君と。
その日。
俺は恋人とデートの約束をしていた。
予定の時間より、少しだけ早めに待ち合わせ場所の公園に着いた。
此処には 俺しか居ない………ハズだったが。
いかにも時間に遅れてきそうな彼奴は、もう既に居て…壁にもたれ掛かりながらキセルを吸っていた。
「よォ、早ェな。」
俺の恋人…高杉晋助は此方を向き、軽く笑みを浮かべながら言った。
「高…晋助、待った…か?」
「いや…全然。」
嘘付け。
明らかに何十分…何時間も前から俺を待って居たのだろう。
彼奴はこういう時、決まって嘘を付く。
「…そうか…良かった。」
あまりしつこく聞くと嫌われるかと思い、そう返した。
…どうしてそんなに自然な表情で嘘が付けるのだろう?
ニコと微笑んだ相手を見て、心の中で考えていると―…
「じゃ、まだ時間もあるし…散歩でもするか。」
「ぁ…おぅ。」
彼は、俺の前に自分の手を差し出した。
顔が笑っている。
俺は照れながらも、手を重ねた。
彼は俺の手を軽く握り、歩き出す。
…スタスタと歩く高杉について行けず、戸惑っていると…高杉は俺にさり気なくスピードを合わせてくれていた。
「……///」
「どうした?」
「…何でもねェ//」
彼の優しさが嬉しかった。
最終更新:2007年07月11日 22:59