魔術士オーフェンはぐれ旅 我が森に集え狼 著者/秋田禎信 イラスト/草河遊也 富士見ファンタジア文庫、TOブックス
- 890 :我が森に集え狼:2012/07/28(土) 01:23:22 ID:3amQz35p
オーフェン達は、牙の塔でマジクを大陸魔術同盟の魔術士として登録するために
大陸の中心に広がる大森林フェンリルの森を通り抜けようとしていた。
戦士たちの故郷とも呼ばれるそこは、大陸最強種族ディープドラゴン=フェンリルの生息地であり
彼らを崇めるドラゴン信仰者達の根城でもあった。
ちょっとした仕返しのつもりで、魔術士が森を通ろうとしている事を信者達に密告したボルカンだが
教祖マクドガルは密造した銃まで持ち出して、本気で魔術士を狩りに来た上に
捕まったマジクを救出しに来たオーフェンまでもが、フェンリルの魔術によって瞬殺されてしまう。
フェンリルの巫女・フィエナの暗黒魔術によって生死の境を脱したオーフェンは
体力が回復したら、こんな村とはさっさとお別れだと思っていたが
牢の様子を見に来た村の若者、サルア・ソリュードから思わぬ挑戦を受ける事になる。
彼の正体は、キムラック教会から派遣された暗殺者「死の教師」であり、その目的は
「最終拝謁」を果たした結果、教会を出奔した背教者マクドガルの動向の調査と暗殺であった。
そんな彼にとって、大陸最強の魔術士の後継者と目されたキリランシェロが村に来た理由は見過ごせる物では無かったのだ。
・・・実際は本当に通りがかっただけなのだが。
- 891 :我が森に集え狼:2012/07/28(土) 01:24:09 ID:3amQz35p
マクドガルの目的は、強大な力を求めてドラゴン達の聖域へと侵攻する事にあった。
フィエナの暗黒魔術が、フェンリルの使い魔になった故の物だと知らないマクドガルは
彼女の力ならば、フェンリルに対抗出来ると思い込んで居るのだ。
間違いなく住人が全滅する事を察したオーフェンは、フィエナに惚れたマジクの懇願もあり(ちなみにフィエナはサルアに惚れている)
マクドガルの計画を止めようとするが、追い詰められたマクドガルは拳銃で自殺し
村人達は復讐のためにオーフェン達へと殺到する。
そして、森林レンジャーに助けを求めに行っていたクリーオウが
レンジャー達が余りに頼りにならないため、自ら村に突入しようとした時
突如、無数のフェンリル達が村を取り囲むように現れた------村人を皆殺しにするために。
断罪の宣言をするフェンリルの長、アスラリエルに対してオーフェンは
自分と戦い、その間は村人に一切の手出しをするなと持ちかける。
が、圧倒的な力を持つフェンリルに対してオーフェンはロクに対抗できず
クリーオウが抱えていた彼女の子を人質に取っても、どうせ魔術で蘇生するから殺さば殺せと言い放ち
挙句一発逆転の手で脳天をぶち抜いても平然と起き上がってきた。
万事休すかと思われたが、アスラリエルは宣言に反し、建築物を焼き払っただけで村人には一切手出しをせずに帰ってしまった。
彼女はある人物と結んだ盟約のため、最初からオーフェンと敵対するつもりは無かったのだ。
アスラリエルの子は、子供を見捨てる親に任せてられないとクリーオウによって保護され
住人たちは、森の近くにあるフィエナの故郷へと移り住む事になった。
オーフェンは、二度と関わる事が無いだろうある人物の影を感じながら、塔への旅を再開するのだった。
最終更新:2012年08月08日 12:05