「1あたり」とは
かけ算の式を立てる際に、かけられる数として書く数量を、「1あたりの数」または「1あたり量」と呼ぶことがあります。この総称を、「1あたり」といいます。
かける数については、「土台量」「いくつ分」「いくら分」と書かれます。かけ算の言葉の式(ただし教員向け)としては、「内包量×外延量」と書かれることもあり、この内包量もまた、1あたりです。
1あたりの数は「4個/台」、1あたり量は「4g/m」のように書かれます。「個/台」「g/m」はそれぞれ単位で、「/」は「パー(per)」といいます。
数学教育協議会の指導法では、2年のかけ算導入から使用されます。3年の除法でも、等分除の商や、包含除の除数は、パー書きの量となります。学習指導要領に記載され、第5学年で学習する「単位量当たりの大きさ」とも、関連があります。
注意
直積・面積や、倍のかけ算の場合、かけられる数として書かれる数量は、パー書きの単位にできないので、1あたりとは呼ばれません。
文献
- 「6×4、4×6論争にひそむ意味」(文献:遠山1978 118頁)では、「かけ算は“1あたり”から“いくつ分”を求める計算と定義するのである」とあります。
- 文献:銀林1975a 100-105頁では、乗法の意味として「A.(1あたり量)×(土台量)」「B. 直積型」「C. 倍(倍写像型)」の3つを挙げ、指導の「順序は,A→B―(ずっと間をおいて)→C」と結論づけています。
- 文献:関沢1993では、「1あたりの数」が、かけ算を学習する早い段階から出現しています(最初は11頁)。この本の計算の対象は整数のみで、わり算も、等分除に限っています。
外部リンク
最終更新:2012年12月31日 22:04