ここは学園近くの喫茶店。
「1230円」
机に並べられた千円札一枚、百円玉一枚、五十円玉一枚、十円玉八枚を前に、菊名隆生はうなっていた。
これが彼の全財産である。
退魔師を辞めて、まともな職に就こうとしたが、学歴や資格がないので上手くいっていないのである。
そんな彼に、
「まったく、駄目なやつだねぇ」や「自衛隊に入って国のために戦ったらどうだ若人よ」
などと言ってくるのは、理由あって彼に憑いてる幽霊たちである。
「だぁー、うるせいぞ、お前ら」と怒鳴って隆生は後悔した。
彼以外には幽霊は見えていないにのだ。
見えるようにも出来るのだが、突然大勢の人間が姿を現しても騒ぎになるのでやめておく。
と、その時、掲示板に張ってある一枚のチラシが隆生の目にとまった。
【ラノベ学園公務員募集。経験不問、霊能力者優遇、再生能力等の保有者には
追加給金あり】
この条件は、隆生にとってぴったりと当てはまるものだった。
彼は、現に幽霊憑きの霊能力者であり、更には創造神と同等の力を持っているので、
再生も出来ないことはない。
はっきりいって、おいしすぎて胡散臭い話ではあるが、この際贅沢は言ってられない。
彼は、チラシの内容をメモすると履歴書片手にラノベ学園に向かっていった。
CAST
菊名隆生
最終更新:2006年08月29日 12:08