Fate/Zero 著/虚淵 玄 イラスト/武内 崇(カラー扉ページはTYPE-MOONスタッフ) TYPE-MOON BOOKS、星海社文庫
2スレ目
- 48 :イラストに騙された名無しさん:2012/10/02(火) 17:22:50.97
ID:M0PXTlCc
- フェイトゼロってどんなの?
そもそもあれが初めでいいの?
- 49 :イラストに騙された名無しさん:2012/10/02(火) 21:26:15.24
ID:OmT/ou7P
- >>48
時系列的には1.Fate/ZERO、2.Fate/staynight、3.Fate/hollow
発表順には2.3.1.
Fateとhollowでハッピーエンドが確約されているから、
虚淵が前日談でバッドエンドしても良いよね、という事で作られたのがZERO。
Fate本編で明かされなかった主人公の義父VS最終ボスが、
十年前にどういう風に戦ったのか……が語られている。
「主人公の義父が勝利、ただし住宅地を巻き込む大火災発生、
義父は実の娘とも離れ離れで、正義の味方という夢を諦める」という、
ぶっちゃけバッドエンドな結末は明かされてるので、
そこに至るまでどういう戦いがあったのか……が肝。
ただFate本編の登場人物が十代の少年少女で、
「とにかく街を歩いて敵を探して勝負する」形式になっちゃってるのに対して、
ZEROは全員ガチの戦闘経験者ばっかなもんだから、
先にZEROを読んでFate本編に行くと「聖杯戦争(笑)」って気分になっちゃうかも。
- 50 :イラストに騙された名無しさん:2012/10/02(火) 23:04:49.18
ID:OmT/ou7P
- 簡単なストーリー。
なんでも願いを叶える伝説の「聖杯」(キリストの血を受けた本物ではない)。
それを手に入れるには英雄を召喚して殺し合う「聖杯戦争」に優勝する必要があった。
聖杯戦争を主催する魔術師御三家のうちアインツベルンは、
ここんところ負けがこんでるので婿養子をとって参加させる事を決意。
「最強の魔術師殺し」と名高い衛宮切嗣を送り込む。
この衛宮切嗣という人はみんなを救う「正義の味方」を志していたものの、
いろいろと複雑な過去から「1を殺して9を助ける」というような思考法になってしまい、
実質的に悪い魔術師専門の殺し屋というか、半分テロリストみたいな形になっていた。
で、そんな切嗣の願いは「争いのない平和な世界」。
きっと聖杯なら自分には見当もつかないやり方で実現してくれるだろうと考えて、
「杯」を体内に隠し持った妻アイリスフィールと一緒に聖杯戦争に参加する。
しかも自分たちが負けたら、次の聖杯戦争は娘がアインツベルンの「杯」として参加するので、
理想云々抜きにも負けられない、ガチで行くぜと決意を固めている。
ところがアインツベルンのお偉いさんがたから「最強の英霊だったら負けないぜ!」と、
強いは強いけど高潔だから外道な切嗣とは相性最悪な、アーサー王を召喚するよう強要してくる。
結果、衛宮切嗣はチームワークガタガタのまま聖杯戦争に参加することに。
一方、同じく御三家の1つである遠坂家も負けがこんでるので、
「教会から送り込まれた監督役とグルになって最強の英霊用意すりゃ勝てるんじゃね?」と判断。
最強の代行者(ようは悪魔殺し、吸血鬼殺し、素手で英雄とガチれる強さ)の言峰綺礼とタッグを組む。
この言峰という人物は「他人の不幸を幸せに感じる」という性格をしていて、
しかもそれが間違ってる事がわかってるから、とにかく自分を鍛えて正そうとしてる人。
情報収集の過程で衛宮切嗣の存在を知った言峰は、
「こいつとにかく過酷な戦場に次から次に行って、最後に聖杯戦争にやってきた。
……となると俺と同じ? もしかしたら俺が探してる答えを知ってるんじゃね?」
と、衛宮切嗣をターゲットに定める。
- 51 :イラストに騙された名無しさん:2012/10/02(火) 23:06:10.95
ID:OmT/ou7P
- そして聖杯戦争開幕。
当然、切嗣はガチなので「正々堂々、魔術師として決闘しよう!」とか言ってる他の参加者の拠点をふっ飛ばしたり、
恋人を人質にとったり、だまし討ちとか奇襲とか不意打ちとか上等でバキュンバキュンと敵を始末していく。
もちろんセイバーは「英霊と英霊で正々堂々と対決するのだ!」とか思っていたものだから、
真っ向から対立して喧嘩するとかチームワークも最悪に。
その間にセイバーが「聖杯で祖国救済とかpgr」と他の王様に笑われたり、
少年魔術師が英霊イスカンダルと喧嘩しつつ立派に成長してったり、
殺人鬼がハッスルして巨大蛸を召喚して自衛隊とドンパチしたり、
敵の英霊がランスロットだと気づいてセイバーがショックうけたり、
まあなんかそんな事が色々あった。
で、一方の言峰。
遠坂家の召喚したサーヴァントの英雄王ギルガメッシュは、遠坂の方針が退屈で退屈で仕方ない。
なので言峰にちょっかい出して「別に自分が楽しいと思うことを追求すんのは悪いことじゃなくね?」と説く。
「……それもそうか」と吹っ切れた言峰は、此処から外道路線として大躍進を開始。
同盟相手の遠坂をぶっ殺し、それを遠坂妻に片思いしてる参加者に濡れ衣をきせて、
彼が奥さんに罵倒されて絶望のあまり愛してた彼女を殺してしまう様子をニヤニヤと眺めたりする。
でもってギルガメッシュとも仲が良いので契約成立。
セイバーを出しぬいてアイリスフィールをぶっ殺して聖杯を強奪、切嗣との決戦に臨む。
決戦は切嗣と言峰がほぼ互角だったのだけれど、
前回の聖杯戦争でアインツベルンがチートやろうとして失敗したせいで聖杯が暴走。
中につまっていた「この世すべての悪」に二人とも飲み込まれてしまう。
- 52 :イラストに騙された名無しさん:2012/10/02(火) 23:06:49.59
ID:OmT/ou7P
- 聖杯の中で切嗣は「じゃあ世界平和願ったらどうなんの?」と尋ねると、
「んなもん世界中の全てを皆殺しにして、お前と家族だけ生かすよ」と返されてしまう。
「だってお前の願いを叶えるんだぜ? お前の知らないやり方なんてできねぇよ」と。
切嗣は聖杯の見せる幻影の家族をぶっ殺し「家族と世界だったら世界を救う!」と宣言する。
これに納得がいかないのは言峰だった。
「お前、それは俺がずっと探してた答えなんだぞ! ふざけんな! ポイ捨てするぐらいならよこせ!」と叫ぶ。
切嗣は容赦なく、ランスロットにフルボッコにされ、ギルガメッシュにフルボッコされたセイバーに命令を下す。
「エクスカリバーを使って聖杯をぶっ壊せ!」
当然、聖杯の正体を知らず、聖杯で祖国救済、世界平和を望んでいたセイバーは反発するのだけれど、
温存されていた強制命令権を行使されたせいで訳も分からぬままエクスカリバーで聖杯をぶっ壊す。
――――そして聖杯から「この世すべての悪」が溢れだし、街を飲み込む大火災がおこった。
生き延びた言峰とギルガメッシュは、街が燃えるさまを眺めて笑う。
「切嗣は聖杯を放棄したんだから、お前が優勝だ。
ってことは、この地獄絵図が言峰の願いなんじゃね?」
「そりゃ凄い!でもこれじゃ答えを丸投げされたようなもんだ。
答えが出るまでの過程を次は探さないとな!」
ということで、十年後のFate本編におけるラスボスが爆誕。
一方の衛宮切嗣。
自分の引き起こした大火災の中で必死になって生存者を探すも、死屍累々。
絶望しきっていたところで、ようやくかろうじて息のある少年を発見する。
救われた思いで彼を助けだした切嗣は、家族を喪った少年を養子にとる。
それが衛宮士郎――Fate本編の主人公だった。
数年後、娘を救おうにもアインツベルンに拒絶され、「この世すべての悪」の呪いに蝕まれた切嗣。
「僕は憧れてた正義の味方にはなれなかった」と、月を見ながら士郎に話す。
それを受けて士郎はFate本編のはじまりの言葉を口にする。
「安心しろって。爺さんの夢は俺が必ず叶えてみせるから」
それを聞いて、衛宮切嗣は心から安心して息を引き取った。
- 53 :イラストに騙された名無しさん:2012/10/02(火) 23:09:49.40
ID:OmT/ou7P
- という感じでZEROだけなら、士郎という希望はあるけど完全にバッドエンド。
衛宮切嗣はほんのちょっぴりだけ救われたけど、他は何もかも全部失敗。
かわりに士郎は切嗣の理想を引き継いで、正義の味方を目指すことになる。
セイバーは自分の理想は間違いだったと凹んで、
「私以外の誰かが聖剣を引き抜けばよかったんだ」と、
選定のやり直しを望むようになる。
遠坂家の凛は親父が裏切られて殺された事も知らないまま、
言峰綺礼を保護者として、遠坂家の当主として頑張っていく。
間桐桜は、自分を助けようとしたおじさんが、
遠坂家の奥さんに横恋慕した挙句に犬死したせいで、
蟲蔵で触手調教を受けつつ、10年後に士郎に救われるまでそのまま。
と、Fate本編の状況がそろったところでFate/ZEROというタイトルのオチがつくのでしたとさ、というお話。
- 57 :イラストに騙された名無しさん:2012/10/28(日) 16:27:03.72
ID:yP+8LG3Q
- さすがウロブチだ。誰も救われねえ・・・
まあここで救われたら本編につながらないからしかたないけど
- 58 :イラストに騙された名無しさん:2012/10/31(水) 08:44:10.24
ID:Cn+k9cz2
- 一応、救われてる人もいる
英霊イスカンダル(アレキサンダー大王)と、そのマスターであるウェイバー少年
ロンドンの魔術師学校の生徒だったんだけど、自分の嫌いな教師が聖杯戦争に参加すると知って、
嫌がらせな感じでイスカンダル召喚媒体をパクって聖杯戦争に飛び込んできた
で、イスカンダルに色々諭されつつ、自分がとんでもなく思い上がった未熟者だった事を実感
戦いの中で成長した彼は最終決戦に際してイスカンダルの「臣下」として認められる
- 59 :イラストに騙された名無しさん:2012/10/31(水) 08:56:42.48
ID:Cn+k9cz2
- 一方イスカンダル
世界の果てを目指して遠征してたのに地球は丸いことを知ってショックを受けつつ、
世界征服を目指して楽しそうに戦っていく間に、英雄王ギルガメッシュと良きライバルになっていく
そしてイスカンダルは結局ギルガメッシュに敗北しちゃうけれど、
「世界の王として保証する。この世界は絶対にお前を飽きさせない」
「そりゃあ良いな!」と満足して消滅
それを見届けたウェイバーは、しかしギルガメッシュとの戦闘を避ける
「戦えば僕は死ぬ。でも陛下は生きろと命じた。だから僕は戦わない」
「見事な忠義だ。その心、努々忘れるでないぞ」
かくしてイスカンダル、ギルガメッシュに認められたウェイバー少年は、
王に相応しい臣下になるべく努力を続け、魔術師学校で最優秀の教師へと成長
Fate本編終了後には聖杯を解体する大役を果たして聖杯戦争を終結させ、
見事に物語の幕を下ろしたのでしたとさ、めでたしめでたし
と、こんな感じで普通に主人公だから困る
- 67 :イラストに騙された名無しさん:2012/11/23(金) 11:41:32.68
ID:7B5MYDUK
- 士郎は切嗣の生存者が居て欲しいと言う願いを聖杯が汲み取って「とりあえず一人生かしておけばよくね」と
進行方向に都合良く見つかるように用意しておいたのかな
もしくは聖杯が適当に作ったか蘇生したとか、そのせいでアンリさんが士郎とすり替わったりする展開に発展したとか
士郎って普通に民間人にしては色々変なところがあるんだよな
- 68 :イラストに騙された名無しさん:2012/11/23(金) 14:19:57.60
ID:EJzvMsFJ
- >>67
聖杯は切嗣の願いを叶える気は欠片もなかった。
なので士郎が生き残っていたのは本当に偶然で、
切嗣が彼を見つけて救い出せたのはまさに奇跡だった。
で、士郎が普通の民間人にしてはいろいろ変なところがあるのは、
あの業火の中で家族も友人も見知らぬ人も全部見捨てて、
一人だけ黙々と歩き続けた末に切嗣に救われたから。
心の中が完全に空っぽになってしまった士郎は、
「人を救う正義の味方になる」という生き方にあこがれて、
自分は一人だけ助かったのだから人を助けなきゃいけないという風になった。
無限の剣製云々は多分、切嗣に鞘を埋め込まれたせいで「剣」属性になったからと思われる。
士郎のあの辺りの考え方は「サバイバーズ・ギルト」とかに近いと思うよ。
ただ無鉄砲な子供っぽい正義感で「正義の味方になる!」と言っているわけじゃない。
- 69 :イラストに騙された名無しさん:2012/11/30(金) 21:04:11.35
ID:jwTjzNrP
- 暇だから、Fate/zeroのウェイバー君以外の参加者が如何にウロブチしてるかを書いてみる。
・ケイネス&ランサー
時計塔のエリート教師、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトは
およそ思いつく限りの名門生まれの天才が持つ噛ませ臭い要素を天より与えられた男である。
学問の徒としての栄光が約束された彼は、勉学の場では手に入らない「武功」を求めて
征服王イスカンダルを従えて聖杯戦争に参加しようとするが、家の歴史=魔術師の格では無いと言うウェイバーの主張を
妄想と切り捨て、大勢の前で馬鹿にした恨みから聖遺物を盗まれてしまい、仕方なく予備の遺物でランサー・ディルムッドを召喚する。
召喚されたランサーは、生前曲げてしまった騎士道を今度こそ貫く事を目的とし
聖杯そのものには興味が無いと告げるが、利害関係の無い人間関係を知らないケイネスは
ただ他者に尽くすというランサーの考えを理解出来ず、彼が聖杯に託す願いを隠していると思い込む。
ランサーは言葉の上ではケイネスに絶対の忠誠を誓う物の、騎士道に拘る余りに
好敵手セイバーとの正々堂々の決着を望み、勝機を逃した事でケイネスの不興を買ってしまう。
- 70 :イラストに騙された名無しさん:2012/11/30(金) 21:04:41.82
ID:jwTjzNrP
- しかし、魔力タンクとして同行した婚約者のソラウがランサーに惚れてしまったために
ケイネス、ランサーを責める→ソラウ、ランサーを庇う→ランサー、主を立てる→ケイネス、不快感MAXの
魔のトライアングルが完成してしまう。
切嗣に拠点を爆弾で吹っ飛ばされたケイネスチームは、復讐のためにセイバーチームの拠点へ攻め込むが
セイバーは享楽のために子供を殺す外道キャスターと交戦中だっため、ランサーは騎士道的にセイバーに加勢。
二人で悪を討つ英雄をやっている間に、ケイネスは切嗣によって再起不能のダメージを負わされてしまった。
ソラウはこれ幸いと、ランサーとの絆を求めてケイネスからマスター権を強奪。
俺の忠誠はケイネス様の物と言い張るランサーを、ケイネスの治療のために聖杯が必要だから、勝つ為だと説き伏せる。
しかし、ソラウは切嗣に捕まり人質に取られてしまったため、ケイネスはマスターの持つ絶対命令権で
セイバーと決闘中のランサーを自決させる事を強要される。
切嗣はケイネスとソラウに一切の手出しをしないという魔術契約を結び、その命令は実行されるが
切嗣の協力者が二人を狙撃、死にかけのケイネスは殺せと懇願するが、魔術契約のせいでしたくとも出来ないと切嗣はそれを拒否。
それを見た、ランサーは騎士道を愚弄する卑怯者どもを呪い、聖杯に災いあれと叫びながら消滅するのだった。
- 71 :イラストに騙された名無しさん:2012/11/30(金) 21:30:30.59
ID:jwTjzNrP
- ・雁夜・バーサーカー組
間桐雁夜は、衰退しつつある魔術の名門間桐家の次男として生まれるも
体内に蟲を飼い、人を喰らい生き永らえる間桐家の陰湿な家風を嫌い冬木市から逃げ出したが
初恋を拗らせており、度々帰ってきては遠坂と結婚した幼馴染とその娘に土産を持って遊びに行く生活をしていた。
が、自分が出奔した事で跡継ぎを失った家が、幼馴染の娘の桜を養子に取った事を知り
聖杯戦争に参加し、優勝する事を条件に桜を間桐の魔術から開放しろと詰寄る。
そもそもの原因は雁夜の出奔にあるため、当主はいい顔をしなかったが
彼の苦しむ姿を楽しむために、肉体改造同然の修行を施し、魔力消費の激しいバーサーカーを召喚させる。
雁夜は遠坂を見ると、空気も魔力も気にせずにバーサーカーを突貫させ
バーサーカー・ランスロットは生前の縁から、セイバーを見ると空気も魔力も気にせず突貫する。
巨大海魔を召喚し、冬木市を地獄に変えようとするキャスターを打倒するべく戦う
遠坂とセイバーにも空気を読まずに襲いかかり、何故桜をあんな家に養子にだしたのかと問い詰めるが
魔術は一子相伝、故に次女の桜は凡俗の世界に落ちる事になるのが不憫だった。
遠坂と間桐は争う運命にあるが、どちらが勝っても家名に栄光が齎されるのだから姉妹は幸せという
一般家庭の幸せを否定する発言に雁夜は激昂するも、遠坂は彼を魔術を理解できない落伍者扱いして一蹴する。
危機一髪の所を、愉悦覚醒した言峰に救われた雁夜は、彼に協力する代わりに
遠坂との決闘のお膳立てをしてもらうが、実際には遠坂殺害の濡れ衣を着せられただけだった。
幼馴染に激しく罵倒され、心神喪失に陥った所を、バーサーカーに限界以上の魔力を食われ
死亡した雁夜は、桜を調教するための蟲の餌となった。
最終更新:2012年12月16日 17:07