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グーチョキパー

「遅い」
職員室前で一人、読子・リードマンを待っている菫川ねねねは退屈そうに呟いた。
彼女は読子と共に神保町で本めぐりをするためにここにいるのだが肝心の読子が
職員会議に参加しているため待ちぼうけをしていた。
「ああああ!!あいつ以外に神保町を隅々まで知っている奴はいないのにー!!」
と彼女が頭を抱えていると、ドズン!という鈍い音がした。そちらの方を見ると
そこから怒声と共にサングラスにバーテンダー服の男とどこにでもいそうな優男の2人が
ねねねの方に向かって走ってきた。
「いーざーやーぁ。ぶっ―――――――――ころ―――――――――す」
「シズちゃん、今日俺は君になんかしたっけ?」
学校内でも関ってはいけない一般人の平和島静雄と折原臨也の二人である。
静雄の方は名前負けしてしまう暴力が臨也は普通の人間が踏み越えてはいけない禁忌
をあっさり踏み越えてしまう性格で学校内外で有名である。
ちなみに二人は酸性とアルカリ性の洗剤を混ぜ合わせた状態のように仲が悪く
二人揃うと周りの被害が拡大してしまうので通常誰も近づかない。
「逃げようかな?」
そうねねねは呟いたが作家として興味があったので物陰に隠れながら二人の様子を伺う事
にする。
「てめえよぉ、あのチェーンソー女を俺にけしかけただろうがよぉー」
「虹橋さんはいつもあんなもんでしょう?」
「ほらぁ、知ってるじゃねえかよぉー」
「普通にチェーンソーを振り回してる女は彼女しかいないと思うけど」
たしかに、虹橋乱はよくチェーンソーを振り回しており自己暗示能力という
殺人鬼からシスターまでどんな人格にもなりきる能力をもっているエージェント
なので学校では危険人物として有名である。そうねねねは思い出した。
「なんにしてもよぉ。死ねやああああ―――――――――――――ッ!」
そう叫ぶと殺人的な力で側にあった掲示板をベニヤ板を剥すような音を立てながら剥し
投げつける。が、臨也の方も彼と常に喧嘩していた経験は伊達ではなく、紙一重のところ
でそれをかわした。
シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ
が、彼の投げた掲示板はあっさりとスプリンクラーを突き破り。
そして、雨のようにスプリンクラーからこの学校特製の防火用特殊液が放水され
非常ベルの音が鳴り、職員室から教師達が慌てて逃げていく。
「あー。びしょぬれだー」
服が体に張り付くのが気持ち悪い。だが、ねねねは流石にこの場に残って冤罪を着せられ
るつもりはないので逃げることにする。
「なんか、まずいことになったねシズちゃん。とりあえず俺は逃げるから」
「ああ!?逃がすかよぉ」
そうやって第二ラウンドが始まるかと思われたその時、開いたままの職員室の扉から白い
大量の何かが彼らを襲った。
「ああ!?」「へ?」「うわ」
そして、白いものは二人を瞬時に壁に貼り付けた。
三人が扉の方を見るとメガネとコートを身に着けたずぶ濡れの女が現われた、
どうやら、職員室内のスプリンクラーも作動していたらしい。
「せーんーせーえ」
まるで、地獄の底から響いてきたような声である。
「な、なんどぇすか読子さん」
「あなた達がやったんですか?これを」
そうやって彼女の右手に抱えられたものを一同がみた。
本である。なんの変哲のない水を吸ってぶくぶくになった古本である。
なお、年代ものらしくインクが滲んで読めなくなっているであろうことは誰の目にも
明らかである。
「彼女がスプリンクラーに悪戯したのが原因だよ、読子先生」
そう言ってねねねに罪を被せようとするが、
「ああ!?てめえがあれを避けるからそれにあたっちまったんだろうがよぉ。
くそ、紙のクセにはがれねぇ」
そう言いいながらじたばたと暴れる彼らから読子は視線を外し天井に刺さった掲示板を
見て、再び彼らに視線を戻す。
「そうですか、分かりました。ちなみにそれは耐水紙なんで私の力も合わせて剥がれる
ことはありませんよ」
そうにっこり笑顔を浮かべながら彼らに近づいていく。目だけは笑っていないが。
「うらあああああああ――――――――――――――――――――――――――ッ!」
だが、平和島静雄はその尋常ではない力で己を縛り付ける紙
ではなく、後ろにあった壁を破壊し結果的に拘束を外した。
「んな!?」
「あ―――、やーっと外れた。つーかよぉ全部イザヤが悪いのによぉ、なんで俺まで
喧嘩を売られなきゃいけないんだぁ?第一、本一冊がお釈迦になったぐらいで
怒るなつってんだろうがあああああ―――――――――――――――――――ッ!」
そう言いながら握り締められた拳で理不尽かつ豪快に読子に殴りかかる。
だが、瞬時に紙使いの力によって作られた紙の壁によってその拳は受け止められる。
そして、紙の壁はたわみ彼に襲い掛かる。
「な!?」
「グーはパーには勝てないんですよ平和島さん」
彼が後ろに引こうとしたときには既に遅く腕が完全に固められており
そのまま紙が全身を包み込んだ。まるで達磨のようである。
「ち、くそ!!うらあああ―――――――――――――――――――ッ!」
静雄は力で引き千切ろうとするが完全に固められておりびくともしない。
それを、読子は確認すると壁に張り付いたままの臨也の方にも同様の措置をする。
「ねえ読子先生、絶版になったトレトレの情報をあ」
「それなら、既に持っています」
そして、言い逃れをしようとした臨也と叫び続ける静雄の口に紙を貼る。
「「もがもが」」
「さあ、お二人には本がいかに素晴らしいかを、人間に文字という概念が生まれたとき
から現代の作家ベスト10000までを交えて理解させてあげましょう。
あ、先生もご一緒にどうですか?その後、資料探しに付き合いますから」
とねねねにも同席を希望するが、
「あ、あたしはいいよ別に、資料て言っても妖怪とかのことだからその手に
詳しい奴に聞けばいいし。それに、今日中に取り掛かりたいし」
とあっさり断られた。
「ふむ、そうですか分かりました。次回作楽しみにしています。では、お二人とも生徒
指導室まで行きましょう」
そう言うと彼女は無駄な抵抗をしている二人を引きずって行った。
いつのまにかスプリンクラーが止まっている中、ねねねはポツリと呟いた。
「はぁ、着替えどうしよう」


CAST

  • R.O.D
菫川ねねね
読子・リードマン

  • デュラララ!!
平和島静雄
折原臨也
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  • 3スレ目>>487-491
最終更新:2006年09月26日 12:51
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