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急<ハリーアップ>

 ――急がなければ。

 世界中に散らばった一万人の妹達(シスターズ)が動きだしている。
 まずはその事実に驚き、その理由を知って御坂美琴は更に愕然とした。

美琴「世界中の核が発射される? 冗談にしてはタチが悪いわよっ……!」

 ――急がなければならない。これは最優先事項だ。

 まずは知り合いの風紀委員(ジャッジメント)である白井黒子に核のことを伝え、風紀委員全体が動くように仕向けた。
 次は同様に警備員(アンチスキル)にも出動を要請。
 風紀委員と警備員。学園都市の警備組織が動けば、軍事組織にも対抗できる。
 だが、この二つの組織がそう容易く動けるはずはない。あくまでこの二つは保険だ。
 動いても動かなくても同じ事。どちらかと言えば動いてくれた方がいい、というぐらいの認識しかない。
 うまくいけば、この学校にある他の組織も動いてくれるかもしれないが、そこまで期待するのは酷というものだろう。
 それらの組織が動くとしても、せいぜい発射後。核撃墜に乗り出してくれれば僥倖という程度のものだ。

美琴「だから本命は私自身と――」

 ――あの少年のみ。

 あの少年ならば、どんな困難だろうと乗り越えてみせるだろう。
 そして、あの少年がいれば自分もどんな困難だって乗り越えられるだろう。
 根拠はない。しかし、確信はある。
 彼がいれば、今回の事件だって解決できる。
 完全に少年を信頼し切った思考をしている自分に気づき、美琴は顔が赤くなるのを自覚する。

美琴「……馬鹿みたい」

 こうしている間に、今も妹達は核発射阻止の為に動いている。
 彼女たちの大多数は未だに調整途中であり、まともに行動できるような体ではない。
 早く彼女たちを止めなければ、必ず取り返しのつかないことになる。

 ――だから、急がなければ。

美琴「あの子たちの為にも、ね」

 それは、自分に対する言い訳のようだった。また、あの少年の手を借りることの。


CAST

  • とある魔術の禁書目録
御坂美琴
妹達
白井黒子
上条当麻(あの少年)

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最終更新:2006年07月10日 16:57
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