体育館という名の戦場に最高のフレイムへイズがいた。
そして対峙するは特殊な力を持つが決して戦闘に向いてない人間。
その場の誰もが勝敗は明らかだと思った。
だが少女の選んだ決闘方法はフレイムへイズにとって驚愕すべきものであり
ある意味ありがちなものでもあった。
ジュージュー
香ばしい匂いが鼻腔をくすぐる。
(なんでこんなことになったの?)
フレイムへイズの少女はこの学校の実力者、例えばあらゆる因果や空間や時間にすら囚われない
居合いを使う剣士、あらゆるベクトルを反射する超能力者、サクセサー・オブ・レザー・エッジ等と
戦いこれから一層激しくなる紅世の徒の戦いに対する力を得ようと思ったがその思惑が
はずれたことを知り、ちらりと自分の対戦相手を見る。桧絵馬 茜。ヴィルヘルミナの
情報が正しければ自分と同じように普段は普通科に通う女子高生だが裏では人間社会に
とって異端に属する事件を調査する独立組織EMEに属する特殊能力を保有するエージェントである。
が、そんな情報は今この戦闘ではなんの役にもたたなかった。
「さあ茜ちゃんは着々と調理を進めているぞー!だが、我らが愛しのシャナちゃんは
何か考えているようだー!何か秘策があるのかーーー!?」
と金髪の青年、解説者のクルツ・ウェーバーがそう実況した。
(秘策なんて何もないどころか私にとってこれは最悪の戦場だ)
とシャナは悲嘆に暮れていた。
「シャナ、人間共の遊戯に無理やり付き合うことはないのだぞ」
少女の困惑を感じ取りコキュートスを通して紅世の魔人が語りかける。
(それも、良いかな)
そして、ギブアップをするために審判席に向かおうとして、とある少年と眼があった。
(悠二が私を見てる)
そして思った。フレイムへイズとして勝ち抜くと彼に誓った以上、自分は絶対に負けられない。誰にも負けたくない。
「アラストール、私絶対に負けない」
「そうか、ならば全力をだせ」
そうやって、フレイムへイズの少女は作業に取り掛かった。
「悠二これを食べて」
とシャナが●を差し出しながら言った。
(なんでこんなことになっているんだろう?)
そう坂井悠二は悲観しすでにこの物体を食した二人をみる。
「キャーーー!紅先輩しっかりして下さい!!」
と言われながら吉田一美と同じぐらいの料理の技能を持つ少女に介抱される三年生。
「しっかりしやがれウルズ7!!お前はこんなところで死んじまう男じゃないだろ!!」
と司会者に揺さ振られ白目をむいている戦場帰りの二年生。
どちらも人間としてならば坂井悠二よりも屈強であるはずの男達である。
そして、再びこの二人を倒した●を見る。
それになんの自在法や呪いが掛けられているかは悠二の眼をもってしても不明である。
「あの二人が原因不明で気絶した以上、悠二が食べてあの女より私がおいしいと言わないと決着が付かない」
と迷いなく断言した。悠二はアラストールに助けを求める視線を向けたが。
「………」
あっさり見捨てられた。
(打つ手なしか)
そう思い。覚悟を決めて●を口の中に放り込む。
●●●●●●が体の中に広がるが何とか耐える。
ゴックン
耐性がついていたためかそんな擬音と共に何とか胃の中に押し込むことが出来た。
「どうだった悠二?」
とシャナが聞き彼は少し迷いながら答えた。
「ごめんシャナ、あんまりおいしくなかった」
とごまかしを嫌う彼女にオブラートに包んだ真実を告げた。
「………そう、分かった」
とシャナは残念そうな表情を浮かべた。
「く、今のはNBC兵器か?意識が跳んだぞ」
「…気持ちは分かるがそういうことを本人の前で言うのは男じゃないぞ宗介」
と言いながら気絶していた二人が目覚めた。
「二人ともこの勝負は桧絵馬さんの勝ちでいいよね」
「ああ、茜ちゃんの勝ちだな、これは」
「うむ、この勝負はその采配で妥当だろう」
と満場一致で勝敗が決した。
「にしてもだ、なんだこの有毒物質は、致死性は低いようだが十分実用にたえうるぞ」
「お、おい、ソースケ。それ以上は………」
「だれの料理が有毒物質だって?」
赤髪の刀を持った夜叉が光臨した。
「……………ウルズ7撤退する」
そして傭兵の勘で危機を感じ取った相良宗介はその場から脱兎のごとく逃げ出し
赤髪の夜叉はそれを追いかけて行った。
「なんで、ソースケの奴は空気をよめないのかね?」
「たぶん乙女心を分かってないんだと思います。千鳥先輩がかわいそうです」
「そんなことよりなんで●が出来るんだ?●製造体質なのか?」
(シャナ、相良さんごめん。フォローできない)
その場には四人と観客が残された。
CAST
シャナ
坂井悠二
乾紅太郎
桧絵馬茜
相良宗介
クルツ・ウェーバー
最終更新:2006年09月07日 14:15