夢関連の記述

  • 冒頭【その1】
眠っているときに変な夢を見るようになってから、はや一月。
最近は日中にウトウトすると同じ夢をみることがあるのだ。
夢といっても詳細は覚えていない。
ただ、遠いところから呼ばれている声が聞こえてきた気がする。
「お~い」
「お~い、聞こえるか~」

  • 斉藤の夢【その3】
声「お~い」
斉藤「何スかー」
声「聞えないのかな?」女の子の声「お~い」「あ!聞こえた!」
女の子の声「あのね~。聞こえる~?」
斉藤「はいはい、聞こえてるッスよー。何か御用スか」
女の子の声「御用なの~。そろそろ装置を直してほしいの~」
斉藤「ああ、装置……あれ何なんスかね。とりあえず壊れてそうな部分だけは治せるかもしれないスけど」
女の子の声「よかった~。あれは大事なものなの」
斉藤「じゃあ頑張って治すッスー。何か足らない部品とかが出たときが心配スけど」
女の子の声「そんなときのために代金があるの」
斉藤「なるほどなるほど……ところで、何に使う装置なんスかね、あれ」
女の子の声「あれはね……」(声が遠くなる
斉藤「あれ?聞こえなくなったッス。おーい」
女の子の声「ああ……が弱くなってきたの……また明日……」
ぷつりと声が聞こえなくなりました。

→この後、タイミングよく赤マントが追加の銀インゴットを持ってきたので、この声の主が
 依頼者かと思われたが、後に赤マントの口から別系統の依頼だと判明
 従って上記『そんなときのために代金』は銀インゴットとは別

  • 斉藤の研究室 『おかしな水槽』を見た園子【その6】
園子「あれ?なにか聞こえません?」「気のせいかしら」
→聞き耳の結果:機械の微かな唸りが聞こえるくらいで、特になにか気になる音がしている様子はない

では、次の日ですが……。
斉藤は久々にスッキリした朝を迎えます。
昨夜は例の夢を見なかったのです。

  • 住友家~喫茶倫敦 【その7】
園子がときどき口元がもにゅもにゅして、欠伸をかみ殺しているような感じがします。
園子「あ~うん、ちょっとね」
園子「居眠りするほどじゃ……ないと思うんだけどな~」
園子「うるさいって言えば、あれよね。あの機械が原因なんだろうなぁ」
園子「うん、夜中に夢で見るのよ。しかも『も~い』だか『よ~い』みたいな声みたいな音がするの」
園子「移ったって何の話?」
朱戸「ここにいる斎藤が先日迄、夢の中で“お~い聞こえないのかな”などと声をかけられていたそうだ」
園子「機械から?」
園子「ふ~ん、ところどころは違うけど、似ている所もあるわね」
朱戸「どんな声だった? 聞き覚えがある声だったらありがたいんだが」
園子「聞き覚えはない……う~ん、ああ!」
園子「さっき昭さんがみなさんに『お~い』って言った声にちょっと似てるかも」

斉藤は「急速に夢の内容を思い出せなくなりつつある」のに気づきましたね。

  • 喫茶倫敦 【その8】
坪野「災難だったな。園子君はこのマークや、赤マントについて気付いた点は無かったかい?」
園子「え~と。どこかでみたような気がするのよね」
朱戸「マークというと、あの三角形っぽい意匠の奴か。あれに見覚え……か」
園子「うん、どこだったかなぁ」「ああ、そうだ。斉藤さんの所だ」
園子「ほら、あの変な機械。あの水槽の中にあったはず」「うん、外から見えにくい所にあるから」

→水槽のガラス窓の枠の部分の内側にマントのマークそっくりな刻印があったのを思い出します。
斉藤はさらに「その部分はべったりと粘液状のものがついていて、今朝がたウエスで拭きとって初めて気が付いたことも思い出します」
つまり、一緒にいた朱戸も坪野はともかく、園子は「そんなもの見える訳が無い」のです。

朱戸「園子嬢、スマンが確認だ。そのマークを見た時の状況を詳しく説明してくれるか?」
園子「え~っと、ほら。中に入って窓から外を見ると真っ先に気が付くでしょう?」
朱戸「つまり、貴方はあの機械に入った? いつ?」
園子「え~?あれ?いつかしら?」
朱戸「では質問を変えよう。機械の中から窓を通して見えるものは何だ?」
園子「そりゃ外よ」
朱戸「外には何が見えた?誰かいたはずだ一人では入りにくい」
園子「誰かいたかなぁ……誰もいなかった気もする。地下室だったし。」
朱戸「なるほど、地下か。それでは暗くて見えにくいかもしれないな」
園子「窓が一つも無かったから地下室だと思う」
園子「出入り口くらいしか覚えてない~」
住友「・・・というかなんで入ったの・・・?」
園子「う~ん、わからないわ」
園子「でも変よね。よっこらせ、と中に入った記憶はないのよ」
坪野「中からの光景だけが記憶の片隅にある。そんな感じかな?」
園子「あ、それそれ。そんな感じよ」
住友「う~ん、なんだか居心地が悪い感じだねぇ。」
園子「うん、なんだか薄気味悪いわ」

  • 斉藤の研究室 たいら嬢(仮)登場 【その13-14】
さて、電話が終わって研究室に戻ってきた斉藤ですが、装置の前に誰かいますね。若い女性です
斉藤「どちら様すか?危ないんでみだりに近づくのはご遠慮願いたいんスけど」
女性「あら、これ危ないんですの?動きそうには見えないけど」
洋装の女性で20代というところでしょうか
声を聴いて、斉藤はあれっ?と思います。どこかで聞いたような気がするのです。
女性「面白い機械ね……何に使うんですの?」
斉藤「修理中なんスよ。修理のめどが付かないんで困ってるんスけどね」
斉藤:で、どちら様?と改めて。
女性「私?私は住友……た、たいらよ」
斉藤「住友…?ああ、あの人のご親族か何かで?妹さん……は居たって言ってたっけな?すいませんね、物覚えが悪いもんで。どっかでお会いしましたっけ?」
たいら「屋敷であったことはないかもしれませんね」
斉藤「んじゃあどこですかね。かふぇ?人ごみ?夢の中? まぁ…とりあえず、本日はどんなご用件なんスかね?」
たいら「うん、なんとなく来てみたの。この機械ってな~に?」
斉藤「修理中で、中に人が入るくらいの空間のある機械なんスけどね。正直よくわかってないッス。ああ、いつ直るのやら」
たいら「ふ~ん。でも何に使うのか判らなくて修理できるの?」
斉藤「部品部品で見れば判るッスからね。そこは腕の見せ所ッスよ」
たいら「そっか~。じゃあいつごろ直るの?動くところ見てみたいな」
斉藤「いいっすよー。直ったら連絡するッス!あ、連絡先聞いていいスか?」
たいら「あら、お誘いかしら?電話は兄と同じですし、他に何がいいかしら?」
斉藤「他に何があるんスかね。お住まいに呼びにいけばいいスか?」
たいら「ええ、それが一番早いわね」
斉藤「ところで機械とかに興味があるんスか?正直、女性がここに来るだけでも事件ッス」
たいら「あら、そうなの?機械って面白いじゃない」
斉藤「そうスか?いやー、話がわかる女性って妄想じゃなくて現実にもいるんスね!」と握手的な感じで手をキャッチしてみよう
たいら「積極的ね」ちゃんと手を握れます
斉藤「ああいやその、感極まってつい……そうだ、何か機械に関係した本は読むんスか?この辺りとかに工学の本が……あったこれだ」
たいら「難しい本は苦手だな~」
斉藤「どういう本が好きなんスか?」
たいら「そうねぇ、英文学とか?」
斉藤「おお、そうなんスか。英文学が得意なインテリさんもいるから行ってみるといいスよ。で、何となく来たって言ってましたけど、よく此処に来れたッスね」
たいら「ええ、だってあなたが教えてくれたんですもの」
斉藤「あれ?そうでしたっけ?いつ教えたんのやら」
たいら「もう何週間か前でしたわ。『帝都大で修理してるッス。面白いッス』って」
たいら「気になって気になって、目が覚めても覚えているくらいですの」
斉藤「目が覚めても、って…夢で会いましょうって感じの出来事だったんスか?」
たいら「ええ、もちろんそうよ」
斉藤「なんか、いま正に白昼夢を見てるような気分の話になってきたッスね。どんな夢だったんスか?」
たいら「もや~っとした感じの空間で、あなたが機械の前でヒャッハー!って修理してるの」
たいら「すごく楽しそうで、それをみてるのが好きだったの」
斉藤「そうスか。どっから見てたんスか?一声かけてくれればよかったのに」
斉藤「どこで自分を見ていたんスか」
たいら「どこからか~どこからでしょうね。うふふ」
斉藤「ええー、すごい気になるッス!なんか自分は知らないでそっちだけ知ってるってズルいっす!」
斉藤:この女性、所持品とかはどうなってますかね。
 →:手ぶらで、みた感じ彼女の普段着っぽい感じですね。
斉藤「機械に興味があるって言うけど、普段は何をして過ごしてるんスか?」
たいら「本を読んだり絵を描いたり、お散歩したりよ」
斉藤「うへー、優雅なもんスね。まさにブルジョワジヰ……かたや自分は機械弄りの日々ッス。ああ、これもいつ修理が終わるやら。」
斉藤「こうして労働力たる自分は搾取されるんスよ。動労者は団結し――あわわ。人類みな仲良く」
斉藤「あ、そうだ。折角だから、どっから治したらよいか選んでみてもいいッスよ」
たいら「そうねぇ、じゃあここのボタンがある所からかなぁ」
斉藤「よしきた。そういえば、実は最近女の子の声がする夢を見るんスよ。どうもその子はこの機械の修理をしてくれって言ってるみたいなんスけど、周りからは止めとけとか言われちゃって困った困った。そういう意味だと、この状況って正夢みたいなもんスねー」
等とのたまい、ボタンのあたりから修理に取り掛かるよ。
たいら「ああ、それ私かも」
斉藤「へ?何でまた?」
たいら「ほら、あなたに届け、この思い~ってね」
斉藤「というか、どうやってそんな事やるんスか?自分も色々と常識外の出来事を見たんスけど、さすがに積極的な出会いにびっくりしてる所ッス」
たいら「あら、積極的なのはあなたの方じゃないかしら?」
斉藤「そうスかね?えーっと、えーっと……つまり、貴方が真の依頼人とか、そういう感じの人?」
たいら「そうなのかしらね?」
斉藤「自分に疑問系で可愛く言われても困るッス…ひょっとして自分が、たいらさんを探してた感じなんスかねー。夢で。無意識に」
たいら「う~ん、わたしにもまだよく判らないのよねぇ」
たいら「ああ、そうだ。お昼何食べてるの?」
斉藤「じゃあ何が判ってるんスか?あー、このボタン何か汚れが酷いな。うへ、こんな小さい発条が…」
斉藤「野郎のメシなんて握り飯と相場が決まってるッス」
たいら「あら、じゃあ明日からお弁当持ってきてあげる。作るのは私じゃないんだけどね」
斉藤「ああ、そりゃあいいッスね。メシもバカにならない金額なので――はい?なぜ?」
たいら「女にそれを言わせるつもり?」
斉藤:…理解不能!理解不能!理解不能!
たいら「好き嫌いは無いわよね?」
斉藤「無いッスよ!ゲテモノとか食ったことの無いモノは別ッスけど」
斉藤「……来る来ないはお任せするんスけど、次からはせめてお供の人が一緒だと良いッス。女なら、こんな所こに一人で通っちゃマズいッス」
たいら「じゃあ今日の所はこの辺でお暇するわ。また明日ね」
斉藤「はいはい、ご兄弟によろしくお伝えください。次回までには頑張ってボタンくらい修理しておくッスよ」
そうして彼女は部屋から出て行きます。
斉藤:ちょっとだけ後を追ってみよう。鏡に映るかなぁ。幽霊とかかもしれんw
 →彼女が閉めたドアをそ~っと開けて廊下を覗くとそこには学生たちが歩いているだけです。

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最終更新:2011年11月19日 22:43