陽炎の地 蜃気楼の塔ミストロード

別名、霧幻の廃墟都市。湖上を埋め立てた人工土壌の上に建設された、
積層型巨大構造体から成る大型機関都市。
かつて完全環境型都市(アーコロジー)を目指したそこは、
都市存続を唯一至上の目的とする非情な法律と、現出したお伽噺の住人、神話の怪物達が跋扈し、奇病業病が蔓延する
この世の地獄と化している。
外界と隔絶する不思議な霧《無限霧》に覆われまるで蜃気楼のように
夕闇という日の区切り昼と夜の移り変わる時刻にて一時的に突如塔の全体の姿を現すが
現れたその地に行っても資格無き者は塔のある場所には何も無い場所に移り
何らかの強引な手段を用いて強制的に地に入ったとしてもその者達には
住んでいる者達は見えず触れる事も出来ず只の廃墟としか捉える事が出来ない
塔はまるで生きているが如く<資格を持つ者>以外は入ることが許されない。
この入るための資格は何者にも分からない。

出現する場所は定まっておらず、それは何処の世界か何処の大地や秘境なのかも完全にランダム
そして昼と夜の移り変わる時刻以外は基本見えないという徹底した閉鎖的防御体勢であるため
実在を疑う者も居るが、あくまでも存在自体はかなりマイナーな伝説として語り継がれている。

都市の頭頂部(全体の2%)には支配者層である上層貴族が住まう区画があり、100万に及ぶ市民が住まう残りの98%は全て下層とされる。
下層は13の層プレートによって構成され、各プレートは大階段及びモノレールによって繋がれている。
上層に近いプレートほど市民等級の高い裕福な市民が多く居住し、層を下るに従って生活水準は悪化していき、最下層では餓死者が出ることすら珍しくは無い。

この地にて法にて弱者必滅を推進されているため、淘汰は当然として弱者である下層の市民は日々虐げられ虫けらのように殺されている。
またミストロード・テクノロジーと呼ばれる独自の発展を遂げた機関技術が存在し
特に現象数式と呼ばれる数式を真に理解し、脳裏に描くことで様々な物理法則を捻じ曲げる現象を引き起こす。だがその複雑かつ奇怪な理論の習得できるものは限られており、使用できる人間は都市人口の1%に満たないものの
これを習得した者は身分問わずに取得出来ない者達は畏敬の念と羨望の視線を向け
塔内での扱いが破格となり場合によっては上層貴族以上の権力を持つこともありうる。

この都市の特有の病気として忌罹病と呼ばれる遺伝子をねじ曲げ、人の姿を幻想の異人種へと変節させる別名、変異病や
妖樹と呼ばれる南洋に棲息した吸血植物のような姿の植物の化け物により発する死の種子が肉体に着床し着床された人間は肉体と精神を蝕まれ、肉体を“蔦”に奪われ、罹病者は数年のうちに死に至る
樹化病が存在する。

この生き地獄に行く資格を持つ者達は塔に飲み込まれて人知れず消えるのか
それとも上層に上手く取り入り生きていく羽目になるのか
はたまた塔の定められた法に異を唱え、反逆し虐げられる人達の為に戦い解放するのか
それは招かれた人々の自由意志に委ねられている。

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最終更新:2013年01月22日 03:24