アットウィキロゴ

闇に溶ける悪魔 『た』『は』組編

「うわちゃー、人多すぎだわこりゃ。こん中から探すのかよ。
とある人を探しに『は』行の割り当て区域に来た鯱人は、人の多さにとりあえず愚痴をこぼす。
「と、ねえ君さシャナって子、知らない? ちっちゃくて黒髪の、そうそう刀持ってるっていうから目立つはず」
困り果てた鯱人は、とりあえず手近にいた女の子に尋ねてみた。
12,3ぐらいだろうか?背の低い、しかしどこか大人びた眼差しの少女は、少し考えた後
長い黒髪をなびかせて、少し先で机を運んでいる少女を指さす。
「刀持った子ならあそこにいるけど?」
そこには刀を腰に差し、額にバンダナを巻いた黒い短髪の少女――火乃香――がいた。

「んー、戌子が『四の五の言わずとっとと呼んでくるのだー』なんてっていうだけあるわ」
しばらく火乃香の姿を見ていた鯱人が、ひはっ、とどこか壊れた笑いを浮かべる。
「すげーバランス感覚。隙ねーわ。ひははっ、俺の『虫』けしかけても、ああやって歩けるのかね?」
ふと傍らの少女が鯱人を見ているのに気づき、あわてて口元を隠す。
「っと。あんがとお嬢ちゃん。もし掃除終わった後、会えたら一緒に遊ぼーぜ」
言ってひらひらと手を振りながら、鯱人が離れていった。
「……変な奴」

「よいのかシャナ。嘘をついて」
しばらくして、少女の胸にかけられたペンダント――コキュートス――から声が響く。
それまで黙っているよう言われていた紅世の王アラストールの声だ。
「……嘘じゃない。あの子は刀を持ってたし、あたしは平井ゆかりだもの」
呼びかけられた少女――シャナ――は、自分は平井ゆかりだと主張する。
「いや、それはトーチとして入れ替わった、仮初の名前であろう?」
「じゃあ”炎髪灼眼の討ち手”でいい」
「ふむ、それでは詭弁にもならぬが」
「うるさいっ!あんなの戦いじゃない。フレイムヘイズの力は討滅のためにあるの。あんな奴には使わないっ!
 それともアラストールはあんな……あんなのと戦いたいの? さっきの奴みたいにおかしくなるかもよ」
「むう。しかしだな、シャナ……」
「うるさいうるさいうるさいっ!とにかく、今ここにいるのは平井ゆかり。シャナじゃない!!」
フレイムヘイズ、いや、一人の少女の口から絶叫が漏れる。
「ゴキブリ退治なんて、まっぴらよ――――!!!」



「エェ――クセレントっ!ついに完成ですよ」
突然の奇声に月島亮史は足を止める。
「ダンダリオン教授。どうしたんですか」
「んんんー、よぉーいところに来ました、月島くん。こぉーれです」
「教授のお節料理ができたんですよ。おひとつどうぞ」
「へえ、昆布巻きですか。それも金箔で巻いているんだ。豪華ですねえ」
では、ひとつ、と手を伸ばしかけた月島をダンタリオンが遮る。
「んんーん、ちょぉーと気をつけて、欲しぃーいのですが」
ダンタリオンは昆布巻きの金箔を指差しながら。
「金箔に注ぅー目っ!これを切らないよう、そぉ――と食べて欲しぃーいのですよ」
「は、はあ分かりました」
月島は、言われたとおり金箔を避けて、そっと持ち上げる。そして昆布巻きを口に入れた瞬間。

――電撃が走った。本当に。

「ドォーミノォ――――!まぁーた電流の加減を間ぁー違えましたねぇ――!!」
「ええー、今回のは教授がご自分で、ひ、ひたい、ふひはへん!ははひは、はひはえはひはーー!」
「んんー。まぁーたくお前は。しぃーかたがありませんねぇー」
ドミノをつねりあげるのを止め、どことも知れない高みを見て教授は言う。
「でぇーすが、電流で味蕾を刺激して、まぁ――ったく新しい味覚を生み出す!
 こぉーの我学の結晶に、死角はあぁ――りませんっ!!」
「むしろ、死だへ、ひたいひたい、ふぁい、か、完璧です」
「よぉーろしい。でぇーは次の味見役を探すとしぃ――ましょう。行ぃーきますよ、ドォーミノォ――――」

あとには焦げて動かなくなった月島だけが残された。
その口元からは細いコードが延び、昆布巻きの金箔とバッテリーをしっかり結び付けていたという。


CAST

  • 灼眼のシャナ
シャナ

  • ムシウタ
塩原鯱人


  • 灼眼のシャナ
“探耽求究”ダンダリオン
我学の結晶エクセレント28-カンターテ・ドミノ

  • 吸血鬼のおしごと
月島亮史
+ タグ編集
  • タグ:
  • 3スレ目>>923-925
最終更新:2007年01月11日 15:04
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。