シェアード・ワールド・ノベルズ 妖魔夜行 真夜中の翼 著者/山本弘、下村家惠子、友野詳 イラスト/青木邦夫 角川スニーカー文庫

 

収録作:真夜中の翼(山本弘)、幽霊列車(下村家惠子)、血の望み(友野詳)

 


361 :妖魔夜行:2011/02/14(月) 23:07:44 ID:kV0CayyK
「妖魔夜行 真夜中の翼」 作:山本 弘

確か短編集第一作の最初の話。
マジで結構うろ覚えなのでたぶんあちこち間違っている。

少々過保護気味の母親に育てられ、真面目で大人しく育った少女、守崎摩耶。
彼女は、自分が大男に犯されるポルノまがいのシーンが
毎晩テレビに映しだされる、という妙にエロい怪奇現象に悩まされていた。

恥を忍んで、怪奇現象を解決してくれるという噂のバー「うさぎの穴」を訪れて相談したところ、
バーののマスターの娘である少女「井神かなた」が
その破廉恥な悪戯に憤慨し、調査に乗り出してくれることになる。
同年代ほどであることもあり、守崎摩耶と友達になりたいという気持ちも有る様だ。

しかし、夜に摩耶の部屋を訪れて実際にその現象を確認したかなたは、
映し出される映像中、男の性器の形が現実のものと少々異なっていることに気づく。
つまりこの現象は、男性の性器を見たことがない者によって引き起こされているのだ。

かなたはそのことから導き出した自分の推理を、非常に言いにくそうに摩耶に説明する。

362 :イラストに騙された名無しさん:2011/02/14(月) 23:10:49 ID:kV0CayyK
ポルターガイストという、部屋の中のものが勝手に壊れたり音を立てたりする超常現象がある。
それは、なぜか子供や若い女性が居る環境で起こることが多い。
実は彼らは鬱屈したストレスなどを無意識的に不可思議な力として発散してしまうことがあり、
それがポルターガイストなどの超常現象や妖怪として現れるのだ。
つまり、このポルノ映像を無意識のうちに映し出しているのは……。

かなたが何を言いたいのかに気づいてしまい、恥のあまり錯乱する摩耶。
摩耶の力で生じていた映像は、その錯乱に呼応して力を増し、
黒い肌、顔のない頭、蝙蝠のような翼を持つ妖怪『夢魔』として実体化する。

夢魔は摩耶をさらって、窓から夜空へと飛び出す。
いや、嫌悪すべき事実を知られたかなたから離れたいと言う気持ちの現れだったのかもしれない。

しかし暴走した夢魔は主を実際に犯しかねない危険な存在でもあった。
正体は妖怪『化け狸』であったかなたは妖怪としての本領を発揮、
人間離れした力を駆使して夢魔に追いつき、友人として摩耶を説得。
夢魔を制御させることに成功する。

解決した後、かなたは
「また鬱屈が溜まってあんなことにならないように、友達どおしで時々はエロ話の一つや二つしようよ」
と摩耶に話す。
こうしてかなたは人間の友達を、摩耶は下世話な話もできる気の置けない友人を手に入れた。


 

700 :イラストに騙された名無しさん:2012/01/31(火) 13:09:13.61 ID:jv7p0XDu
「幽霊列車」

大学生の阿部浩二は、友人の牧原とともに地下鉄のホームで酔いつぶれていた。
そこにやってきたのは、終電を過ぎた路線で走る“幽霊列車”。
かろうじて乗らなかった阿部だが、牧原は誘われるように乗り込み、そのまま行方不明になってしまった。

牧原を探す阿部は、同じく幽霊列車に乗って行方不明になったという兄を探す川瀬ゆかりと出会う。
行方不明者を探すため、幽霊列車を求める二人は終電の過ぎた地下鉄ホームで待ち受けることに。

そして、二人の前に現れた幽霊列車。
乗り込んだ彼らが見たものは、牧原をはじめとする行方不明者たちと、鬼のような姿に変じる車掌だった。
彼らに襲われ危機一髪の阿部とゆかりだったが、そこに乱入してきた青年と謎の声の導きでからくも脱出する。

二人を助けたのは、占い師の狩野霧香とその助手・加藤蔦矢。
彼らの正体は人間に味方する妖怪(それぞれ雲外鏡と藤の木の精)であり、同じく妖怪である幽霊列車の事件を調査していたのだ。

助っ人として火の妖怪である“野火”も加えた面々は、幽霊列車の乗客を解放するため再び接触を図る。
この列車は現実から逃避したいと望む人々の想いから生まれたため、乗客がいる限り動き続けるのだ。
そのため乗客を解放しようとする霧香たちだが、彼らは幽霊列車の車掌(妖怪“船頭鬼”)に操られるままに攻撃をかけてきた。

乗客を人質に取られる形となった霧香たち。
万事休すかと思われたその時、霧香は彼らの心の中にある美しい思い出や、未来への希望を映し出した幻を見せた。
これにより乗客の逃避願望を得られなくなった列車は力を失い、乗客を解放する。

船頭鬼は、「いつの日にか力を取り戻す」と言い残して去り、人々は現実に戻ってきたのであった・・・・





 

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最終更新:2012年02月03日 23:30