誰だと思う? カラ松さ
眉の角度が鋭いだろ? なんといっても次男
責任はないし自立もしない
最後まで実家から離れないぜ~
まぁ 同じ服が六着はないよなぁ…
今この瞬間を楽しもう
俺に会えてよかったなぁ
この出会い それが奇跡!
男の六つ子と女の六つ子 ゲームにならないだって?
ふっ 確かに同じカードだからな
だけどハートの数字をみろよ
運命のカードの中で選ばれし者が俺
君が選ぶのも 俺だろ?
働かない我が人生 セラヴィ!
◆
世界がもう少し自分に優しければいいのに。
ナイスガイなロンリーオンリーウルフ、俺、松野カラ松はふと、そんなことを願った。
何時もの俺らしからぬ思考ではあったが、無理もない。
六つ子の中で俺だけが、何と言おうか…何時もの如く不運だった。
六つ子の中で彼だけ梨を食べられなかったり、
ダヨーンに容赦なく爆破されたり、
チビ太に丸坊主にされたり、
病気に苦しむブラザー達のために最上級で最高級な雪解け水を届ける前に風邪がぶり返したり、
最近では、我がたった一人の兄であるおそ松にホ○だと誤解されたりもする。
どう考えてもおかしい
俺達六つ子は全員同じ地平、チビ太の言う様に底辺に立っているのではなかったのか。
地下の底。そう言えばダークでシックな雰囲気。この俺のイメージにもあっている。
ついでに、四男である一松は何時も俺に手厳しいが、これは彼なりの愛情表現だろう。
今日の俺と一松の会話は「クソ松は今日もクソ松だな」だった。
会話になっていない、と言うのは禁句だ。
ブラザー達、及びカラ松ガールズ以外の存在には俺が理解され難い存在であることなど等に分かっている。
そんな俺だからこそ、他人との間に一線を引いてしまう一松の気持ちは分かっているつもりである。
俺の様な存在への救済として、ノーベルカラ松賞を創るべきなのだ。
ブラザー達に悪感情だと抱くはずもない。
何故なら俺たちは兄弟なのだから。
だが、もう少し…もうほんの少しだけブラザー達が俺の発言を聞き入れてくれればそれで満足なのである。
そんな俺が、聖杯戦争と言うデンジャー且つハタ迷惑な催しに招待されてしまったらしい。
フ、困ったものだ。聖杯は余程俺に会いたいと見える。俺はハタ迷惑は御免なのだが。
最早聖杯すら、カラ松ガールズの一員と見ていいだろう。
屋根に上りギターを構えスカイを仰いでいた俺は視線を外し、傍らに佇むサーヴァントを見た。
その男は着古したコートを纏い、斜めに傷が奔った精悍そうな顔を引き締め俺ではないどこかを見ていた。
この貌…俺は知っている!
「始まったのか……遂に」
男は驚いたような表情をして俺を見た。
今にも凄ェ!と俺を称賛してきそうな顔だ。
俺も思わずでかした!と返してしまいそうになる。
此奴はブラザー達ではないが決して俺を無視しない。
話が通じているかは別問題ではあるが。
「あぁ……始まる」
「フッ、回りだしたか…運命の歯車。ディスティニー・ギア
己を高める戦い…聖杯戦争」
「……それで、お前はどうするつもりだ?」
「フ、決まっている。ノープランだ!」
サングラスを外し、サンシャイン…を浴びる俺はほくそ笑む。
すると傍らの男から奇妙な音が聞こえた。
キュルキュルと何かの筒のふたを開けるような…そんな音だった。
続いて、カポッと、何かが外れる音。俺は思わず男を見る。
すると、俺の首筋には鉈の様なククリナイフのような無骨な刃物が据えられていた。
―――ナイフ?
「ひいいいいいいい!な、何をするんだアサシン
俺は確かに無意識に周りを傷つけてしまうイタイ男と呼ばれるが、
刃物とお近づきになろうとするほど飢えちゃいないぜ」
「俺は聖杯を獲らなければならない。お前には、その覚悟があるのか」
男は…アサシンはそうやって俺に問う。
納得のいかない答えならば、その義手の刃は俺をたやすく切り裂くだろう。
本来ならば刺される事は慣れているような気もするが、ここでは異常にその事実が恐ろしく思えた。
何かおかしい、普段の俺ならばひいいいいい!などと無様な悲鳴も上げないような気もした。
緊張で、のどが渇く。張り付いたようだ。
咄嗟に、俺がここで死んだらブラザー達はどう思うだろうと夢想する。
………あっさりと流される図しか浮かばなかった。
死んだ事すら、気づかれないかもしれない。
だが、それでも。
―――カラ松はそれでいーんだよ。周りの感覚がバカになればいいんだ―――
屋根から見渡せる景色の端に、パチンコ屋から出てくるおそ松が見えた。
河原では十四松が一松を使って素振りしているのが見えた。
チョロ松はハロワに行くふりをしていたが、アイドルのライブのチケットが鞄に入っていたのを俺は知っている。
トド松はまた懲りずにバイトをしているらしい。
六人みんな揃って一生全力モラトリアム。明日も昨日も怠惰なよいこ達。
あいつ等が俺をどう思おうが、あいつ等には、俺が必要なのだ。
ハアハアといつの間にか息遣いが荒くなっていた。
かすれた声で返答を絞り出す。
「俺は…生き残る……」
それが松野家次男松野カラ松ではなく、カラ松ができた唯一の答えだった。
そして、それは功を奏した。
「悪かったな。脅かして、だが必要なことだった。
……兄弟は大切にしろ」
アサシン―――宮本明はそう言って俺に背を向けると、霊体化し姿を消した。
もう、その気配は伺えない。
それでも、消え去るその刹那…何か兄弟と言う言葉に凄絶な思いを抱いている。
そんな気がした。
いけない。これ以上いけない。
アサシンと言う男。アサシンから聞かされた聖杯戦争。殺し合い。
その雰囲気に呑まれて俺らしくなくなっている様な気がする。
これでは全国数百万のカラ松ガールズを失望させてしまう。
「フッ、まともではない戦い。まともではない試練。
俺に相応しい……バーン!」
これでよし。
◆
俺は救世主などではない。
元よりそんな呼び名に執着はないが、本土の人間たちは俺をそう呼んでいた。
だが、俺は師匠も親友も、心を寄せた女も、兄貴さえ生かすことが出来なかった敗残者だ。
彼岸島を離れた、本土でさえも死守できなかった。
そして、兄を手にかけた俺が、何の因果か一人の兄と四人の弟を持つ男が俺の主となった。
その事実は皮肉ですらある。
だが師匠たちの遺志を継ぐには、聖杯に頼る他、選択肢などありはしない。
万能の願望気に願いでもしなければ―――人が、日本を取り戻すなどもう不可能だろう。
故に、必ず聖杯を手にしてみせる。
吸血鬼を、根絶してみせる。
東京タワーを仰ぎながら手にした丸太を、俺は強く握りしめた。
【クラス】
アサシン
【真名】
宮本明@彼岸島
【属性】
中立・中庸
【パラメーター】
筋力:B 耐久:A 敏捷:B 魔力:E 幸運:D 宝具:C++
【クラススキル】
気配遮断: B
数多の吸血鬼や邪鬼、蚊の大群をもやりすごしたという逸話から。
サーヴァントとしての気配を絶つ。
完全に気配を絶てば発見することは非常に難しい。
【保有スキル】
戦闘続行:B
瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。
無窮の武練:C
常人の数倍の腕力を持ち尋常ではない耐久力を誇る吸血鬼数十人を瞬殺するほど
いかなる戦況下にあっても十全の戦闘能力を発揮できる。
また如何なる物でも武器として使いこなせる技巧も含む。
頑健:C
催眠ブレスを吐く混合血種(アマルガム)である邪鬼を見事打倒したという逸話から。
対毒を含み、耐久力も1ランク向上させる。
【宝具】
『丸太』
ランク:C++ 種別:対人宝具 レンジ:1~5 最大補足:1~20
彼の主戦場であった彼岸島でのメインウェポン。
ある時は吸血鬼や邪鬼を打ち倒す武器として、ある時は落下する明の救世主として、
またある時は本来の使い方でもある攻城兵器として彼を救ってきた。
その逸話から対化け物、とりわけ吸血鬼にはより強い威力を発揮する。
また、攻城兵器としての側面もあるためか陣地破壊の力も備えている。
マスターもこれを振り回せば中級の使い魔程度ならば一蹴することが可能。
ただし、使用の際にはアサシンの所持の確認と鼓舞が必要。
一説にはアーサー王のエクスカリバーと同等とも、世界樹の枝からできているとも語られている。
【weapon】
義手の仕込み刀と一本の無銘の刀。
【サーヴァントとしての願い】
吸血鬼の根絶。
【人物背景】
彼岸島にて吸血鬼と戦い続け、そして仲間を喪い続けてきた数奇な運命の青年。
奮戦虚しく遂に勝利できることは無く、吸血鬼の首領は日本を占領した。
そんな絶望の中でも彼は諦めず、意志だけを抱き、生き残りの人間に救世主と崇められながら吸血鬼の根絶を目指し戦う。
例え、嘗ての仲間を手にかけても。
【マスター】
松野カラ松@おそ松さん
【マスターとしての願い】
生き残る。
【weapon】
クソダサい服装。
【能力・技能】
存在が痛い。
【人物背景】
松野家の一卵性六つ子の次男。
所謂中二病でよく他の兄弟で相手にされないことが多い。
実はガラスのハートで、中二なキャラもたまに剥がれる。
他の兄弟より比較的温厚だが次男だから責任はないし自立もしない、最後まで実家から離れないなどと宣っており、彼もとどのつまりダメ人間である。
一応、聖杯戦争が殺し合いであることはアサシンから聞いているが、兄弟がレプリカだとはまだおぼろげにしか気づいていない。
【方針】
とりあえず生き残る。
最終更新:2024年10月03日 22:33