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先に映画館を見てくると3割増しで楽しめます


───幻想卿が本当にあるかもしれないだろう

だとすれば、もやしさんが幻想卿からの帰還者で───

パチュリーを連れ帰っているという事実に、たどり着く。


─── 少女密室 ───

+ ~序章~

15:21 (Mmoyasi) それ以上言われたらあれだよ?何か、あれだよ?
15:21 (salem) かまわん言え
15:21 (Mmoyasi) リアルに涙が出る
15:22 (salem) 嬉し涙かー
15:22 (nanasina_) 羨ましいです><
15:22 (Mmoyasi) ふわぁぁぁああああああん!
15:22 (nin-ken) wwwwwww

いつものIRCの光景。
最近はこのネタでよく弄られる。本当にパチュリーは隣に居るのに。
笑い話のように、からかってくる。いま隣に居るのに。
悲しいけれど、信じてもらえるわけがないから、自分もネタとして流している。

15:23 (salem) パチュリーさんにキーボード貸してみてくださいよ
15:23 (nanasina_) パチュリーさんまだー?
15:23 (salem) 横にいるんですよね?_?
15:23 (Mmoyasi) ちょっとハンカチとって来る
15:23 (nin-ken) もやしさああああああああああああああんwwwww
15:23 (salem) あれれー?どうしたんですかー?
15:24 (nanasina_) パチェがハンカチ渡してくれるんですよね
15:24 (salem) ハンカチは五行だとどの属性なんですかパチュリーさん
15:24 *maru9 join #ルナ@あややの部屋 (~[email protected])
15:24 (Mmoyasi) うぅ・・・・・ぇぅう・・・・ひどいよぉ・・・・・・・

パチュリーは今、俺の隣にいる。
俺のために、逢いに来てくれたんだ。

15:26 (nanasina_) パチュリーさんはもやしさんのこと好きなんですか?
15:26 (nanasina_) ^^
15:26 (nin-ken) パチュリーさんはもやしさんのことが好きなのでしたら、もやしさんのどこが好きなんです

か?^^
15:27 (o-ba) もやしさん結婚してください
15:27 (nin-ken) おーばさんwwwwwwwwwww
15:27 (salem) 三角関係か

15:27 (Mmoyasi) お断りします!まだ気持ちの生理が出来てません!

───まずい。
PCを操作された。チャット送信前の一瞬。タバコに火をつけようとした隙に。
自分は、ミスタッチはほぼありえない。エンターキーを押す前に、一秒待つクセを持っている。

その自分が、ミスを犯した。こいつらなら何か気がついてしまう。

15:27 (Mmoyasi) 整理

パチュリーを突き飛ばし、あわてて訂正した。
だが、焦っている。これでは逆効果だった、しまった──

15:27 (salem) 生理がこないだと
15:28 (nanasina_) これは・・・

心臓が震えた音がした。

15:28 *ibara join #ルナ@あややの部屋 (~[email protected])
15:28 (nin-ken) パチュリーさん・・・
15:28 (rukkora) きゃーいばらさーん
15:28 (nin-ken) いばらさんこんちゃ
15:28 (Mmoyasi) こんにちわですー
15:28 (nanasina_) ちゃっちゃ
15:28 (ibara) こんにちは

よし、早く別の話題に───

15:29 (nanasina_) パチュリーさん魔法教えてくださいよ
15:29 (zond_) こっちの世界じゃ使えないんじゃね?
15:29 (nanasina_) そうか
15:29 (zond_) というわけで幻想郷どうやっていったらいいですか
15:30 (nanasina_) じゃあこっちの世界にいるパチュリーさんは魔法使えないのか
15:30 (nin-ken) それなら幻想郷にいけばいいじゃない
15:30 (Mmoyasi) イジメかっこ悪いよ!ハンカチ2枚目入るよ!

まったく、どういう流れなんだ。なにも「こんな時」に───

15:30 (salem) あれこうまかんにPCおいてるんじゃないんですかぞんどさん
15:30 (nin-ken) ぞんどさん墓穴掘ったw
15:30 (Mmoyasi) そーだそーだ!
15:30 (zond_) 俺がいつ紅魔館にいったと言った
15:30 (salem) もやしs→→矛先→→ぞんど
15:30 (salem) →→もやし
15:31 (nin-ken) ぶwwwwwwwww
15:31 (salem) パチュリーさんこの構図どうですかね
15:31 (Mmoyasi) 何 故 そ う な る
15:31 (maru9) おし
15:31 (salem) ぞんど理論は筋が通っている
15:32 (maru9) 母頭逝ってるのだろうか
15:32 (nanasina_) もやし理論はえっ?ってなる
15:32 (maru9) まぁいいや 
15:32 (salem) パチュリーさんも納得の理論ですよね^^^
15:32 (zond_) ですよね^^
15:32 (nanasina_) ^^
15:32 (nin-ken) ですね^^
15:33 (Mmoyasi) この団結力をこんなに恨めしいを思った日は無いよ!

なんだって「パチュリーを誘拐したこんな時」に───!

15:34 (salem) いじられておいしいって横でパチュリーさんが言ってると思うよ
15:34 (salem) ね、パチュリーさん
15:34 (nanasina_) パチュリーさんもなんか質問ありますかね
15:34 (Mmoyasi) 話題をそっちに持ってくなぁぁぁああああああああ!

止まらない、止まらない、止まらない───!

15:34 (salem) パチュリーさんのこともっと教えてください!
15:35 (nin-ken) もやしさんはパチュリーさんのことをもっと知りたくないんですか?
15:35 (zond_) ぱちゅりーさんわからないことがあったらいつでもIRCで質問してくれて大丈夫ですよ^^
15:35 (nanasina_) もやしさんとの出会いを
15:35 (nanasina_) 三行で

突然、視界が、暗転した。
───殴られた?パチュリーに?

(ごめんね。でも・・・よし、今のうちに、なんとか助けを求めないとっ!)

15:36 (Mmoyasi) さらわれたたすけて

(パソコンの操作なんてワカンナイ。キーボードなんて触ったこともほとんどない。)

キーボードから文字を懸命に探し、人差し指で必死に叩く。
ローマ字入力ではなく、かな入力だった事が、彼女には幸いだったのだろうか。

15:36 (salem) パチュリーさんのタイピングか、これ・・・
15:36 (nin-ken) もやしさんなにやってるんすか・・・
15:36 (nanasina_) ひいた・・・
15:36 (zond_) どこに通報すればいいんだ
15:36 (salem) 異変解決は神社っすかねー
15:37 (nin-ken) とりあえず咲夜さんにも連絡しないとね

(信じて、お願い───!)

15:37 (Mmoyasi) たすけ

───文字は途中だったが、エンターは押された。
まさか、パチュリーがここまでするとは思わなかった。辞書で殴る描写は見たことがあるが、辞書の角とは。
タイムラインを見る限り、二分は朦朧としていたのか。いや、そんなことより───

15:37 (maru9) ネタじゃなくて真面目に事件じゃないのこれ・・・
15:37 (zond_) パチュリーさん、はやく住所をさらすんだ!
15:37 (nin-ken) パチュリーさん待ってるんだ!
15:38 (salem) やばい、タイピングが止まったぞ、パチュリーさんが心配だ
15:38 (nin-ken) パチュリーさんどうしたですか助けたいです
15:39 (zond_) ぱちゅりーさん監禁事件
15:39 (zond_) これはまずい
15:39 (nanasina_) パチュリーさんが危険な状態にいるのは確か
15:39 (salem) パチュリーさん、脱出するためにまずは窓から見える景色を教えてくれ
15:39 (zond_) 魔法使えなかったら体力がマッハ

パチュリーの両腕ををタオルで縛った。どうしても縛りたくはなかった。だけど、仕方ない。
その時間の空白に。
───なんてこった、感づかれた。

15:39 (Mmoyasi) 私がパチュリーさんに手をかけるわけないぢゃない!

苦し紛れもいいところだ。墓穴を掘ったと言ってもいい。

15:39 (nin-ken) みなさんどう思います?
15:39 (salem) 縛ったのか・・・
15:39 (nanasina_) 怪しすぎる
15:39 (zond_) 確実に何かが起こってる
15:39 (nin-ken) ええ、緊急オフ会ですね。場所はもやしさんの家で、東京連中で来られる方は今すぐ。
15:40 (salem) ああ。110にも連絡だな

インターネットは匿名ではない。
顔出し配信。オフ会。名前晒し。
プライバシーの保護が叫ばれる中、ネットでのプライバシー保護のモラルは低下している。
スーパーハカーが居なくても、ある程度仲がよいだけで、情報を得ることができているのだ。
───彼らは、特別仲が良かった。

nin-ken: もやしさん!馬鹿なことはやめて、早くパチュリーさんを解放するんだ!

それが、この結果だった。

salem: (まて、ここは誘拐犯の要求を
nin-ken: (了解した
nanasina_: もやしさん、あなたの要求はなんですか!

ほっといてくれ。パチュリーと2人だけになりたいんだ。
もう、やめてくれ。うんざりなんだ。パチュリーだけ居ればいいんだ。
静かに──暮らさせてください。

nin-ken: パチュリーの笑顔はもう見れないぞ!!
salem: そんなことをして、横にいるパチュリーさんが嬉しいと思っているのかー!
salem: 現実に来たルイズさんもサイト君をずっと探してたんだぞー!
nin-ken: パチュリーさんの意見を尊重しないで、何が愛かー!

皆わかってくれよ──

丸宮巡査: おい やめろ
損戸警部: 警察だ。容疑者の精神が不安定、これ以上の刺激は危険です。危ないから下がっていて下さい。
nin-ken: わ、わかった・・・

俺だって・・・・・・叶わないことはうすうす知ってたよ・・・・・

損戸警部: 強行班は突入の準備・・・
nin-ken: 悪気はあったけど、もやしさんのこと好きだよ、だから警部さん・・・
損戸警部: 指示が入ったらすぐ動けるように!
丸宮巡査: スタングレネードの使い方は訓練どおりだ、耳栓わすれんなー

なら、もう誰も共感してくれないなら・・・・・・・・

「いっそ、パチュリーもろとも!」

salem: おいばかやめろ
nin-ken: おいばかやめろ!
ikukyu-: おいばかやめろ!!
損戸警部: 突入だー!
丸宮巡査: お前の白玉楼、ねーから!!!!!

丸宮巡査達、強行班の突入が開始された。

「お前らが!お前らがこうしたんだ! 」

窓の外に向かって叫び続ける。

「何も言わなかったらこのまま平和にいられたものを! 」

nin-ken: ダメだ、完全に錯乱してやがる・・・

「壊したのはあんたたちだ!もう限界だ! 」

損戸警部: 狙撃手!
任兼警部: 当たれ…ッ!

任兼警部は、発展途上ではあるが素晴らしい腕の狙撃手であった。
警察で専門の訓練を受け、トップの成績を残していた。
忍耐強く集中力のある彼だったが、隠れる場所の無い100Mからの狙撃が、彼の初仕事だったのだ。

気付かれてしまった。犯人に、ではなく、その横で怯えながら、警察のほうを見ていた彼女に。

『危ない、もやしさんっ!!』

窓ガラスが、壁が、彼が、彼女が、赤く染まった。

salem: なっ・・・民間人に被害がでたぞ!
損戸警部:なにをやっている!突入班!速やかに犯人と人質を確保!それから救護班!

「なぁ、パチュリー、こっちを見てくれよ・・・・? 」

丸宮巡査:ザーザー・・・ちら突入班・・・犯人・・・拘束した・・・・・・オーバー・・・

「いくきゅ・・・・・・・・さん」

救護班の担架に運ばれていくのは、パチュリーではないと、今はっきりと自覚した。

「貴方は関係ないだろう!死ぬのは俺だけでいいんだ!」

損戸警部:はやく救急車へ!
salem: あの人・・・パチュリーのコスプレをしている・・・だと・・・!
nin-ken: なん…だと…!?
salem: まさか・・・「隣にいるパチュリー」さんとは・・・!
nanasina_: なん・・・だと
salem: なんてこった・・・
nin-ken: あんたって人は…

「俺はそんな簡単なことにも気付けなかったのか・・・」

遠ざかってゆくサイレンの音の中、彼はとても悲しい現実を見た。

「パチュリーなんて、どこにもいなかった」

そして、もう一つのサイレンと共に、夕暮れの町に消えていった。
誰も、何も言えなかった。


9月20日に起きた、郊外マンションでの立てこもり事件の犯人は───

「今更許してもらおうなんて思ってないさ・・・」

───パチュリーを傷つけたことだけが僕の後悔だ、と供述しており───

「でもパチュリーへの思いは本物だった、それだけは彼女に伝えてくれ」

───引き続き、動機を調べています。


+ ~第二章~
Mmoyasi: ふぅ、ちょっとラジオ体操して汗流してきました
⑨: はい トアル^p^
どs: 獄中での生活はどうだい、新入り
Mmoyasi: あ、どうも

9/22 早朝。
あれから俺は、パトカーに乗せられて、この○ヶ崎刑務所に身柄送検された。
検察官とのやりとりは、正直思い出したくも無いし、語りたくも無い。
現行犯だから、当然のように身柄は勾留、もちろん起訴され、裁判は明日。

どs: あー、そこにいる⑨ってやつは地方なまりでタオルをトアルって言うんだぜ
⑨: あんちゃん、なんでこんなとこはいったんだ^p^

まったく、なんでだろうな。どこで間違えたのか。
自分にとっては全て正しかったのだから、それはつまり全て間違っていたのか。

Mmoyasi: そうですね・・・もう色々吹っ切れちゃって、つかまる前よりむしろ清々しいです
⑨: トアルついでに洗ってきてやるー^p^

どs: あんたあの「妄想オタク立てこもり事件」の犯人だってな
エース: あぁ、あんたかあの事件の人は・・・
Mmoyasi: あの時は、流石にどうかしてたと自分でも思いますよ。

あの時は───「パチュリー」が撃たれるまで、本当にどうかしていた。

Mmoyasi: むしろあのまま明るみに出なかったらと思うと、自分でもゾッとします
どs: そっか・・・オタクってのは業な生き物なんだな
⑨: オタクとかキモイとしか思ってなかったぜ^p^
Mmoyasi: ふふっ、でも楽しかったですよ?それはそれで

言った瞬間に後悔した。自分が楽しかった事のせいで、罪もない人を───

エース: おい あんちゃん俺らにもオタク系なこと教えてくれよ
どs: そうだな、あんたの嫁だっていう「パチュリー」って人のこととかな
⑨: そうだな パチュリーって子のことおしえてくれ^p^
Mmoyasi: あ、その人は、もう・・・・・・・・・いいんです

───傷つけてしまったのだから。



─── 少女密室 第二部 刑務所編 ───



刑務所での生活なんて、時間的な余裕は皆無だ。
7時前にチャイムで起こされ、着替えをして布団をたたみ、朝の体操。
房内を清掃、洗面を済ませ、呼称点検を受ける。朝食を取り後片付けを行い用便を済ませる。
そして、8時頃より作業工場に行進で出役する。
俺の場合は、取調べの続きだった。

───役務が終わり、16:30頃、呼称点検。すぐに夕食となり余暇時間となる。

どs: オタクの業界じゃ有名な子なんだろそいつ
エース: またこの流れか
どs: 天丼はお約束だ、お前も食うかい新入り

今日は月に一度の丼物の日らしい。
どうでもいいが、天丼は笑いのネタの繰り返しの事だったと思う。笑えない話の繰り返しではない。

Mmoyasi: もう・・・どうしようもないほど、嫌われちゃったと思うんで・・・・

好きな人に似ていたから誘拐した、なんて。
パチュリーって人が聞いたらどう思うだろうね?と、検察のオッサンにも言われた。

エース: あれ?お新香にソースは流石に間違えたかな・・・・・
下っぱ: いいえ、あっております
⑨: えっ
エース: エッ

───いつまでも沈んでいるわけにはいかない。無理にでも話をしよう。

Mmoyasi: でもでも、彼女が出てくる「東方」っていうしゅてぃんぐゲームがありましてね!

───わかっていたことだが、話をしようとしても出てくるのはオタクな話だけ。

Mmoyasi: それはすっごく面白いのでお勧めですよ!
⑨: おぉ、天丼かい!? カツどんのがいいだろ、どsさんよ
妊娠: おぉ、なんだ、新入りか? 俺はここで他の囚人をまとめてる者だ。よろしくな。
どs: おいおいまるきゅーさんと意見が分かれるたぁ珍しいねえ
⑨: にんしんのだんなオハヨーッス
Mmoyasi: あ、にんしんさんどもです

そりゃあ、流されるわけで。

どs: で、どれなんだ新入り、天丼かカツ丼か親子丼か姉妹丼か。・・・もやし丼か?
⑨: あっ俺もやし丼がいいな
Mmoyasi: どつきまわしますよ?(ニコッ

もやしというのは自分のハンドルネームだ。
その名で俺を呼ぶあいつらの映像をニュースで見たんだろう。
自覚できるほど神経質になっている今は、些細な事でも笑いのネタにされたくなかった。

⑨: あっ・・さーせん・・ カツ丼で。
妊娠: 人には誰しも触れられたくない部分ってのがあってだな…
どs: まだ事件直後でギスってんだなあんちゃん

───わかってるならネタにしないでほしい。

Mmoyasi: いや、いいんですよ。あんまり引きずる男って言うのも───

───あんまり引きずる奴ってのも、彼女は嫌いだったしな。

⑨: ん?にんしんの兄貴そんなこというんっすねww見直しましたよ
妊娠: バーローwwwwおめぇ俺だって一応ここまとめてるんだそれくらい言うさ
⑨: そうっすねwwサーセンwwwやっぱにんしんの兄貴は頼りになるぜ
エース: 人格者すぎて不正した政治家ぶっころしたニンシンの兄貴だしな
妊娠: おいばかやめろ、空気が固まるwww
どs: ちなみに俺はSMクラブで女王様を逆にムチで打ったら怖いアンチャンが来てだな・・・
妊娠:話を逸らすのが下手糞なんだよ黙ってろwww

余暇時間を騒がしく過ごしていたら、突然右肩を掴まれた。振り返ってみると、
───なんだこのプレッシャーは。とでも言いたくなるような。
眼帯をした、スキンヘッドの屈強な大男がそこにいた。

肉球: おうっす 新入りか?
⑨: あ、肉球さんちーっす。こいつは新入りのもやしって奴でさ^p^
肉球: 何で来た?殺しか?

単刀直入かつ無遠慮な物言いだ。
肉球と呼ばれていたが、お前のその姿形はどう見ても肉ダルマだろう。
などと、つまらない事を考えながら、何も言わずに黙っていると───

肉球: いいじゃねーかよ、少しくらい聞いても。じゃあ一文字でいってくれ

───こんなことを言う。
凶行とも暴走とも言えるが、これでは某元総理だ。責任は一文字じゃない。
だったら何だ。一文字にするとしたら。自分がやってしまった事。それを一文字で言うならば。

愛。

Mmoyasi: ・・・その一言に集約できると信じたいですね

今でも未練タラタラだ。やりなおせるなら戻りたい。
やったことは許されないだろうけど、自分にはまだやるべき事がある。
パチュリーへの愛は消えていない。幻想郷だって見つけていない。そしてなにより、
刑務所で罪を償うよりも、やらなきゃいけない事があると気がついてしまっている。
その未練も含めた、たった一文字。

肉球: 愛・・・
妊娠: こいつぁ、目から鱗だぜ…
⑨: ぶわっ・・
肉球: おい、こいつ逃がすぞ。手伝え
⑨ おいまてよそんなことしたら^p^

───え?

妊娠: オーケー、俺もこいつのことは気に入った 手伝おう。
⑨ :俺たちが・・ただじゃすまないぞ!
Mmoyasi いや、皆さんにそんなご迷惑、は、あの、
肉球: 愛のために入ってきたやつなんざ娑婆にでもいろ

───待ってくれ、逃がすってどういう事だよ

どs: まだだぜニーサン達、裁判を待ったほうがいい
妊娠: なら、それが終わってからだな
どs: 裁判は明日朝なんだろ?今夜は消灯ちけーし、意見まとめときな
肉球: なら明日実刑だったら、俺がいつもどおりに暴れる
どs: じゃー俺は先生方()を呼んで陽動の役目だな

───これ以上、関係ない人を巻き込むのか俺は・・・!

Mmoyasi: っ・・・!やめてください!もう誰も巻き込みたくないんだ!
妊娠: ・・・もやしさんよ、巻き込むってのは間違ってるぜ・・・俺らがあんたを巻き込んでるんだ。
肉球: へっへっへ・・・
⑨: にんけんの兄貴・・これだからお供したくなるんdぜ・・
どs: まあ青鬼と呼ばれてるあの先生様()だ、失敗したらやべーから慎重に逃げろや
肉球: だから気兼ねは不要、遠慮なく娑婆に出るこったな

───21時、消灯就寝。

脱走?俺が?
確かに、俺にとっては脱走も厭わない未練だ。

グズグズと刑務所で過ごすヒマもないだろう。
これだけは、やっておかなくちゃいけない。

覚悟を決めろ。未練があるまま終わりにはできない。

───そして、裁判の日。

肉球: さぁ・・・今日は気合い入れないとな。実刑じゃなきゃよし
妊娠: …だな
どs: まだ結果でてねーんだ、裁判が終わるまでは落ち着いてようぜ
⑨: とりあえず みんなお茶でものんでさ
肉球: おう すまねぇ
Mmoyasi: あ、どうも

刑務所での唯一の収穫はこれだ。緑茶って旨かったんだな。

妊娠: そんときはそんときだ、なるようになるぜ・・・っと、悪いな
⑨: あれもやしさんお茶 茶柱たっとるやん
Mmoyasi: ぁ、ホントだ・・・

幸運の象徴だったか。少年誌の、やたら幸運なヒーローの漫画で見たことがある。

妊娠: おぉっ、幸先がいいじゃねーか
⑨: なんかいいことありそうやね^p^

ささいな事だが、あやかりたいと思ってしまうのは、やはりこういう状況だからか。

どs: 今日のニュースは・・・熱帯雨林の伐採所が閉鎖、これで8件目、か。
妊娠: へぇ…やれ地球環境だのやれエコだの言われてるからねぇ
どs: 次のニュースは・・・あーこれ9/20の妄想オタク立てこもり事件か・・・
Mmoyasi: っ・・・・!

ビクン、と体が震える。

どs: 今日裁判だってよ、お前ニュースに顔出たぜ・・・まあ頑張って来い
⑨: 大丈夫俺らがいる^p^
妊娠: あぁ、安心して行ってこい
Mmoyasi: ・・・はい!

ワケもなく、心強かった。

どs: 丁度インタビューだな、「マジオタクとかありえない、一生裁判所でいてほしい」ねぇ。
エース: このガングロけばいなー
妊娠: けばいなー
⑨: こういうやつは風呂入ってないな^p^
Mmoyasi:悪役レスラーの娘、って感じの顔してますね

そもそも、裁判所じゃなくて刑務所だろう。
どうせインタビューするなら、その時代遅れのガングロなんかよりも、
一緒に歩いてるスイーツかロリにすればいいだろう───

どs: おい、青鬼が呼んでるぜ、もやしっ子

───つまらない事を考えている場合じゃなかった。
今は自分の事だけを考えなければ。

Mmoyasi: もう時間ですか・・・・行ってきますね
⑨: あっそうだ、もやしさんこれを・・

───これは・・・パチュリーが身に着けていた、月のアクセサリー?

⑨: お守りです
Mmoyasi: 何故、貴方がこれを・・・・?
⑨: いや・・お恥ずかしい話・ここにはいるまえはそっち系だったもので・・

───同志か。そんな素振りは無かったが。

Mmoyasi: ・・・ありがたく受け取っておきます。
⑨: まぁ・・・お守りになればいいです・・
どs: おいおいあんた、隠れオタってやつだったのか
⑨: イヤッ みないでくだしゃ
妊娠: ・・・さて、お前ら無駄話はskmdd  もやしの坊主が出る時間だ

───いよいよ、だな。結果は見えているけれど。

⑨: がんばってきてくださいよ!
妊娠: きっちり自分の言いたいこと言って、悔いが残らねぇようにな!


───この月の感触。やっぱり未練があるよな、俺。


























最終更新:2009年09月23日 01:27