夜の東京に、けたたましくサイレンが鳴り響いた。
近頃東京を震え上がらせている連続猟奇殺人事件がまた起きたという。
証拠は一切なし、凶器も見つかっていない、残ったのは血の跡と干からびた死体だけ。
まるで吸血鬼にでも殺されたかのように。
どこかの新聞記事の見出しには「ドラキュラは実在した!?」とまで書かれている。
その事件が先程発生した。被害者は両親と5歳の長男の3人家族。
パトカーが事件現場であるマンションの駐車場に到着、早速検証が行われた。
だが今回もいつもと変わらない。犯人を見つける決定的な証拠となるものは
見つからず終いだった。だが今回は奇跡的にも、被害者は全員無事だった。
隈無く現場を調査している何人もの警官を見ながら、黄色いバリケードテープを
背に真戸呉緒はまるでゾンビのようにやせ細った顔を歪め、彼らを嘲笑っていた。
ーそんな事をしても犯人は見つからんぞ、と。
彼はいつも通りに行った独断の聴きこみ調査で情報を独自に入手し、既に犯人の関係者
らしき人間の素性を知っていた。警視庁には報告しなかった。これはこの偽られた東京に
住む人間でもひと握りの者しか知り得ないだろうある秘密が関わっているからだ。
そんな事を話せば相当面倒な事になるだろう、「下らん」と信じて貰えないという可能性も
あるが。
真戸は、この連続殺人事件の犯人は、おそらく人間では無いだろうと睨んでいた。
同僚に話したらふざけているのか、と済まされる様な話に聞こえるだろう。
自分の元いた世界でなら「“喰種”の仕業だ」で話が着くが、生憎この世界にそんなモノは
存在しない。この世界のメディアには「喰種」の「喰」の字も無い。
ならば、その犯人は何者なのか、それは「サーヴァント」と考えればいいだろう。
仮に犯人が喰種だとしても、聖杯戦争の参加者であることに間違いはない、どの道調べることは
同じだ。
真戸は、事件が起こった近辺の住民の手の甲などを調べ上げ、やがて容疑者である可能性が
高い人をいつも通り勘で睨みつけ、その人物に対して張り込み捜査を行った結果は、ビンゴ。
事件発生とほぼ同時刻、事件現場にその人物と行動を共にしていた、
さながら中世ヨーロッパの貴族の様な格好をしたオールバックの紳士が、被害者のマンションに
向かう姿が確認できた。
そして真戸は自らのサーヴァントに号令をかけ、警視庁に連絡、
「偶然殺されそうになっていたところを発見し、被害者を保護した。犯人の姿は確認できなかった」
という報告と同時に通報をかけた。
犯人は新聞記事の見出しの通り吸血鬼だった。今自分のサーヴァントが交戦しているはずだ。
真戸が目撃した吸血鬼のサーヴァントは、現在公園にて一体のサーヴァントと戦っていた。
彼が今刃を交えているサーヴァントは、この暗い夜に溶け込んだ紺色を基調とした、
顔と胸に「×」の字とあしらい、発光している黄色いボディラインと紫色の仮面が
この夜景にとても似合う、極めて特殊な形状の装備を纏った戦士だった。
勿論吸血鬼は知る由もないだろうが、彼こそが、吸血鬼に連続殺人事件を
行わせたマスターを影で見ていた刑事のサーヴァントだったのだ。
そして十字架の様な形をした、銃と剣を組み合わせたような武器で、
宝剣を手に取っている吸血鬼と戦っている。
初めは吸血鬼が優勢だった、だが今はその逆だ。
吸血鬼の宝剣には、刃から吸血を行う機能があった。だがそれが命取りとなった。
この紫のサーヴァントの装甲には、人間の身体をボロボロの灰にしてしまうほどの
毒性を持った流体エネルギーが流れていた。だが、吸血鬼の宝剣はそれを血と間違って
吸収してしまい、今ではポロ、ポロと灰が身体から落ち、それと共に身体がどんどん蝕まれていくような
感覚に陥っていった。そして剣をぶつける度にそれは少しずつ悪化していき、
やがて彼は動く事もままならない状態に至り、遂に地面に膝をついた。
吸血鬼は、一瞬相手の得物が自分達の弱点の一つとも言われている十字架のような形をしているのを見た瞬間、
終わった、と悟った。
紫の戦士は、このチャンスを逃したりはしなかった。すかさずバックルのカバーを開き、「ENTER」のボタンを押す。
『EXCEED CHARGE』
低めの電子音が鳴り響き、一筋の光が全身に張り巡らされた黄色いボディラインを走り、武器を持っている方の手に届く。
光が黄色く発光している刃に到達した瞬間、刃の光は更に増した。
そして銃剣をリロードするような操作をした後、銃口を消耗している吸血鬼に向ける。
銃口から放たれた一発の光弾は吸血鬼の心臓部に当たり、巨大な黄色い円錐状の光を構成していった。
紫のサーヴァントはそこに狙いを定め、剣を構える動作をした後、
「でぃやあああああああああああああ!」
その身を光に変え、目に見えないほどの速さで吸血鬼に走りかかり、
一瞬にして敵を貫通し、切り裂いた。
吸血鬼の身体に一瞬大きな黄色い「×」の字を描いた光が発生した後、全身が灰になって崩れ落ち、その灰も光の粒子となって消えた。
紫のサーヴァントは、それに向かって「フン」と顎で笑うと、バックルから携帯電話らしきパーツを抜き取ってそれを開き、
電源ボタンを押した。すると眩い光と共に、彼の姿は確認できなくなり、代わりに丁度彼がそこにいた場所に、1人の青年がいた。
そしてその青年は、光の粒子となり姿を消した。
≪奴の始末は終わったよ、マスター。》
証拠と言える証拠も見つからずに引き返したパトカーに乗っている
真戸の脳内に声が響く。真戸のサーヴァントからだ。
≪ククク、そうか、ご苦労だよ、アーチャー。》
真戸も念話で、相変わらず口元を歪めながら返事を返す。
真戸が元いた世界の記憶を取り戻して、どれくらい経ったのだろうか。
彼の与えられた役割は、「階級が警部止まりで周囲からの評判も悪い不気味な
はみだし刑事」というものだった。
なるほど、自分にぴったりだ、と真戸は改めて思った。それに「刑事」としての役割も
中々都合のいいものだ、とも思っている。
聖杯戦争に費やす時間は少ない、だがその分他のマスターの事も調べあげる事が出来る。
だが、何より自分が幸運だと感じたのは、真戸が引き当てたサーヴァントだ。
勿論戦闘力も申し分ないが、問題はそこではない。
真戸が呼び出したアーチャーのサーヴァント、真名は草加雅人。
自分の命、愛する幼馴染の命を奪った人類の進化系「オルフェノク」に復讐を誓い、
オルフェノクに戦いを挑み続けた英雄。
正直なところ、真戸は彼の真名を聞いてとても気が合うと感じていた。
人に紛れ、人を喰らう化け物を根絶やしにする。
職業柄、真戸はそのような思想を当たり前のように持った人間達と行動してきた。
彼の最後のパートナーもまた、寝食を共にした友人を化け物に食べられてしまった経験があった。
だが、まさか異世界で手を組むことになった人物までがこのような考えを持っていたとは。
死んでも尚この様な人物と行動を共にするとは思わなかった。
それに、それ以外にも彼とはどこか直感的にシンパシーのようなものを感じる。
私はいいパートナーと巡り会えた、と真戸は勘でそう見た。
≪ところでだ、アーチャー、『吸血鬼』は戦ってどうだったかね?》
≪随分と目障りなサーヴァントだったよ、まさかあんな化け物ともう一度戦う事になるなんて思っても見なかった》
真戸が念話で聞くと、スッキリしたかのような声で、アーチャーが返してきた。
真戸はそれを聞き、歪めていた口の端を更に上げた。そして、
≪いや、奇遇だね、私もそう思っていた所だよ。》
そう念話で返した。
聖杯、万能の願望機。
アーチャーからその話を聞いた時は、やはり驚いた。
この様な物が本当に存在していたのかと。
そして、彼は確信した。
これさえ手にすれば、あの忌まわしき“喰種”を根絶出来ると。
そして、アーチャー・・・草加雅人もまたそうだった。
彼はオルフェノクを決して許さなかった。
同窓会のあの日、真理や自分達流星塾のメンバーが殺された
時から。
この世界から根絶やしにしてやると誓ったのだから。
例えそれが父親であろうと、同級生であろうと、
利用価値の有る仲間であろうと、
それは決して変わらない。
ーこの世界を歪めているのは、何か。
それは化け物だ。人の皮を被り、人を殺し尽くす。
彼らこそが敵だ、人類の、いや、この世界の。
怪物を憎む二人の狡猾なる人物は、ここに手を取り合った。
そして、この世界に巣食う癌細胞を消し去るために、彼らもまた願望機に手を伸ばす。
【クラス名】アーチャー
【真名】草加雅人@仮面ライダー555
【性別】男性
【属性】秩序・悪
【パラメータ】筋力E 耐久E 敏捷D 魔力D 幸運E 宝具C
筋力B 耐久C 敏捷A+ 魔力D 幸運E 宝具C(カイザ変身時)
【クラス別スキル】
単独行動:B
マスターとの魔力供給を絶っても現界していられる。
マスターが死んでも、最大2日は現界を保っていられる。
対魔力:E
魔力に対する耐性。
心臓がオルフェノクである事を除いてただの人であるアーチャーは、
クラス補正によるお守り程度の効果しか持っていない。
【固有スキル】
話術:C
言葉を操る才能。
詐略などにおいて有利な補正を与える。
破壊工作:A
戦う前に敵の戦力を削ぎ落とす。
ただし、ランクが高ければ高いほど、英霊としてのランクは落ちていく。
仕切り直し:B
戦闘から離脱する能力。
また、不利になった戦闘を初期状態へと戻す。
精神異常:E
精神を若干病んでいる。
自分の左手の平から血が流れているように見えたりする。
低い確率で精神干渉系の魔術を無効化する。
魔力放出(毒):C
魔力を強い毒性を秘めた流体エネルギー「フォトンブラッド」に変化させる。
本来ならフォトンブラッドは、カイザギアから常時生成出来る様になっているが、
カイザへの変身が宝具による伝承の再現になった影響で、フォトンブラッドの生成も
魔力に依存する様になった。
【宝具】
「狙う紫の視線(カイザ)」
ランク:C 種別:対オルフェノク宝具 レンジ:ー 最大捕捉:1人
アーチャーが生前、オルフェノクと戦う際に使用していた力。
彼がこの力を使って数多くのオルフェノクを葬ってきた逸話が
宝具として昇華された物。
「呪いのベルト」とも呼ばれる戦闘用スーツ装着用キット
「カイザギア」を使用することで、
彼は「カイザ」と呼ばれる紫色の戦士に変身することが出来る。
また、カイザに変身するためにはこの宝具を使用しなければならず、
本来なら人工衛星を経由しなければ装着が出来ない。
【Weapon】
「カイザギア」
彼がカイザとなって戦う際に使用する、
ジュラルミンケースに入った装備一式。
宝具の起動に必要なベルト。
各種装備にコマンドを送り込むための携帯電話。
強力な光弾と斬撃を放つ銃剣。
パンチ力を強化するデジタルカメラ型ユニット。
追尾マーカーを射出する双眼鏡型ポインターユニット。
これら6つの装備で構成されている。
「サイドバッシャー」
彼が生前愛用していたサイドカー。
二足歩行の手動型戦闘ロボットに変形が可能で、
数十発以上ものミサイルが搭載されている。
乗り物であるため、ライダーのクラスで使われるべきであろう装備だが、
アーチャーのクラスで呼ばれた事でこの装備もまた「弓」と認識され、
持ってくることが可能となった。
【人物背景】
カイザギアを手に人類の進化系・オルフェノクと戦った英雄。
大学で幾つものスポーツ部の部長を務めるスポーツマン。
一見紳士的で人当たりの良い性格だが、それは他人を
欺くための芝居。本来は狡猾で自己中心的な性格で、
自分にとって邪魔だと認識した人物に対しては
その本性を露わにする。目的のためなら手段を
選ばない人物で、オルフェノクの抹殺を達成するために
数々の人物を騙していった。
児童養護施設「流星塾」の同窓会を襲撃したオルフェノクに、
自分や他の同級生の命を奪われたことから、
オルフェノクを激しく憎悪している。
そして、人から人へと渡り、その度使用者を灰にしていった
カイザギアを使用しても平然としていられていたため、
実質カイザギアの装着者となった。
幼い頃は母親を水難事故で失い、引き取った流星塾では
陰湿ないじめを受けていた。
そんな時、いつも助けてくれた園田真理に対し、母性愛に近い
恋心を抱いており、彼女を助けることは彼の行動理念の一つ
にもなっている。
よくウエットティッシュで手を拭く癖があるが、これは
川で溺れた時、母親の手を掴もうとした所を引き剥がされた際に
左掌に出来た傷が、彼には未だに血を流しているように見えているため。
その後、自分達流星塾の同窓生がオルフェノクの記号を埋め込む
施術をされて蘇生されていた事を、流星塾の創設者である
花形より聞かされ、同時に自分がこれ以上カイザに変身すると死んでしまう
ことを知らされる。それでも尚、オルフェノクにさらわれた真理を救うために
単身オルフェノクに立ち向かうも、やはり万全の状態では戦えず、
最終的には彼が散々唆したオルフェノクである木場勇治の手で殺された。
と・・・これは此度の聖杯戦争にて召喚された草加雅人の過去にある記憶。
草加雅人という英霊は様々な道を辿った幾つもの世界の彼が合わさった
存在だが、今回は上述の過去を辿った草加雅人が召喚されている。
【聖杯にかける願い】
オルフェノクの根絶。
【方針】
他の陣営は見つけ次第始末していく、どんな手段を使ってでも。
【備考】
彼はテレビ本編の世界観の草加君です。
【マスター名】真戸呉緒@東京喰種
【性別】男性
【能力・技能】
「喰種」の臓器を素材に作られた兵器「クインケ」を操る技術。
彼は20種ものクインケを所持しており、かつクインケ集めへの
執着ぶりは異常である。
人を喰らう亜人「喰種」を殺す、もしくは捕らえることが専門の職業の技能。
実力は非常に高いが昇進の意思は無く、階級は「上等捜査官」止まりである。
また、捜査は長い経験で培った「勘」を頼りに行う。
【人物背景】
不気味な雰囲気を持つ喰種捜査官。10年前に同じく喰種捜査官である妻を
失った過去から「喰種」を憎悪する様になり、より強いクインケに執着しているのは
より多くの喰種を殺すため。基本喰種を殺すことにしか興味はなく、昇進に興味はない。
そのため周りからは「クインケマニア」呼ばわりされ変わり者扱いされていた。
喰種に対する憎しみは非常に強く、喰種を「ゴミ」と読んでいる上に、
喰種に対しては常に残虐非道な行動や言動で苦しめている。
クインケですら素手で触りたがらないようで常に手袋をしている。
喰種をえげつないやり方で殺してクインケの材料にするのは彼の一番の楽しみ。
だが、それはあくまで「喰種」に対しての姿勢で、同僚や家族に対しては
本来のユーモラスで気さくな優しい態度で接している。
【聖杯にかける願い】
喰種の根絶。ゴミは取り除く。
【方針】
刑事という立場を利用してうまく立ち回っていく。
あまり「人間」は殺したくない。
【備考】
時系列的にはトーカちゃんに殺されてから亜門さんに遺体を発見されるまでの間です。
候補作投下順
最終更新:2016年03月03日 23:09