同時だった。
同時に食べ始めて、同時に食べ終わる。
気がついたらきれいに空になった皿だけが残っていた。
「あう~」
「やっちゃったかも」
チョコケーキ好きのようこと、底なし胃袋のインデックス。
バレンタイン決戦用チョコケーキを自分で作って自分で食べてしまう。そんな過ちをしないよう
世古口司を先生に呼び、同じ悩みを持つものどうし監視しあうと決めて。
機械オンチのインデックスにミキサーの使い方を、世古口が10分以上かけて教えたり
「しゅくち」で混ぜた生地を出して3分クッキングと言うようこを、世古口が諭したり
インデックスが魔術的な何かを生地に入れようとするのを、世古口が阻止したり。
ようこが「だいじゃえん」で一気に焼き上げようとするのを、世古口が必死で止めたり。
それだけ(世古口が)必死に頑張ったのに。
出来上がったケーキを互いに見せ合って、交換して、すごいねと褒めあっているうちに。
ついついフォークを手にしていた。
うん。確かに自分で作ったケーキは食べなかった。うん、自分のは食べなかった。
「もう、間に合わないかも」
「ふえ~ん、どうしよう」
「二人とも落ち着いて、ね?」
結局、世古口が見本に作ったケーキを一切れずつもらって帰ったのだが。
自分の手作りでこそ無いものの、チョコケーキを渡せた二人の少女の結末は。
飼い主(wの性格で明暗くっきり分かれることになる。
「はいケータ、これ。"ばれんたいん"のちょこれーと」
「お?悪りぃな。うぉ、やけに凝ってるな。手作りか、これ?」
「え、と、そのちょっと失敗したから司に作ってもらったの」
「はーん道理で。あいつお菓子作りが趣味って聞いてるしな。んじゃ遠慮なくいただくか」
「(…じー)」
「え…遠慮なく」
「(…………じ――)」
「……はあ…ほら、よーこ。食え」
「……え?だめだよケータ。それはケータにあげたんだから」
「いや、気持ちだけで十分だから(すんごい欲しそうな目で見られて食べにくいつーの)
その代わり、来年はこれより美味いもんお前が作って食わせてくれよ」
「うぅ~ケータぁ~」
「あー、ほら顔拭け。どうだ、美味いか?」
「あぅ~おいしいよぉ~うれしいよぉ~」
「そうかそうか、よかったな(なでなで)」
「ケ~タ」
「とうまとうま、はい、これプレゼントなんだよ」
「はぁ?!まさか罠…って、うぉ、チェコケーキ!インデックスさんどうしたんですか?
思わず敬語で聞いちゃいますけど、お前偽者とかじゃねえよな?」
「とうま、その言い方はひどいと思うの。今日は"バレンタイン"だよ?いつものお礼には当然かも」
「あ、そうか悪りぃ。けど義理とはいえ2個もケーキ食えるってラッキーだな今日は」
「え……?義理?2個?」
「おう。なんか御坂の奴も授業で作ったけど女子校だし、白井にやったらそれこそ勘違いされるから
ってんでもらったぞチョコケーキ。授業の余りつうのがいかにも義理だよなー」
「……何か言ってなかった?」
「んー。言ってたつうか、あれだ。いきなりケーキの包み渡してな、『勘違いしないで』とか
『他の人にはもう渡したけどまだ余った』とかさっき言った授業やら白井のことなんかを
一方的にまくし立てて走ってった。すげえ勢い、つーかあいつ人の話きかねえよなあ」
「それはとうまも一緒なの……」
「そんなことねえぞ。ま、いいや。おぉ御坂のも凝ってたが、世古口のもすげえな。
と、そうだインデックス。あとで値段つーか材料費教えろよな。ちゃんと値段分ぐらいの
お返しはするから……ってインデックスさん、なんでそんな目でこっちを睨んでるんですか?
あ、あれか?やっぱり食べたくなったとか。で、でもどうせ世古口のところで散々試食したろ?
だからい、いぃ――たぁ――!あああフォーク使ってるから手にチョコは付いてませんよ?!
痛たたたっ!指ちーぎーれーるー。インデックスさん、止めて―ー」
「ふぁーふぁひは!ふほひほひほひふぁひふほうはほ!!(とうまには!少しおしおきがひつようかも!!)」
「何言ってるかわかんねえよ!何この局所的血のバレンタイン?!やっぱ不幸だ――――!!」
CAST
ようこ
川平啓太
インデックス
上条当麻
御坂美琴
最終更新:2007年12月09日 22:44