スクラップド・プリンセス 著/榊一郎 イラスト/安曇雪伸 富士見ファンタジア文庫
- 719. イラストに騙された名無しさん 2012/02/13(月) 02:03:11.21 ID:QMjLLmTe
- >>717
今からはるか以前、人類は遠宇宙にまで至る超科学を手に入れていた
だが、それが宇宙の神の怒りに触れ、愚かで未熟な人類を憂いた天上界は、
人類にひとつの結論を下す
科学技術のはく奪と、楽園への封じこめだ
HIと呼称される人類を超える存在は、人類に戦闘兵器を送り、そして、人類は
事実上滅亡した
- 720. イラストに騙された名無しさん 2012/02/13(月) 02:05:27.08 ID:QMjLLmTe
- 数千年の時が、過ぎ、楽園の中では中世ヨーロッパのような文明が築かれていた
神々に敗れた歴史は神話の中に忘れ去られ、人々は世界に何の疑問も持たずに
暮らしていた
かつて、神々との戦いの時、人類を裏切り、神々の側に立った少女マウゼルは
今や、マウゼル教の神として、人々に崇められる唯一神のような存在となっていた
- 721. イラストに騙された名無しさん 2012/02/13(月) 02:09:31.53 ID:QMjLLmTe
- そのマウゼルが下す、グランダルの託宣により、ひとりの少女の運命が告げられる
ラインバン王国に今度生まれた王女が、世界を滅ぼす猛毒、魔王の手先のごとき
存在だというのだ
ライバン王国一の騎士は、王の命令を受け、まだ生まれたばかりのその赤子を
谷から投げ捨てるのだった
だが、王女によって、その王女は救われていた、そして、偏狭の町に送られ
ある夫婦の元で、密かに育てられるのだった
それが、廃棄王女、パシフィカカスールである
パシフィカには、ふたりの義理の兄弟がいた
姉のラクウェルと、兄のシャノンである
ラクウェルは天才的な魔法の使い手であり、シャノンは、最強の戦士だった
それは、かつて王国最高の魔法機関に所属していた母と、最強の傭兵だった
父の影響であった
- 722. イラストに騙された名無しさん 2012/02/13(月) 02:17:15.10 ID:QMjLLmTe
- パシフィカが15歳ほどになった時、都では王女づきの女官が、公金の使い込みの
疑いで逮捕される、そして、魔法で自白させられた女官から、かつてパシフィカを
救ったという恐るべき事実があきらかにされるのだった
さっそく、パシフィカに刺客が送られる、そして、カスール家の父親は殺されてしまう
たまたまひとりで歩いていたパシフィカもとらえられ、死が迫っていた
だが、そこに天上のステンドグラスを打ち破り、兄のシャノンが降り立った
娘を病で失い、錯乱した魔法使いと、もうひとりの暗殺者がシャノンに襲いかかる
だが、シャノンがまとっているのは、王国最強の傭兵である父が残した武具で
あった
余裕の強さで敵を倒すシャノン、そして、ラクウェルも魔法によって、敵を退ける
廃棄王女であることがはっきりした以上、もうラインバン王国にはいられない
三人は、隣のギアッド帝国に旅立つのだった
ここまでで1巻
- 723. イラストに騙された名無しさん 2012/02/13(月) 02:28:16.26 ID:QMjLLmTe
- 全部書くと果てしなくなるので、次は、三巻を書く
ギアット帝国まで後わずかと迫った時、雪山の食堂で、パシフィカたちは、
マウゼル教の異教処刑戦士と出会うが、その男はパシフィカを王女だとか気付かず
一緒に旅をすることを申し出る
だが、船が難破してしまい、謎の島に辿りつく
そこは、ひとりの男ともうひとりの女によって支配される、反マウゼルのカルト
教団の隠れ里だった
そして、その教祖の女は、自らを廃棄王女だと名乗る
やや、混乱する兄弟だが、ラクウェルがそのカルト教団のからくりに気付く、
その島自体が、マウゼル教の聖都グランデルを滅ぼすための超魔術兵器だったのだ
大惨事を防ぐために動くパシフィカたち、だが、教祖の男は天才魔術師であり
自らに不死身の戦士となる魔法、バーサーカーをかける
- 724. イラストに騙された名無しさん 2012/02/13(月) 02:30:22.96 ID:QMjLLmTe
- しかし、シャノンも魔法容量にかけては化け物だった、天才魔術師ラクウェルの
力を借り、シュノンもまた、超人的な戦士へと変身し、悪の教祖の野望を砕く
のだった
単なる悪人に人がついていく道理もなく、その男の教祖は二重人格だった
正義の心を取り戻した教祖は、自分探しをするために世界遍歴の旅にでるのだった
一方、廃棄王女を名乗った女教祖は、そのまま人を導くためにその島に残るの
だった
異教処刑戦士は、パシフィカが廃棄王女であることを悟ったものの、もともと、
まったく信仰心がない男だったので、見逃すのだった
- 727. イラストに騙された名無しさん 2012/02/14(火) 13:50:55.64 ID:BsdeNAZZ
- 4巻
帝都に邸宅すら持つスコルプス男爵の長男であるレオは、王国最強騎士団に
入るべく武者修行の旅に出ていた
その途中で、たまたまパシフォカに出会う、レオは神の楽園封じ込め計画に
反抗するために、かつて人類が生み出した悪魔の一体であり、パシフィカを
守護する為の、デビル素子を生まれつき持っていた存在だった
その超遺伝操作により、レオは無条件でパシフィカに一目ぼれをする
だが、パシフィカに暗殺者の手が迫っていた、その名はサイレンサー
音もなく標的を消しさる最強の殺し屋だ
- 728. イラストに騙された名無しさん 2012/02/14(火) 13:55:08.51 ID:BsdeNAZZ
- レオはその超人素子により、通常の人間の目には映らない小さな針による高速
攻撃すら見抜ける悪魔の力の持ち主であった
しかし、サイレンサーとは自らの手を汚さず、バグを使って暗殺を行う邪悪な
一族だったのだ
バグとは、神々と人類が戦った時に人類が超科学で生みだした、諜報や暗殺などを
目的に作られたカブトムシ型の兵器である
それは、人間の耳には聞こえない高周波によって動かされ
その命令音階を完璧に身に付けた一族こそがサイレンサー一族なのだった
レオは悪魔としての力で、バグが放った針をあっさり切り飛ばすが、しかし、
その針のひとつがパシフィカの頬をかすってしまう
倒れるパシフィカ、それは、猛毒を持った針だったのだ
- 729. イラストに騙された名無しさん 2012/02/14(火) 14:00:17.93 ID:BsdeNAZZ
- その地域唯一の医者、ドイル・バレットの元に向かうレオとラクウェルだが
なんとその医者こそが、かつて王国最強の騎士と呼ばれ、レオが武者修行の
最終目標としていた人物だった
そして、実は、彼こそが、赤子だったパシフィカを崖から投げ落とした本人である
という衝撃の事実が明かされる
彼は、無力な赤子を神の命令といえども殺した事によって、己の正義を疑い、
騎士を廃業した弱き男であった
バグの毒の解毒薬は、バグの砦にしかない
レオとふたりは、バグの砦に向かう、ラクウェルのバリヤー魔法によってバグの
攻撃を防ぎながら進むが、そこに邪悪な暗殺者サイレンサーが待ち受けているのだった
サイレンサーを激闘の末に倒し、毒を打ち消すのには成功するが
そこにピース・メイカーの一体が現れ、上位命令によって、シャノンとラクウェルを
洗脳、連れ去ってしまう
途方に暮れるパシフィカ
- 730. イラストに騙された名無しさん 2012/02/14(火) 14:05:26.10 ID:BsdeNAZZ
- サイレンサーと命がけの取引をし、ふたりの居所をバグに捜させるパシフィカ
だが、廃棄王女だと知った、王国最強騎士を目指すレオは、複雑な表情だった
「俺は無力なのか、このままピース・メイカーに敗れるのか」
絶望するシャノンに、悪魔がささやいた
「力がほしいか? 神を滅ぼす力が」
魂を蝕む悪魔の声に、しかし、シャノンは同意し、悪魔と世界の秩序を滅ぼす契約を
かわす
邪悪な竜の力を宿したシャノンは、神の使いであるピース・メイカーの一体を
山をも砕く光の剣で切り裂き、消滅させる
その神々の戦いを見物していたレオは呟く
「廃棄王女っていったいなんなんだ!!」
レオは、心の整理をする事を一堂に告げ、その場を去っていく
こうしてシャノンは神にすら対抗する邪悪な暴竜、ドラグーンの力を手に入れる
「この力、この力さえ、あればなんでもできる、あーはっはっはっは」
シャノンは高笑いをし、無力でなくなった自分を実感する
- 731. イラストに騙された名無しさん 2012/02/14(火) 14:16:02.19 ID:BsdeNAZZ
- 9巻
魂までもが黒く染まり、邪悪な悪魔となったシャノン
彼らは依然としてギアット帝国に向けて急いでいた
だが、彼には油断があった、世を激しく恨み、太古の悪魔と契約をかわした者は
ひとりではなかったのだ
もう一人の、その名は、ギアット帝国第四皇女セーネス・ルル・ギアット
邪悪な暴竜の力を手に入れ、世界征服を企む荒みきった皇女だった
その油断をつかれ、シャノンたちはとらえられてしまう
「バグの砦に似てるわね」
ラクウェルはつぶやくが、それは当然であって、バグの砦とはかつて人類が
神々と戦う時に用いた、宇宙要塞の事であったのだ
心まで、漆黒に堕落したセーネスは、マウゼル神との戦いの切り札である
悪魔の王ともいえる廃棄王女パシフィカを己の手に入れようとしていたのだ
己のうかつさを呪うシャノンだったが、対等な力を持つ悪魔に、うかつにしかえる
事は禁物といえた
- 732. イラストに騙された名無しさん 2012/02/14(火) 14:21:32.17 ID:BsdeNAZZ
- そこで、パシフィカたち一行は、太古の戦いの真実を教えられる
神とは、宇宙からやってきた人類を超えた謎のHIと呼ばれる存在であり、
悪魔とはそれに対抗したブラウニンという人間によって組織された、超科学の
軍隊の事であったのだと
しかし、ブラウニンには、マウゼルという神の側のスパイが紛れ込んでおり、
結局、人類はマウゼルを神とする楽園世界に封じ込められてしまった
そして、ブラウニン機関は長い間をかけて、廃棄王女計画を実行してきた
のだと
マウゼル神に唯一対抗できるのは、マウゼル神のコピーたるパシフィカの冒涜の
力のみ
邪悪な皇女セーネスは、その力の発動を狙っていたのだ
- 733. イラストに騙された名無しさん 2012/02/14(火) 14:29:16.69 ID:BsdeNAZZ
- しかし、そこにピース・メイカーによって洗脳されたギアット海軍が迫っていた
考える力を持たない完全なマウゼル教徒とされたギアッド軍の攻撃が始まる
でくのぼーと化した者たちの攻撃を嘲笑うセーネスだったが、それはピース・
メイカーの罠であった
人類の尊厳など微塵も考慮しない、神の下した最悪の天使、いかなる存在にも
化ける事ができ、無限ともいえる堆積を持つ人外の魔物が、バグの砦バンガード
を襲う
邪悪なセーネスは頭脳においてピース・メイカーに圧倒的に劣っていた
あっさり砦の最深部への侵入を許すセーネス
そしてモニターを通し、ピース・メイカーが命令を下し、ブチッヂ要員は狂信的な
マウゼル教徒とされてしまう
「お前はなにかできないのかよ! 廃棄王女なんだろうが!!」
- 734. イラストに騙された名無しさん 2012/02/14(火) 14:32:32.02 ID:BsdeNAZZ
- 怒りを爆発させるセーネスに、ついに魔王であるパシフィカの力が発揮される
正気にかえる人々
そう、マウゼルのコピーたるパシフィカの力とは、人類に超遺伝的に絶対強制力を
持つ、マウゼルの命令をキャンセルできる事だったのだ
心まで、穢れ切ったシャノンは悪竜と化し、人の魂を踏みにじる。いてはいけない存在
ピース・メイカーを撃退する
だが、その戦闘によって、セーネスが唯一心を許した世界征服の野望をわけあう
悪の幹部エイローテは死亡してしまうのだった
「おのれ、許さんぞマウゼル、ピース・メイカー!!」
邪悪なセーネスは、より憎悪の地獄に落ち、絶対的復讐という魔道を歩むことを
決意するのだった
- 725. イラストに騙された名無しさん 2012/02/14(火) 13:40:00.66 ID:BsdeNAZZ
- スクラップドプリンセスの最終回
マウゼル神は迷っていた、人類をこのまま永遠に楽園に封じ込めるか、それとも
解放するべきなのか
実は、マウゼル神は、神が作った超人類で、だからこそ予知能力が宿っていたのだ
そして、パシフィカはそのクローンなのだった(髪の色が違うだけで容姿が同じ)
神であるHIは数千年間閉じ込めた後、解放するように運命を仕組んでいた
その最後のスイッチとして、神は、ピース・メイカーの暴走をプログラムしているのだ
マウゼルの天使であり、かつて人類が神に対抗すべく生みだした兵器である
ピース・メイカーの一体が暴走を始める
- 726. イラストに騙された名無しさん 2012/02/14(火) 13:41:23.51 ID:BsdeNAZZ
- 世界のリセット、天使の裁きを楽園に下そうというのだ
それを止めるには、廃棄王女を殺すしかない、実は、これはHIの下した試練で、
パシフィカを殺したまま終わらせるなら、HIは人類を見捨て、そのまま永遠に
楽園に閉じ込める気であったのだ
パシフィカの双子の兄は、世界の破滅か、それとも妹の命かの選択を迫られ、
そして、廃棄王女を殺す事を決意する
そして、護衛者シャノンと、ピースメイカーとの人類の運命をかけた最終決戦が
始まる
天使と悪魔が戦う空の下では、王子がパシフィカを剣にかけ、自身もろとも
殺すのだった
無神論者だったはずの姉のラクウェルは、思わず叫ぶ
「お願い、マウゼル神よ、もし、本当にいるのなら、パシフィカを助けて!!」
パシフィカが死ぬ事、そして、血文字で魔法陣が描かれることが、楽園を崩壊
させる一種の魔法装置になっていたのだ
ここにきて、マウゼルは決意する、人類を楽園から解放することを
そして、マウゼル神は、祈りをきき、パシフィカを蘇らせるのだった
人類は、もう楽園に閉じ込められることはない、マウゼルは神であるHIから与えられた
数千年にも渡る役割を終え、消滅する
最終更新:2012年08月08日 14:55