―プール―
こなた「今年は海じゃないんだね」
かがみ「もう受験生だし、あんまり遠くで遊ぶよりも、近場で遊んだ方がすぐ帰れて勉強も出来るだろ」
こなた「あは、遊べればどこでも良いやー☆」
かがみ「やれやれ」
つかさ「…………」キョロキョロ
こなた「あれ? つかさどったの?」
つかさ「ゆたかちゃんはどこかなー? って思っちゃって」
こなた「え? 今日はゆーちゃん呼んでないよ?」
つかさ「え……」
つかさ「えぇー!? 来てないのー?」
こなた「うん、来てないけど……何で」
かがみ「あんた、ゆたかちゃんとそんなに仲良かったっけ?」
つかさ「別にそーゆー事じゃないけど……(ゆたかちゃんが居ないということは、この話すぐに終わっちゃうよ~。それだけは阻止しないと!)」
みゆき「相変わらず空(ry」
―着替え―
こなた「実は私、もう下に着て来てる――」
つかさ「はい、こなちゃんは私と向こうのカーテンがある個室に行こうか?」
こなた「え? 何で?」
つかさ「いいから」
かがみ「?」
みゆき「(ry」
シャッ!
つかさ(去年、海に行ったときは着替えの段階で終わっちゃったからなー)
つかさ「こなちゃんどんな水着着て来たの? ちょっと脱いでみて」
こなた「ん、スク水だけど……うんしょ」ヌギヌギ
つかさ(やっぱそれかよー><)
つかさ「こなちゃん、悪いけどそれ脱いで」
こなた「え? やーん、つかさのえっちぃ☆」
つかさ「脱いでね☆」
こなた「……つかさ恐いよ」
つかさ「……ふんがー」
こなた「わあぁぁぁっ!?」
☆
こなた「お嫁に行けない……」
つかさ「……はい、こなちゃんはこれを着て」
こなた「普通な水着だね」
つかさ「それで十分でしょ?」
こなた「ねぇ、何でこんな事するのサ」
つかさ「それは……」
つかさ(こなちゃんがお姉ちゃんを萌え死にさせる元凶だからなんて言えない……そもそも、萌え死に自体をこなちゃんやゆたかちゃんに教えるわけにはいかないんだよね……)
つかさ(二人を信じない訳じゃないけど、もし二人が萌え死にの存在を知り、それが自分達にある能力と気付いたらどうなると思う? もし二人が悪い考えを持っていたら世界なんてあっという間に征服出来てしまう)
つかさ(勿論、こなちゃん達に限ってそれは無いと思うけど……)
つかさ「ごめんね、ちょっと回想入るからゆっくり着替えててね」
こなた「え? うん……」
つかさ(あれはお姉ちゃんが初めて萌え死んじゃった夜の事だったかな……)
―つかさの回想―
つかさ「ぐすっ……お姉ちゃん……なんで死んじゃったの……うぅ……くぅ~」ZZZ
☆☆
???「大丈夫ですよ、あなたのお姉さんはまだ生きてます」
つかさ「え? あれ、ここは……? 生きてる?」
???「混乱してるみたいですね、これはあなたが見ている夢です」
つかさ「夢?」
???「そう、そして私はその夢に介入してる――」
つかさ「あれ? もしかしてこなちゃんのお母さんですか?」
???「ふぇ? ち、違います人違いです! 私は萌え死にの帝王カナタンです」
つかさ「カナタン?」
かなた「はい、あなたに伝えることがある為、ここに来ました」
つかさ「あ、名前が“かなた”になってるよ?」
かなた「そこは見ないで~><」
あはは、バルサミコ酢~♪(※アイキャッチ)
つかさ「お姉ちゃんが生きてるって本当?」
かなた「えぇ、あなたのお姉さんは死んでしまったのではなく、萌え死んでしまったのよ」
つかさ「萌え……死ぬ……?」
かなた「一般的に“萌え死に”と呼ばれる一種の病気みたいな物よ」
つかさ「ぽけ~。あの、それはなんですか?」
かなた「そうねぇ……可愛いもの見たときって胸がときめいたりしない?」
つかさ「あ、それ分かります。小さい動物とか見る時とか胸がキュンってなるの~☆」
かなた「萌え死にはその胸のときめきが最高潮に達したときにくる発作なのよ」
つかさ「えー?」
かなた「あまりの可愛さに胸が発作を起こして、まるで死んでしまったかのように身体がマヒしてしまうの」
つかさ「じゃあ生きてるってこと!?」
かなた「いえ、死んでるわ」
つかさ「どっちですか……」
かなた「死んでいるけど、時間が経てば生き返るのよ」
つかさ(なんじゃそりゃー)
かなた「萌え死には本当に理解できない現象なのよ。何でこんな事になったのか……未だ解明されてないわ」
つかさ「……じゃあ、お姉ちゃんは生き返るんですね? 良かったぁ~」
かなた「お姉さんの事が好きみたいね」
つかさ「え? えへへ///」
かなた「あ! いけない、そろそろあなたが起きてしまう時間だわ! まだ伝えてないことがあるのに!」
つかさ「え? え?」
かなた「時間が無いので、大事なことを簡単に説明するわね」
つかさ「ちょちょ、待って、メモメモ! わぁ、夢だからなのかな? メモ用紙と鉛筆が出てきたよ~♪」
かなた「……良いですか?」
つかさ「はい!」
かなた「①萌え死には生き返る時、寿命が一日縮まる。
②萌え死にの存在を萌え死に能力のある本人に教えてはならない。これは、その力で悪行されるのを防ぐためであり、迂闊に本人が自分の能力をばらして、それを知った悪人等に悪用されるのを避けるためだから。
③萌え死にを防ぐ方法は、なるべく萌え死に能力を持つ人から避ける……または能力が発動する瞬間を見せないこと。」
かなた「こんなところね。色々質問があると思うけど時間がないの」
つかさ「待って! なんで私にこんなことわざわざ教えに来たんですか?」
かなた「……あなたが選ばれた人だからよ」
☆☆
つかさ「選ばれた人ってなにー!」ガバッ
つかさ「あれ? そっか、目が覚めたんだ……」
―回想終わって―
つかさ(そして私は、お姉ちゃんを私にくぎづけにするよう努力してるんだよね……こなちゃんに興味を持たせないために……)
つかさ「やっと終わったよー><」み~~
こなた「あ、終わったんだ」
つかさ「うん☆ ってこなちゃん、まだ着替えてたの!?」
こなた「だって、つかさがゆっくり着替えててって……」
つかさ(お姉ちゃんが居たら確実にやばかったね……)
こなた「で? なんでこんなことするの?」
つかさ「えと……」
こなた「回想に入ったぐらいだから教えてくれるんでしょ?」
つかさ(回想に入ったのは読者の為なんだけど……どうしよう~)
つかさ「こなちゃんは……」
こなた「私は?」
つかさ「……こなちゃんは……」
かがみ「おーい、いつまで着替えてるのー?」シャ
つかさ「お姉ちゃん!?」
こなた「あ、かがみ」
かがみ「……なんでこなたがつかさの水着着てるわけ?」
こなた「私も何がなんだか……」
つかさ(良かった、こなちゃん見ても反応しないや……って、お姉ちゃんやっぱりスクール水着が好きなのかな? 今度、着てみよっと♪)
こなた「かがみは着替えないの?」
つかさ「あれ? そーいえば、お姉ちゃんまだ服だね」
かがみ「それがね……、プールが汚れて入れないって、係の人に言われたのよ」
つかさ「えー、汚れてるって……そんなに酷いの?」
かがみ「……気持ち悪いから見ない方が良いわ」
こなた「私の羞恥プレイはなんだったのさ……」
―プールサイド―
プールは赤い血で染まっていた……。
ゆたか「どうして皆、急に鼻血出しちゃったの?」
みなみ「わからない……ゆたか、ここは危険……先に更衣室に戻っていて……」
ゆたか「うん、みなみちゃんも早く来てね」タッタッ
みなみ(ゆたか……利用してすまない……でもこれで目標値の半分以上を上回る事が出来た……)
みなみ「あと……もう少し……」
みゆき「何がもう少しなんですか?」
みなみ「!? みゆきさん……!」
みゆきの登場に驚くみなみ。
みゆき「教えてください、みなみさん。これは……あなたの仕業なんですか?」
みなみ「ち、違う……私は何も……」
みゆき「“萌え死に”」
みなみ「!?」
みゆき「やはり知っているみたいですね……」
みなみ「みゆきさんこそ……何で……」
みゆき「みなみさん、何を企んでいるのですか?」
みなみ「別に……みゆきさんには……関係ないです……」
みゆき「みなみさん、萌え死にを悪行に使うことは――」
みなみ「悪行じゃないです! みゆきさんには一生分からないですよ!」ダッ
みゆき「待ってください!」
みゆき「みなみさん……」
―更衣室―
みなみ「…………」
ゆたか「……みなみちゃんどうしたの?」
みなみ「なんでもない……すぐ着替えるから待ってて」
ゆたか「? うん」
みなみ(せっかくここまで来たんだ……邪魔、されたくないな……)
ゆたか「~~♪」
椅子に座って鼻歌を歌うゆたか。
みなみ「!!(可愛い……それにゆたかの髪がまだ湿ってる……。ダメだ、見てはいけない……耐えなきゃ……)」
ゆたか「くぁ~~、疲れちゃった」
みなみ(や、やめて……ここで死んだら今までの苦労が……)
―つかさ達―
かがみ「……はぁ~、何もしてないけど何か疲れたわね」
こなた「私は着せ替えドールだし……」
つかさ「ごめんね、でもこなちゃんが悪いんだよ?」
こなた(だから何でさ……)
みゆき「…………」
つかさ「……ゆきちゃん?」
みゆき「――っ! はい? 何でしょうか?」
つかさ「うぅん、ボーッとしてたからどうしたのかな? って思って」
みゆき「いえ、プールで遊べなくて残念に思いまして、うふふ」
つかさ「そーだよねー、夏休み最後の日なのにねー」
かがみ「正確には後一日あるんだけど」
つかさ「え、いや……明日は残った宿題をやる日でぇ~」
こなた「書き写す準備は万端ですぜ、かがみぃん」
つかさ「わ、私もっ」
かがみ「つかさぁ、あんたまでこなたと同じ事企んでるんじゃないわよ。言っとくけど見せないからね」
つかさ「えー」
こなた「しょ、しょんなぁ~」
かがみ「ぐっ……。だいたい3年生にもなって(略」
みゆき(企み……みなみさん……)
そして、夏休みは終わり、時は始業式の放課後へ……。
―校門―
つかさ「あ、教室に忘れ物しちゃった!」
かがみ「まったく、始業式早々……待っててあげるから取りに行ってきなさい」
つかさ「うん、ごめんね」タッタッ
こなた「いてらー」
―教室―
つかさ「うぃ~っす、wawawa忘れ物~♪」
つかさ「あったあった♪ よし、早く戻らないと……あれ? なんだろうこれ?」
・泉こなた。
行動、言動で特定の人物を萌やす人型兵器。本人は自覚していない。
・小早川ゆたか。
存在そのものが兵器。歩いているだけで特定の人物を萌やしてしまう。泉こなたとペアで居るときはとんでもない破壊力を生み出すかもしれない。本人は自覚していない。
・柊かがみ。
至って普通な女の子。しかし、泉こなたの行動一つ一つに反応し、萌え死んでしまう可哀相な子。死んでも数時間後に復活する。本人は死んだことに気付いていない。小早川ゆたかには興味なし。泉こなたが小早川ゆたかと一緒に居る場合は、何故か萌え死なない。原因は不明(嫉妬心による相殺効果?)、まだまだ観察の必要がある。
・柊つかさ。
萌え死にの存在を理解している。姉である柊かがみが大好きで、彼女を萌え死にさせないよういつも必死である。姉であるかがみはいつも泉こなたを見ているので、こなたを羨ましく見る時もある。本人に自覚はないが、ごくまれに、人を萌え死にさせてしまうこともある。逆に、自分も萌え死ぬ時もある。
・岩崎みなみ。
萌え死にの存在を理解している。小早川ゆたかを見たら確実に萌え死にそうなのに、何故か死なない。萌え死んだ人の数を数えている。何か企んでいる様子。
つかさ「これって……」
つかさが見ているのは一冊のノート。放課後、忘れ物を取りに教室に戻ったときに床に落ちていたものだ。
つかさ「何でこんなに詳しく書いてあるんだろう……」ペラッ
・高良みゆき。
空――
みゆき「つかささん」
つかさ「ひゃっ!?」
みゆき「見ましたか?」
つかさ「み、見てないよ! 何も見てない」
みゆき「そうですか。それ私のノートなんです。拾ってくれてありがとうございます」
つかさ「う、うん……はい」
みゆき「つかささんは忘れ物見つかりましたか?」
つかさ「う、うん」
みゆき「では行きましょうか、泉さん達が待ってますよ」
つかさ「そうだね、行こっか……」
☆
つかさ「お待たせ……って」
こなた「つかさぁ~! かがみがまた死んじゃった……」
つかさ「こなちゃん何やったの?」
こなた「私、くしゃみしただけだもん……悪くないもん!」
つかさ(どんなくしゃみだったんだろう……少し興味あるかも)
つかさ「とりあえず二人は先に帰ってて、お姉ちゃんは私が何とかするから」
こなた「なんとかって……?」
つかさ「ゆきちゃん、こなちゃんをお願い」
みゆき「分かりました。行きますよ泉さん」グイグイ
こなた「ちょ、みゆきさん強引……もっと優しく」
かがみ「……」ビクビクン!
つかさ(反応した!?)
―謎の場所―
みなみ(後少し……後少しで……!)
第3萌に続く