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自由種目『ベスト・オブ・正義の味方』

1



キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン
ぶつっ
校舎の巨大スクリーンの騎馬戦の画像が小さくなり、突然青年二人が放送を流す。どうやら企画の告知のようだ。



放送席にて…

マジク「え~。巫女子さんが騎馬戦の実況で忙しいので、代理で実況をする事に
なりました、マジク=リンです」
村田「同じく解説代理の村田健です、よろしくお願いしま~す」
マジク「何故僕たちが出てきたかと言うと――」
村田「特別企画!『ベスト・オブ・正義の味方』の告知をするためで~す」
マジク「この企画は、このラノベ学園の中で誰が一番の正義の味方かを決める
ものです。尚、自薦他薦は問いませんので――」
マジク・村田「ふるってご参加くださーい」

村田「あ、そうそう。この企画、初期名は『ベスト・オブ・ヒーロー』
だったんだけど、なんで変わったか知ってる?」
マジク「えっ?一体どうして」
村田「なんかこの名前をどこからか聞きつけて『男女同権にもとる』とか言いだした
毒女がいたらしいよ」
マジク「へ、へぇ~。(ど、毒女って?)」



そしてそれを聞いて騎馬戦を(騒がしく)観戦していた男が一人、(更にうるさく)騒ぎだした。
草薙静馬「なんやと!?ベストオブ正義の味方やと!?大作ぅ!」
その男…草薙静馬が傍にいる自称〝紅顔の美少年〟に暑苦しく詰め寄る。
神谷大作「はいはい、なんですか?」
その少年…神谷大作はなんだか疲れた顔で聞き返す。
静馬「なんでそんなおもろそうな話黙っとったんや!」
大作「え?ああ、すみません(言いたくなかったからに決まってるじゃないですか…)」
静馬「ん?元気ないなあ?まぁさっきのけったいな競技はあの〝教授〟の関わった競技やしな…と、どうでもいいことは置いといて、今の企画の概要を教えろや」
大作「はぁ拷問受けましたからね(本当はそうじゃないんだけど)…えーっとベストオブ正義の味方…略してB・O・Sは今から一時間後の企画終了までに学園中にいるこの企画の担当に認証をうけ、校内を回りながら自分をアピールする…」
大作「そして、企画終了時に誰が一番正義の味方らしかったかを集計して決めます。まぁこんなとこですかね」
静馬「なぁーる、要はヒーローっぽく派手にしろって事やな?」
大作「さぁ~?どうでしょう?…あ、ちなみに表彰式にはヒロイン同伴とのことらしいです。…」
静馬「ほほぅ…じゃあ周りがてら御剣の所いっとくかの」
大作「…あと、参加の認証には本人以外の誰かが保証人という形で参加しますが、僕はちょっと次の競技で…」
静馬「よっしゃ!行くで!?大作!」
がしっ
大作「写真撮らねばってああぁーーー!おそかったぁぁーーー!!」

ドドドドドドッ

――草薙静馬、神谷大作、参加決定



2



再度、放送席にて…

マジク「え~、今回は『ベスト・オブ・正義の味方』、略して『B・O・S』
のルール説明の放送です」
村田「基本的なルールは>>698-699の690さんのものを参考にして作りましたので
そちらも合わせてご覧下さい」
マジク「それでは、こちらに細かいルールをまとめていますので、ご覧下さい」

ルール解説

その一、参加希望者は学園内にいる担当者に認証を受け、企画終了まで
    校内を回りながら自分をアピールする。

その二、参加人数は問わないが、各チーム1名ずつの保証人を必要とする。

その二追記、保証人の直接的な手助けは禁止とする。

その三、保証人は認証時に担当者から受け取ったデジタルカメラを使い、
    活躍を記録する。

その四、担当者は、何をしたら良いか解らない参加者の為にお題を入れた
    封筒を所持する。 

その四追記、お題については一般から募集する。投稿方法としては
      (メール欄に)『―内容―・投稿者名@出展作品』の形式で
      希望者に記入してもらう。諸兄の投稿を期待している。

その五、他薦で参加する事になった者については基本的に推薦者を
    保証人とし、他薦参加者については放送で呼び出しをかけ、
    10分以内に認証できなかった場合参加を受け付けない。

村田「と、いうところです。疑問・質問・苦情等はこれにレスする形で
お願いします」



3



騎馬戦後、医務室前

少年は何回も打ちのめされた。

上条当麻「はぁ~なんで俺はこんな不幸なんだろう?」
いつものセリフを少しアレンジしつつ空を見上げる少年。
青空にむかって黄昏る少年の腕は先ほど切り落とされ、そしてまたくっつけられた。
当麻「俺はフランケンシュタインですか?」

――それでもこの少年は動いた、

ピンポンパンポ~ン
上がり調子の木琴の音が響く、普通の放送のようだ。
吉村護「えーっと、ベストオブ正義の味方担当者その一の吉村護です」
少しはにかんだ様子で幼げな少年の声が響く。
護「何人かに他薦での応募があり、呼び出しがかかっています。10分以内に放送室前へ集まってください」
当麻「ん?なんだそれ?」
治療中に企画の放送がかかったらしく何も知らないようだ。
護「では推薦された人を発表します。
相良宗介さん、推薦者はなんと生徒会長です!すごいですねぇ…
次にあや…鷹栖絢子さん、推薦者は須藤摩耶さんです
最後に、上条当麻さん、推薦者は…え~不特定多数、匿名希望も何人か…これはまた別にすごいですねぇ…」

――その報われない世界(世の中)にいる少年は、

当麻「推薦?誰か呼んでんのか?」
護「繰り返します。今推薦された人は10分以内に放送室前へ集まってください…ってわぁ!」
突然バタバタと音がして、何人かの声が混ざる。
???(ミックス)「ちょっとー!アンタ「上条当麻!速く来なさい!」よ!?」「そうなんだよ、とーま!?「速く来る「方が良いと」が吉なんだよ!」「ミサカは進言します」
当麻「ああ?あいつら何なんだ?ってか行きたくねぇ…どうせ不幸になる」

――動く。

当麻「ってワケにもいかないか、後が怖いし…
…はぁ…畜生!不幸だぁぁぁ!!」
当麻は嘆息をしてから自分に気合いを入れるように叫んで走る。

――その狭くて小さな世界(身の回り)でも、
――少年には生きるのに精一杯な位、大事な世界(全て)だったから。

上条当麻、参加決定(同伴者、未決)



4



哀川潤「あ、いたいたいーたん」
いーたん「哀川さん、妙にリズムに乗って呼ばないでください」
哀川潤「私を名字で呼ぶな。何回言えばわかるんだ?まあ、それはともかく」
いーたん「ナンデスカ、潤さん」(薄々わかるけど。また仕事の手伝いかな)
哀川潤「ほら、BOSだっけ?いーたん、登録しといたから」
いーたん「何故っっっ!?」
哀川潤「こないだ、『正義の味方になってやる』って言ってたじゃねーか」
いーたん「いや、たしかに言いましたけど。こういうアピールするのはちょっと・・・」
哀川潤「まあ、心配すんなって、この人類最強の非常勤教師がついてんだからよ。まずはセクハラが多い電子学教授を懲らしめに行こう」
いーたん「兎吊木さんですか?それ以外なら何でもやります」
哀川潤「よし決定。早速受付に行こう」
いーたん「あ」


戯言遣い、参加決定。



5



キーンコーンカーンコーン…(『B・O・S』の放送が流れる)

小鈴「…!これはチャンスよお兄ちゃん!『B・O・S』に出場して活躍を
銀河連邦警察にアピールすれば正式に採用されるかも知れないわ!」
鈴雄「ん~。でもこんな事でアピールするのはどうかと思うよ。あくまでも目的は
宇宙犯罪人の逮捕な訳だし」
小鈴「何言ってるの!地域住民に親しまれるのも必要な事なんだから!」
鈴雄「わ、分かった分かった。出場するからそんなに怖い顔しないで…」
小鈴「それじゃあ早く認証しに行きましょ!」


『B・O・S』認証受付

ドッコイダー「何だかんだの流れの中で、参加しましょう『B・O・S』。
       少々納得できないながら、人助けなら頑張ろう!
       株式会社オタンコナス製作、超特殊汎用パワードスーツ、
       ドッコイダー!認証を受けにただ今参上!」
ネルロイドガール「――ってなにやってんだ?ドッコイダー」
ドッコイダー「おお、ネルロイドガールではないか。君も認証を
受けに来たのか?」
ネルロイドガール「ああ、そんなところだ。『君も』って事はお前も『B・O・S』
に参加するのか?――ってあれ聞きゃあ丸分かりか」
ドッコイダー「はっはっは。まあそう言う事だ。お互いベストを尽くそうでは無いか」
護「すみませんでした。ちょっと呼び出しの放送をしていて…えーと、認証を
受ける人は――」
ドッコイダー「ああ。すまない。私― (ネルロイドガール「俺)―だ」」
護「――ええと、まず、青色の方…」
ドッコイダー「参加者は私ドッコイダー、保証人は――」
タンポポ「アタシ、タンポポでーす」
護「はい、分かりました。それでは――(目のやり場に困っている)む、紫色の
髪の方…」
ネルロイドガール「参加者はこの俺、ネルロイドガールだ。保証人は――」
ハナモモンチョ「それはこのわて、ハナモモンチョや。」
護「………はい、わかりました。それでは保証人のお二人にはこれを…」

ドッコイダー・ネルロイドガール、参加決定。



6



萠乃「…『B・O・S』…何かものっ凄く嫌な予感が…」
亜美「どうしたの萠乃ちん?何かものすごく顔色悪いけど…」
萠乃「いや…なんでも無いよ。うん。なんでも無い」

ピピピピ……

萠乃「ちょっと待って、何か電話がかかってきたからあとで」
携帯電話の発信者表示『カントク』
萠乃 (ピッ)「(小声で)どうしたんですかカントク?何か用なんですか?」
カントク「うむ、実は――」

キーンコーンカーンコーン…

護「えーっと、さっきの放送に引き続き他薦者の呼び出しです。
えーっと、エーブ…えっ?違う?…失礼しました、AⅤ(エーファイブ)さん、
推薦者は…(小声で)えーと、お名前は…?えっ?カントクと言えば分かる?
分かりました。…推薦者は本人の都合で本名は申し上げられませんが『カントク』
さんだそうです。AⅤの皆さんは10分以内に認証を受けに放送室前までお越し
ください」

キーンコーンカーンコーン…

カントク「―と、言うわけだッ!」
萠乃「何が『と言うわけ』ですかっ!勝手にこんなものにエントリーして…
わたしは参加しませんからね」
カントク「そんな事言って良いのかね、萠乃君。もう既に他の3人は君を迎えに
行っているのだが…」
萠乃「っ!そう言う事はもっと早く言って下さい!わたしは逃げますかr――」
ゆり「モ・ノ・たん(はぁと)。なぁ、『B・O・S』で全校にうちらの愛を
示してやろうや、なぁ?」
菜知「そんなものは欠片としてありません。示すのは私との愛です」
メイ「違うニャ!示すのはご主人様とメイの愛ニャ!」
萠乃「3人とも違うでしょ!そもそも『B・O・S』で示すのは愛じゃなくて
『正義の味方』としての実力ですからね!――ってなんで3人ともそんな口喧嘩
しながら息をぴったり合わせてわたしを運んでるんですかぁーーーー!?」

AⅤ、(半ば強制的に)参加決定



7



校舎裏
かなめ「ったくぅ~いくらこの学園でもお昼休みまでぶっ続けで見回りする必要ないでしょうに!」
かなめが呆れが混じった怒りを露わにしながら唐揚げが入っていたタッパーを閉じる。
その唐揚げをもぐもぐと飲み下した後に相良宗介がいつも通りむっつり顔で言う。
宗介「それは違うぞ、千鳥。食事という行為はなかなか気を抜いてしまうものなのだ。だからその時を狙ってテロが起こる可能性は…」

かなめ「だ~からぁ!その必要がないって言ってるのっ!」
宗介「それと俺がしていたのは見回りではない、不審者の狙撃だ。こういう事はクルツが得意なのだが…アイツは保安委員ではない」
かなめ「じゃあアンタずっとどっかの茂みにいたわけ!?」
宗介「問題ない、プロの狙撃手などは…

かなめ「そういう問題じゃなーい!!」
スパーン!
宗介「…むぅ」
『おかしい…任務に落ち度はないはず』 と思いつつ甘んじてハリセンを受ける。
そして受けながらも手は最後のおにぎりに延びる。
しかし、最後のおにぎりは横から突然延びてきた手が素早く取っていく。
宗介「むっ」
と、手の主…かなめをむっつりと、恨めしそうに見る。
かなめ「なによ?その目は。あたしが作ったんだから別に良いでしょ?」
といっておにぎりをかじる
宗介「…」
また(彼にとって不可解極まりないが)機嫌を損ねたようだ。こういう時は何も言わない方が良い
しかし、このような事態に陥ったときクルツならなんと言うだろうか?ふと、考えてしまった。
宗介「…想像できん」
かなめ「ん?なんか言った?」
どうやら何か反論をしたと思われたらしい。宗介が「いや、何でも…」と、言いかけたところで遠くから放送を知らせる木琴の音が聞こえた。
かなめ「放送?この声…護くんね。校舎裏だからよく聞こえないけど…」
耳を澄ませるがよく聞き取れない。
宗介「…ふむ、俺は呼び出しを受けているようだ」
そう言って立ち上がる宗介。同じ場所にいたが宗介には聞き取れたようだ。
かなめ「え?誰が?」
宗介「林水会長閣下だ」
驚いたかなめが更に驚く。しかし、
宗介「どうやら俺を例の『ベストオブ正義の味方』に出場させるらしい」
かなめ「はぁ!?」
更にさらに驚かされた…
かなめ「まぁこの学園が学園だからアンタの行動も無意味じゃないにしても正義の味方とは…」
宗介「解っている。正義などという言葉の曖昧さは双方がそれを掲げる戦場でよく知っている」
かなめ「!?、………」
話が噛み合っていない、だがその高校生が口にするには重すぎる内容にカナメは言葉を失っていた。
宗介「しかし、今回の場合の正義は要は周りの者の心証をよくし、志気を高める為なのだろう?そう聞いている。まぁそんな戦いはしたことはないが…」
かなめ「………」
宗介「…実はな、今朝に林水会長閣下直々に出場せよとの指令があったのだ」
かなめ「?」
なぜ林水会長が宗介を出場させたのかはかなめにもわからなかったが、
宗介「閣下の真意はわからないがなにせ林水会長閣下直々の指令だ、やらねばなるまい…ではな」
かなめ「え?あ…」
上官命令だから…そう言う意味の事を言って立ち去ろうとする宗介が改めて違う世界に生きていると実感し、カナメは声をかけることができなかった。
しかし二、三歩行ったところで宗介の足が止まった。
宗介「あーその、千鳥…弁当…感謝する」
食料を提供してくれた者への当たり前の礼…の筈がなぜか言いづらい。何故だろう?と思う
そしてその思いを振り切るようにして宗介は走り出した。時間に遅れるからと自分に言い訳して。

一方かなめはその様を茫然と見ていたが にっこりと笑って遠くなる背中に叫んだ。
かなめ「絶対優勝すんのよー!?」
そうだったのだ。幾らぶっ飛んだ世界に生きていても彼は怒りもすれば〝照れ〟もする少年だった。
何故自分が嬉しがっているのか気づかずにカナメは手を振る。
宗介も、手を振り返した気がした。

相良宗介、参加決定



8



佐山「ほう、『ベスト・オブ・正義の味方』か。中々興味深いイベントだね」
といいつつも佐山君が携帯をいじっている。非常に嫌な予感が…
新庄「えっ!!まさか佐山君が出場するの!?」
佐山「何を言っているのかね新庄君。佐山の姓は悪役を任ずる、私は悪役であって正義の味方とは正逆の存在だよ?」
新庄「だよね」
佐山「出るのは新庄君で私は保証人だ」
新庄「何でだよっ!?」
佐山「ふむ、悪役の私が保証人では問題があるというのなら代理も考慮するが」
新庄「そ・う・じゃ・なくて!!何で僕が出場する事になってるんだよっ!?」
佐山「ふむ。『ベスト・オブ・悪役』といえば私、ここまではいいかね?」
新庄「うん」
佐山「ならば私の正逆の存在である新庄君が『ベスト・オブ・正義の味方』であるに決まっているではないか」
新庄「なにがならばだよっ!!というかもういい加減突っ込むの疲れたよ!」
ぜいぜいと肩で息をする
佐山「新庄君、なにを興奮しているのかね?いまから興奮していると本番でもたないよ?…うむ、微妙にいやらしい響きだね?」
新庄「ごめん佐山君、原因を物理的に排除していい?」
佐山「うむ、一度ぬいてお、くぁwせdrftgyふじこ」
とりあえず首を絞めて黙らせておく。あとはこのまま受付の時間が終わるのを待つだけだ。
佐山「新庄君、もう携帯で申し込み済みなので急ぎたまえ」
そう言い残して気絶する。
新庄「ちょっと待った!!何気絶してるんだよ佐山君!!取り消し!取り消し!」
と肩を揺するが反応などあるはずもなく。

新庄運切、参加決定(保証人、佐山御言)



9



放送室前

扉が開き小柄でどちらかというとかわいらしい顔の少年が出てくる。
護「うん、ひとまず放送終わりっと…あら?」
護が放送室前に設置された受付に戻ろうとすると近くの掲示板見上げる知り合いの姿が見えた。
護「あ、紅さんじゃないですか」
駆け寄る護。知り合いは乾紅太郎だった。
紅「ん?ああ、護か…どうしたんだ?」
護「え?今の放送聞こえませんでした?」
護はびっくりして聞き返した。放送のミスだろうか?、そんな心配から不安げな顔になる。
紅「ああ、あれか…そうだったな」
護「なにかあったんですか?」
紅には珍しい生返事に心配げな顔をする護が聞く。
紅「ん?いや、考え事してた」
護「考え事?」
紅「昔のこと思い出してたんだ」
護「………」
紅は護の方を見た。…心配げな瞳がこちらに向けられていた。
昔無茶をした自分に向けられていた瞳を思い出した。
今は向けられる事のない、どこまでも真剣な瞳に話しても良いかと思った。
紅「これ見てたんだよ…」
そう言ってまた掲示板に目を移す紅。
護「あ…」
掲示板にはでかでかとB・O・Sの告知ポスターが張ってあった
紅がポスターを見ながら続ける。
紅「俺にとっての正義の味方は…兄代わりで父親代わりでもあった人だ」
護「………」
紅にとって大事な話なのだろう、しかし護はその話をこのまま聞いて良いものかを迷っていた。
紅の話は続く。
紅「アイツはいつも正しくて、俺は子供だった。尊敬してたけど…身近過ぎたんだ」
思い出すようにゆっくりとまばたきをする紅は何かを後悔しているようだった。
紅「今、同じような状況になって…こんな時アイツならどうするだろうとか、最近はそんなことばっかだよ」
紅は最近自分の部下になった少女の事を考えていた。
自分が歩いたはずの道をなぞる少女…しかし、同じ道に来てほしくはなかった。…同じ思いを抱いてほしくはなかった。
紅「俺がだらしないだけかもしれないけど…俺はアイツと同じようにやれてるとは思えない」
最後に言い切る紅。既に説明とは言えなくなっていたが、紅に喋れるのはこれぐらいだった。EMEの事を詳しく言うわけにもいかない。
そんな紅の事情を、護は護なりに察していた。その上で紅に笑いかけた。
護「試してみませんか?自分が正義の味方かどうかを」
紅「は?いや、正義の味方っつってもそんな意味じゃなくて」
紅自身、じゃあどういう意味なんだろうと疑問を持ちつつ慌てて出場を否定する。
護「別に良いじゃないですか…紅さんにとっての正義がその紅さんが尊敬してる人のようにあることならそれを証明すれば」
紅「………」
護はそう言ってまたにっこりと満面の笑みを浮かべる。
今度は紅が迷っていた。
護「迷うぐらいならやってみましょうよ。ね?」
紅はまた昔に見た優しい笑みを見た気がした。
そして決める。昔憧れた大きな背中の持ち主の様にすっぱりと。
紅「よし、やってみるか」
護「はい、じゃあ決定ですね。…あ、保証人どうしましょうか?」
Ω「そーゆー事なら僕にまーかせて!」
紅「うわっ!お前いつからいた!」
Ω「『実は俺、男が好きなんだ!』あたりからかなー?」
紅「んなこといつ言ったぁぁ!?」
Ω「そんなことより、オギャンオス!!、んでB・O・S出場するだろう?」
突然現れたΩが意味もなくくねくねと動きながら尋ねる。
紅「いや、まぁ…出るけど…」
Ω「なら保証人は是非このベストオブ隣人の綾小路Ωがやってやろうじゃないかァァァァ!?」
紅「やめろ、ベストオブ変人。ていうか最後疑問系なのは何でだ?」

そんな二人の漫才を苦笑しながら見ていた護がふと受付に目をやるとなにやら青っぽい人影と赤い人影が見えた。どうやら参加者らしい。
慌てて受付に戻ろうとする護。
護「っと、参加者さんが来たみたいなんで、僕は戻りますね?」
紅「ああ、またな」
紅がまとわりつくΩを手で払いながら返す。
それを見て笑いながら走り去る護…と、何かに気づいたように振り返った。
護「あ、保証人はΩさんにしときますねー!?」
紅「ちょっと待てェェェェ!」
残念ながら紅の魂の叫びは聞こえていそうになかった…

乾紅太郎、綾小路Ω、参加決定



10



放送席にて…

村田「『B・O・S』関連では三回目の放送となりました。今回は参加選手の
中間発表をお送りします」
マジク「>>744でも言ったようにまだ中間発表なのでこの放送が終わった後も
参加希望者はどんどん認証を受けてください」
村田「尚、今回は既に認証を済ませた(レスの最後に『○○○○、参加決定』
と記されている)方のみ発表させていただきます」
マジク「また、今回から解説者がもう一名追加される事になりました」
有利「どうも、高等部一年の渋谷有利です。今回から『B・O・S』の
解説者その2として参加する事になりました(――って村田!いきなり呼び出されて
おれはこんな所で解説するなんて聞いて無いぞ!)」
村田「(いいからいいから)さぁ、この3人で紹介していきますので
よろしくお願いします」

参加者紹介(参加者名・保証人名)

その一 草薙静馬・神谷大作
有利「この二人はおれが認証したけど、相当テンション高かったなぁ」

その二 上条当麻・???(保証人未決定)
マジク「確か彼はさっきの騎馬戦で片腕潰してなかったっけ…(汗)」
村田「そのくらいならこの学園の保健室でどうとでもなるよ」

その三 戯言遣い・哀川潤
有利「彼、登録名が『戯言遣い』ってなってるんだけど…」
村田「ひとには色々事情があるんだよ、渋谷」

その四 ドッコイダー・タンポポ
有利「何か初めて正義の味方っぽい正義の味方が来た気がするなぁ」
村田「でもなんか子供っぽいけどね~」

その五 ネルロイドガール・ハナモモンチョ
マジク「……しゃ、喋る小動物って…(それにあんな格好…)」
村田「宇宙は広いって事だね~」

その六 AⅤ・カントク
有利「…また凄いのが来たなぁ…」
村田「僕としては巫女さんが好みだけどね~」

その七 相良宗介・林水篤信(?)
マジク「彼は生徒会長直直の推薦だそうで、期待できそうですね」
有利「ただ、校内のトラップの三分の一は彼の手によるものだとか…」
マジク・有利「………ふ、不安だ…」

その八 新庄運切・佐山御言
有利「生徒会副会長の佐山先輩の推薦だそうです。相良選手と
良い勝負になるでしょうか」
マジク「ただ、僕としては彼女に彼がいるのかどうかが気になりますね」
有利「は、はぁ…」

その九 乾紅太郎・綾小路Ω
マジク「何か、この中では一番まともそうですね…」
村田「見た目だけで判断すると痛い目を見るよ~」

村田「…と言うわけで今のところ認証を受けているのはこの九組です。
まだまだ選手募集中なので我こそはと言う方はどしどし参加してください」



11



ギュンター「はぁ、はぁ…。一体陛下はどこに行ってしまったのでしょうか…」

キーンコーンカーンコーン…(放送が流れる)

ギュンター「…!あれは陛下!そこにいたのですか今迎えに行きますよー!」

放送席

有利「………(ゾクゥ)」
マジク「…?どうかしました?」
有利「……な、何か寒気が…」



12



はじめ「あの、『B・O・S』参加者の皆さんにお願いがあるんですが……」
つばさ「実は我々OMRは体育祭実行委員として、迷子を保護してるのだが困ったことがあってね」
オーラ「デモこの学校広くて、迷子もタクサンで~す。私タチだけでは親御サン探しきれまセ~ン」
川村 「うむ。できれば俺が送っていきたいところなのだが…」
オーラ「ダメですヨ~川村。マタ通報されてしまいマ~ス」
つばさ「はっはっは。まあそんな訳で迷子を送るのに人手が足りないのだよ。
    放送で呼び出そうにも、何やら訳有だったりするようなのでね。
    まあ、『正義の味方』が困っている子供たちを見捨てる、などないと信じているよ?」
はじめ「ちょ、先輩、なんで挑発しているんですか!? ああ、もうほんとすみません。
    それで、今本部で預かっている迷子ですけど」

  • コタロー@BLACK BLOOD BROTHERS
  • オルソラ=アクィナス@とある魔術の禁書目録
  • 梨々@吉永さん家のガーゴイル

つばさ「いやいや、まったく、個性的な迷子たちだね。連れて歩くだけで、何か起こしてくれそうだよ。
    いや、いっそのこと……どうだろう、はじめ君、狂言誘拐というのは?」
はじめ「何考えてるんですか、駄目ですよ! あぁぁ、すいません、先輩が変なこと言ってますが
    きっと保護者が心配してます。……お手伝いお願いできますか?」
オーラ「子供タチも、『正義の味方』のミナサンなら安心してくれマ~ス」



13



誰もいない教室の中、一人の少年の左右に、サクラとイルが立つ。

イル 「あー、何やこの子なんやけど。クラスで、30人31脚という競技にエントリーしたわけや」
サクラ「本来なら、この子がその競技の選手だった。だがクラス担任は、この子の代わりに
    別の運動神経のいい子に登録しなおしてしまった」
イル 「せやけどクラス全体からすれば、この子が参加しないほうが断然記録が望める。
    ほいで、一位と得点数がわりと競り合ってる当然いい記録がほしい。
    皆で仲良くって言えば聞こえはいいやろうけど、負ければいい気分やない。
    下手すりゃこの子が苛められるわな」
サクラ「だが、この子はどうなる! 『皆のために』という理由でこの子のがんばりを投げ捨てるのか?
    それが正しい答えのか!?」
イル 「そこで、『正義の味方』のお前さんに質問や……」

サクラ「一人と皆、どちらかが犠牲になる時、貴方ならどちらを選ぶ」


ひそひそ……
サクラ(やはり、こういう問いかけは気分が悪い)
イル (まあ、そう言わんと我慢せえよ。『正義の味方』としてどう答えるかを試してるんやから)
サクラ(だから、私の信念にそって言わせてもらえればだな……)
イル (ああ、はいはい、わかっとる。けどな、信念持ってんのが自分だけと思うなやボケ。
    所詮、答えの出ない問いかけや、感情に流されんなよ)
サクラ(なっ、くっ、勿論だ。貴方が大義を気取った答えを、勝手に良しとしなければな)
イル (するか、アホ。さてどんな答えが聞けるやろうな)



14



一人を犠牲にするか、皆を犠牲にするか、『両翼』の場合。
万事解決花鳥風月!『両翼』のお悩み相談!
  ~参加者でもないのに乱入して御免なさい~

イルヤンカ「一人を犠牲にするか、皆を犠牲にするか――正しい答えなど
      無い哲学的な問題だが、お前はどう答える?メリヒム」
メリヒム「俺はマティルダ・サントメールの為なら何を犠牲にしても
     構わん。俺は愛を貫くのみだ」
イルヤンカ「なんか方向が偏った回答だな」
メリヒム「人による、ということだイルヤンカ」
イルヤンカ「まあ、一つの答えではあるが。……愛する一人の為なら
      皆を犠牲にしても構わん、と」
メリヒム「そういうことだ。某ゲームでも、主人公は魔術回路を
     焼き尽くしてまで――」
イルヤンカ「やめろメリヒム!そのネタはいくらなんでも危険
      過ぎだ!今後出番が一切合切消えるぞ!それにそれは
      ライトノベルに分類されない!叩かれるぞ!」
メリヒム「おっと、それはまずい。ではやめよう」
イルヤンカ「……マジで危なかった。――所で、お前の愛する人が
      その中に居なかった場合はどうするのだ?」
メリヒム「みんなくたばれ」
イルヤンカ「この野郎!」



15



放送席にて…

村田「あけましておめでとうございまーーす!」
有利「い、いきなり何言ってるんだ村田!?」
マジク「そうですよ、今は体育祭の真っ最中ですよ?」
村田「あぁ、いいのいいの。こっちの話だから気にしないで、渋谷、マジク君」
有利「?……ところで今回は何の放送なんだ?」
村田「あれ?言ってなかったっけ?今回は『B・O・S』の競技とは直接関係無い
事なんだけど、ちょっと言い損なった事があってね」
マジク「…で、その言い忘れた事って?」
村田「これは本来なら最初の放送で言っておくべきだったのかもしれないんだけど
競技の放送に関して、言っておかなきゃいけない事がね」
有利「放送って…ここでの実況と解説じゃ無いのか?」
村田「今回は多数の参加者が校内をあちらこちらに行く事になる関係で、観客の
人たちがそうそう観戦できないから、その対策に関してね」
マジク「ああ、そう言う事ですか…。で、その対策っていったい?」
村田「うん。参加者一組一組にカメラマンを付けてこのスクリーン(>>526参照)
に映し出す事にするんだけど…」
有利「…ちょっと待った村田。それじゃあ参加者がカメラマンを意識して
緊張するなり何なりで公平さに書ける事になるんじゃ無いか?」
村田「それに関しては心配要らないよ渋谷。カメラマンは血桜忍群の人たちに
頼んであるから、撮影されている事を意識させないようにするはずだよ」
マジク「…ち、『血桜忍群』って…?」
村田「なんでも、戦国時代からタイムスリップして来た忍者集団らしいよ」
マジク「そ、そうですか…」
有利「そんなのアリなのか?」
村田「(小声で)それ、『眞魔国第27代魔王陛下』の渋谷に言えた事?
――と言うわけで参加者の皆さんは競技中に変な事を言わないようにしてください」



16



サクラ『――我々「賢人会議」は、当学園の全てに対し、新年の言葉を宣告する――
     あけましておめでとうございます!』
イル 「ちょ、なんやお前、いきなりテンション高いな」
サクラ「む?そんなことはない」
イル 「けっ、大方自分好みの回答が来て浮かれてるんやろ?」
サクラ「何を言う。確かに『両翼』メリヒム殿の答えは模範的だが、反対意見も私はみとめるぞ。
    この問いは、誰が、どういう風に答えても全くかまわないのだから」
イル 「いや、まあそうやけど。あんな色ボケ回答がやな……ん、何や?」

プルルルル。カチャ

つばさ「はっはっは、イル君、エロは大事だよ、エロは」
イル 「うお、何や、あんた、いきなり」
つばさ「あー、いやすまない。実行委員の者なのだが、ちょっとそちらの課題に提案があってね。
    メリヒム殿の意見も考慮して、少年ではなく少女も可としてくれないかね」
イル 「はあ、つまり参加者の希望で保護対象は女の子もあり、ちゅうことですか?
    そんな女限定の『正義の味方』なんて、どうやと思いますけどね」
川村 「わかってない!つばさ先輩、こいつ、まるでわかってませんよ。颯爽と少女を救うヒーロー。
    それは王道ながらも間違いなくフラグの生まれる瞬間!!ああ、もう俺は…(ゴスッ)」
つばさ「……いやいやすまない。ちょっと興奮した生徒がいただけだ。まあ、実際、参加者で男の子を
    『ずっと守ってやる』と言えるのもそう居ないだろうしね。私は言えるよ?」
イル 「……まあ、ええですけど。あ、けどほんまに実行委員の指示やいうてかまわへんですよね。
    いちおう、名前ええですか?」
つばさ「……すまない。うかつに名乗れない事情があってね。見逃してくれたまえ。では」

ガチャ、ツーツーツー

サクラ「……まあ、いい。指示に従うとしよう。うん、どうせなら、リボンの似合う子がいいな。
    では、早速探してくるとしよう」
イル 「……お前、キャラ変わってへんか?」



17



ダイアン「では…。『B・O・S』参加者の皆に告ぐ。私は派遣警察の
ダイアン=ブンクト部長刑事だ。早速だがお題の発表に行かせてもらう。
そのお題だが、一言で言うと私の部下コンスタンス=マギー三等官のおもりだ。
本来ならその役目は某黒魔術士が果たす筈だったのだがなんでも文化部棟で
大怪我をして保健室に篭っているらしい。彼がいないとなると私があの
黒ずんだ消しゴムの次ほどにも役に立たない無能警官を――」
???「…あ、あの~。部長、何もそこまで…」
ダイアン「失礼、少々愚痴に走ってしまったようだ。本題に戻ると、
参加者の皆にはこのシロアリのついた柱ほどの価値も無い無能警官に出来るだけ
問題を起こさせ無い様にしてパトロールをして欲しい。尚、この超有能無能者は
参加者のうちの誰かと合流するまで校門前に待機させておくが、そのときに発生した
問題については当方は一切の責任を放棄する」
???「…な、何もそこまで言わなくても…」
ダイアン「……言い忘れていたが諸君の健闘を期待する」



18



哀川潤「人いねーなおい」
いー「スレの現状を言わないでください」
哀川潤「そうか、わりぃわりぃ。ところで携帯からだと書きづらいな」
いー「書き手の現状を言わないでください」
哀川潤「正義の味方がちっちぇ事いってんじゃねぇ!で、どの依頼を請けるんだ?」
いー「うーん、この仲間外れの子供にアドバイスを・・・」
哀川潤「戯言使いそうだから却下」
いー「・・・・・・。うーん、他は難しいな、よし、棄権しよう」
哀川潤「わかった、こんなこともあろうかと学園で請けた依頼を一つ残しておいたんだ。
いまからBOS本部に了承させてくるからこの紙に書いた場所に行け」
いー「理科室?」
哀川潤「幸運を祈る!」
いー「あ、ちょっ・・・行っちゃった。逆らうと後で恐いし、行ったみるか。」
~理科室~
ぼくは理科室の隅でがたがた震えている女の子を発見した。
ていうかりすかちゃんだ。この子とは2人3脚(だっけ?)のときに面識がある。
大量出血すると哀川さんっぽくなって(魔法だという。同じ魔女でもアパートに棲息する奴とは大違いだ)強くなる心視先生に会わせたくない人ナンバーワンだ。ぼくは気軽に話しかける。
ぼくはまだ魔法というモノがなんなのか理解していなかった。
ToBecontined!
いー「忍者さん、勝手に意味深なアオリをつけないでください」

りすか「―――というわけなの」
りすかちゃんは依頼内容をやっといってくれた。ぼくが哀川さんの代理だとなかなか信じてくれなかったが、余程急いでいたらしく、なんとか聞き出す事に成功したのだ。
いー「なるほど。友達のお気に入りの本をなくしちゃった、と」
彼女は、友達から借りた何かの読本を2日前に学園で紛失してしまったらしい。
この学園は広いから、確かに一人では探すのは困難だろう。
しかし、それは2人になっても同じことだ。ならば、情報を集めなければ。
いー「何か心当たりはあるの?」
りすか「うーん、強いていうなら最後に読んだ保健室なの。でも、探しても見付からなかったよ」
ああ、保健室か。ぼくにとっては、あまりいい場所では無いが、美形の校医が一杯いるから、男女共に人気がある所だ。
あそこで落としたとなると、誰かに拾われてる可能性もある。
ぼくたちはとりあえず一旦保健室に向かった。着いてみると今日は運動会なので怪我人が続々運びこまれている。(なのでがおかしいような気もするが。)
まずは怪我人の世話をしている校医に話しかけてみた。
校医F「本?悪いがしらない。それより君、私に体を委ねてみないかね?」
校医B「ほん~?しらないよ~。はっ!もしかしてエッチな本!?
いやぁん桜くんそんな妄想しちゃ駄目っ!(グチャッ{患者の頭が砕けた音})」
校医E「し、しらないよ。嘘じゃないもん嘘じゃないもん嘘じゃないもん。何で信じry(」
りすか「・・・お医者さんってもっとまともだと思ってたの。」
いー「うん、そうだったらいいのにね。」
知り合いが一人いたことは黙っておいて、りすかちゃんに聞き忘れていた大事なことを聞いてみた。
いー「どんな本を誰に借りたの?」りすか「キズタカに、世の中を上手に渡るための方法が書いてある本を借りたの。」
キズタカくん。ちょっと醒めた小学生。なるほど、彼ならそういう本を持っててもおかしくない。
りすか「きっと怒られるの。嫌われちゃうかもしれないの。」
途端に切なそうな顔をするりすかちゃん。
なるほど、恋愛関係にあるわけか。最近の小学生は進んでるなぁとか思いながら、励ましの言葉をかける。
いー「いや、そんなことはないよ。りすかちゃんが心を込めて謝ればきっとキズタカくんも許してくれる。
嫌われるのを怖がって逃げちゃ駄目だ」
ぼくもずっと逃げ続けていた。
まだ向かい合えるほど強くはないけど、それがわかったんだ。
だから、戯言は遣わない。
りすか「・・・うん、そうだよね。ありがとう、いーちゃんさん。・・・行ってきます」
りすかちゃんは、何かを決意したような表情で、保健室を出ていった。
その姿を見てほっとしている自分に気付く。
いー「ああ、そうか。りすかちゃんは―――」
×××に、似ていたんだ。
ちなみに。
りすかちゃんが探していた本は、ぼくのもう一人の知り合いの校医(ナース)さんがあろうことか無断で借りたのを忘れていて、洗濯機にいれてしまったという。
辛うじて読めたタイトルは、『いかに無能な上司を利用するか』だった。
いー(・・・まあ、正義の味方として子供への悪影響を断ったってことで。)
哀川潤(最後で戯言つかうなよ!)



19



ラノベ学園校門前

ヴォルフラム「全く、一体フォンクライスト卿はどこに行ってしまったんだ!?」
コンラッド「そう焦るなヴォルフラム、きっとこの辺りにいるはずだから」
ヴォルフラム「しかしウェラー卿!こんな事をしている間に万が一の事があったら
どうするのですか!」
コンラッド「確かに、その危険性はあるが…何処にいるか解らない以上下手な動きを
取らないほうが良いだろう」
ヴォルフラム「なら一体どうすれば?」
コンラッド「とりあえず有利に事情を話して協力してもらおう」
ヴォルフラム「……で、その有利は何処だ?」
コンラッド「取りあえず、そこにいる案内係に聞いてみましょう。
――すみませんが、渋谷有利が何処にいるかは解るでしょうか?」
真一(案内係)「はい、なんでしょうか…(何なんだこいつらは?しかし、
二人とも相当な美系だな…うちのクラスの渋谷と何の関係があるんだ?後で
伊欧に聞いてみるか)…ええと、渋谷なら今は放送席で『B・O・S』関係の
放送をしていると思いますが…あ、後これが体育際の案内です」
コンラッド「ありがとうございました。それでは」
ヴォルフラム「――で、どうするんだ?」
コンラッド「とりあえずこの案内を参考にして放送席を探してみましょう」



20



『B・O・S』認証受付

瑠流「はい、こちらが保証人用のデジタルカメラです」
カントク「うむ、わかった。…で、お前たちお題は使うか?」
スクール(萠乃)「ええ、ただうろつくのも芸が無いですからね」
シスター(ゆり)「せやったらうちが……えーと、『白人萠乃と百合山ゆりを
恋人同s―――」
スクール「――って何言ってるんですか!?」
ナース(菜知)「そんなわけありません。私に見せてください。……『白人萠乃と
鶴平菜知w―――」
スクール「ってナースも!二人共何やってるんですか?」
メイド(メイ)「二人とも真面目にするニャ!…と、言うわけでメイが……『白人萠乃とメイd―――」
スクール「三人ともいい加減にしてください!揃いもそろって何やってるんですか?
もうわたしが見ますよ。……えーと、『妹を学校に来させてください・高浦真一』…
全く違うじゃないですか!全く…」
シスター「あのー。スクール、うちとしては男からの依頼は断りたいんやけど…」
ナース「珍しく意見が合いましたね、シスター。私も同意見です。」
スクール「二人とも、『正義の味方』としてそれで良いと思ってるんですか……」
シスター・ナース「――ッ!さあ、せいぎのみかたとしてがんばっておだいをこなしましょー」
スクール「ところで、このお題を作った高浦真一さんは何処に?」
瑠流「………は、はい。彼は校門前で案内係をしているはずですよ」
スクール「ありがとうございました。さあ三人とも行きますよ」
シスター・ナース・メイド「ハイ。ワカリマシタ」


ラノベ学園校門前

スクール「あの、あなたが高浦真一さんですか?」
真一「はいそうですが…(なんなんだこいつらは?)」
スクール「自己紹介がまだでしたね。わたしたちは『B・O・S』参加者のAⅤ(エーファイブ)
といいます。あなたからのお題によってここに来たわけです」
真一「はあ、そうですか…」
スクール「…と、言うわけで話を聞かせていただきますか?」
真一「わかりました。まず俺の家庭の事情について話させてください。
――(以下高浦家の事情を話すがプライバシー保護(とネタバレ防止の観点により削除@忍者:何も書く力が
無いわけではない@作者)――というわけです」
シスター「なんつーエロ親父や!……これはその妹の気持ちにも無理が無いんや無いか?」
ナース「確かに、その通りですね。ここはその妹の意思を――」
スクール「確かに気持ちは解らなくも無いけれど、学校には来させたほうが良いと思いますよ。
真一さん、伊欧さんのところに案内してください」
真一「はい、わかりました。こちらですからついて来て下さい」



21



放送席前

有利「はあ、やっと一段落ついたよ」
麻美「渋谷くん、お疲れさま。はいこれ差し入れ」
有利「ん?ああ橋本か、ありがとう」
麻美「急に姿を見なくなったからどこに行ったのかと思ったら放送に出てるんだもん。
一体どうしたの?」
有利「いやまあ、色々とあってね」
村田「やあお二人さん、お暑いねえ」
有利「村田!全く油断もすきも無い…」
村田「まあまあそんな事言わずに。渋谷、ちょっとこっちに」
有利「ん?どうしたんだ村田?」
村田「(小声で)さっき近藤先輩から聞いたんだけど長い銀髪の男が『陛下』を
探していたらしいよ」
有利「…!(小声で)まさかそれって…gy」
麻美「どうしたの?渋谷くん。何か顔色が悪いけど…」
有利「い、いや、なんでも無いよ。(小声で)一体どう言う事だよ!なんで『こっち』
にギュンターが…」
麻美「やっぱりおかしいよ渋谷くん。一回保健室に行こ」
有利「いや、ほんとに大丈夫だから、ね、橋本。村田も黙って無いで何か言ってくれ!」
村田「…いや、渋谷、あそこ…」
有利「……へ?」

ヴォルフラム「そこの女!ユーリに何をしている!?」

有利「…ヴォ、ヴォルフラム?なんでお前までここに?」
麻美「え?誰、このカッコイイ人?ねえ渋谷くん」
ヴォルフラム「お前こそ何者だ!?僕はユーリの婚約sy…」
コンラッド「落ち着きなさいヴォルフラム。こんにちはユーリ」
有利「こんにちは…ってなんでお前らまでこんな所にいるんだよ!?」
村田「こんにちは。積もる話もあるみたいだから僕らは一足先に放送席に
戻っておくよ。さあ行くよ橋本さん」
麻美「え?あたしは『B・O・S』の関係者じゃ…ちょっと待って村田君!?」
有利「ありがとう村田。…さっきも言ったがなんでお前らが地球にいるんだ?」
コンラッド「それは私が説明しましょう。実はアニシナが新発明の『世界間移動筒路』
の実験をする事をギュンターが聞きつけて無理矢理突入してこっちに来てしまって、
私達はそれを追いかけてきたわけですが…彼が何処にいるのかの心当たりが無いので
有利に聞いてみようと思ったのですが…何か心当たりはありますか?」
有利「…確か近藤先輩が姿を見たらしいけど、おれ自身は知らないよ。……あ、そうだ」
ヴォルフラム「なんだ?何か思いついた事でもあったのか女たらしのへなちょこ」
有利「だからへなちょこ言うな…あと女たらしって何だよ!」
コンラッド「まあまあ二人とも落ち着いて。…で、何か思いついた事でも?」
有利「ああ、さっき橋本が言っていたけれど、『B・O・S』の参加者に頼むんだよ」
コンラッド「『B・O・S』?」
有利「一言で言えばここで一番の正義の味方を決める企画だけど…お題を募集しているから
ギュンターを探してもらうようなお題を投稿してくるよ」
コンラッド「ああそう言うわけですか…それでは私達はどうしましょうか?」
有利「う~ん、とりあえずはお題を投稿するまでここで待っててくれるか?
それじゃあ俺はお題を投稿しに行ってくるから」
コンラッド「ええ、行ってらっしゃい」



22



真一「伊欧ー、居るかー?」
シスター(なんか、妙な匂いがするなあ)
ナース(あなたもですか?でもこの匂いはどこかでかいだような…)
伊欧「お兄ちゃんどうしたの?また呪いを…」
カントク「おおッ!?君、AⅤに入るつもりは――」
スクール「――っていきなり何言いだしてるんですか!?」
カントク「(無視して)君ならAⅤの六人目―『ウィッチ』になれる!さあ!」
真一「―――六人目?」
スクール「ええ、五人目は今写真集の撮影でカメルーンに行ってるんですよ。
――ってカントク!もういい加減にしてください!」
伊欧「……で、これは一体どう言う事?」
真一「ああ、実は彼女たちは伊欧が学校に来るように…な?」
伊欧「なに言ってるの!?…そうねそこの一人を除いて妙に恥ずかしい格好を
した変人連中に騙されたのね。今なら苦しまずに冥府に送ってあげるわ…」
スクール「……orz…」
シスター「これは聞きしに勝る…」
スクール「と、とにかく話だけでも…」
シスター「…スクール、こうなったらアレしかあらへんで」
スクール「…アレ?」
シスター「メイドー。きいてるかー?」
メイド「ニャ?」
スクール「…ってまさか!?」
シスター「今からこれからの事を話すからよく聞いてや。実はこれからすぐ
1回暗転するからその間に伊欧を説得して学校の制服に着替えさせて次のレス
には学校に到着や!」
メイド「そうなのかニャ!?」

――暗転――



――明転――

メイド「ホントだニャ!すごいニャ!」
シスター「いや~、彼女の説得には苦労したなぁ」
伊欧「なに!?一体何があったの?」
ナース「貴女も私たちの説得に応えて学校に行く事にしたんですから大人しく
行きましょうね」
シスター「それにしても土壇場で飛び出したスクールのアレには感動したなぁ」
ナース「ええ、アレが無かったら説得は成功しなかったでしょうね」
伊欧「アレってなに!?具体的に言えるの!?」
スクール「…………………」
伊欧「こんなのアリなの!?そして貴女もなんでそんな同情するような目で見てるの?!」
カントク「まあ、色々あったけれどもこれで一件落着だな!」
(スクール・伊欧を除く)全員「はっはっは……」

――AⅤ・mission complete……?


放送席にて…
マジク「どうも、『B・O・S』担当のマジク=リンです。…一体、あの暗転時に
何があったんでしょうか…?」
村田「同じく『B・O・S』担当の村田健です。…細かい事を考えたら
負けなんだよ、マジク君」
麻美「…臨時で『B・O・S』の担当になった橋本麻美です。…いつも
こんな調子なんですか?」
村田「まあ今回は特別だけどね…『渋谷の彼女』の橋本さん」
麻美「…!な、何言ってるんですか・・・!?」
村田「まあまあ、こういう事は早めに公表した方がいいんだから…ね?」
マジク(あの渋谷先輩に彼女がいたなんて…油断大敵ですね)



23



―放送室前・BOS受付
護「締め切りまであと五分か…」
既に何人かの受付をすませ席に座る吉村護が呟く。
と、そこへなにやら少年がやる気なさげ走ってやってくる。
護「ん?あ、上条さん」
走ってきたのは先ほど呼び出された上条当麻だった。
当麻「よう、吉村…BOSだっけ?ここにくればいいんだろ?」
見た目は正義の味方には見えそうにない、ただの何の変哲もなさそうな少年は気安げに護に声をかける。
護「はい…ですが…」
何か言い出しにくそうにする護。
当麻「?、どうかしたのか?」
護「いや、この企画は保証人というか…同行者が必要なんですよ」
当麻「は?俺が呼ばれたときにたくさんいたじゃん、アイツらの誰かがなるんじゃないの?」
護「そこなんですよ…実はあの呼び出しの後、簡単なルール説明をしたんです」

もあもあもあもあ…(回想に入る効果音だと思おう!)


―放送室
ピンポンパンポーン…定番の下がり調子の木琴の音を鳴らし放送のスイッチをきる護。
振り返り放送室いっぱいに入った女性たちに汗を浮かべながらも口を開く。
護「では、誰か来る前に手短に説明をしたゃいますね…っとその前に」
護は基本的な事を聞き忘れていたことに気づいた。
護「どなたが同行者なんですか?」
ミサカ「いえ、私は同行者ではありません。とミサカは割り込みをかけます」
護「へ?じゃあなんで…」
ミサカ「実は先ほど学園内で迷っている方を見つけたのですが、話を聞くとこの話の参加者を待っているらしく私では案内ができないのです、とミサカは端的に説明します」
護「じゃあ参加すればいいんじゃないですか?」
笑顔ですごい事を言う護。
ミサカ「それがこの後に絶対に出なければならない種目がいくつかあるのです、とミサカは少々呆れつつ根気強く説明します」
護「ああ、なるほど。なら仕方ないですね」
ミサカ「期待を裏切ったならすみません。では私は次の競技がありますので、と謝ってミサカは放送室を出ます」
笑顔が一転残念そうな顔になった護にミサカは一言謝ると放送室を出ていった。

護「あ、さよなら~」
と、しばし見送る護だがすぐ自分を見つめる視線に気づき話を戻す。
護「で、誰が同行者をやるんでしょう?」
インデックス「はい!はいはいはーい!私がやるかも!」
美琴・神裂「!?」
護「はい、分かりました。お名前は?」
インデックス「私はインデックスって言うんだよ?…ふふふ、これでヒロインは私なんだよ…ふふふふふ」
護は不思議名前だなと思いつつ引っかかる単語を聞いて名前をメモをしようとした手を止めた。
護「え?ヒロイン?…あのーそれって最後に参加者と一緒に表彰される、あの、ヒロインですか?」
インデックス「うん!そうなんだよ!カナミンはヒロインなんだよ!つまりは、ヒロインになればカナミンになれるんだよ!」
と、そこで彼女が(色々と)勘違いをしてることに気づく護。
護「あのー言いにくいんだけど同行者はヒロインにはなれないんだ(カナミンて超機動少女カナミンのことかな?
というかヒロイン違い?)」
根本的な所をつっこんだら泣きそうなぐらい喜んでるのを見て心の中でつっこむだけにした結構大人な護だった。
インデックス「えー!そうなの!?…せっかくカナミンのドレススーツ貰えると思ったのに…」
そう言ってとぼとぼと出口へ歩き出すインデックス。
めちゃくちゃ肩を落としていたが一段上を行く勘違いっぷりに気の毒に思うよりも呆然とする。
実際、護も何も言わずに見送ってしまったのだった。


しばし固まる護だったが気を取り直して残る二人に向き直りいつもの笑顔で訪ねる。
「で、どちらなんです?」
と、護は自分がまた同じ事を訪ねた瞬間、何故か放送室の雰囲気が雰囲気が緊迫したものに変わった事に気づく。
何故か神裂と御坂で牽制し合っている様で二人とも互いを横目で見ながら一言も発しない。
聖人と最高レベルの超能力者が無自覚に出す無言の圧力に圧され、護は冷や汗をかきながら笑うしかない。
「わ、私は他の競技があるから同行者は出来ないわよ?」
長い沈黙を破り機先を制したのは御坂美琴だった。
しかも神裂をちらちら見ながら暗に「あなたは競技ないんでしょうから同行者やりなさい」と目で語っていた。
…一応この二人にまだ見識はないはずだが上条当麻と〝ある特定の〟関係があることは雰囲気で分かっているようだ。
それが当たり前のようになっているのだから上条当麻の凄さが分かる。
更にすごいことに〝ある特定の関係〟が色っぽい関係…つまりはそーゆー関係は全くないのだ。
さすがミスター駄フラグ立て逃げボーイである。
「わ、私も同行者は出来ません。そもそも私は土御門に頼まれただけで…」
と、説明セリフを断ち切って発言したのは神裂火織。
しかし舌戦には慣れていないせいか言い訳が弱い。
美琴がすぐさまそこにつけ込んだ。
「何か用事あるの?」
「あ、はい、これから仕事が…」
「普通父兄でもないのに仕事の前にこんなとこ来るかしら?あ、それともアンタあのバカの親類?…もしかして親とか?」
もちろん分かって言っている美琴。
いくら神裂が年m…大人っぽく見えてもさすがに親には見えない。
しかし、
「私はあんなのの親ではありません!というか私は

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最終更新:2006年06月22日 21:11
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