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さあ、本日は「ドラキュラ」のお話をしましょう。
昔々、イギリスにジョナサン・ハーカーという男がいました。
ある日ジョナサンはトランシルヴァニアの伯爵、ドラキュラに雇われてロンドンの屋敷を提供しました。
それからしばらくして、ジョナサンの妻、ミナ・ハーカーの友人であるルーシー・ウェステンラが原因不明の病に倒れます。
ルーシーの婚約者であるアーサー・ホルムウッドは原因不明で衰弱していくルーシーの事を友人であるキンシー・モリスとジャック・セワードに相談。
ジャックがさらに自分の恩師であるヴァン・ヘルシング教授に助けを求めると、ついにその原因が判明します。
「彼女の衰弱は神の敵、吸血鬼に血を吸われたのが原因だ」
ヘルシング教授は原因が吸血鬼にある事を突き止めますがルーシーを助けるには至りませんでした。
彼らは仇を求め、吸血鬼を探し、ついにはその正体がドラキュラ伯爵であることまでも突き止めました。
ドラキュラ伯爵はロンドンからトランシルヴァニアに逃げ帰ろうとしますが、その際に気に入ったミナを誘拐して連れ去ります。
しかしミナを連れ去ったことがかえって仇になり、ドラキュラはジョナサン、ヘルシング教授一行に追い詰められてしまいました。
そして、ドラキュラは夕日の中、胸を刺されて塵になり滅びたのです。
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――え?最近の創作であるヴラム・ストーカーが神の悪夢になるのかって?十分にあり得ると僕は思うね。その知名度はグリムにもアンデルセンにも比肩しえる。
――んー、そうだな。まずドラキュラといったら何を浮かべる?ああ、やっぱり吸血鬼だね。僕もそうだ。
――吸血鬼の伝承というのは世界各地で見られるものだ。東ヨーロッパのヴァンパイアを中心に、古代ギリシアのラミアにエンプーサ、バビロニアのアフカル、アラビアのグール、中国のキョンシー、ルーマニアではストリゴイ。
――起源は諸説あるね。病か、怪我かで仮死状態だった人が墓の中から復活したとか。死蝋化など埋葬条件によっては腐りにくかったのが誤解されたとか。血液感染する病気だったり、輸血の知識が歪んで流布されたりね。
――血というのは命を象徴する。命を奪う怪物……わかりやすい恐怖の対象というわけだ。
――例えばアステカでは人間の心臓と血液を捧げる血の儀式があり、キリスト教では血が神聖視される。古代ギリシアに書かれたオデュッセイアでは、オデュッセウスが降霊の儀式を行う際に生け贄の子羊の新鮮な血を用いるくだりがある。
――あと吸血鬼の伝承には姿を変えるというものもある。霧だったり、愛する人だったり、コウモリだったり、ネズミだったり、オオカミだったり。
――注目したいのはオオカミだ。オオカミというのは、欧州では日常的な外敵の象徴……身近な恐怖であり、同時に滅するべき害獣でもある。
――吸血鬼はね、些細な理由で発生するとされたんだ。惨殺された、事故死した、自殺した、葬儀に不備があった、何らかの悔いを現世に残している。ひどいときは葬られる前の死体を猫がまたぐと吸血鬼になるなんて説もあったくらいだ。
――けれどね、それ以上に重大な原因があった。
――吸血鬼は銀を恐れる。吸血鬼は十字架を恐れる。その根本は何だと思う?
――答えはね、『罪』だよ。『罪』を犯した者は神に拒絶され、死後に吸血鬼になるというのも有力な言説だったんだ。
――吸血鬼というのは、ある種の黄泉帰りだ。それは、キリスト教ではひとつの禁忌に当たる。
――その起源は旧約聖書にまで遡る。
――初めて虚言と殺人を行った、原初の罪人、カイン。彼は重罪を犯した上に贖罪を拒絶し、四大熾天使のうち三人から陽光、不死、吸血の呪いを受けたという。その故あって、吸血鬼の事をカインの子と呼ぶ。
――『罪人』は、『吸血鬼』なんだよ。討伐されるべき、『吸血鬼』なんだ……それは古代から定まっていたこと。
――虚言。殺人。そして吸血…つまり食人。
――知っているかな?母乳というのはね、母親の乳腺でろ過された血液なんだ。
――つまり僕たち人間はみな、母親の血を吸った、『吸血鬼』なのさ。誤用を承知で言うなら抗えない『原罪』を人は皆抱えているんだ。
――世界中の吸血鬼伝説というのは、人間が自らの罪を自覚している『集合無意識』の表れではないかな……
――それと、ドラキュラという名、あるいは称号。
――もはや吸血鬼の代名詞としてお馴染みだけど、本来はルーマニア語で竜の子を意味する。
――ヴラム・ストーカーの小説のモチーフになった実在の人物、ワラキア公ヴラド三世のニックネームだね。
――竜というのもまた、世界中で散見されるモチーフだ。
――吸血鬼同様に、ドラゴン、ワイバーン、ワーム、ナーガ、そして東洋の龍。
――日本の蛇神信仰然り、ギリシアにおけるドラコやサーペント然り、蛇をはじめとした爬虫類をモチーフにしていることが多い。
――元々は原始宗教や地母神信仰における自然や不死の象徴として崇められる蛇が神格化された存在だった、というのが有力だ。
――日本の八岐大蛇なんかは恵みをもたらしながらも、ひとたび氾濫すれば多くの人命を奪う河川の象徴。ウロボロスやヨルムンガンドのような巨大な世界そのものの一部と……ああ、話がそれたね。
――竜……つまり『蛇』と『吸血鬼』を繋ぐ点は、やはり『罪』だね。
――キリスト教的世界観では、蛇は悪魔の象徴であり、霊的存在を意味する翼が加わることで、天使の対としての悪魔を意味することがある。
――筆頭は光の蛇……神に反旗を翻した暁の堕天使ルシファー。傲慢ゆえに天を追放された大罪の悪魔。
――わかるかい?竜(ドラクル)も、吸血鬼(ドラキュラ)も、神の敵である『罪人』なんだ。神の悪夢に、これ以上相応しいモチーフはそうはないと僕は思うよ。
◇ ◇ ◇
少年は昨日は、瑞姫の世話をして終わった。
少年は今日も、瑞姫の世話をして終わる。
少年は明日も、瑞姫の世話をして終わるのだろう。
〈食害〉という〈断章〉を宿し、反復しない記憶は消えていく少女の生活には介助者が不可欠で、それを自分が行うのは当然だと思っていた。
守れなかった少女への、身勝手に生き返らせた少女への贖罪。
生涯を費やすことになっても当然だと、そしてそれも悪くないと思っていた。
目を離した数秒で、少女は塵に変わっていた。
まるで陽光にさらされた吸血鬼の成れの果てのように、斑色の塵の山に変わっていた。
何が起きたのか分からなかった。
何が起きたのか分かりたくなかった。
その現実とは思えない、思いたくない事象を前にして、暫く心は完全に停止し。
その現実を受け入れた瞬間。
絶望。
絶叫。
頭の中が、真っ白になって。
気が付いたら、見覚えない場所で呆然とする自分と、黒い装いの巨大な男を認識した。
「サーヴァント、ここに参った。余に血を捧げるマスターは貴様か」
「あ?サー……?なんだって?」
突然の事態に思わず聞き返すと、男はふむと喉を鳴らして言葉を続ける。
「ワラキア公ヴラド三世。此度はバーサーカーのクラスで現界した……不本意ながらな」
「だから、意味わかんねえって。なんだよ、それ…え?待てよ、ヴラド?」
ヴラド・ツェペシュ。
その名は多くの人が知る、吸血鬼の『元型』となった人物だ。
そして、『元型』に従って怪奇現象を引き起こす事象を、少年は知っていた。
馳尾勇路の母も、妹も、友人も、守るべき人の全てがそれによって奪われたのだから。
「お前、なんだ?〈異端〉か?それともヴラドってのがお前の〈断章〉か?」
「話を聞かんマスターだな。バーサーカーにたしなめられるなどよほどだぞ。
いや、しかし本当に何も知らんようだな……巻き込まれたか」
さてさて面倒なことになった。
そうぼやきながら話し出す。
万能の願望機の事。
召喚されるサーヴァントの事。
己が願いの事。
「理解したか?英雄集う殺しあいを。さて、貴様はどうするマスター?
逃げ惑うか、はたまた余と共に願望機に手を伸ばすか」
試すような口ぶりで勇路を見据えるサーヴァント。
対する勇路は、煩悶と混乱の極みにあった。
万能の願望機というものがあるなら。
〈断章〉である〈葬儀屋〉で瑞姫を蘇生したのと同じように…否それ以上に完璧に彼女をよみがえらせるのでは?
過去に〈赤ずきん〉となってしまった幼馴染みとも再び会えるのでは?
……だがしかし。
過去の英雄譚の人物が集うなど、どう考えても大規模な〈泡禍〉だ。
それを前にした〈騎士〉がとるべき行動は一つだ。
「俺は、聖杯なんて認めない。そんなもんぶっ潰してやる」
「ほう?」
その回答は埒外だったか。
感嘆と驚きの混じった声を漏らす。
「あんたは知らねえかもしれねえけど、そういう妙な現象には原因があるんだよ。
神の悪夢、〈泡禍〉っていうな。俺は、それを許せない。許すわけにはいかない。
だから、ぶっ潰す」
瑞姫を失い、もはや残されたものなど何もない。
それでも、〈騎士〉の端くれとして〈泡禍〉を見逃すわけにはいかない。
矜持なんて大したものでもない、義務感未満の、ただ一つ残された機能のようなものだった。
……もはや勇路はそれに縋らなければ生きることすらできそうになかった。
「願望機を前にして、ましてやそれに願う浅ましい亡者を前にしてそれを口にするか。
愉快愉快。
よかろう。その豪胆さに敬意を表して、一時この身を預けようではないか」
そう口ずさんで、霊体化する。
一瞬びくりとする勇路だが、身をひるがえしてどこへともなく歩みだす。
その勇路の後に続きながら、彼の首元をじっくりとヴラド三世は眺めていた。
勇路は知らない。
〈断章〉の影響により、記憶操作に耐性があったためか、はたまた多くのマスターと同様に聖杯戦争の知識を欠いているゆえか。
……その右手に宿した令呪の意味と、バーサーカーというクラスの危険さを。
狂気に堕ちたサーヴァントは、血を啜るために牙を研いでいることを。
【クラス】
バーサーカー
【真名】
ヴラド三世@Fate/Grand Order
【パラメーター】
筋力A 耐久A 敏捷C 魔力B 幸運E 宝具A
【属性】
混沌・悪
【クラススキル】
狂化:EX
妄執の行き着く果て。後述の宝具によって獲得しているクラススキル。
吸血鬼の体現として身体能力を大幅に向上させる。
その代償に教義・理性・気品を失っており、会話はできるが余程のマスターでない限り、ヴラド三世はいつしかマスターの血を啜るだろう。
【保有スキル】
戦闘続行:A
戦闘から離脱する能力。
また、敗戦において自軍領地まで生きて辿り着く能力。
……彼に唯一残された、槍兵としての名残。
皮肉にもそれは、吸血鬼という不死身の怪物の在り方に似る、戦闘続行。
吸血:A
吸血行為。対象のHPダウンと自己のHP回復。
更に中確率で誘惑(混乱)のバッドステータスを与える。
なお、吸血行為による誘惑に男女の区別はない。
後述の宝具により獲得している、吸血鬼としてのスキル。
変化:C
闇にあって闇にあらず。自身の姿を変える能力。
吸血鬼としてコウモリ、狼、霧へと形を変えることができる。
後述の宝具によって獲得している、吸血鬼としてのスキル。
無辜の怪物:―(A)
後述の宝具によってこのスキルは失われている。
無辜ならざる真の怪物として現れた彼に、悲しいかなこのスキルは保持できない。
護国の鬼将:―(EX)
後述の宝具によってこのスキルは失われている。
護国の将ではなく、自国の民の血を吸う鬼として現れた彼に、残念ながらこのスキルは保持できない。
【宝具】
『鮮血の伝承(レジェンド・オブ・ドラキュリア)』
ランク:A 種別:対人(自身)宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人
後の口伝によるドラキュラ像を具現化させ、吸血鬼へ変貌する。
ドラキュラ伯となったヴラド三世は通常のスキル・宝具を封印される代わりに、身体能力の大幅増幅、動物や霧への形態変化、治癒能力、魅了といった特殊能力と、陽光や聖印に弱いという弱点を獲得する。
バーサーカーとして召喚される場合、この宝具が発動された状態がデフォルトとなる。
本来はA+ランクなのだが、それは伝承の再現という形であるが故の高位の神秘であり、ドラキュラの具現としての召喚である現在はランクダウンしている。
……もしかすると、なんらかの条件を満たすことで本来のものに近づくこともあるかもしれないが。
『血塗れ王鬼(カズィクル・ベイ)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:666人
体内で生成した「杭」を射出する。材質は木の他に骨、肉、影、毛髪など様々。
射程距離内に存在する物を取り込み、杭にすることも可能。
宝具、『極刑王(カズィクル・ベイ)』が先述の宝具により歪み、堕ちたもの。そのためランクもBからCにダウンしている。
……もしかすると、なんらかの条件を満たすことで本来のものに近づくこともあるかもしれないが。
【weapon】
戦場でヴラド三世が敵の血を流した槍であり。
自国でドラキュラが民の血を啜った杭である。
【人物背景】
吸血鬼ドラキュラのモデルとなった実在の人物。
潔癖な正義感と惨忍性の持ち主であり、生涯に自国民の5分の1を処刑した。
彼の祖国ワラキアは、大国トルコとハンガリーに挟まれた小国。
その国で彼は父を暗殺され、兄を生き埋めにされ、弟と戦うという悲運の人生を送る。
トルコとの戦争では死に物狂いのゲリラ戦と焦土作戦で、トルコ兵を串刺しの山にして敵を幾度も退けた。
しかし政治的事情によりハンガリーに捕らえられ、12年の幽閉生活を送る。
その後、1476年には正教会からカトリックに改宗してワラキア公に返り咲くも、同年弟のラドゥとトルコ軍との戦いで戦死した。
享年45歳。
残虐にして合理的。 人間以上の視野の広さを持つ武人。
だが理解者には恵まれず、裏切りによる失望の中で人生を終えた。
それがヴラド三世の真実である。
故に吸血鬼ドラキュラ、その不名誉を拭うためにヴラド三世はランサーとしての召喚に応じ、聖杯戦争を戦う。
だが、極稀にバーサーカーとして召喚されることがある。この場合、知名度は「吸血鬼ドラキュラ」に準拠する。
余談ではあるが、キリスト教世界で初めてゲリラ戦術(パルチザン)を組織したとの意見もある。
それほどの才能を持ちながら酬われなかったのなら、確かに、正気を失うのも無理からぬ事か。
【サーヴァントの願い】
後世において創作された「吸血鬼ドラキュラ」という汚名の抹消。
……怪物となり果ててしまってなお、願い続ける。
【マスター】
馳尾勇路@断章のグリム
【マスターとしての願い】
もう一度、田上瑞姫や斎藤愛に会いたい。
……だが騎士として、〈泡禍〉は止めなければならない。
聖杯戦争が〈泡禍〉であるなら否定する。
しかしそうでないとなれば、少女との再会のために彼は路を踏み外すかもしれない。
【weapon】
服に着けている、何の変哲もない安全ピン。
殺傷能力はあるので一応武器としても扱えなくはないだろうが、主に後述のトラウマ、ひいては断章を起動するための条件付けに用いる。
【能力・技能】
かつて起きた〈泡禍〉により宿した神の悪意の泡の欠片、それを宿す者を〈保持者(ホルダー)〉といい、彼はそれである。
『自由を奪うモノは檻に』と唱え、安全ピンを手のひらに刺し込むことで発動。
対象の地面や壁面に触れている部分に、接地点から生えた無数の針が突き刺さり動きを封じ、さらには突き刺さった部分から無数の針が対象の体内に湧き出し、肉体を完膚なきまでに破壊する事ができる。
詳しく言うなら『トラウマをフラッシュバックさせることでその原因もフラッシュバックさせる』能力のような現象。
彼の場合、母の虐待――畳一面に針を敷き詰め、その一室に閉じ込められる。身じろぎするだけで針により傷を負う――がトラウマとなっているため、そのことを思い出すことで虐待の状況を再現=大量の針による殺傷を引き起こす。
彼の母は狂気に陥る前からつらく当たっており、ついには「私の自由を奪うものは檻に入っていればいい」と言って針の山の中に息子を閉じ込めた。
そのトラウマを想起する事象で身を固めることで断章を放つ。
引き起こす現象は極めて強力だが、発動にはトラウマをフラッシュバックさせる、自傷行為などの条件が必要。
精神肉体両面でのダメージは激しく、トラウマに心を壊せば自信を含めた全てを貫く「剣山刀樹」の再現となる。
断章とは「無意識に住まう神の悪意の欠片」であり、つまり勇路はアラヤの悪意とそれに伴う魔力を受け取っている。
例えるなら「この世全ての悪」の泥ではなく泡を宿している。
膨大な魔力を持つが、もしこの泡が弾けて器(勇路)の外にあふれたならそれは〈泡禍〉という悲劇を招くだろう。
恐らく彼のそれは、針の山による串刺し。
そしてすでに「神の悪意の欠片」を宿しているため彼の意識の容量はすでにほぼ一杯であり、他の要素が入り込む余地が少ない。
そのため断章保持者は断章、ひいては神秘を伴う異能に耐性を持つ。
記憶を奪う断章に触れても不快感ですみ、侵入を禁じ認識を阻害する断章の効果も受けず、強酸による溶解や鳩の爪によるダメージもそれが〈泡禍〉に由来するものならば少なく済む。
……だがあくまで耐性にすぎず万能ではない。
人魚に変えられてしまう断章も少量なら傷の治癒でとどめることができるが、過剰に与えられれば異形になってしまう。
サーヴァントによる異能などへの抵抗は限られるだろう。
そして逆もまたしかり、神秘の塊であるサーヴァントへの断章によるダメージは少ない。
纏めると「魔力タンク」「そこそこの異能耐性」
「詩を唱え自傷行為をすることで視界内の敵の接地点から大量の針を生やす)」
「ただしめっちゃメンタル削るし、制御失敗すると『この世全ての悪』的な代物の欠片が暴走してヤバイ」
【人物背景】
〈泡禍〉によって発狂した母親に虐待された過去から〈保持者〉になった少年。
〈騎士〉になる事を執拗に望んでいるが、世話役の女性、四野田笑美の一存で却下され続けており、自他共に認める実力があるにも関わらず、自分が一人前として扱われないことに対して相当の苛立ちを感じていた。
騎士という役目に執着する裏には勇路自身も自覚している強い英雄願望があり、 泡禍により発狂した母親に奪われた誇りを取り戻したいという想いや、自身の妹を救えなかった過去の負い目が根底にある。
顔も服装も性格も一口に言えば不良であり、言動も非常に横暴かつ粗野。
左襟と左袖に大きな安全ピンを6本ずつ刺している。このピンはアクセサリなどではなく、彼にとっては武器。
『赤ずきん』の〈泡禍〉の中で、援護に来ていた〈騎士〉、〈雪の女王〉こと時槻雪乃に重傷を負わせ、笑美から制裁を受け、かけがえのない友人である田上瑞姫を失い、最後の最後まで幼馴染が〈潜有者〉だという事実に気づかなかった。
最終的には「笑美を困らせるために事件の原因を匿って瑞姫を見殺しにした」と詰った元同僚の〈騎士〉を殴って逃亡し、行方をくらませる。
別のロッジの世話になり、また死者をよみがえらせる〈保持者〉の協力で瑞姫とともに過ごしていたが、その〈保持者〉が消失したことで瑞姫も消滅し、絶望した瞬間の参戦。
【令呪】
右掌。
人型の両腕と心臓を串刺す三本の針。
両腕に刺さった針で二画、心臓に刺さった針と人型で一画。
【方針】
〈泡禍〉の原因を突き止め、どうにかする。
しばらくはヴラドもそれに従うだろうが、どこかで牙をむかないとも限らない。
そして秘匿された真実を知ったとき、この方針が歪まないとも限らない。
最終更新:2024年10月03日 21:14