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楽園の魔女たち



「いいニュースと悪いニュースがある」
「はい?」
「どちらを先に聞きたい?」
「はぁ、では……いいニュースからおねがいします」
「あの妹がここに来る」
「悪いニュースとは?」
「あの妹がここに来る」

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 楽園の魔女たち



「……あんたさ、百パーセント自信ある? 自分が弟子に尊敬されてるって」
「ええ、少なくとも一割は自信があります」
「いやー、親が頼りないとこどもがしっかりするってのはホントだねー」
「産んだ覚えはありませんけど四人も」
「あんたが母親だったらそりゃ世界一不幸だよ」
「……手を出さずに見守るだけってのも、これでけっこう骨が折れるんですよ?
 はぁ、自分でやった方がどれだけ気楽なことか」
「ほほう。じゃ、今日から台所はまかせたわ大先生」
「嘘です、すいません。だからデザートは忘れずに付けてください」

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 楽園の魔女たち



「た・た・り、ですよ。タタリ。へ、へけけけけ」

「勝手に身投げして見ず知らずの他人に祟るのは筋違いだろう。世間一般の常識では、普通それをやつあたりと言う」

「いや、そんなこといわれても……」

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 楽園の魔女たち



「お、お嬢さんたち。僕の美貌を前にして、本当に何も感じないと?」

「美貌なんて毎朝鏡で見ているわ」
「いや、私はぜひ標本にしたいと思うが」
「すいません、不調法で……」
「マリア人妻だしー☆」

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 楽園の魔女たち



「――お嬢さん方、その親方から何を教わったって?」

 師匠が身をもって教えてくれたことがあるとすればただひとつだ。
 ぐりん、と顔を向けて、“楽園”の四人の娘たちは異口同音に答えた。

「「売られたケンカは最後まで買うこと」」

 諦めるな。食らい付いて離れるな。目をそらさずに。背を向けるな。
 落とし前をつけるまで、まだ勝負は終わっていない。

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 楽園の魔女たち



「くだらない」 ぼやく。
「なにがだ? 殿下」
「なにもかもよ」
「そうだな。世の中の九割はくだらないものだと、ある哲学者もいっている」

 にらみ返してきた金髪の友人の視線を涼しい顔で受け流し、サラはアルトの声で問いかける。

「何をそんなにイラついているのだ」
「世の中の九割がくだらないからよっ」
「…マリアの言葉は正しい。我々は、ひとりひとりが最大限の努力をしている。
 あとはその花が咲くのを楽しみにして待てばいいのだ。殿下が自分ひとりの責任のように感じる必要はない」
「あたくしが、いつ――」
「癖だろう。シモジモのことを常に率先して考えねばならないと、君は思っている」
「当然でしょう」
「我々とて、君から見ればシモジモには違いないが」 ダナティアが反論する前に続けた。
「共同経営者だということも覚えておいてくれたまえ、ダナティア・アリール」

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 楽園の魔女たち


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最終更新:2008年07月27日 17:26