アットウィキロゴ
 ――かわいそうに。

 ライオンも象もウサギも豚も、等しく檻に閉じ込められて、一切の自由を奪われている。
 なんともむごい有様だ。この国を支配する王様は、さぞや意地の悪い奴だと見えるな。

 食い物には困らない? 敵に襲われることもないだと?
 馬鹿め。それで納得していることが、何より哀れだと言うのだ。
 自由の味を奪われるどころか、知らされることすらもないままに、飼い慣らされた動物達よ。

 ……だがな、おれは奴らとは違う。
 お前らが知らない自由というものを、おれならばお前達に教えてやれる。
 どうだ、知りたいとは思わないか?
 格子の向こうに広がる世界を。壁に阻まれることのない大地を。
 どこにでも行ける、何だってできる。どこまでだって続いている世界を、自由に駆け回れる喜びを。

 どうすればいいかだと? 簡単なことだ。
 おれについて来ればいい。
 おれに協力するのなら、お前達の自由と幸福を、このおれが保障してやるとも。

 だからその耳でよぅく聞け。このおれ様の言葉を――

◆ ◇ ◆

 カチューシャと名乗るその少女が、台東区の街を歩いていたのは、夕方を過ぎ夜になろうとしていた時のことだ。
 未だ高校生である彼女が、そんな時間までうろついていたのは、部活で帰りが遅かったからでも、不良に堕ちていたからでもない。
 答えは彼女の左手に宿った、十字と星の紋章にあった。
 聖杯戦争のマスター――その力に目覚めた彼女は、知らないはずの東京の街を、なんとか脱出しようとしていたのである。
 不幸にも連れ去られ、閉じ込められたカチューシャが、元いた学園艦を目指すのは、当然の帰結ではあった。

「追いかけっこは終わりだよ、お嬢ちゃん」

 本当に不幸だったのは、その程度の不幸ですらも、まだまだ序の口でしかなかったということだ。
 令呪をむき出しにしていたカチューシャは、それを他人に見られてしまった。
 それも彼女と同じように、マスターとして選ばれた人間にだ。
 その男は、彼女を見た瞬間、血相を変えて襲いかかり、彼女の命を奪おうとした。

「しかし僕も運がいい。妙な使い魔を追いかけていたら、君のようなマスターに出会えるとはね」
「な……何よ! マスターって何! それとカチューシャとどう関係があるのよ!」

 最大の不幸はここからだった。
 未だ聖杯戦争の知識を、カチューシャは何一つ教えられていない。
 ソビエトの国旗を模したような、変な刺青が手のひらにあること。
 そして何やら暗示をかけられ、偽の記憶と日常を、与えられていたらしいということ。
 それがカチューシャの知っている全てだ。哀れなことに、彼女はまだ、命を狙われる理由すらも、誰からも知らされていなかったのだ。

「あまり遊びすぎるな、マスター。あの使い魔の主が、未だ見つからないことも気になる」
「ふむ……それもそうだ。さすが乱世に生きた英雄。言うことと頭の鋭さが違う」

 男が背後の何者かと話す。
 全身に甲冑を身につけた、物々しい男の言葉を聞く。
 頭のいかれたコスプレ野郎――そんな陳腐な存在ではない。
 奴は何もない所から、突然姿を現した。
 何よりその異様を物語るのが、全身から迸る凄まじい気配だ。
 それは平和な現代社会で、安穏とした日々を送っていたカチューシャにも、痛いほど感じられるほどの殺意だった。
 こいつは、ただの人間とは違う。
 戦車道で戦ってきた、学生のスポーツマン止まりの戦士達とは、何もかもが異なっている。

「ひ……!」

 我知らず、カチューシャは後ずさった。
 子供じみたプライドを、この瞬間はすっかり忘れて、情けない悲鳴と共に退いた。
 高校生らしからぬ小さな体が、背後の建物にぶつかる。
 追い詰められた。もう逃げられない。相手との歩幅の差を考えれば、追いかけっこは非現実的だ。
 おまけにこの辺りは、人通りも少ない。助けてと声を上げたとしても、到底間に合わないだろう。
 いいやそもそも、助けが来ても、あの背後の甲冑男と、喧嘩をして敵うと断言できるか。

(ノンナ……)

 今まで自分を助けてくれた、頼れる副官の姿はない。
 戦場で自分を守ってくれた、戦車道の同志はいない。
 カチューシャはたった一人きりだ。守るものも何もなく、得体の知れない殺人者を前に、がたがたと体を震わせていた。
 こんなにも自分は弱かったのか。戦車を降りたカチューシャは、こうまで矮小な存在だったか。

「では、そろそろ本当に終わりにしようか」

 男が一歩歩み寄る。
 カチューシャをその手で捕まえようと、ゆっくりと近寄ってくる。

(助けて、ノンナ……っ!)

 この声が届くことはない。
 それでも願わずにはいられなかった。
 あの仲間達の存在に、すがりつかずにはいられなかった。
 どうか、誰か助けてほしい。
 この無様で弱い自分を、ここから救い出してほしい。
 でなければ私は殺される。間違いなく命を奪われる。
 それは嫌だ。死ぬのは御免だ。
 あんな男の手にかかって、仲間の顔も見ることなく、孤独に死を迎えることは――

「――っ!?」

 その、瞬間だ。
 不意にけたたましい叫びと共に、男の背後で風が吹いた。
 それもただの風ではない。無数の影が形作る風だ。
 きいきいと喚くその影は、大きな鳥か何かにも見えた。

「何だ!」
「こ奴ら、まさか――」

 猛禽によって分断された、二人の男の放った声は、次なる咆哮にかき消された。
 うおん――と鋭い声を上げて、猛獣達が現れたのだ。
 驚くなかれ、猛獣である。大都会であるはずの東京に、獣が姿を現したのである。
 暗くて判別がつきにくいが、あれは豹や虎の類か。
 それが姿を現して、雄叫びを上げながら飛びかかり、甲冑の男に牙をむいたのだ。

「ランサー、僕を守――っぎぁあああ!」

 狼狽も露わな男の声は、赤い血飛沫に遮られる。
 脇腹に食らいついた獣の牙が、悲鳴を真っ赤に塗りつぶす。

「たす……たすっ、け……」

 たちまち血にまみれた男は、獣の山の奥に消えた。
 倒れ伏した男の体に、無数の猛獣達がたかり、血肉を食い破り始めたのだ。
 余裕に満ちていたはずの声は、体を食われていくたびに、弱々しく無様なものへと変わる。
 やがてそれも聞こえなくなり、呼吸すら聞き取れなくなった時、獣はその場から立ち退いた。
 そこにあったのは死体だけだ。気づけば甲冑の男も、忽然と姿を消していた。

「う……ぅうっ!」

 状況を理解するまでに、数秒。
 惨殺された肉塊が、自分を襲った男だと気付いた時、カチューシャはそのおぞましさに嘔吐した。
 小さな体を震わせて、恥も外聞も何もなく、吐瀉物を道端にぶちまけた。
 獣達の姿はもうない。カチューシャを食らうつもりはないらしい。
 自分は助かったのか。果たしてこの有様で、助かったと言えるのか。

《――おやおや、可愛らしい顔が台無しだ。随分と怖い思いをさせてしまったらしい》

 その時、不意に。
 耳ではなく頭の奥底から、響いてくるような声が聞こえた。
 まるで漫画のテレパシーのような、そんな奇妙な体験を、現実のものとして感じた気がした。

「誰!? 今度は何なの!?」

 うわずった声でカチューシャが叫ぶ。
 鼓膜を通していないはずの声だが、不思議と声のした方向が分かる。
 横にも前にも姿が見えない。後ろに人がいるはずもない。
 青い瞳は遥か夜空を――頭上の方を向いていた。
 建物の上に、何かがいる。
 月の逆光をその身に受けた、黒い影が立っている。
 おおよそ人のものとは考えにくい、異様な形のシルエットが。

《そう急かすな。今降りてきてやる》

 それでも、声の主には違いなかった。
 影は建物の屋上から、素早い身のこなしで飛び降りてきた。
 壁を蹴り、より低い建物の天井を蹴り、ジグザグの軌跡を描きながら、カチューシャの前に姿を現した。

「え……」

 相対した瞬間、カチューシャは、一度己が目を疑った。
 そこに降り立った者は。
 テレパシーとはいえ、人語を使い、声をかけてきた存在は――人間の姿をしていなかった。

《おれはアサシンのサーヴァント。あんたに仕え牙となり戦う、忠実な下僕というやつだ》

 それは黒いライオンだった。
 動物図鑑で見かけたような、されど体毛の色が濃い、人間ならざる猛獣だった。
 左側に傷がついた、緑色の眼光を、爛々と光らせるけだものだった。
 百獣の王。サバンナを統べる覇者。本来ならば人間とは、決して言葉を交わせない獣。
 カチューシャを助けに来た援軍は、地吹雪轟く北国ではなく、熱風の大自然からの使者だった。

◆ ◇ ◆

 スカー。
 それが自らを暗殺者と名乗った、サーヴァントなる獣の名前だ。
 ここにきてカチューシャは、初めて、自分が聖杯戦争なるものに、巻き込まれたことを説明された。
 サーヴァントというのは、それを勝ち抜くために、与えられた手下であるらしい。
 英霊の座とかいう場所から呼ばれた、伝説の英雄の魂――それがサーヴァントの正体なのだそうだ。

《知恵比べなら誰だろうと受けて立つ。だが力と牙を使えと言うのなら……生憎とまったくもって駄目だ。一欠片の自信もない》

 しかし、スカーはその限りではない。
 神話とも聖戦とも縁がない、見た目通りのライオンでしかない。
 そんなスカーの力では、伝説に名を残した英霊達には、まるで歯が立たないらしい。
 ハズレを引かされたという事実は、カチューシャを大きく落胆させたが、それでも聡明な彼女は、直前の言葉を聞き逃さなかった。

「でも知恵比べじゃ負けない……アンタはそう言ったわね」
《その通りだ。マスターも賢いな。小さいなりをして頭が回る》
「バカにしないで! カチューシャは17よ! 立派な大人なんだから!」
《17というと人の歳では……ああ、これは失礼した! なるほど確かに立派なレディだ》

 やや大げさな身振りと口振りで、スカーは己の非礼を詫びる。

「本当にそう思う?」
《無論だとも。人であろうと獣であろうと、その者の価値を決めるのは見た目ではなく、品性だ》

 引け目に感じることはないと、スカーはカチューシャに言った。
 わざとらしくはあるものの、それでも褒められて悪い気はしない。少々、気恥ずかしくはあるけれど。

「……それで、さっき言ったことは、本当なんでしょうね?」
《もちろんだ。おれはか弱いライオンだが、それでも人よりも知恵が回る。それがおれの力であり、牙となるのさ》

 先ほど放った獣達がいい例だ。
 あれは自分の力で操り、主を助けるために放った兵隊達だ。
 スカーは自分の戦い方を、カチューシャへと語って聞かせる。
 彼のアサシンのクラスは、単純な暗殺者を意味するものではない。
 知恵と計略を張り巡らせ、陰謀にて敵を排除してきた、策略者としての称号なのだと。
 それが本当であるのなら、確かにただの獣ではない。
 獣が野心と私欲を持って、仲間を欺き罠に嵌めるなど、一度も聞いたことがない。
 英雄に数えられた獅子・スカーは、獣の域を大きく超えた、神童ならぬ神獣だった。
 もちろん彼の言うとおり、本物の神様の加護までは、与えられていないのだろうが。

《だが安心してくれていい。おれはあんただけは裏切らない。令呪を持ったマスターには、とてもじゃないが逆らえない》
「カチューシャを元の場所に、帰してくれる?」
《ああ、約束しよう。おれはあんたの味方だ。あんたがちゃんと帰れるように、存分に知恵を振るってやる》

 カチューシャの問いかけに、スカーは答えた。
 命と安全を保障すると、自信をもって約束してくれた。
 正直言って現状は、まだまだ分からないことだらけだ。
 だからこそ、スカーの強い言葉と、勇猛なライオンの姿は、カチューシャにとっては心強かった。
 どちらかと言うと、プラウダ的には、ロシアの雪豹の方が好みではあったが。

「……ま、アテにはさせてもらうわ。せいぜいカチューシャのために働きなさい」
《仰せのままに、マスター殿》 

 恭しく頭を垂れるスカーを、見下ろす。
 そうだ。ここには同志達はいない。アテになるのはこいつだけだ。
 そのスカーの力を頼りにするしか、元の学園艦に帰る方法はないのだ。

(待っててちょうだい。カチューシャは必ず生きて帰るわ)

 聖杯などに興味はない。
 いくつか叶えたい欲望はあったが、それは努力でもどうにかなるものだ。
 カチューシャの最大目標は、あくまでも生きて帰ることにあった。
 頼れる同志達の存在が、いかに大きなものだったかを知った。
 だからこそ、彼女達の待つプラウダ高校に、何としても帰らねばと思った。
 きっと隊長である自分のことを、心配して探してくれているはずだ。
 特に忠誠心厚いノンナは、気が気でないといった様子で、血眼になっているはずだ。
 彼女はそういうところがある。その甲斐甲斐しさは嬉しいが、時折、しょうがない奴だとも思う。
 だから隊長であるカチューシャが、行って安心させねばならない。
 それが学校のチームを預かる、偉大なる隊長の使命なのだから。

(そのためにも、絶対に勝ち残る)

 未だどうしても不安はある。
 策略家ではあるものの、自身の力は弱いと言うスカー。
 そしてそれ以上に、未だ体験したことのない人殺しを、あるいは犯してしまうかもしれない自分の心。
 戦車道の達人といっても、結局は人死にが出ないように、徹底して安全化された戦場の話だ。
 本物の殺戮現場では、競技場と同じように、冷静に立ち回れるとは限らない。
 だとしても、やるのだ。
 それでもカチューシャは戦って、戦い抜き勝ち残る必要があるのだ。
 だからこそ、覚悟せねばならなかった。
 この先何があったとしても、必ず生きて帰るという覚悟を。
 たとえこの手を血に染めてでも、元の日常を取り戻すという覚悟を。
 小さな肩を震わせながらも、少女は手を固く握り締めた。

◆ ◇ ◆

 ふん。せいぜい図に乗っているがいい。
 見てくれより品だと? 間抜けな猿め。
 お前のような小さな餓鬼が、サバンナで生き残れるものか。
 生存競争でものを言うのは、結局知恵よりも力なのだ。でなければこのおれでなくあのムファサが、王に選ばれたりなどするものか。

 そうとも、おれは納得していない。
 おれが辿った生涯を、これっぽっちも受け入れていない。
 力がなかったばっかりに、王の座を兄上様に奪われ、やっと手に入れた王国も、小僧に奪い返された生涯をな。
 だからおれはやり直す。聖杯の力を手に入れて、再びプライド・ランドに蘇る。
 聖杯を使うべきはこの娘ではない。このおれこそが相応しいのだ。

 ……はは、そうだとも。
 何も聖杯を扱えるのは、マスターであるお前だけじゃない。
 優勝賞品を使う権利は、サーヴァントであるおれにも有るんだ。
 もっともこのことはお前には、絶対に教えてはやらないがな。
 知恵比べなら誰にも負けない――それは敵相手に限った話じゃない。
 おれとお前の知恵比べは、とっくの昔に始まってるんだ。
 お前に信用させる戦いのために、あの格好のカモ達を、おびき寄せたその時点からな。

 さぁ、せいぜい踊ってくれよ。
 令呪切れで脱落なんて、間の抜けたオチなど許すものか。
 お前は生かさず殺しもせず、このおれを聖杯のところまで、案内させるために使わせてもらう。
 そしてその目前に行き着いたところで、おれがお前を殺してやる。
 そうすれば聖杯はおれのものだ。願いを叶えるその権利は、このおれの手に与えられるのだ。
 断じてお前のものじゃない。聖杯はおれのものになる。
 そしておれは今度こそ、プライド・ランドに君臨する。
 今度こそこのおれこそが、プライド・ランドの王になる。
 そのためにおれの手足となって、せいぜい甲斐甲斐しく働くことだ。
 真の王たるおれのためにな。

 ハハハハ……!





【クラス】アサシン
【真名】スカー
【出典】ライオン・キング
【性別】男性
【属性】混沌・悪

【パラメーター】
筋力:D 耐久:E 敏捷:D+ 魔力:E 幸運:E 宝具:B

【クラススキル】
気配遮断:B
 サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
 完全に気配を絶てば発見することは非常に難しい。

【保有スキル】
謀略:B
 歴史に残る悪巧み。
 単純な軍隊指揮のほか、騙し討ちや謀殺など、悪辣な方面にも効果を発揮する。
 マスターと交流することによって、文明の知識や道具を得たスカーの策略は、際限なく強化されていくだろう。

話術:B
 言論にて人を動かせる才。
 国政から詐略・口論まで幅広く有利な補正が与えられる。
 弁論において、窮地にあっても挽回の可能性を手繰り寄せる。
 ちなみにスカーは、人語を話すことができないため、人間との会話はテレパシーによって行っている。

心眼(偽):C
 動物的直感に基づく危険回避。
 視覚妨害による補正への耐性も併せ持つ。

カリスマ:E
 軍団を指揮する天性の才能。統率力こそ上がるものの、兵の士気は極度に減少する。
 一度は王国を手に入れたスカーだが、その後国は荒廃している。為政者としての資質は、それほど高くなかったと思われる。

【宝具】
『偽・百獣の王(キング・オブ・プライド)』
ランク:C 種別:対獣宝具 レンジ:1 最大補足:50匹
 一時とはいえ、プライド・ランドの王として君臨した、その生き様が宝具と化したもの。世にも珍しい対獣宝具。
 NPCの動物を、話術をもって洗脳し、自らの一部として操ることができる。
 サーヴァントの一部であるため、他のサーヴァントを攻撃できるだけの神性も付与される。
 ただしスカーの王としての器は、名君と呼べるほどのものではなく、その効力は半減している。
 (然るべき王者が『百獣の王(キング・オブ・プライド)』を備えていた場合、操れる最大数は100匹となる)
 また、スカーはハイエナに恨まれながら死んでいったため、同じイヌ科の動物を操ることはできない。

『暗黒王土(プライド・ロック・ヘルファイア)』
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:- 最大補足:-
 固有結界。心象風景の具現。
 かつて治めた王国の都「プライド・ロック」の周辺を、聖杯戦争の舞台に現出させる。
 結界内には、彼が最期に見た火の海が、無念と王族への憎悪によって広がっている。
 ……しかしこの燃え盛る炎は、スカーにとっては武器でもあり、同時に弱点にもなっている。
 身動きの取りづらい空間は、宝具で操った軍勢を展開するのには向かず、
 外界から隔絶された世界は、アサシンらしく逃げ隠れするのにも向かない。当然火の中に突き落とされれば、スカー自身も身を焼かれ死ぬ。
 自身のあらゆる強みを打ち消すこの宝具を、敢えて発動するその時は、スカーが戦略的にほぼ「詰んだ」時と考えていいだろう。
 (然るべき王者が備える『熱風王土(プライド・ロック)』には、このような炎は存在しない)

【weapon】
動物
 宝具『偽・百獣の王(キング・オブ・プライド)』によって、洗脳された動物達。
 台東区に陣取ったスカーは、日本一の動物園から、兵隊を無尽蔵に調達できる。

【人物背景】
アフリカの王国「プライド・ランド」を、一時的に治めた王族。
兄である先王ムファサを、蛮族達と結託して殺害し、謀略にて王としての地位を奪い取った。
しかし抹殺したはずの、王子シンバと対決し敗北。責任をなすりつけようとしたの聞かれ、蛮族の手で殺されている。

……上記の通り、裏切りと謀にまみれた生涯を送った反英霊だが、実はスカーは人間ではない。
そもそもプライド・ランドとは、サバンナの動物達の王国である。
彼が手を結んだ蛮族もハイエナであり、王国の頂点に立ったスカーもまた、人ならぬオスのライオンである。
アメリカの狼王ロボなど、英霊の座に動物が名を連ねる例はゼロではないが、反英霊となるほど、強烈な逸話で語られる者はほとんどいない。
それはひとえにスカーの持つ、獣の領域を超えた知恵と人心掌握術、そして野心と残忍性のなせる業であると言えるだろう。

本人の戦闘能力は、ただのライオンであることもあり、ライオンなりのものしか持たない。
そもそも生前にムファサに対して、「爪と牙を使った戦いではムファサに勝てない」と語っており、
あまり力には恵まれていなかったものと考えられる。
また、英霊の座にはスカーの名前で登録されているが、本名は別にあったとも言われている。

【サーヴァントとしての願い】
プライド・ランドの王として再び返り咲く。そのためにカチューシャを利用する

【基本戦術、方針、運用法】
さすがに人間よりは強いが、本人の戦闘能力は底辺に近い。
そのためマスター自身や、宝具で操ったNPCを利用し、敵マスターを暗殺するのが基本方針となるだろう。
更には生前の手並みもあり、他のサーヴァントと同盟を組んで、ライバルを減らすよう仕向けるという選択肢もある。
アサシンでありながら自ら手を汚さず、手駒を使って相手を追い詰めるという、珍しい運用法を要求するサーヴァントである。



【マスター】カチューシャ
【出典】ガールズ&パンツァー
【性別】女性

【マスターとしての願い】
生きてプラウダ高校に帰る

【weapon】
なし

【能力・技能】
騎乗(戦車)
 戦車の乗組員としてのスキル。車長のスキルを保有する。
 現在の地位を得る以前に、どういった役職を経験しているのかは不明。
 公式イラストを見る限り、体格的にも装填手には向いていないらしい。

軍略
 一対一の戦闘ではなく、多人数を動員した戦場における戦術的直感力。
 ただし、あくまで人死にの出ない、競技による戦闘においての話である。
 圧倒的兵力で敵陣を押し潰すスチームローラー作戦や、極地で敵を包囲し疲弊させる持久戦などを得意とする。
 また、どちらかと言えば、降雪時の戦闘に明るい。

【人物背景】
東北のプラウダ高校に通う、高校三年生の少女。
その割には身長127センチと、非常に幼い容姿をしている。
昨年から隊長として戦車道チームを率い、全国大会に優勝したこともある名将である。
今回は全国大会で、大洗女子学園に敗北した後からの参戦となる。

通称「地吹雪のカチューシャ」「小さな暴君」。あるいは「ちびっこ隊長」。
よく言えば大胆で物怖じしない人物であり、悪く言えばわがままで子供っぽい人物。
副官に肩車をしてもらってまで敵を見下そうとする、大事な試合の朝にお寝坊をするなど、人間としては欠点だらけである。
そんな彼女が、陰口こそ叩かれながらも、隊長としてチームを率いているのは、ひとえにその実力のなせる業と言えるだろう。
学校の午後の授業は、カチューシャが昼寝から目覚めた時から始まると言われており、名実ともにプラウダ高校の支配者として君臨している。

本名は不明だが、今回の聖杯戦争の舞台では、その日本人らしからぬ名前を、誰もが疑いなく受け入れている。
ちなみに、ロシア語の歌詞を覚えることくらいならできるものの、日常的にロシア語で会話することはできない。

【方針】
聖杯戦争に優勝する。スカーは戦闘向けのサーヴァントではないので、とにかく知恵を使って戦う。



候補作投下順



最終更新:2016年03月03日 12:21