人類は衰退しました 著者/田中ロミオ イラスト/山﨑透→戸部淑 ガガガ文庫
- 173 :人類は衰退しました:2010/11/29(月) 20:46:09 ID:x5bk9iF6
- 未来の世界。人類は人口も減少、科学技術も廃れて衰退の一途をたどっており、今や牧歌的な生活を営んでいる。
旧人類に代わって「妖精」という存在こそが今や人類とも言えるそんな時代。
頭はそれなりに回るが非コミュで2ちゃんねらーのような性格の主人公の少女「わたし」は学校を卒業して
国連調停理事会の調停官となり、同じ調停官である祖父の住む里にやってきた。
調停官としてこの近所の地域に住んでいる妖精さんたちと接触して、行動を調査・報告するのがお仕事。
妖精は、童話に出てくるような、身長10センチ程度の帽子をかぶった小さな男の子の姿をしている。
彼らは性格や行動は子供のようであり、やたらたくさんいて、高度な技術や知識を持っているのだが、詳しい生態は謎。
とりあえず楽しいことを見つけると途端にたくさん集まってきて、その高度な技術でものすごいことをしたり
ものすごいものを作ったりし始めるのである。
「わたし」はさっそく彼らの住処である近所のゴミ山に向かい、数人の彼らを大好きなお菓子で餌付けし、名前をつけてあげることに成功する。
するとそのせいか翌日にはたくさんの妖精が集まっており、彼らの住処は高度な技術を持つ(彼らサイズの)メトロポリスへと変貌をとげていた。
「わたし」は前日の件で妖精たちから「かみさま」扱いされてしまい、次の日にはメトロポリスに彼女の顔をした女神像が立ってしまう。
この活動が世界中の妖精に広がってしまったら…と思うと途端に恐ろしくなった「わたし」は神様をやめることにする。
一人の妖精にタッチして「神様交代」をすると、タッチごっこが妖精たちにたちまち広がり、
瞬く間に大騒ぎとなってメトロポリスは崩壊したのであった。
何か楽しいことがあって集まると爆発的に増えるが、飽きて解散するのもあっという間。
初仕事で妖精の「集合離散の性質」を目の当りにした「わたし」は、女神様として君臨するのも悪くなかったかも、と思いながら脱力するのであった。
- 174 :人類は衰退しました:2010/11/29(月) 20:54:41 ID:x5bk9iF6
- 1巻の2話目
妖精の住処であるメトロポリスの廃墟に出かけた「わたし」だが、彼らはもう少し奥地のほうに移動していた。
魔法にしか見えないほど高度なその科学力により、そのあたりはサバンナにされていた。妖精たちの格好も裸に腰巻と原始人スタイル。
なぜそんな恰好をしているのかと聞くと「じゅんばんにしんかしてみようとしたです」とのこと。進化のプロセスをたどっているらしい?
そしてなぜか原始時代の格好のまましばらくどうも進化できていないのだ。
「にんげんはこのあとどうしたです?」と聞かれたので「わたし」は狩猟をしてみたら、とアドバイスする。
翌日、「わたし」はサバンナへ向かう途中、突如現れたティラノサウルスに襲われる。
といってもペーパークラフトでできており、輪ゴムを動力としている。大きさも妖精基準。彼女には全くの無害であったが、実によくできている。
そしてサバンナに到着すると、そこにはさまざまな種類のペーパークラフト恐竜がたくさん闊歩していたのであった。
集落には数も減って浮かない様子の妖精たち。恐竜に幾度も襲われているのだという。
そうこうしている間にもティラノサウルスより巨大な恐竜ギガノトサウルスが襲来。
妖精は抵抗むなしく、持っているお菓子を奪われる。どうやら恐竜たちはお菓子が好物らしい。
「わたし」もいつの間にか妖精に差し入れようと持ってきたお菓子を奪われていた。
(彼女の特技はお菓子作りで、おかげで妖精たちに慕われてコミュニケートを円滑にできている)
すべてのお菓子を奪われてしまった妖精たちは一念発起。折り紙で槍を作り「しゅりょうだー!」と恐竜へと立ち向かっていった。
しかしヴェロキラプトルの群れに襲われて返り討ち。あまりのふがいなさに「わたし」が助太刀することにした。
動物除けの護身用に持っていた爆竹で妖精もろともびっくりさせて気絶させることに成功。
妖精は気絶したヴェロキラプトルを解体、するとそのペーパークラフトはたった一枚の紙と輪ゴムでできていた。
ラプトルが飲み込んでいたお菓子を奪い取って喜ぶ妖精たち。かくして彼らは狩猟採集民族となったのであった。
- 175 :人類は衰退しました:2010/11/29(月) 20:58:34 ID:x5bk9iF6
- 罠や槍投げを覚え、駆使して効率よく恐竜を狩っていく妖精たち。
そうこうしているうちにペーパークラフトの鳥をみかけるようになった。ペーパークラフト生物はひそかに進化していたのだ。
やがてマンモスなど哺乳類まで現れるように。そして、ついにペーパークラフト原始人が出現。
進化の速度は級数的、ペーパークラフト人は段ボール甲冑に騎馬兵まで登場。軍隊を組織した彼らは狩猟民族の妖精を
あっというまにやっつけ、妖精の文明は終焉したのであった。
このペーパークラフトはどうも妖精の一人が折り紙と輪ゴムで作ってみたものらしい。
紙なら進化のプロセスを再現できると思ったのだとか。
妖精文明も崩壊したので、ペーパークラフト騒ぎも収まるかと見えた。しかし「わたし」は祖父ととある可能性を論議していた。
ペーパー霊長類が、もしお菓子の材料を作ることができるようになっていたとしたら…。つまり、農耕を始めたとしたら…。
そんな中二人に客が現れる。最近近くの山に引っ越してきたという、帽子に仮面をつけ、全身をポンチョでおおった男。
彼の村はお菓子の材料をたくさん持っているので、お菓子作りの得意な「わたし」にそれでお菓子作りを頼む。すなわち、交易がしたいという。
「わたし」のお菓子をうまそうに食べ、嬉しそうに持って帰ったその男はどう見ても、紙っぽかったのだった。
1巻ここまで。1つの巻につき2話の読み切り話。
以上です。
- 人類は衰退しました2
- 439 :人類は衰退しました2:2011/05/03(火) 22:56:39.21 ID:dVXjNaT6
- 過疎ってるから続きを書く
調停官の事務所に、最近村に妖精が作ったと思われる不思議な道具が出回っているという報告が届く。
祖父から調査を命じられた「わたし」は村の人から不思議な道具が村の公民館に集められていることを聞き、
回収してくる。それらは、履くと歩くたびに中から水が湧きだす長靴だの、
線を書くと線が生きているように動き出すパステルだの、人間には何の役に立つかさっぱりわからないものばかり。
「わたし」は当分の間、箱いっぱいのその道具たちがどのようなものか一つ一つ調査することになった。
その中で「わたし」の興味を引いたのは、小さなスプーンだった。
それは見たところ何の変哲もないスプーン。ただ、持ち手に「322」という数字が入っていた。
お茶の時間に使っていたところ、ふとした拍子にほうり上げてしまったそのスプーンが何と頭にささってしまう。
- 440 :人類は衰退しました2:2011/05/03(火) 22:59:38.29 ID:dVXjNaT6
- しかし痛みも感じることはなく、引き抜くと薄力粉が盛られていた。
頭の中から念じたものを取り出すスプーンだと思った私は、
お菓子つくりに使おう、と自分の頭から薄力粉を何度もたくさん取り出す。
すると急にめまいがして視界が暗転。ふと見ると、
スプーンが自分と同じくらいの大きさになっているではないか。
周りを見ると、スプーンが大きくなったのではなく自分が小さくなってしまったのだ。
そしてスプーンの数字が「32」に変わっている。
そこへちょうど現れた祖父に状況を説明して助けを求めるも、言葉が通じない。
祖父は小さくなった「わたし」のことを妖精と思っているようであった。
助けを求めるため、スプーンを背負い家を出て妖精のもとへ向かうことにした「わたし」。
- 441 :人類は衰退しました2:2011/05/03(火) 23:02:21.57 ID:dVXjNaT6
- しかし小さな体では近所の草原もジャングル。遭難したり鳥に食われそうになったり、
ハムスターの村に滞在させてもらったり、イタチに襲われてハムスターと一緒に全滅の危機にあったり、
といろいろ苦難の旅の果てに妖精の村にたどり着く。
さっそくスプーンについて聞くが、どの妖精もそのスプーンについて知る者はいなかった。
それよりも、危険な旅の果てにたどり着いた妖精の村が、
生存のために頭を使う必要もなく安全で遊んで暮らせる環境であることを気に入り、
そのままその村で妖精とお菓子を食べて気ままに遊んで暮らすことにした「わたし」。
そんなある日、お菓子がなくなってしまう。空腹を妖精に訴えるが、妖精たちはお菓子を作ることはできないという。
お菓子は自分が作れるので材料を持ってくるように言うが、薄力粉だけが足りない。
- 442 :人類は衰退しました2:2011/05/03(火) 23:04:17.22 ID:dVXjNaT6
- そこでスプーンのことを思い出し、「わたし」は自分の頭からスプーンで薄力粉を取り出す。
数字が「16」に減るスプーン。それを見た妖精が気付く。
そのスプーンは、人の脳機能、すなわち知能を薄力粉にして取り出し、
それに応じて体のサイズも変化させるものだというのだ。
残るわずかな知能でそれをなんとか理解した「わたし」が妖精に助けを求めると、
知能を回復するには勉強だ、と勉強部屋で勉強をすることに。
監視つきの勉強部屋は辛く、頑張るのは明日から、とすぐにギブアップ。
そうやって遊んでいると少しずつ知能の数値が下がっていく。
徐々に数値が減っていく中、妖精に連れられて妖精のいう「神様」の家を訪れる「わたし」。
神様はおらず、そこには薄力粉の山があるばかりであった。これでクッキーを作ることになり、
数値が下がりながらもクッキー作りを妖精に指導する。
- 443 :人類は衰退しました2:2011/05/03(火) 23:08:22.97 ID:dVXjNaT6
- 4を切ったあたりから走馬灯が流れ始める。走馬灯で頭を使うことでなんとか0にまで落ちるのを踏みとどまり、
10くらいまで取り戻したころ、妖精が焼き上げた星の形をしたクッキーができあがり、それにかぶりつく「わたし」。
自分の体ほどもあるクッキー1枚を完食。それにより妖精と同じくらいのサイズまで回復することができた。
そう、この星形クッキーの材料は自分の頭の中身であった薄力粉。
それでできたクッキーを食べることにより「わたし」は知能を取り戻すことができたのであった。
- 444 :イラストに騙された名無しさん:2011/05/03(火) 23:09:55.99
ID:dVXjNaT6
- 妖精の作った星形クッキーの山を一人で完食した「わたし」。
現在なんとか「250」くらいまで回復した。しかしもともとは「322」あったはず。
残りはどうなっているかというと、保存していた星形クッキーが急に動き出して逃げてしまったのだった。
最近村にはヒトデのような形をした虫が現れて村人が気味悪がっているという。
「ヒトデ虫」を見つけるとすかさず捕まえて人目につかないところで口に入れる「わたし」なのであった。
スプーンおばさんの逆アルジャーノン。知能が下がっていくところは何気に怖い。
本文長すぎと言われて連投になったすまん。
- 454 :人類は衰退しました2:2011/05/10(火) 18:18:34.57 ID:fkHQHeHS
- 本当はこの前のときに書いてたんだけどちょうど連投規制くらったんだ
忍法帳レベル低くて長文かけないし今回も規制食らったらごめん
2巻後半の話
個人的な事情で休んでいた、祖父の助手が復帰することになり、出迎えを頼まれる「わたし」。
助手は若い男性。隔絶され滅びかかっていた少数民族の最後の生き残りで検査入院していたのだ。
人見知りで非コミュの彼女にとって男の出迎えなどとてつもない難仕事であったが、
祖父の命で仕方なく出かける「わたし」。
- 455 :人類は衰退しました2:2011/05/10(火) 18:21:13.46 ID:fkHQHeHS
- 待ち合わせの時間までまだ余裕があるので、「わたし」は寄り道して妖精にお菓子を届けることにする。
例によって大好評。お菓子を作れる人間さんがもっといればいいのに、ということを言った妖精に対し、
私がたくさんいればよかったのにね、という「わたし」。「ふかのーではないです」という妖精。「くろーん」
ぎょっとなる「わたし」。なんか倫理的にやばいのでクローンは絶対にダメだと何度も念を押す。
妖精のおやつタイムを眺めつつ時間が過ぎる。ふと時計を見ると壊れて止まったまま。
時間を確認するため一度事務所に戻ることにする。
事務所に戻って時計が壊れたことを告げると、祖父から若いころにある女性からもらったという腕日時計なるものをもらう。
再び待ち合わせ場所へ出発。順調にいけば待ち合わせ時間ぴったりのはずが、
途中で妖精に会い、彼らが遊んでいるのを眺めていると1時間ほどたってしまっていた。
- 456 :人類は衰退しました2:2011/05/10(火) 18:24:15.93 ID:fkHQHeHS
- 祖父がチャリ(祖父が趣味で再現した昔の戦争用馬車、チャリオット)で現れ、早く迎えに行くように言われる。
待ち合わせ場所に助手らしき人はおらず、探しに出ることにする。
近所の霧深い林を探索していると、「助手を迎えにきた」という女性に出会う。二人で探しに行くが、
途中でバナナの皮に滑ってころんで気絶してしまう。
気がつくと、何が起こったのかよく思い出せない。助手を迎えに行くと助手と彼を連れてきた医師に出会う。
しかし、放浪癖があり人間として存在感の薄い助手は「わたし」と医師が話をしている間にいなくなってしまう。
近所の霧深い林へ探しに行くと、なにやら女性がたくさん集まっている。
と、またバナナの皮に滑って転んでしまうのであった。
- 457 :人類は衰退しました2:2011/05/10(火) 18:27:23.00 ID:fkHQHeHS
- 気がつくと、何が起こったのかよく思い出せない。
しかし、どうも同じことを繰り返していることに感づいた「わたし」は妖精を問い詰める。
妖精たちは皮に滑るとタイムスリップできるバナナを作ったのであった。
(ちなみに妖精によると一つだけバグのあるバナナがあって、過去に飛びすぎたものがあったという。
そのときに「わたし」はやたらセクハラしてくる野生児の少年(過去の祖父?)に出会い、腕日時計をあげたのだった。)
妖精がバナナを作った理由は、クローンの替わりに異なる時間軸の「わたし」を集めることで、
たくさんのお菓子を作ってもらうため。
かくして、霧に包まれた林でさまざまな時間軸から集められた100人ほどの「わたし」が
バナナのお菓子づくりを行ったのであった。
- 458 :人類は衰退しました2:2011/05/10(火) 18:30:27.31 ID:fkHQHeHS
- 気がつくと小道に立っていた「わたし」。妖精からお菓子をたくさん作ってくれたお礼にバナナをあげる、という。
そこへ祖父がチャリで通りがかり、「わたし」は祖父とともにチャリで助手を迎えに行ったのであった。
助手は、長いこと一人で過ごしていたため自分が人間であるというアイデンティティが確立できていなかったが、
どうやらこのタイムスリップ騒ぎで自我を確立し(?)、助手として働ける状態になっていた。
後日、事務所の庭に何者かによってバナナの木が植えられていた。
それは、食べた後に皮に滑ることで、タイムスリップしていくらでも食べられるバナナであった。
2巻ここまで。クロスチャンネルや最果てのイマばりに時間軸をぼかして書いてある話なのでかなりはしょった。あしからず。
アニメが始まるまでには既刊全部書きたい。
- 人類は衰退しました3
- 515 :人類は衰退しました3:2011/07/07(木) 23:26:23.52 ID:C9+p2Gin
- 「わたし」たちの住むクスノキの里に、近くにある遺跡(かつての都市)を調べるための調査団がやってきた。
調査団は発電人工衛星からマイクロ波を受ける設備を使用しているため、電気が使い放題になって里はお祭り騒ぎ。
都市遺跡調査隊の一員として参加した「わたし」と助手は偶然に都市の内部に入り込み、迷って遭難する。
途中で謎の猫耳少女ぴおん(「わたし」からP子と呼ばれる)を仲間に加える。
電力で動き、ソフトをダウンロードしたり、怪力をふるったりとどう見ても人間ではない彼女は記憶をなくし、人を探しているという。
遺跡の奥へ進むと、P子と同じように電気で動く謎の記憶喪失少年オヤジ(「わたし」からO次郎と呼ばれる)に出会う。
彼こそP子が探していた人物。二人は何か重要な任務を帯びていたのだが、O次郎はその任務がいやで逃げ、P子は彼を連れ戻すため探していたのだった。
- 516 :人類は衰退しました3:2011/07/07(木) 23:31:31.72 ID:C9+p2Gin
- 二人は口論を交わすが決着はつかず戦うことに。妖精も巻き込み、都市遺跡の機械を使ったドタバタバトルを繰り広げる。
決着がついてO次郎を捕らえたとき、祖父ら調査団から連絡が入り、「わたし」と助手は救助される。
謎の人間型機械二人は、調査団からの電力供給により記憶が完全復活する。
彼らの正体はなんとかつてNASAが打ち上げた宇宙探査機「パイオニア(PIONEER)」と「ボイジャー(VOYAGER)」。
(電力不足で自分たちの名前を一部しか思い出せずぴおん(PION)、オヤジ(OYAGE)と名乗っていた)
彼らは宇宙で衰退前の人類により何度も改造を受け、今の姿になったという。
太陽系外は何故かとても寒く、出るのがいやになったボイジャーは任務拒否という行動をとったのであった。
それをたしなめるパイオニアだが、ボイジャーに指摘され、自分も太陽系外に出るのが辛いという感覚を持っていることに気付く。
- 517 :人類は衰退しました3:2011/07/07(木) 23:38:04.11 ID:C9+p2Gin
- 電力供給が完了すれば再び彼らは任務のため宇宙に出て、寒い太陽系外へ向かうことになる。
そんな彼らを不憫に思った「わたし」は助手とともに夜中にマイクロ波受電設備を破壊。
速攻でバレて減給研修奉仕活動始末書に加えて、断髪という重い(?)処分が下される。
調査団は受電設備がなくなって引き上げ、電気祭りに浮かれていた里ももはや動かない電気製品があちこちに捨てられていた。
かくして、里帰りを果たした二人の探査機は電力供給がとだえ、調停官事務所のそばに立てられた小屋にて眠ることになったのであった。
「わたし」が彼らに自家発電用ハンドルをとりつけたので、これを回せば動く。しかし、一時間につき1分の稼働である。
- 518 :人類は衰退しました3:2011/07/07(木) 23:40:41.06 ID:C9+p2Gin
- 以上です。
3巻はこの1話のみ。知能低下に続いて今度は遭難。
飲み水が尽きる恐怖と体調の悪化や精神の疲労の様子が克明に描写されてこれまた怖い。
出たのは3年前ですがやけにタイムリーな話題が詰め込まれているのは偶然でしょう。
- 人類は衰退しました4
- 742 :イラストに騙された名無しさん:2012/02/29(水)
14:25:32.49 ID:JEX631ld
- 人類は衰退しました4
久しぶりだし軽く主人公以外の登場人物紹介
助手:2巻後半で登場した遠い地の民族の少年。元野生児でしゃべらないが「わたし」は表情で何を言わんとしているか理解できる。
祖父:「わたし」と同じ調停官。「わたし」の直属の上司にあたる。科学や機械、武器や狩りなどいかにも男の子なものに造詣が深い。
里の人からは先生、博士などと呼ばれており、そのせいで「わたし」も孫ちゃんと呼ばれている。
文化局長:ユネスコの偉い人。祖父よりもさらに上の上司にあたる。前巻の遺跡調査のときも登場し、
「わたし」にいろいろ仕事を押し付けた。実もない名誉とか実績とかを欲しがる俗物だが憎めない。
前巻のラストで髪を切られて以来、引きこもりの生活を続けていた「わたし」であったが、そうしてもいられなくなってきた。
近頃、里の物資が不足してきたため、里の一員として共同作業のような労働に手を貸さないといけなくなったのだ。
その日、男たちは皆イノシシ狩りに出かけ、集まったのは若い女性ばかり、そして彼女らに課せられた仕事とは飼っているニワトリ達を
絞めて鶏肉にすること。若い女性ばかりのメンバーでは解体用ナイフをふるってニワトリの首を落とすなんてできるはずもなく。
パニックになったニワトリたちが大暴れし、全て逃げ出してしまったのであった。
その夜も質素な食事。妖精たちにも甘い成分の足りないお菓子しか上げられなかった。
数日後、里に妙な物資が出回り始める。主に食料品で、妖精印のマークがついた「妖精社」製、いつの間にか店の棚などに
おいてあるという。味はなかなかだが、豪勢食品のようだ。明らかに妖精の仕業であることから「わたし」が
その怪しい物資を回収して調べることに。
その中には発毛剤もあった。「わたし」が密かに使ってみると、一晩で元の髪型に戻ってしまった。「効 き す ぎ」
逃げ出したニワトリを探しに森を捜索することになった女性陣は、森の中で「わたし」達は頭を切られて毛をそられ、
「チキン」状態となったものが歩いているのを発見する。
- 743 :イラストに騙された名無しさん:2012/02/29(水)
14:25:48.88 ID:JEX631ld
- おそらくこれも妖精の仕業なのか。「わたし」は祖父と助手とともに、近くにある妖精社の工場を捜索することになった。
工場は多くの種類の食料や薬などの物資を完全に自動で製造しており、人もほとんどいない。
(何故かユネスコのえらい人、文化局長が工場長となっていた。形ばかりで、役職に目がくらんだらしい)
見回るうちに例によってみんなとはぐれるも、工場内の奥、重役の部屋にたどり着く「わたし」。
そこにいたのは、おそらくは逃げ出したニワトリ達であろう、森でみた歩くチキン。
彼らはなぜか知能が発達しており、この工場で食料だけでなくこれから兵器を作りだして人類を支配するなどと言い出す。
そこへ助手が乱入、瞬く間にパニックを起こして逃げ出すチキンたち。
逃げるチキンを追っていくと、パニックのせいで工場の材料投入口に飛び込んでしまったチキンが相当数いたらしく、
缶詰工場からチキン缶詰が、カレー工場からチキン増量カレーが、Tシャツ工場から意気地なし(チキン)Tシャツが、
プレス工場からチキンキャラのアニメ映像ディスクが、パン工場から鳥肌パンが、センサー工場から臆病センサーが
次々と製造されていたのであった。工場の裏にある崖に追い詰められる頃には相当数が減っていたチキンたち。
そして何を思ったのか、彼らは崖から次々と飛び降りしまったのであった。
- 744 :イラストに騙された名無しさん:2012/02/29(水)
14:26:03.96 ID:JEX631ld
- はぐれた祖父を見つけ、ことの顛末を説明する「わたし」。祖父の考察によると、この工場はもともと人間が作った工場で、
妖精たちが電力を供給して復活させたが、工場の製造過程の途中でチキンが知能を持つようになったようである。
何故チキンがここを乗っ取れたのか理由は一つ、と祖父が機械を操作すると、プラスチックに箱詰めされてフィギュアのように
なった妖精たちが大量に出てきた。妖精たちも玩具の材料にされていたのであった。
文化局長は、この工場があれば物資に困ることもなくなる、再び飽食の時代が来る、そしてチキンも妖精もいない今や自分が
この工場の管理者だ、と高笑い。クスノキの里へ国連の備蓄物資を提供してくれることを約束する。
しかし、妖精の作った工場に電力を供給する電池の寿命はあと数日ほどなのであった。
自宅に戻った翌朝、「わたし」が起きて鏡台で身だしなみを整えようすると、ブラシを手渡してくれる優しい誰かが。
と思ったらそれは長く伸びた自分の髪の毛であった。なんと知性を持ち「わたし」を主人として忠誠を誓ったのであった…。
ある崖の下には孤児院があり、たくさんの孤児がお腹をすかせていた。そこの世話係として一人の少女がいて、
里での例のニワトリを絞める共同作業にも参加していた。ニワトリの失敗以降も毎日食うや食わずの生活であったが、
ある日、突然崖の上からたくさんのチキンが降ってきて沸かしていた鍋の中に落ちたではないか。
その日以降、相変わらず生活は苦しいが、彼女達が飢えると崖の上からチキンが降ってくるという。
まるでチキンの遺伝子にそう組み込まれているかのように…。
今日はここまで。4巻はあともう一話。
- 752 :>>751代理:2012/03/07(水)
01:14:33.43 ID:qH96mrgn
- 人類は衰退しました4 後半の1話
最近妖精たちはダウナーだったり、妖精の間でいじめが起こっていたりとどうも様子がおかしい。
祖父は妖精の分布状況の報告書を取り出し、この周辺にいる妖精の数が以上に多いことを指摘し、妖精たちの人口密度が高すぎて
ストレスになっているのではないかと言う。その原因はもちろん「わたし」が妖精にお菓子を配っているせいであり、このことが
当局にばれると問題になってしまう。また、いじめを受けた妖精たちから遠くに行きたい、亡命したいという嘆願書が出ているという。
そこで祖父は「わたし」が妖精のいない地区へ妖精とともに移住することを提案する。抵抗むなしく「わたし」は亡命を希望した
鬱気味の妖精たちと一緒に里から離れた地へ単身(?)赴任になったのであった。
赴任先は人家もまばらな山奥で湖の近くにあった。湖岸で見つけた桟橋に乗ってみると、くさっていたのか足場が壊れて沖へ
流されてしまい、小さな島の一つに漂着する。救助も期待できず「わたし」は妖精たちのサバイバル生活が始まる。
ハイスペックな妖精たちのこと、漂着後すぐにたき火を起こして木の実を集めてきてくれた。しかし、「この程度のことしか
できなかった」と相変わらず鬱気味な妖精たち。「わたし」は彼らを叱咤激励して島での生活インフラを整えさせる。
島に生える木を使ってみるみるうちに浄水施設や小屋を作り上げる妖精たち。いろいろなものづくりに応じて
妖精の数もどんどん増えていき島は「わたし」を女王とした妖精の国の様相を呈していた。さらにインフラを整備してからは、
島の植物に品種改良や遺伝子組み換えを駆使し、お茶やコーヒーなど様々な嗜好品を製造していく。
しかし自らの大好きなお菓子は作れないため、何度も女王である「わたし」の味見による試行錯誤の末、
ついにお菓子の原料を作り出すことまで成功する。
- 753 :>>751代理:2012/03/07(水)
01:15:31.64 ID:qH96mrgn
- 国の繁栄は頂点を極め、特にすることもなくなったので毎日お祭り騒ぎで暮らす「わたし」と今や8千人にまで増えた妖精たち。
文明の象徴として遺跡などを作ったりしていたが、ある日島の生活を支える植物たちの生育がすっかり遅くなってしまう。
島の木はもはや全て取りつくされ、生活品を作る畑ばかりとなっていたが、土壌の栄養を取りつくしてしまいこれ以上成長
しなくなってしまっていた。潮時と感じた「わたし」は島を脱出すべく、島の建造物に使われている木を全て使って船を作るよう命じる。
しかし、その翌日から大雨が続き、作業は進まない。この雨は島の周りにのみ降っているものであり、妖精たちのダウナーな
気分によって生まれた鬱雲によるものであった。かくして雨は何日も降り続き、土が丸裸となった島をすっかり流してしまったのだった。
気がつくと湖畔に倒れていた「わたし」。あれだけいた妖精たちも流されたのか100人ほどに減っていた。
「わたし」は解散を宣言し、証拠隠滅を図る。そこへ、消息がないためにやってきた祖父と助手に出会う。
島がひとつなくなっていることや遺跡の残骸などからすぐにばれ、追い詰められる「わたし」であるが、
祖父から受けたのは「後始末はもっとうまくやらんか」という優しい(?)言葉と軽いげんこつであった。
こうして「わたし」の漂流生活は終わりを告げたのであった。
4巻ここまで
人類は衰退しました5
- 776 :人類は衰退しました5:2012/04/13(金) 23:32:19.65 ID:u5LTYMtX
- 人類は衰退しました5の前半の話を投下します
例によって長文が書き込めないのでテキストファイルです
ttp://www.age2.tv/rd05/src/up5371.txt
- 777 :イラストに騙された名無しさん:2012/04/14(土) 18:41:44.38
ID:uqECa58l
-
>>776の代理書き込み
人類は衰退しました5
最近「わたし」の部屋の壁の裏に妖精たちが隠れ里を作って住み始めたのだが、ある日旅行に行くと言って皆いなくなってしまった。
久々に一人ぼっちの部屋で過ごす「わたし」は、ふと学生時代のことを思い返していた。
「わたし」が「学舎」に入学したのは10歳になろうかという頃のことであった。
学舎は初等から高等教育まで一貫した大きな施設だったが、今や生徒数は数十人程度で全員が寄宿舎暮らし。
両親をなくし、心を通わせているとは言い難かった祖父とも離れ、年下の子らに交じって初学年から勉強をスタートする。
そんな状況からすっかり心を閉ざしてしまった「わたし」は友人を作ることもなくひとりぼっちのまま勉強に打ち込んでいた。
初学年で同級になり、ことあるごとに話しかけてきてくれる純真な年下の子「巻き毛」を拒絶し、
たびたびいやがらせをしてくる同い年で学舎一の問題児「Y」を受け流す日々。
まともに話をする相手は校内を自動で見回りや雑務をするR2D2のような形をした寮母ロボと祖父と親しかったという校長、
そしてあるとき校内で悪ガキに追いかけられているのを助けて以来部屋に住みついている一人の妖精だけであった。
勉強に打ち込んだ甲斐あって順調に飛び級で他の生徒より早く進級していく「わたし」であったが、
周囲から浮いた存在として孤独で居続けることでやはり鬱屈がたまっていった。
本当は一人はさびしい。本当は友人を作って楽しくやりたい。本当は陰口をきかれるのはつらい。
そしてある夜それはついに爆発してしまう。押さえつけていた感情を抑えきれなくなった「わたし」は
消灯後の部屋を出てどこへともなく走り回り、どことも知れぬ部屋に入ると、
そこにあった家具や本棚を投げ散らかし、泣きながらその場にうずくまってしまった。
「ひとりは……いや……です」
そこへ、
「それは、たやすいねがいです?」
そう答えたのは、例の妖精であった。その後の「わたし」の記憶は途切れ、気がつくと廊下にいた。
そのまま妖精も居なくなっており、そのことも忘れてしまう。
- 778 :イラストに騙された名無しさん:2012/04/14(土) 18:42:21.44
ID:uqECa58l
- 「わたし」は困っていた「巻き毛」がいじめを受けていたのを助けたところ、いたく気に入られてしまう。
さらに、しつこい勧誘により彼女や数人の先輩達が所属する女子だけの秘密のお茶会のメンバーにもなる。
今でこそお茶を飲んでだべるだけのこの会は、もともと校内のどこかにあると伝説に伝わる「妖精のお茶会」の場所を
探す会であることを知り、「わたし」はその謎に興味を持つようになる。
さらに進級すると、隣の席にはあのYがいた。彼女は「わたし」と同様の一人ぼっちで、勉強はできるが素行が悪いため
進級できないでいたのだった。憎まれ口をきき合う日常の中、お茶会の活動とYがかつてお茶会のメンバーであったことから、
Yの弱味をにぎり、その弱味(腐女子の気があること)によりYをやりこめた「わたし」だったが、
逆にYからお茶会メンバーのちょっとアブナイ本性を教えられるのであった。
(「巻き毛」は「わたし」への愛が昂じてヤンデレ化していた、など)
「わたし」はYも妖精のお茶会の謎に興味があることを知って組むことにし、またしこりのあったYとお茶会メンバーの
関係を修復させてメンバー皆で謎に取り組むことになった。
その後、Yやお茶会メンバーたちとは良い友人となり充実した日々を過ごす。Yとともに進級し、お茶会で校内を探索し、
校長から人類学の手ほどきをうけるようになった。最上級生に上がると卒業後の進路は祖父と同じ道を歩むことに決めた。
(理由は、一番楽そうだったから)
「わたし」とYが卒業するその年に学舎は生徒数の減少により廃校となり、後輩たちも学業半ばで共に卒業となることが決定する。
妖精のお茶会の謎はついに解くことはできなかったが、卒業間近のある日、校内最後の未探索場所に例の寮母ロボがたくさん
集められているのを発見する。これはどうも人間の仕業ではない…妖精の仕業ではないかと思い当たった「わたし」は
それまでずっと自分が妖精の存在を忘れてしまっていたことに気付く。
そして卒業の日、式の後、普段はプログラムされた言葉しか話さない寮母ロボから
「ご学友はできましたか?」と話しかけられたのであった。
卒業後、「わたし」は調停官として祖父のもとへ、他の皆もそれぞれの進路へ進み、お別れとなった。
- 779 :イラストに騙された名無しさん:2012/04/14(土) 18:43:52.39
ID:uqECa58l
- 現在、昔を思い返しているうちに眠ってしまった「わたし」。目覚めると来客が。それはなんとYであった。
Yは文化遺産の仕事に就いたために、卒業後も学舎に残って仕事をしていたのだという。
そして「わたし」にとうとう壊れて動かなくなった寮母ロボを渡す。
さらには、これからの仕事の関係で隣の里に住むという。二人の間にひとしきり思い出話に花が咲く。
Yが去ったのち、以前からどうも耳の奥でかさかさと何か音がするような気がしていると思っていた「わたし」だったが、
突然耳の中から、旅行に行っていたはずの妖精たちが現れる。どうしてそんなところから出てきたのかと聞くと、
旅行に行ってきたという。「一人でもそこに仲間がいれば」そこに行けるのだと。
「わたし」は寮母ロボの修理を妖精たちに頼んでみるが、もう壊れて無理だという。ロボのカバーを開けると、
なんと中から大勢の妖精が飛び出してきた。「おつとめしゅーりょー」などと言いながら出ていく妖精たち。
途端に部屋は大騒ぎとなり、やがてそこにいた妖精たちは皆解散してしまった。
その夜、「わたし」は夢を見た。子供の「わたし」が妖精とお茶会をする夢。それはまごうことなくあの学生時代に会い、
そして、今までずっと一緒にいてくれたあの妖精だった。
「お久しぶりですねえ」
「いつもいっしょですが?」
「まださびしい?」と問う妖精に「いいえ」と答える「わたし」。
「頭の中で、いつでもお茶会が開かれているようなものですから」
前半の壮絶なぼっち具合と後半の青春まっさかりな展開が人気の本エピソード。
5巻はもう一話あり。
- 780 :人類は衰退しました5:2012/04/16(月) 21:33:25.52 ID:5URnC63P
-
>>777
代理書き込みありがとう
後半のエピソードです。
ttp://www.age2.tv/rd05/src/up5443.txt
- 782 :イラストに騙された名無しさん:2012/04/18(水) 20:21:45.28
ID:xWaCCTXE
-
>>780
乙です
以下、また>>780の代理書き込みです
- 783 :人類は衰退しました5 後半
代理:2012/04/18(水) 20:23:17.87 ID:xWaCCTXE
- 祖父から里で回収した妖精グッズを保管する倉庫の整理を言いつけられた「わたし」。
山と積まれた箱を動かして整理しようとするが、難易度が高くなかなかうまくいかない。休憩のため部屋をいったん出て入りなおすと
箱の位置が初期状態に戻っていた。苦労して整理をし終えたが、部屋に入りなおすと初期状態に戻ってしまう。これはバグではないか。
お茶をいれていると貴族風の少女が現れ、妖精グッズを没収する、と倉庫に入ろうとする。
追い返すと、数日後から里で奇妙な現象が起き始める。建物の壁が消滅したり(壁一列のどこかに隙間を作ると消えない)、
瓶の中に入ったグミが同じ色のものが並ぶと消えてしまったり(連鎖させると隣の瓶に透明なグミが現れる)。
「わたし」は妖精を問い詰めるが心当たりがなく、大昔の彼らが作ったものかもしれないらしい。
さらには、空から巨大なインベーダーが襲来し、人や物をさらって行ってしまった。「わたし」の家でも妖精グッズの
倉庫が被害にあってしまっていた。残された里の人々は怒り、インベーダーが逃げて行った古い地下遺跡へ乗り込むことにする。
祖父が自分の研究資料(とは言うがほとんど自分の趣味)として集めた武器庫を開放するが、重い甲冑や剣を装備できる者はおらず
「ぼう」と「ぬののふく」のまま地下迷宮へ。「わたし」は祖父の命によりそのパーティメンバーの指揮官として同行させられる。
- 784 :人類は衰退しました5 後半
代理:2012/04/18(水) 20:24:42.83 ID:xWaCCTXE
- 地下遺跡ではいきなりドラゴンが現れ、村人たちはあっという間にやられて棺桶と化してしまう。
「わたし」は一度やられたりしながらもドラゴンを倒すと、経験値をもらってレベルアップ。
妖精を召喚できるようになり、彼らの力を借りてモンスターを倒してレベルを上げながら地下へと進んでいった。
地下100階に到達すると、そこには以前倉庫に現れたあの貴族風の少女がいた。以前よりドットが細かくなっており
お姫様であることがわかる。そこでは連れ去られた里の人々が妖精グッズの整理をさせられていた。
姫の放った多数のモンスターに追い詰められた「わたし」は開いたコンフィグ画面を姫に奪われてしまう。
このコンフィグ画面こそ、彼女が探していた「万物ゲーム機」であった。これはかつて妖精が作ったもので、
現実をゲームのように変えてしまうのだが、姫やモンスターといったゲームのデータも現実とリンクさせてしまい、
彼らが現実の世界に現れたのだった。せっかく具現化したのだから里の人間を支配してやろうともくろむデータたち。
姫は自分の描画レベルを最大(超美麗3Dグラフィック)にし、「わたし」のレベルを最低にする。荒すぎるドットで
うまく動けなくなりピンチの「わたし」だったが、勝ち誇る姫のこめかみから煙が出てきて、顔が真っ赤になり倒れてしまった。
姫は賢さのパラメータがあまり高くなく、最高の描画レベルでは生体CPU(脳)の処理が追いつかなかったのだった。
「わたし」はコンフィグ画面を取り返し、再び描画レベルを下げられた姫は降参する。
- 785 :人類は衰退しました5 後半
代理:2012/04/18(水) 20:26:06.92 ID:xWaCCTXE
- 「万物ゲーム機」ことコンフィグ画面は助手が管理することになり、ゲームデータ達はこの地下迷宮に町を作って住み始めた。
そこでつくられるゲームグッズやサービスで暮らしを立てており、姫も地下王国の王女として忙しい日々を送っている。
ところで最近里では何故か恋愛ブームが起こっていた。誰それの好感度を上げただのあいつのルートに入っただのの会話が
里のあちこちで繰り広げられていた。不思議に思った「わたし」だったが、偶然見えた助手の持つコンフィグ画面に納得した。
そこには「ジャンル:美少女ゲーム」とあったのだった。
5巻はここまでです。いろいろなゲームネタが満載。
旧盤しか知らないが、ファミコン風ゲーム画面やドット絵、テトリスのブロックなどの挿絵がてんこもり。
- 人類は衰退しました6
- 796 :人類は衰退しました6:2012/05/04(金) 23:05:51.19
ID:PWtTm6GT
ttp://www.age2.tv/rd05/src/up6272.txt
既刊ここまで。
- 798 :人類は衰退しました6 代理:2012/05/05(土)
02:50:12.74 ID:jbz0KwJ5
- 人類は衰退しました6
6巻1話目
冬になったというのに、海辺の里で「鳥人類コンテスト」なるものが開催される。祖父の所属するクスノキの里のサークルも参加するので
「わたし」もついてこさせられる。会場で国連の偉い人「VIP」から安全対策係を押し付けられた「わたし」は密かに連れてきた
妖精たちの力を借りて、コンテストの始まる翌日に備え安全対策に奔走する。海辺の岩礁をこんにゃくゼリーのようにやわらかくしたり
サメを追い払ったり、着水後人を救助する舟を手配したり。ペットボトルロケットを背負うだけのものから、人力飛行機に超技術の
空飛ぶ円盤まで、飛ぶものなら何でもありの参加チームの機体も、一機一機チェックして危険な個所は妖精に改造してもらう。
ちなみに祖父のサークルの機体はオーソドックスな人力でこぐタイプであったが、設計ミスで常人の力では所定の馬力が出せず
飛べないことがわかり、出場辞退することになった。
そして当日、「わたし」のひそかな努力により墜落や分解の連続で盛り上がりながらも怪我人なく順調に進むコンテスト。
しかし、「わたし」たちが会場に向かう途中に知り合ったサークルの番になったとき事件は起こった。
- 799 :人類は衰退しました6 代理:2012/05/05(土)
02:50:47.48 ID:jbz0KwJ5
- そのサークルの飛行機がどんどん高度を上げたまま降りてくる気配がないのだ。「わたし」は自分が不注意で落としてしまった
蒔くとプロペラ状の芽が出てタケコプターのように空を飛べる種(もちろん妖精が作ったもの)がその飛行機に使われたことを悟る。
まさに自分が蒔いた種、その機のパイロットを助けるために「わたし」は妖精製脚力アップジュースを飲んで祖父のサークルの機体に
乗り、空へと飛び立つのであった。
高度を増す機体に追いつき、パイロットを助け出す「わたし」。一人乗りの「わたし」の機体が二人分の重量に耐えられなかったり、
途中で脚力アップジュースの効果が切れたりするもそのたびに妖精にその場で飛行機の改造を頼み、ついには妖精そのものが部品と
なって切りぬけ、ようやく無事着水した。そのまま高度を上げて大空の彼方へ消えて行った飛行機が優勝となって
コンテストは無事お開きとなる。インドア派で空を飛ぶなど興味のなかった「わたし」であったが、非常事態で必死だったとはいえ
あの大空で風を切る感覚は少なからず感動を覚えたのであった。ちなみに救出に使われた祖父のサークルの機体は部品となった妖精が
どこかに行ってしまい、もう飛ぶことはできない。今やただのガラクタである。
- 800 :人類は衰退しました6 代理:2012/05/05(土)
02:51:53.69 ID:jbz0KwJ5
- 6巻2話目
文化遺産の保護を仕事とする友人Yとともに、里に近くにある最近亡くなった老人の屋敷にやってきた「わたし」。死んだ老人は古い
文化遺産の収集を趣味としていたので、その遺産を調査するため友人Yに手伝いとして駆り出されたのだ。老人の遺した遺産とは、
大量の画像データと大量印刷をする機械、輪転機。そして画像データの中身とはなんと今でいうBL漫画。
それを見た友人Yは感銘を受け、学生時代以来の腐った情熱がふたたび開花してしまうのであった。
友人Yはその漫画を輪転機で印刷して売り出すだけでは飽き足らず、有志を集めてサークルを作り、自分達も創作を開始。
それを載せた「同類誌」を発行する。各地にも評判が広がって真似するサークルが乱立し、サークル派閥などもできるようになる。
友人Yはさらにクスノキの里での一大同類誌即売会を開催し、この時代としては異常とも言える2万人の参加者を集めて大成功させる。
そんな友人Yを冷ややかに見つめる「わたし」にはある懸念があった。同類誌製作をもし妖精が知ってしまったら…。こんな楽しそうな
ことを妖精が放っておくはずがない、と。
ある日、祖父の机に置いてある冊子を開いた途端気を失う「わたし」。目が覚めると友人Yや助手とともに四角くて何もない部屋にいた。
- 801 :人類は衰退しました6 代理:2012/05/05(土)
02:53:05.03 ID:jbz0KwJ5
- 出口はないが中で3人が何かをやって新しい展開があると、頭上に「カッ」や「ゴーン」などという大きな書き文字が表れ、
隣室へのドアが現れる。どうやらこの部屋は妖精が作った漫画のコマで、3人で何かの物語を進めると次の部屋に進めるということが
わかる。しかも部屋を移る際には部屋が上下に移動しており、これは人気の昇降であることも判明。人気が下がって打ち切りに
ならないようにとにかく意外な展開で受ければいい、とその場しのぎの適当なストーリーを続け、一位に躍り出る。
しかしそれが続くと飽きられたのか順位が下がり始め、飽きさせないような物語を作って順位を維持しながら、
適当に張り散らかした伏線回収に悪戦苦闘するのであった。しかし、ついに限界がやってくる。
アイデアを出し尽くした友人Yは失意のまま色が失せ、体の輪郭線もぼやけネーム掲載状態となってしまう。
そして、ついに打ち切りが決定し、妖精から打ち切りのペナルティを告げられる。それは「家業を継ぐ」こと。
祖父に起こされて目覚めた「わたし」。ようやく戻ってこれたのであった。
同類誌即売会は準備会ができ、年に1、2回の大きなイベントと毎月小さなイベントが開催されるようになる。
「わたし」もこっそり参加して同類誌を出すが、友人Yに見つかって「萌え絵がないと」とダメだしされる。
結局売れたのは4部だけであった。
最終更新:2012年07月07日 06:29