真・女神転生if… 魔界のジン 作/吉村夜 イラスト/金田榮路 富士見ミステリー文庫

 

905イラストに騙された名無しさん:2012/08/12(日) 06:09:27.61 ID:q/Bzt81M
埋めがてらさらっと書いてみる。十年前に一回読んだきりなので完全にうろ覚え。


真・女神転生if… 魔界のジン 富士見ミステリー文庫 作者:吉村夜 イラスト:金田榮路

ゲーム「真・女神転生if…」の世界観に沿って書かれた、オリジナル小説。
ノベライズではないので、元のゲームの展開を沿ったものではなく、主人公も異なる。

私立軽子坂高校。この高校はある日、突然校舎ごと異世界に飛ばされてしまった。
その異世界には悪魔(いわゆる「西洋の悪魔」だけでなく、妖精、魔獣、妖怪など、人外の怪物全般)たちが
跋扈する危険な空間だった。
オカルト研の部長である主人公ジンも、部員たちとともに校舎内に居たため、巻き込まれる。

どうやら、この異常事態を引き起こしたのは、狭間 韋出夫(ハザマ イデオ)という一人の生徒らしい。
天才少年と名高かった彼は、その天才性から学校では浮いた存在でもあった。
その孤独で頭がおかしくなったようで、その天才的頭脳でオカルト的な儀式をあれして、
なんやかんやあったあげく「魔神皇」というなんかすごいパワー持った存在に転生デビュー成功、
そしてその能力で、こともあろうに高校全体に復讐を開始したらしい。

オカルト研のメンバーは、そんな異常事態の中でも、
悪魔と会話できるようになる携帯アプリ「悪魔召喚プログラム(β版)」を駆使して悪魔を仲間にし
その力を分けてもらうなどして、なんとか戦い、生き延びていく。
ちなみにこの携帯アプリは、この異変直前にオカルト研のウェブサイトを通じて、
謎の人物STEVENから送りつけられていたものです。


続く

 

 

22 :真・女神転生if… 魔界のジン:2012/08/12(日) 06:11:26.75 ID:q/Bzt81M
前スレ905から続き。
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1289054117/905

そんな中、魔界のある場所で、人間界と異世界通路を空けて交易しているらしい悪魔を見つける。
うまくすれば人間界に帰れるかもしれない、と希望を見出し、
その商人悪魔とダメでもともとで交渉してみたところ、高額のマッカ(魔界の通貨)と引き換えにであれば
人間界への戻す、という約束を取り付けた。

しかしその後そのマッカの額が、感覚的に言うと日本円で数千万円程度にあたることが判明。
悪魔を倒してマッカを奪うことを繰り返していても、何年、あるいは何十年かかるやらわからない。

メンバーたちは頭を抱えるが、遭遇する悪魔たちについて、会話は出来る程度の知能はあるものの
総じてあまり頭がよくないことに気づいたオカルト部メンバー一人が、ある画期的なアイディアを思いつく。
それは、「幸せのお守り」を悪魔たち相手に売るということ。

特別なパワーも無いエセお守りなんか売っても売れねえだろ?とメンバー内の馬鹿が懐疑的に言うが、
発案者は自信ありげに「いや、このお守りは実際に幸せになる仕組みがある」と言う。

このお守りはやや高額だが、これを購入した者は、同じお守りを誰かに売る権利を得る。
そして、その売った額のうち一部を、自分に売ってくれた人にも上納する。
また、売った相手から自分へ同じように上納された金額からも、一部を売ってくれた人に上納する。
つまり、自分がお守りを売った子会員や、その子会員が売った相手である孫会員、
さらにその先のひ孫会員……などから、少しずつではあるものの金がどんどんと自分のところに吸い上げられる。
よって、このお守りを買えば確実にお金持ちに、幸せになれるのだ。

馬鹿はしばらく考えた後、「すげえ、お前、天才じゃん!」と叫んだ。
発案者を含む他のオカルト研メンバーは、ねずみ講にあっさり引っかかる彼を生暖かい眼で見つつ、
こいつが騙されるのなら、こいつと同程度かそれ以下の知能のものが多い悪魔たちも騙されるだろう、と
このアイディアを採用することを決めた。

23 :真・女神転生if… 魔界のジン:2012/08/12(日) 06:12:25.25 ID:q/Bzt81M
それからしばらく経って……

主人公たちオカルト研メンバーは、魔界で大富豪になっていた。
悪魔たちはあっさり騙されてくれて、幸せのお守りが大ブレイクしたのだ。
帰るために必要な金額はとっくにクリアしており、例の悪魔商人も主人公たちに一目置くようになったのでいつでも帰れる。
だがまあ帰るのは後のこととして、魔界に豪邸を購入して酒池肉林の贅沢三昧の日々を送っていた。
サキュバスを取り巻きにはべらせたりしています。

そんな時、戦乱の情報を聞く。
あの魔神皇は魔界に高校を飛ばしただけであって魔界の支配者になっていたわけではなかったのだが、
どうやら強大な力を使っていよいよ魔界を支配しようと支配・侵攻を開始したらしい。
主人公たちが住む魔界の町にも魔神皇の軍勢が迫っているのだ。

戦乱に巻き込まれたら(この贅沢な暮らしが)どうなるかわからないと危機感を覚えた主人公たちは、
「魔神皇の支配を受けたらお守りの効果が無効になってしまう」と悪魔たちに喧伝した。
するとねずみ講に入会していた大量の馬鹿悪魔たちが集結し、魔神皇に対抗する軍勢を構築した。
二つの軍勢は衝突する。

24 :真・女神転生if… 魔界のジン:2012/08/12(日) 06:14:54.44 ID:q/Bzt81M
そんな中、主人公たちは魔神皇と対峙する。
人間の学生の姿はすでに失われ、すでに人を捨てた魔神の姿となっていた。
そんな彼は最初は不敵な態度をとっていたが、主人公たちの言葉を聴いているうちに徐々に機嫌が悪くなっていく。

「いやー、俺たちそこまでお前のこと恨んでないんだよね」「つーか感謝してるっつーか?」
「ここに来てから刺激的なことばっかりで楽しいしねー」
「もう帰らなくてもいい、ずっとここにいてもいいや、みたいな?」「金も稼げたしね」
「お前も俺たちと楽しまねー?」(要約)

これらの言葉を聴き終わると魔神皇はブチ切れて、「お前らなんか帰れ!」と魔力で主人公たちを吹っ飛ばした。
(ぼっちのいじめられっ子だったイデオくんには、
主人公たちのリア充っぷりによる精神的ダメージが大きかったものと思われる)

気がつくと主人公たちは、突然消滅した軽子坂高校跡地、すなわち人間界に倒れていた。
魔界から戻ってきていることに驚愕し、大声を上げる。しかしそれは歓声ではなく悲鳴だった。
「せっかくの豪邸が!」「あんなに集めたお金が!」「全部パーだ!」
慌てたオカルト部の面々は、
人間界と交易をしてたあの悪魔がいた以上また魔界に行く手段もあるはずだ、
と考え、その方法を探すことを当面の活動方針と決めるのだった。


おしまい。


十年読み返していない小説なので、とんでもない間違いもあるとおもう
見つけた人は指摘してください

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最終更新:2012年09月01日 01:02