AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ 著/田中ロミオ イラスト/mebae ガガガ文庫
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~魔竜院光牙最後の闘い~:2010/12/07(火) 00:11:11 ID:2zGpYNWi
- 主人公佐藤一郎は過去の自分を変えて、高校デビューに成功した。
クラスの中でも中堅あたりのグループに属し、リア充側ともいえる普通の高校生活を送っていた。
ある日、忘れた宿題を取りに夜の学校に忍び込んだ一郎は、長いローブに大きな杖という魔女ルックの少女と出会う。
警備員に見つかり、逃げ出すはめになる二人。
話によると彼女は異世界から来た魔法使い(自称リサーチャー)で、異世界の霊体なるものと戦いながら
「竜端子」なる物体を収集するためにこの現象界にやってきたのだという。
翌朝、学校で魔女ルックのまま一郎の前に現れる少女。一郎に竜端子集めを手伝うようにいう。
クラスから奇異の目で見られる中、昨夜に彼女が落とした魔法のメダルを一郎が起動させると、
あたり一帯に鳴り響く電子音と魔法少女ものテレビアニメの変身ボイス。なんのことはないそれはただの玩具なのであった。
コスプレ少女にアニメグッズ。一郎は今まで築いてきたクラスの地位を一瞬で失ったことを悟り、卒倒する。
保健室で目覚めた後担任に呼び出された一郎は、担任から彼女が入学以降ずっと不登校だった同じクラスの佐藤良子であることを知らされる。
昨夜の学校への不法侵入による停学処分を免除する代わりに、彼女と友達になってやってくれと担任から半ば脅迫のように頼まれた一郎は、
この重度の真性厨二病邪気眼使い少女の面倒を見る羽目になったのだった。
- 215 :AURA
~魔竜院光牙最後の闘い~:2010/12/07(火) 00:12:37 ID:2zGpYNWi
- 一郎になついたおかげで良子は毎日学校に来るようになったが、いつも制服ではなく魔女ルックで目立つことこの上ない。
一郎以外は教師でさえ、話しかけられても「普段は魔法で周りから見えなくなっている」設定のため完全に無視。
クラスの普通グループからそんな良子の彼氏と思われてしまった一郎は、「キモイ」と陰口を叩かれ、避けられるようになった。
さらには、このクラスの普通グループ以外の約半数の面々が、何故かそろいもそろって邪気眼持ちの痛い言動をする輩であり、
一郎を同類と思ったのか、いちいち絡んでくるようになってしまった。
普通グループから冷たい目で見られながら、邪気眼グループから「多元異世界ゼウスヘイム」だの「暗黒聖遺物」だのといった
言葉を降り注がれながら、それも生易しいとすら思わせるほど痛々しい良子の言動に付き合わされる日々。
休日まで良子の竜端子探索に付き合わされるが、そこでどうやら良子が竜端子と設定して探しているものが、
今この町の女の子の間で流行っているおまじないに使う銀の彫刻細工であることが判明する。
そんなある日、クラスでついにブチ切れた普通グループのトップであるリア充組が邪気眼グループを糾弾し始める。
良子をはじめとする彼らに変な格好や喋り方をやめろと詰め寄るが、相変わらず痛い返答しかできない邪気眼グループ。
気の短いリア充組の一人が手を出そうとしたときに、一郎がわざと挑発して自分を殴らせ、暴力沙汰にすることで
何とかその場を収めたのだった。
その日以来、リア充組は一郎と良子に対して陰湿ないじめをするようになった。
良子をかばい続ける一郎に、ある日リア充組から話がある、といわれる。
それは脅迫であった。良子をかばうのをやめろ、さもなくばお前の過去の秘密をバラす、と。
一郎はこれにあらがうことができなかった。良子から手を引くことを承諾する。
- 216 :AURA
~魔竜院光牙最後の闘い~:2010/12/07(火) 00:14:27 ID:2zGpYNWi
- 竜端子こと、おまじないの銀細工の謎を突き止めた一郎はその伝説の発祥となった製作者不明の手稿(これまた邪気眼要素満載の設定本)を
見つけて良子に渡すと、もうかばうのをやめることを告げる。
中学時代、一郎は良子顔負けの邪気眼使いだった。ラノベに傾倒し始めたのがきっかけでエスカレートしたのだ。
剣と魔法を操る異世界最強剣士「魔竜院光牙」であり、設定をノートに書きため、衣装を作り、
教師に怒鳴られ、クラスメイトに引かれ、いじめられた。
行き過ぎた言動と現世の親は本当の親ではないという設定を親が知ってショックを受け、殴られて泣かれることでやっと目が覚めた。
最強剣士をやめた今でも親は腫物扱いだし、当時のクラスメイトは話のネタに魔竜院光牙の画像を保存していた。
それが回りまわってリア充組の手に入ったのだ。
しばらく学校に来なかった良子であったが、急に現れて一郎に告げた。
例の手稿により竜端子の製造方法がわかった、これを報告すべく元の世界に帰るための儀式をする「神殿」を構築している、と。
聞かない一郎に、大金を差し出す協力を頼む良子。やめろ親の金だろうが、というと、親などいない、
かりそめの親はいるがあくまで擬態だなどという良子。かつての自分を見せられてブチ切れた一郎は、
二度と俺に話しかけるな、と今度こそ完全に良子を拒絶した。良子は走って行ってしまう。
- 217 :AURA
~魔竜院光牙最後の闘い~:2010/12/07(火) 00:16:30 ID:2zGpYNWi
- 一郎に拒絶された良子は学校の屋上にいた。立ち入り禁止なのを利用して、長い時間をかけてそこへひそかに
机といすを組み合わせた巨大な建造物「神殿」を作っていたのだった。邪気眼使いの持つ激しい情念と執念をかけて。
教師と生徒が気付いて大騒ぎになる学校中。神殿を登っていく良子。その最上段は屋上のフェンスを飛びこえせり出している。
良子は儀式として神殿の最上段から飛び降りれば元の世界へ帰還できるという。一郎の説得も聞かない。
一郎はそっちの人間になってしまった。だから一人で帰還する、という。
そんな良子の心に言葉を届けるため、一郎はもう一度だけ闘うことを決意する。
魔竜院光牙として(衣装をきて)校内を全力で走り抜け、神殿の道を切り開き、再び良子の前に現れる。
自分も戦士だったことを告げる。この世界は魔竜院光牙が長い戦いの果てにやっとたどり着いた平和な世界だと、
竜端子は光牙が倒した魔王の欠片であり異世界に持ち出してはいけないものだと
どうしてもそれを持って帰るなら俺は命に代えても止めるのだと、即興の設定を作って良子を説得する。
嗚咽する良子に、戦士をやってもどこにも行けない、この世界にも敵はやまほどいるし、英雄も存在できる、
冒険もドイトやダイソーでできる、と。
泣きながら笑った良子が「儀式、失敗した。一郎のせいだ」というのを聞いて一郎は力つきた。
- 218 :AURA
~魔竜院光牙最後の闘い~:2010/12/07(火) 00:20:30 ID:2zGpYNWi
- 良子は停学になったが、良子の情念が生み出した「神殿」は美術関係者に芸術的価値が認められて残されることになった。
おまじないの銀細工とそのもとになった手稿はかつて普通グループに連れられていったアクセサリ屋の兄さんの手によるものだとわかり、
担任の先生は保健室の先生と前世で共に戦った同志だったと告白する。
挙句の果てには、これに当てられた普通グループの連中までもが「俺実は霊感あるんだ」だの「私サイコメトラーなの」だのと言いだし
クラスは技や組織や能力などの演説大会になるカオス状態。
大団円?の中、一郎の前に良子が現れた。普通の制服を着て。
一郎と手をつないだ良子はささやいた。「”普通”のやり方、おしえて」
以上です。
AURAってのは邪気眼使いが放つオーラのことらしい。
- 219 :イラストに騙された名無しさん:2010/12/07(火) 00:31:17 ID:2zGpYNWi
- >>216
×:大金を差し出す協力を頼む良子。
○:大金を差し出して協力を頼む良子。
失礼しました
最終更新:2011年10月30日 18:08