外となります。
 構文面では、海外でサンドイッチに類する考え方は見当たりません。それは、「かける数×かけられる数=積」として表すほうが多いためです。
 またサンドイッチは、単位に着目して、かけ算の式を書けという指導法ではありません。その指導法では、
  • 同じ大きさの画用紙が、8枚あります。1枚の画用紙から、4枚のカードを作ります。全部で何枚のカードを作ることができますか。
  • 1枚の画用紙から、8枚のカードを作ることができます。画用紙は4枚あります。全部で何枚のカードを作ることができますか。
のように、かけられる数とかける数の単位が同じとなる問題で混乱します*3

文献

 「かけ算の順序」と同じく、「サンドイッチ」という言葉が、小学校の算数で実際に使われているかどうかは不明です。しかし、この考え方は、いくつかの出版物で見ることができます。
  • 文献:算数解説1951には、「3人のこどもに,えんぴつを2本ずつあげようと思います。えんぴつがなん本いるでしょう」に対し、3×2=6と答えた子どもには、3人を2倍したら6人となって問題の要求に合わない、と指導している例があります。
  • 文献:高木1980では、「緑表紙教科書」で被乗数先唱を採用する理由の中で、「5円の色紙を8枚」「3を4倍する」といった言い方や、「5円×8」という式を挙げています(246-247頁)。
  • 文献:Greer 1992の276頁では、「3人の子どもが4つずつクッキーを持っている。全部合わせるとクッキーは何個か?」という出題から、かける数(子どもの数)とかけられる数(クッキーの数)の役割の違いを指摘しています*4
  • 文献:田中2011:4マスの12頁では、ある例題に対する式「0.4×6」について、「この式の意味をもっと正確に書くと,0.4(kg)×6(さつ)ではなく,0.4kgの6倍という意味だということを理解しておきましょう」と述べています。

外部リンク

最終更新:2013年03月16日 20:50