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『ピピピッ、ピピピッ、ピピピ…』


耳障りな電子音と共にまた一日が始まる。


止めようとベットの中から手探りするが、見つからない。
おかしいな、と思った所で、俺は
昨日寝る前に時計に――空中浮遊の術をかけていたことを思い出した。

「あぁ、そうだっ…―――」


どさ、とベットから転げ落ちた。
いててて…とぼやくと、術がきれたのか、落下してきた時計が頭を直撃した。




服を着る。

いつも着るのは長めのハーフパンツ、赤系の長袖シャツ、
そして―――バンダナ。

特にこのシャツはだけは必ず着ることにしている。
それは、俺が再び人間として生きる事の、決意の証だ。




…思えば、随分とこちらでの知り合いが増えた。


例えば先日は…早朝の散歩途中にカシス嬢と鉢合わせを。
とりあえず挨拶はしてみたものの、
途中で会話が続かなくなり――思わず二人揃って苦笑した事があった。
しかし、本当彼女は可愛い。…(頭を)撫でていいか、と聞いたら断られたが。


また別の日には、街でたまたま…いつも不気味氏と一緒に見かけるガーナ氏とばったり会い。
お茶でも飲んでいかないか、と誘われたので自宅へお邪魔したのだが、
途中で静謐氏と変わられてしまって非常に困ってしまった、なんて事があったり。


仕組まれたか…と二人で脱力したものの、
彼から非常に興味深い話を聞く事ができたのでまぁ、よしとしておこう。
…夜食用に買った和菓子を、リセイのぼっちゃんに食われてしまったときは流石に泣いたが。



―――ガチャガチャガチャッ!



ふいに玄関のドアから音が響いた。

しばらくして、『ピンポーン』と、ベルの鳴る音。



…あぁ、あいつか。

少し前に知り合った、ごくごく普通の野郎、友達だ。
先ほど話した、彼らとも知り合いだと聞いているが―――珍しいな、こんな朝から―――
全く、ベルは最初に鳴らせよな。何事かと思うじゃねーか。


ぼやきながら、俺は玄関へ向かう。



「よ、元気か?

どうしたんだよ、こんな朝っぱらから―――」
 

 
 
 
 
 
最終更新:2007年09月03日 21:57