70 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2012/01/15(日) 22:02:27 ID:5EjMTbjgO

ミセ*゚ー゚)リ あ、来た!

('A`) 遅いぞモララー、どこ行ってた

( ・∀・) すまない

戦闘用の装具一式を身につけたモララーは大急ぎで駐機場へ。

N| "゚'` {"゚`lリ お前さんの機体もバッチリだぜ、ただな

自分の機体に乗り込もうとしていたモララーの肩を掴んだ整備員は、後席に座り準備を進めるミセリを見ながら言った。

N| "゚'` {"゚`lリ あの子を勇気づけてやれ、顔には出さないが不安がっている

( ・∀・) 感情の調整は済んでいるんだぞ



71 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2012/01/15(日) 22:04:41 ID:5EjMTbjgO

N| "゚'` {"゚`lリ そうじゃない。どんなに科学がハッテンしようがな、好きな相手から贈られる励ましに勝る物はないのさ

モララーは整備員に顔を寄せ、彼にだけ聞こえるように問う。

( ・∀・) 彼女らの恋愛感情は、精神を造られる過程で組み込まれた物だぞ。俺以上に仕組みを理解する者が行う感情調整に、俺の言葉が勝ると言うのか?

N| "゚'` {"゚`lリ 勝る

( ・∀・) なぜ

整備員は呆れるようにモララーの肩に手を置き、言う。

N| "゚'` {"゚`lリ 何処が違うんだよ。造られたからってそんなんどの道、人間が抱いた物だろ。由縁なんて関係ない、等しく尊いもんだろ…愛情ってやつはよ

( ・∀・) …



72 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2012/01/15(日) 22:07:48 ID:5EjMTbjgO

N| "゚'` {"゚`lリ さあ、声をかけ、触れてやれ。子をはらむ事もできず寿命すら設定された、最初から道具として産まれたあの子にとってのそれが救いだ
( ・∀・) そうだな…わかったよ

N| "゚'` {"゚`lリ まったく、他の連中は皆わかってるぜ。まわりを見てみろよ

モララーは、周囲に整然と並ぶ艦載汎用戦闘機メイヴのパイロット達を眺める。彼らはパートナーたるフィギュアと抱き合い睦言を囁き合い、熱い視線を交わす。

( ;・∀・) ああ…世の独身男性が見たら発狂しそうだわ

N| "゚'` {"゚`lリ な?

( ・∀・) うん

モララーはタラップに足を掛け、コクピットへ。

ミセ*゚ー゚)リ モラ、なに話し込んでたの?

( ・∀・) ミセリ、ちょっとこっちに近寄って

ミセ*゚ー゚)リ なになに?



73 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2012/01/15(日) 22:09:47 ID:5EjMTbjgO

タラップから足を踏み外さぬよう慎重に手を伸ばし、わしわしと乱暴にミセリをなでた。

ミセ*゚ー゚)リ ふぇっ?

( ・∀・) ねえミセリ、僕のこと好き?

ミセ*^ー^)リ うん!大好き!

( ・∀・) そう。僕も好きだよ、だから頑張ろうね

ミセ*^ヮ^)リ えへへーまかせて!

手を離し、シートにおさまったモララーは後席で顔を真っ赤にしたミセリを見て思う。

( ・∀・) (そういえば、あまり遊んであげてなかったな)

モララーはヒッキーの為にと、ミセリと一緒に居られる時間を削っていた。
他の人工妖精がパートナーと過ごす中、居残りを命じられたミセリの胸中は…命令の遂行に喜びを見出すように造られる彼女は、それでもやはり寂しかったのだろうか?



74 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2012/01/15(日) 22:11:20 ID:5EjMTbjgO

ミセリの精神原型であるアクアマリン気質はその特性として、パートナーの為に自身の思いを殺す事が得意だ。
願われれば、拷問の最中にあっても笑顔を見せる。

( ・∀・) ミセリ、ひと段落したら、して欲しい事ある?

準備を進めながらモララーは訊ねた。

ミセ*゚ー゚)リ デートしてっ!

宇宙空間を航行するバンシー級空母におけるデートとは艦長の許可の元、フィギュアに私服や化粧を与え艦内の娯楽施設などを巡った後、合法の興奮剤を利用した激しい絡みが行われる、というものだがつまるところ、休暇の全てを自分のために浪費して欲しいと言うことで。
遠慮がちで奥手なアクアマリン気質のフィギュアにとって最大級の我が儘とされている。

それを、即座に要求するということは。



75 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2012/01/15(日) 22:13:21 ID:5EjMTbjgO

( ・∀・) ごめんね、ミセリ

ミセ*゚ー゚)リ ん、なんで?

( ・∀・) いや…
続けようとしたモララーを通信が制する。

('A`) もうすぐ順番だ。最終チェックは済んだか?

( ・∀・) わかった、問題ない。ミセリ、約束するよ。終わったらデートだ

ミセ*゚ー゚)リ やった!

N| "゚'` {"゚`lリ 気をつけてな

ヘルメットを被ったモララーとミセリはメイヴのキャノピーが完全に閉まるまで整備員に敬礼していた。

ミセ*゚ー゚)リ 管制センターより、3番デッキにて待機

( ・∀・) 了解

誘導に従い、モララーと部下のドクオ、オトジャの機体が発艦位置へと移動。2分ほど待つと頭上の隔壁が開いた。

ミセ*゚ー゚)リ ラベンダ1から3、発艦許可を受諾

( ・∀・) 了解、発艦する

3機が同時に空母を離れると、周囲には各デッキから同じように発艦した大量のメイヴが巨大な空母を包囲するかのように所狭しと編隊を組んでいた。

( ・∀・) こうして見ると圧巻だね、全力出撃ってのはさ

ミセ*゚ー゚)リ データリンク確認

( ・∀・) うん、行きますか

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最終更新:2012年02月16日 01:41