文献情報
- Mulligan, J.: "Children's Solutions to Multiplication and Division Word Problems: A Longitudinal Study", Mathematics Education Research Journal, Vol.4, No.1, pp.24-41 (1992).
調査内容と結果
たし算・ひき算は学習済みで、かけ算・わり算はまだという子どもたちが、かけ算・わり算の問題に対してどのような解き方を行うか、そしてそれはかけ算を学習していきながらどのように変わっていくかを見るのが、調査の主な目的です。
シドニー都市部の小学校2年女児60名にインタビュー調査を2年間にわたり実施しています。
「小さな数の文章題」「大きな数の文章題」「文章題を図にしたもの」のカードを作り、被験者に見せて解き方を言ってもらいます。ここで小さな数は4~20、大きな数は20~40で、いずれも整数です。文章題は、累加・アレイ・等分除・包含除・割合などに分類されます。解く際、道具を使ってもかまわないものとします。
正解率を見ると、学年・学期の進行とともに、上がっていることが確認できます。分類によって、その数字は大きく異なりますが、問題の構造によるものなのか、文章題で使われている数によるものなのかは、この論文だけでははっきりしません。
解き方には、「順に数える」「飛ばしながら数える」「数え足す(累加)」「覚えているたし算の答えを使う」などがあります。かけ算の学習にともない、「覚えているかけ算の答えを使う」が増えてきます。
文章題の例
- 累加(a):教室に2つのテーブルがあり,それぞれのテーブルに4人の子どもが着席している.子どもは全部で何人か?
- アレイ:3人ずつの子どもの列が4列ある.子どもは全部で何人か?
- 等分除(b):6杯の飲み物を3人の子どもが同じ数になるよう分けた.それぞれ何杯の飲み物をもらったか?
- 細分:3つのりんごを,6人に同じになるよう分ける.それぞれの人はどれだけのりんごをもらえるか?
外部リンク
最終更新:2013年01月07日 06:45