都内の一等地にその屋敷はあった。
誰もが一目でその屋敷に住む人物は大金持ちだとわかるだろう。
広大な敷地の中庭には、訓練された犬が大量に配備されており
屋敷の警備のために大勢の人間がいた。
これも誰もが一目でその屋敷に住む人物は堅気の人間ではない事がわかるだろう。
警備の人間が明らかに裏社会の人間である空気をかもし出していた。
そして誰もが外国人である事から、マフィアである事がはっきりとしていた。
しかし最後のもう一つの事は、誰もがわからないだろう。
その屋敷に住む人物が聖杯戦争の参加者、マスターである事を…。
―クラウリーは記憶を取り戻した当初、憤慨していた。
地獄の王である自分がいつの間にか記憶を奪われ、何故か日本の東京に住んでいるマフィアのボスの役を与えられて
それを当然の事として疑問に思わず暮らしていたからだ。
なめられている、クラウリーは自分をコケにした首謀者に落とし前をつける事を決めた。
それから数日は部下達に情報収集を命じ、どう落とし前をつけるか思考しながら
高級な酒を飲みながら過ごしていた。
キャスターと会った時はそんな時だった。
――「君が私のマスターかな?」――
広い執務室に、二人に男が豪華なソファーに座り高級な酒を飲みながら会話をしていた。
どちらも高級な黒いスーツを着ており、小太りの中年がクラウリーで
痩せた壮年の男がキャスター、彼には闇の王など様々な呼び名があるがその中でも特に
ゴールド――またはルンペルシュティルツキンと呼ばれている。
「―以上が私が知っている聖杯戦争の全てだ。まあ正しく行われているかは怪しい所だがね…。」
クラウリーはキャスターから聖杯戦争の事を聞き、またキャスターが疑念を抱いている事を知った。
「俺は地獄の王で魂の取引をする際、契約は守る。
取引相手に不必要な事は話さないが、必要な事は契約書に全て記載している。
主催者は実に気に入らん。」
地獄の王として暴虐な行いをしてきたクラウリーだが、取引で嘘をついた事はなかった。
そのため契約書はやたらと長い文面になってしまうが…。
以前もボビーの魂を返す約束をうやむやにしようとした事はあったが
契約内容が返す努力をしなくてはいけないとなっているから「努力目標」として屁理屈をこねるなど
契約で嘘をつく行為は避けていた。
魂の回収まで猶予が10年あるのに早く回収するため、ひそかに手下に取引相手をすぐに殺させた悪魔を
嘘があると悪魔と魂の取引をする者達がいなくなるとして見せしめとして処刑したりした。
そんなわけで聖杯戦争の主催者は彼の流儀に唾を吐いているも同然だった。
ますます怒りが募っていくクラウリー、キャスターに言われる前から疑念を抱いていたのだ。
そもそも神の奇跡である聖杯、それを巡る聖杯戦争に悪魔である地獄の王を参加させている事から
主催者が優勝者に聖杯を素直に渡すとは到底思えなかった。
―もし俺なら、何でも願いが叶う聖杯を天使に渡すだろうか…、バカでもわかる答えだ、実に笑えん。―
自分の立場に置き換えて考えてみたクラウリーだが、結論はあっけなく出た。
となると、こんな場所からおさらばするのみだがそう簡単な問題ではなかった。
すでに一度記憶を奪われた事から不覚を取っており、魔術などは使えるが器から抜け出す事はできなくなっている。
それにこちらのサーヴァントはキャスターだ。敵対するマスターとサーヴァントに出くわした場合危険が大きい。
ならば今はキャスターの能力で屋敷の防衛力を高め、情報収集に徹するべきだろう。
クラウリーはキャスターに方針を伝えようとし、ふと彼に願いがあるか聞いておこうと思った。
最初に会った時に、こちらから尋ねる前に聖杯戦争の事を話してくれたのである程度信用したので
聖杯戦争の事以外に色々と話したのだが、その中で息子に会いたいなどと言っていたのを思い出したからだ。
悪魔を浄化する儀式を途中まで受けて、ある程度人間の心を取り戻したので
話の流れでキャスターに人間の頃飲んだくれて殴ったりした息子に負い目があるなどと応答した。
疑念を抱いているとはいえキャスターが願いの為にクラウリーの予想外の行動に出る可能性があった。
このキャスターに限って短慮を起こすとは思えないが、現在一蓮托生の身だ。
不確定要素は潰しておくべきだ。幸い自分は地獄の王、次元が違うとはいえ
ここから抜け出せばある程度はキャスターの願いに沿う事はできるだろう。
考えをまとめたクラウリーはキャスターに話し出した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「無論息子に会いたいのは本心だが、息子は家族を救うために死んだ。それに泥を塗る事はしたくない。」
キャスターの返答に、嘘はないだろうとクラウリーは信用した。
「方針に依存はない事はわかった。では話は変わるがキャスターはおとぎ話の国から現実世界に来たんだったな…。」
キャスターとの対話でクラウリーは世界を移動したという事にいたく関心を示した。
飽くなき強欲で地獄に落ち悪魔となったクラウリーだ、他の世界の地獄に興味があった。
キャスターの事を詳しく知れば、他の世界の地獄を支配する事が可能なのでは…
強欲なクラウリーが余り聖杯に興味を示さなかったのは、キャスターの話す内容が実に興味深かったからだった。
「ああその通りだ。他の世界に行く事に興味がおありかな?
君はよく分かっているだろうが、どんな魔法にも対価がつきものだ…。」
キャスターの返答にクラウリーは笑みを浮かべた。
「無論承知している。では話の続きをしようか…。」
―クラウリーは空になったグラスに酒を注ぐと、その日はキャスターと会話で時間が過ぎていった。
【クラス】
キャスター
【真名】
ルンペルシュティルツキン@ワンス・アポン・ア・タイム
【ステータス】
筋力:E+ 耐久:D 敏捷:D 魔力:EX 幸運:D 宝具:A
【属性】
混沌・中庸
【クラススキル】
陣地作成:A+
魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
”神殿”を上回る”大神殿”を形成する事が可能。
道具作成:A+
魔力を帯びた器具を作成できる。
十分な時間と素材さえあれば、宝具を作り上げることすら可能。
ただし、作成される宝具のランクは現代の神秘の薄さと
現代で手に入る材料に左右される。
【保有スキル】
おとぎ話の住人:B
おとぎ話の世界に住む英霊が持つスキル。
おとぎ話に関する宝具、もしくはおとぎ話の英霊を見ると真名を看破する事ができる。
また作家の英霊と戦う場合は上位存在とみなされキャスターのステータスが1ランク下がってしまう。
闇の王:EX
キャスターは悪の魔法使いである。
未来予知や瞬間移動、念力や炎の魔術など様々な事ができる。
中でも相手の心臓を抜き取り操る魔術は、救世主の逸話を持つ英霊か対魔力Aランク相当のスキルを持つ英霊以外には通用する。
ただしヴィランであるため、ヒーローの逸話を持つ英霊と戦う場合は勝つのが難しくなる。
剣術:C
ある程度剣を持って戦う事ができる。
ミスター・ゴールド:C
キャスターはストーリーブルックに来てから長い間正体を秘匿してきた。
戦わない限りはNPCと認識される。
戦う場合、またはキャスターの事を知っている相手には通用しない。
対魔力:A
A以下の魔術は全てキャンセル。
事実上、現代の魔術師ではキャスターに傷をつけられない。
黄金律:A+
人生において金銭がどれほどついて回るかの宿命。
ストーリーブルックでは街一番の金持ちであり、他にも魔法で藁を黄金に変える事ができる。
一生金には困らない。
【宝具】
『美女と野獣』
ランク:E~A 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
キャスターの恋人ベルとゴールドの店を召喚する。常時発動型宝具。
ゴールドの店は質屋でマスターの住む場所の近くにあり、普通の店として認識される。
ベルは店の管理をしており、周りからはNPCと認識されるが
Eランクのサーヴァント扱いで属性は秩序・善となっている。
店には魔法の道具など様々な物があり、正当な取引をすれば他のマスターやサーヴァントはもちろん
NPCでも使用する事ができる。
ここはキャスターの陣地であり、様々な防衛手段がある。
ここで暴れようとすればキャスターに即座に感知され、叩きだされるだろう。
【weapon】
様々な魔法の道具。
【人物背景】
周りからよくルンペル、もしくはゴールドと呼ばれる。
元は貧しい紡ぎ手で、息子が徴兵されるのを防ぐために闇の王となった。
闇の王となってから性格が変わってしまい、息子に魔法のない世界に行こうと言われるが
直前になって魔法のない世界に行く事に恐怖を覚えてしまい息子の手を放してしまう。
現実世界にいる息子に会うため、様々な伏線をはり現実世界にやってきて息子と再会した。
その後色々あったが和解する事ができたが息子は家族を救うために命を落とした。
家族関係は実に複雑であり、父はピーターパン、孫の母は白雪姫とチャーミング王子の娘で救世主である。
西の悪い魔女ゼリーナは弟子であるが、息子が命を落とす原因を作るなど敵対関係にある。
【サーヴァントとしての願い】
息子には会いたいがそれをするつもりは無い。
マスターと共に行動する。
【マスター】
クラウリー@スーパーナチュラル
【マスターとしての願い】
自分をコケにした主催者に落とし前をつける。
聖杯は迷惑料として手に入ったらいいぐらいで
むしろ他の世界の地獄に興味。
【weapon】
魔力を封印する銃。
地獄の猟犬達(聖杯の調整により、魔力がある者には姿が見える)
【能力・技能】
地獄の王として相手を呪殺する魔術など強大な魔力を誇る。
魂の取引により依頼者の願いを叶える事ができるが
今回の聖杯では調整によりできず、器から抜け出す事もできなくなっている。
また悪魔であるため聖水や悪魔祓いなどの退魔術にはダメージを受ける。
【人物背景】
大勢の悪魔達がルシファーに従うなか、ルシファーが悪魔達を抹殺する目的がある事を見抜き
ウィンチェスター兄弟に協力した。
その後は地獄の王となり、敵対あるいは協力をくり返している。
ウィンチェスター兄弟の策略にかかり、悪魔の浄化を途中まで受けてる事になり
敵対するアバドンにより人間だった頃は険悪な仲だった息子が人質となり
脅しに屈するなど、人間の心をある程度取り戻している。
【方針】
今は情報収集と守りを固める。
キャスターとより深く話をする。
【補足】
マフィアのボスという役を与えられ、都内の一等地に拠点があります。
大勢の手下や犬が警備に当たっています。
マフィアであるため警察がやってくるかもしれません。
すぐそばにキャスターの店があります。
誰でも入れますが狼藉を働けばすぐキャスターに見つかります。
ベルに何かすればキャスターの怒りを買い、狙われ続けます。
候補作投下順
最終更新:2016年03月06日 14:20