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それは偶然だったのだろうか


夕方
学業を終え帰路についていた僕は、夕焼けの光を背後にあまり人通りのない路地を歩いていた。
いつもの帰宅コースではない。物騒なニュースも飛び交っているし、そうでなくとも普段はあんまりそういうところは通らないのだけど、今日に限って何となく騒々しさを避けたくなってこちらに足を向けてしまった。

────二人と一匹がすれ違った

ひょろっとした体格の男性と小さな女の子、そして大きな犬
家族だろうか、楽しそうにはしゃぐ女の子に父親らしき男性が困ったように、しかしどこか嬉しそうに返事をしている。犬は二人と平行して歩いている。

背後の幸せそうな声が遠ざかるのを感じながら、僕は愕然と立ち尽くしていた。


『僕達が助けられなかった女の子がいます』
『その子をずっと忘れる事ができません』


忘れていた自分の声
忘れていた自分の記憶
かちりかちりとピースが嵌まっていくと共にそれらを隔てていたガラスの壁が破られていく


最後の割れた音と共に、僕は自らの本当の記憶を「思い出した」
偽りの支配から目覚め、真実を取り戻した。
しばらくの間そうして立ち尽くしていたら、赤い人影が突然、僕の目の前に現れた。



「よう、『マスター』」



※※※※


「────僕は戦うよ」


とある学生寮の一室
一人で生活することを想定して設えられたそこに、今は二人の人間が存在していた。
片やラフな格好をした金髪金目の人当たりの良さそうな好青年
片や黒のインナーに赤い外套というかなり目立つ格好、しかも白髪に緑と赤のオッドアイという異様な風貌をした男
一見アンバランスな組み合わせだが、それを怪しむような人間はここにいない。
青年はいつもは休息と安眠の場とするベッドに腰掛け、男は青年の目の前に立ち塞がるかのように立っている。

「聖杯を手に入れるのか?」
「違う、願いを叶えるために戦うんじゃない

………願いを叶えるために誰かが犠牲になるなんて絶対におかしいし、誰かを犠牲にして叶う願いなんて僕は絶対に認めない

だから、僕はこの聖杯戦争を止めるために戦う。そしてこんな『殺し合い』をさせている聖杯を破壊する」

そうきっぱりと、青年────アルフォンス・エルリックは男に宣言した。

「戦いを止めるために戦う、か………無茶苦茶言うなお前」
「無茶苦茶で結構、慣れっこだしね。
というわけで、これが僕の意思だよ」
「まあ、そんならしゃーねーな、俺はお前のサーヴァントだ。お前のやり方に付き合ってやるよ」
「へへ、ありがとう『セイバー』」

満更でもなさそうな自らのサーヴァント『セイバー』にアルフォンスははにかんだ笑みと共に礼を述べる。
アルフォンスが巻き込まれたという『聖杯戦争』と呼ばれる戦いについて説明してくれた男だ。

「それで、今後はどうするつもりだ?」
「うーん………どうしよう、しばらくは情報収集かな。最近起きたっていう大量殺人のことも気になるし、もし兄さんや僕の知り合いが巻き込まれてるなら早いうちに会っておきたいな」
「………さっきも言った通りこの街にいるほとんどの連中はNPCっつー『役割』を与えられた人間だ。
見知った顔でもお前の知り合いそっくりに造られたNPCかも知れねえし、本物だったとしても記憶が戻ってないならお前のことは分からねえ
あるならあるでそれはマスターや………可能性は低いがサーヴァントになってるってことなんだぞ」
「………そうかもね、でもどっちにしろ会うに越したことはないから」

セイバーが言ったことを想像しアルフォンスは形容しがたい心持ちになる。
キメラやホムンクルスを知っている身としては「造られた人間」というのに複雑な心境になるし、兄を始めとする身内や友人、知り合いが自分を覚えていないところを想像すると胸が痛くなる。
また、かつて敵対した者がマスターやサーヴァントとして再び立ち塞がる可能性があると思うとなんとも言えない苦々しさを感じた。

が、一先ずそれは振り払う。
考え過ぎはろくな結果にならないというのは旅の中で体験済みだ。

「あんまりあれこれ考えてても駄目だ。今は出来ることをやろう」

そういって、ふとベッド脇の目覚まし時計に視線を向ける。

「あれ、もうこんな時間か」

セイバーと色々話していたせいか、とっくに短針は7を過ぎていた。途端に空腹感が訪れる。
食堂は閉まっているわけではないが、相手もいることだしせっかくだから自炊でもしようかとベッドから腰を上げかけた。
が、その前に「あーちょっと待て」とセイバーに呼び止められる。

「ん?何?」
「いや、忘れてたんだがよ、『セイバー』っていうのはこう………役職みてえなもんってか、とにかくそれとは別に真名っていうちゃんとした名前があるんだよ」
「え、そうなの?」

聞いてないよというアルフォンスに対し、とセイバーは言うの忘れてたんだよぶっきらぼうに返して顔をそらす。

「適当すぎ………」
「悪かったな、まあ真名っていうのは普通隠しとくもんだから普段はセイバーでいいんだが、一応言っとくぜ」
「一応じゃなくてちゃんと言ってよ」
「へいへい」

セイバーはごまかしぎみに白髪をガシガシと掻き、アルフォンスへと向き直った。

「んじゃ、ちゃんと聞いとけよ。
俺の真名はラグナ、『ラグナ=ザ=ブラッドエッジ』だ」
「ラグナ=ザ=ブラッドエッジ………なんかすごい名前だね」
「うっせえな、まあ『ブラッドエッジ』は通り名みてぇなもんなんだがよ」
「ふーん………まあいいや、分かったよ。じゃあこれからよろしく、ラグナ」
「おう。よろしくな、アルフォンス」

アルフォンスは立ち上がって手を差し出し、セイバー────ラグナはその手を握る。

ここに、彼らの聖杯戦争の戦いが始まった。



(………兄さん、か)

セイバーは手袋越しにマスターの握る手の力強さを感じながら、遠いものを感じるかのようにその単語を心の中で呟いた。





【クラス】
セイバー
【真名】
ラグナ=ザ=ブラッドエッジ@BLAZBLUE
【属性】
混沌・善

【パラメーター】
筋力:B 耐久:D 敏捷:B 魔力:D+ 幸運:D 宝具:A


【クラススキル】

対魔力:C
 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
 大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。

騎乗:E
騎乗の才能。大抵の乗り物なら何とか乗りこなせる。


【保有スキル】

ソウルイーター:B
周囲や攻撃時に対象の生命力と魔力を吸収し自身の体力と魔力を回復する
かつては制御ができず常時自己や他者の生命を奪い続けていたが、現在は完全にセイバーの制御下にある。

黒き者:C
世界の敵とされた者の特殊スキル
Cランクの直感と勇猛のスキルが発揮される。
また属性:秩序のサーヴァント相手には有利な補正がつき、勇猛のランクがBになる。
このスキルのランクがBになればEランク相当の「狂化」のスキルが追加され、ランクが上がるにつれ「狂化」のランクも上昇する。
本来はBランク以上でもおかしくないはずだが「他者を守る、助ける」という信念を持っているために低下している。

戦闘続行:A
往生際が悪い。
瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。

反骨の相:C
世界を支配する統制機構に反旗を翻したSS級反逆者としての性質
同ランク以下のカリスマを無効化する。


【宝具】

『蒼の魔導書(ブレイブルー)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1~5人
魂を対価に「境界」から無尽蔵の力【蒼】を汲み取るために作成された魔導書。セイバーの右腕に擬態している。
「最強」であり「原書」とも呼ばれる。
発動すればセイバーのパラメーターがワンランクアップし、「ソウルイーター」がA+ランクに、「対魔力」がAランクに上昇する


『猛襲する漆黒の闇(ブラックオンスロート)』
ランク:A 種別:対城宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人
宝具『蒼の魔導書(ブレイブルー)』を発動中に使用できる。
対象を捕捉後、武器である「ブラッドサイズ」が鎌状に変化し強烈な連撃を放つ。
対象から大量の生命力と魔力を吸収する。



『目覚めよ、獣(ブラック・ザ・ビースト)』
ランク:EX 種別:??? レンジ:??? 最大捕捉:???
セイバーの「世界の破壊者」としての本質、正体が宝具化したもの
ある条件を満たすと発動される。
パラメーターが著しく向上し、スキル「ソウルイーター」と「黒き者」のランクがEXに、「対魔力」のランクがA++まで上昇する。
特に属性:秩序を持つサーヴァントに対して絶大な威力を発揮する。
また属性が「混沌:狂」に変化する。
こうなるとマスターですら制御が困難になる。

そのある条件とは[削除済み]


【Weapon】
ブラッドサイズ
セラミック製の大剣、鎌状に変形させることができる。


【人物背景】
「死神」の異名を持つ世界虚空情報統制機構SS級反逆者であり、「蒼の魔導書」を所持する史上最高額の賞金首。

幼い頃は弟・ジンと妹・サヤとともに教会のシスターに引き取られ平和に暮らしていたが、ある日「ユウキ=テルミ」という男の襲撃を受けシスターは殺害、弟と妹は誘拐され、彼自身も右腕を切り落とされる重傷を負う。
「レイチェル=アルカード」という吸血鬼の少女の手筈で「蒼の魔導書」をその身に宿したことで辛うじて一命を取り止めたものの、自らの人生を滅茶苦茶にしたユウキ=テルミ、ひいてはテルミと強い関わりのある世界虚空情報統制機構を憎悪するようになる。
その数年後、統制機構の支部とその地下に存在する「窯」を次々と破壊し、反逆者として世界中を敵に回すことになる。

世界への憎悪と宿敵への復讐に身を焦がしていたラグナだが、様々な戦いや出会いなどを経た彼はある人物をきっかけに「失わないため、そして守るために戦う」という覚悟を持つようになる。
最新作にして最終章「BLAZBLUE CENTRALFICTION」では記憶を失いながらも、繰り返される悲劇に幕を下ろすため最終決戦に挑むこととなる。

SS級反逆者という経歴とは反して性格はぶっきらぼうで他人への面倒見が良い。
行動は無計画で大雑把、力押しになることが多く、あまり物事を深く考えないタイプということが窺える。

余談だが、文句を言ったりめんどくさそうにしつつもなんだかんだやってくれるのでファン(や中の人)からは「なんだかんだ先生」と呼ばれている。


【サーヴァントとしての願い】
不明、マスターのやり方に付き合ってやる




【マスター】
アルフォンス・エルリック@鋼の錬金術師

【マスターとしての願い】
聖杯戦争を止め、聖杯を破壊する
その後元の世界に帰る

【能力・技能】
錬金術
物質を理解し、分解・再構築する科学技術
優れた錬金術師であり真理を見た彼は物質を理解さえすれば手合わせで素早い錬成ができる。

格闘技・サバイバル術 など
師との修業のたまもの


【人物背景】
アメストリス国のリゼンブール出身の若き錬金術師。物語開始時点では14歳
母親を蘇らせるため、錬金術の禁忌「人体錬成」を兄エドワード・エルリックと共に犯し、「真理」を見た対価としてエドワードは左足を、アルフォンスは体すべてを持っていかれた。
その時エドワードの決死の行動により右腕を対価にアルフォンスの魂を鎧に定着させることに成功する。
そこから兄弟の失った体を取り戻すための長い旅が始まる。

温和で真面目な好青年、周りへの気配りができ困っている人を放っておけない心優しい性格である。粗暴な態度が目立つ兄とは正反対。
一方で感情的になると口調がやや乱暴になったり、時折兄であっても毒を吐いたり、一度決めたらテコでも動かないなど気の強い一面もある。
無類の猫好きで旅の途中であっても捨て猫をこっそり拾って鎧の中に飼っていたりした。

参戦時期は最終決戦で肉体を取り戻した2年後、
東方のあらゆる学問を学び体験するためにシンへ旅立った直後である。18歳

【備考】
アルフォンスは都内の学生で、学生寮に住んでます。
セイバーから聖杯戦争の情報を聞きましたが、かなり大雑把なので伝えていないまたは伝わっていないことがあるかもしれません。



候補作投下順



最終更新:2016年03月15日 19:43