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第一章…雪降る村

ここはとある雪降る土地にある、
「フリギッド」村。



村の住民らは、吹雪のなかでも周りがよく見える、蒼く輝く瞳を持ち、雪山で狩りをしながら生活している。


人里離れた小さな村で、古くからの伝統的な生活を重んじる、雪を愛した民族が、そこには暮らしていた。








「起きなさい、イエロ。起きなさい!」

「んー…んぅ…。」


「いい加減起きなさいっての!」

勢いよく布団を引き剥がされた。
窓から太陽の光が照りつける。

「んー…ふわぁぁ……。あ、母さん、おはよう。」

ねむい目をこすりながら、イエロは起き上がった。

「あ、じゃないわよ。もう、さっきから何回起こしに来たと思ってるの。今日はあんたたちのお祝いで忙しいんだから、少しは手伝ってちょうだい!」

そう言うと母は階段を降りて行った。


「……あ、そっか!今日は大事な
雪あられの儀!!」

がばっと立ち上がると、母を通り越して階段を駆け降りた。

「母さん!なんでもっと早く起こしてくれないの!」

「だから何度も起こし…」

母が言い終わらないうちに、イエロは家を飛び出した。






一面、どこまでも広がる雪の上を走る。


今日は年に一度の、村の伝統的な行事、「雪あられの儀」の日である。

この雪あられの儀では、大きな氷を削ってつくった氷の像をまつり、子ども達が大きくなったことを祝う行事だ。

夜には、成長した子ども達が日々、この日のために練習した氷の術を披露する。
イエロも、儀式で術を披露する子どもの一人だった。


イエロの父は、この村の長で、村
一番の氷像職人である。
家もひときわ大きく、夜の術が終わったあとには、村の住民がイエロの家に集まり、ごちそうを持ち寄って飲み食いを楽しみ、子ども達の成長を祝うのであった。







「イエロ!遅いよー!」

「ごめんごめん!寝坊しちゃった!」

息をきらせながら、早口でイエロは答えた。

イエロが来るのを待っていたのは、イエロとは幼なじみの女の子、セリオだ。


イエロのお隣に住む、ブルーの長い髪の毛がきれいな、かわいらしい女の子。
世話好きで、イエロのお姉さんのような存在でもあった。

「ふふ、イエロったらほんとにねぼすけね。」

セリオがくすりと微笑む。きれいな髪の毛が、雪の光に反射してきらりと光った。

「えへへ、ごめん。」

髪の毛が跳ねていることに気づき、イエロは照れくさそうに自分の頭をなでた。

「さ、じゃあ本番に備えて練習しよう!」

「うん!!」

セリオとイエロは、儀式にむけて、術の練習をはじめたのであった。
最終更新:2012年09月12日 00:01