アンチ・マジカル ~魔法少女禁止法~ 作:伊藤ヒロ 絵:kashmir 一迅社文庫
568 名前:アンチマジカル[sage] 投稿日:2011/09/15(木) 17:55:14.39 ID:B31y21C9
アメコミ「ウォッチメン」の魔法少女パロディ。中盤までその傾向がかなり強い。
時は現代、九〇年代に人類を襲った鬼魔は、魔法少女達の活躍で根拠地ごと撃退された。
華々しく活躍した彼女たちは、関連商品が出たりするほどアイドル的な人気もあった。
彼女らは「魔法少女禁止法」によって引退を迎え、それぞれが大人としての道を歩んでいた。
その中に例外が一人。
擦り切れた言動と犯罪者への私刑を行う、魔法少女ベリー(二十四歳)。
彼女に偶然助けられた少年・佐倉は、魔法少女サクラとして彼女の弟子となる。
そんな中、引退した元魔法少女の一人が殺された。ベリーは黒幕捜しの捜査を進めるが、
その強引なやり口の結果、ついに結託した司法と裏社会から攻撃を受ける。
身内と見なされた佐倉少年の関係者は暴力団に誘拐され、
ベリーは銃器で武装し訓練された警察の特殊部隊に包囲される。
銃撃に激痛を感じ、追い詰められたベリーの魔法が暴発。
警察は真っ赤な血の染みになって消し飛んだ。
人を殺してしまった。愕然とするベリー。
変身が解けたその姿は、目が底なしに澱んだ十代の少女だった。
魔法少女ブームが終わり、戦う相手がいなくなった少女達の大半は日常へ回帰した。
だが、ベリーが親しかった小学生の女の子はちがった。魔法少女だと知られてしまい、
変身前の姿で熱狂的なファンに誘拐され、性犯罪の餌食となり殺された。
尋問する元魔法少女に、ベリーは答える。
かつて鬼魔が狙った人間だけの心の輝き――魔法の原動力が、
誘拐殺人を犯したファンの心でもキラキラと輝いていたのだ。
そしてベリーに変身していたはずの女の子は、おぞましい現実から逃避し、十年間戦い続けた。
569 名前:アンチマジカル[sage] 投稿日:2011/09/15(木) 17:58:32.52 ID:B31y21C9
魔法少女関係者の力を借り、捕まったベリーを助けに来た佐倉少年も独白を聞いており、
独り善がりの愛情が膨れあがった彼は駆け出す。彼の身内も捕まっているのだが、目もくれなかった。
気を見計らったように襲撃者。
世界を救う重圧に耐えきれず、精神を破綻させた魔法少女・ダック。
黒幕から口封じを命じられ、子どものような無邪気さで周囲を破壊し始める。
佐倉少年は変身して戦うものの歯が立たない。
瀕死に追い込まれ、その度に魔法で再生、また瀕死。
負の感情でいっぱいになった彼はベリーの変身アイテムを使い、
彼女が煌めいていた頃の姿、スウィ~ト☆ベリーに変身。
どす黒い澱んだ感情まで原動力とし、圧倒的なパワーにより形勢は逆転、
泣き叫ぶダックを躊躇いなく殺し、正義感に酔い痴れる佐倉少年。
そんな佐倉少年へ、ベリーは自分も汚れた悪であって正義ではない、これからも戦い続けると言い捨て、別れを告げる。
一連の事件こそ、負の心も力とする魔法少女、新世代誕生の切っ掛けだった――
古い世代の魔法少女を封じ、新世代の力を手中にせんとする黒幕。
続きそうな雰囲気で終わり。
少し前に売ってしまったので、食い違いがあるかもしれない。
補足・訂正あればよろしく。
最終更新:2011年10月30日 18:21