『好き、で・・・す。シェリ、ル・・・さ、ん』
それは真っ赤な顔で、震える声で、ひどいぶつ切りの言葉で。
そしてありったけの想いの込められたあのコの告白は、どうしようもないくらい私の胸を貫いた。
どういう台詞であのコに私が応えたかは、まあ企業秘密ってことにしておくとして。
大切なのは今、あのコと・・・ランカちゃんと私が、恋人関係にあるってこと。
- でも告白された時、思わず噴き出してしまったのは悪かったかしら。仕方がないじゃない。だって『ああ、やっぱりな』って思っちゃったんだから。
何故って?それは簡単。・・・あのコに告白されて、素直に、凄く、嬉しいと感じたからよ。
だから『やっぱりな』って。・・・私もあのコが好きなんだって。わかっちゃったから。
- ああもう恥ずかしい。こんなの、私のキャラじゃないのに。でも、もう一度だけ言うわよ。
仕方が無いじゃない、好きになっちゃったんだから。この私、シェリル・ノームが。
そんな夢を見た。
そんな夢を見たのは、ランカ・リーという名の少女で、彼女は宇宙に今をときめくスターである。そして彼女は同じく先輩大スターであり、歌手としてのライバルであるシェリル・ノームの恋人でもあった。
二人の少女が晴れて恋人関係になったのは、かのバジュラとの闘いが終結し、彼らとの和解を成し、彼らの母星、その大地に脚を踏み入れてから割と直後のことである。
同性でありながら何時の間にか恋慕の情を抱いていた憧れの『銀河の妖精』は、今や文字通り自分の手の届くところにあり・・・あれ?
「ひゃっ!?」
手どころか、唇さえも触れられそうだった。今がその時だ。熱くなれ夢見たシェリルを・・・
などと軽く沸騰して混乱しそうになったになった頭をどうにか冷やそうと、一度枕に顔を突っ込む。
そして改めて元の位置に顔を戻してみると・・・いた。
そこに、銀河の妖精ことシェリルは、すやすやと眠っていた。
(ひゃあああああああああ・・・・・・)
色っぽい。それ以外にとりあえず言葉が思い浮かばなかったのはどうなんだろうか。
しかしやっぱり色っぽいものは色っぽくてどうしようもないのだ。
それは恋人同士になってある程度の時間は経つ。ひとつのベッドで一緒に寝たこともある。・・・所謂性的な意味も含めて。
それをしても、目を覚ましたら隣に恋人が・・・それもぐっと美人な恋人が『・・・ぅン』なんて小さく寝息をたてながら
眠っているというのは、
なかなか心臓に悪い。それで死ねたらある意味幸せかもしれない。勿論、絶対に死にたくは無いけれども。
(シェリルさん、昨晩は仕事で遅くなるから先に帰ってって言ってたけど・・・)
現在、兄と二人暮しをしていたアパルトメントから出たランカは、一人暮らしの身分である。
シェリルとは恋人らしく部屋の鍵の渡し合いをしていたりするが・・・
(き、昨日は来るって聞いてなかったよぉ・・・。それに・・・)
ごくり、と思わず唾を飲み込むランカ。目の前のシェリルは、「何時もの様に」下着も身に着けずに・・・
即ち全裸で眠っているようだった。肩口から覗く素肌が、その証明だ。
体型を崩さないようにする為よ、と本人から聞いてはいたが、なかなか真似出来るものではない・
(あんな夢まで見ちゃったし・・・わたし、なんだか・・・)
そんな夢を見たのは、愛しい恋人がちゃっかり手を握って離さないまま眠りについたからだ、と考えるランカ。
- 実際はかつての出来事に由来する二人の間のフォールドウェーブがどうのこうのなどと理由があるのだが、
ランカにとっては知る由もなく、どうでも良いことでもあった。
(・・・責任とって・・・キ、キス、させてもらっても、いいよね・・・?)
再び生唾を飲み込む。そういして、ゆっくりと恋人の唇に自分のそれを近づけていき・・・
途端、抱きしめられて、キスされた。
「~~~~~~~~~~~ッ!!?んん・・・んんんんっ!!!」
どうやら目の前で狸寝入りをしていたらしい、銀河の妖精改め銀河の小悪魔に。
甘くて深い口付けは10秒以上も続けられ、そろそろ息が苦しくなってところで漸く、名残惜しむようにゆっくりと、唇が離された。ツ・・・と二人の間に結ばれた唾液の橋が淫靡に輝いた。
「・・・ン、フフ。・・・おはよう、ランカちゃん」
シェリルさん。わたしの愛しい愛しい貴女。でもその悪戯が成功して大いに喜ぶ子供のような笑顔は、ちょっとムッときます。・・・それはそれで可愛らしいなんて、お、思ってないんですからねっ。
「もう、ランカちゃんってば。そんなに拗ねないでよ。・・・ま、サプライズでこうして横で寝てたら、きっと私のランカちゃんは『ビックリして、でもドキドキして、そして恐る恐るキスしてこようとする』んじゃないかって思ってたけど・・・ってだから、ランカちゃんってば」
知りません。わたしがこうして身体を横に向けたのはシェリルさんに怒ってるからで、決して紅くなった顔を恥ずかしくて見られたくないからとかなんかじゃですねっ・・・
「もう、可愛いんだから」
「・・・頭、ぐしぐししないでください・・・」
「でも、気持ちいいでしょ?」
だから知りませんっ。裸の胸、お、押し付けないでくださいってば・・・
「ねえ、ランカちゃん?」
「・・・何ですか?」
「しても、いい?」
そうくるんですね。やっぱりそうきちゃうんですよね。と言うより、裸で隣で眠ってたのも、全部そこまで狙ってのことでしょう。そんなんですよねシェリルさん?
「そこまでわかってるなら話は早いわね。・・・ね、最近ちょっとご無沙汰だったじゃない。ランカちゃんも・・・私と同じ気持ちじゃなかった?」
「・・・そんなの、言わせる気ですか?」
「それは肯定と受け止めるわよ」
・・・好きにしてください。わかってますよ。シェリルさんがわたしを、心の底から大好きでいてくれてること。
- そしてわたしも、シェリルさん以上に、何時だって愛し合いたいくらい、大好きだってことも。
「ッ・・・ランカちゃん。・・・・・・・・大好きッ」
「・・・わたしも、です」
だから振り向いて、キスしてあげます。不意打ちではなく、貴女と愛し合う為のキスを。
強く抱いたら壊れてしまいそうなほど、繊細で、柔らかなランカちゃんの身体。
だから優しく抱きしめてあげる。伝わってくる温もりが、とても心地よくで好き。
ランカちゃんも私のこと、そんな風に思ってくれているのかしら?
「ンッ・・・」
お互い生まれたままの姿で、抱き合って口付ける。触れるだけのキスから、徐々に唇を啄ばむ様に、そして舌を絡めるように。それでも足りなくて、私はランカちゃんの口内を思い切り舐り回す。
「ふあっ・・・ん、あ・・・」
ぢゅ、ぐちゅ、とイヤらしい音を立てて、私とランカちゃんの舌が絡み合う。多少意識して乱暴に攻めている私に、それでも必死で応えようとしてくれる、愛おしいアナタ。
「シェリルっ・・・さん・・・」
「ランカちゃん・・・好きよ・・・」
一端唇を離して、そんな言葉を交わして。また彼女の顔を引き寄せて。
- もうキスだけでどうかなってしまいそうな程に、甘い。とても、甘い、この時間。
「ひぁっ!い、いや・・・シェリルさぁん・・・!」
勿論ただキスだけで終わらせるつもりなんてなく、首筋にも舌を伸ばしながら。
ランカちゃんの薄い草むらに包まれたピンク色の割れ目に、そっと指を伸ばして、優しくかき回してあげる。
「んんっ・・・!そこはぁ・・・っ、あ、あう・・・!!」
「凄いわねランカちゃん・・・もう、こんなに濡れてるわよ・・・」
そう言って差し込んだ指を引き抜いてみれば、ツ・・・と透明の蜜が糸を引いて。それをわざとランカちゃんに見せ付けるようにして、クチュ・・・と口に含んでみれば・・・フフ、顔真っ赤よ?ランカちゃん。
「そ、そんなの、仕方が無いじゃないですかっ。わ、わたしが・・・。シ、シェリルさんのこと・・・好きだから、大好きだから、身体が勝手に反応しちゃうんですっ!」
あら可愛い。嬉しいこと言ってくれるじゃないの。お礼にもっともっと気持ちよくしてあげるから。
「ひ、ああ、あうんっ!そこ、だめ、だめぇ・・・っ!!」
ランカちゃんの小ぶりだけど形のいい胸の突端、ピンと勃った乳首を口に含んで、舌で弄んだり、吸い上げてみたり。勿論下のオクチも容赦なく・・・もとい、優しく弄ってあげて。
あらランカちゃん、もうイきそうなの?身体、小刻みに震えてきてるわよ。
「や、そんな、は、あ・・・!シェリル、さ・・・もうっ・・・イッ・・・うんんんんんんんっ!!!」
あらあら、唇をギュッと結んで、恥ずかしい声を聞かせないようにしたつもりかしら。そんな態度が私には余計にキュッときちゃうわよ、なんて。それに声は出さなくても、貴女のあま~い、蜜はほら、
こんなに・・・ね?
「はぁ・・・はぁ・・・もう、イっちゃった・・・」
「ウフ♪あいかわらず可愛かったわよ。久しぶりだから、何時も以上に感じちゃったんでしょう?」
「そ、そんなこと・・・!・・・あるかもしれませんけど・・・」
素直なコは好きよ。さて、それじゃ・・・
「次は・・・私の番ね?」
「・・・はい」
攻守交代♪ランカちゃん、腕を上げてるかしら?
聞かせてもらいますね。シェリルさんの一番キレイで、可愛い声。
「あんッ・・・ランカちゃん・・・」
そっと組み敷いて、柔らかい胸を包み込むように触れて、そっと揉みあげて。
そうすればシェリルさんは、胸と同じくらいに柔らかい声で喘いでくれる。
「ん・・・ふぅ・・・あ、は・・・」
震えてるその胸、しっとりと汗で濡れて、乳首はわたしの愛撫にピンと起き上がっていて・・・
シェリルさん、エッチです。すごく色っぽくて、エッチです。大事なことなので2回言ってみました。
「もうッ・・・ランカちゃんのせいで・・んッ」
そのエッチな桜色の乳首をそっと口に含んで、ちゅっと吸い上げてあげれば、
今度はお腹から上がってくるような、くぐもった艶声が出る。わたしだけが知ってる、わたしの為だけのステージに立つ、
シェリルさんの歌声。・・・違うかな。わたしと、シェリルさんの為のステージなんだ。
「ランカちゃんッ・・・!もう・・・胸ばっかり好きなんだから。まあこのあたし、シェリルの胸を生で触れるなんてランカちゃんにしか許してないんだから、ずっと触っていたい気持ちもわかるけどね」
そんな風に考え事しながらシェリルさんの胸を愛撫していたら、ちょっと怒られてしまった。
そんな事を言いながら文字通り胸を張るシェリルさん・・・照れ隠し可愛いです。でも、確かにこのふわふわの胸にずっと触れていたくなる気持ちも確かにありますね。
「と、とにかく。胸だけじゃ・・・ダメでしょう?」
・・・はい。もっと触れさせて、もっとキレイで可愛い声、聞かせてください。
「ええ。・・・あたしも、アナタに聞いて欲しいわ。シェリル・ノームの一番の声を、ね」
そこで軽く触れ合う程度のキスをする。わたしの愛しいシェリルさん。どうか歓喜の歌を。
「んッ・・・ふぁ・・・!」
シェリルさんの脚を、ちょっとかわいそうだけど大きく広げさせてもらって、
迷わずとろける秘所に口付けて。溢れ出るシェリルさんの香りと嬌声に酔い痴れながら、舌を差し出した。
舐めて、啜って、思う存分にシェリルさんを味わう。この快楽、快感だけは、
どんなステージに立っても得られるものじゃないと思う。ねえ、シェリルさんもそうでしょう?
「知らッ・・・ないわよ、もう・・・!あ、あんッ・・・ランカちゃん激し・・・過ぎッ・・・ひゃ、あん・・・!」
同意は得られず、でもそんなの関係ありません。わたしランカ・リー、止まりません。
表面を蹂躙して、中で暴れて、そのぷっくり膨らんだ小豆を舌で弾いて。シェリルさんの世界で一番キレイな声を、堪能させてもらいます。
「ランカ、ちゃ・・・私、もッ・・・くぅぅ・・・!」
シェリルさん・・・イきそうみたい。中がしまってきたのがわかる。身体の小刻みな震えも激しくなってきた。
- ああ、もうすぐ聞ける。世界で一番愛しい人が絶頂を迎える、その甘美な瞬間に放たれる声。・・・さあお願いします、シェリルさん!
「ひゃあ、ぁんッ!!ランカちゃ・・・、ィッ・・・・・くうううううううううう!!!」
その瞬間。わたしの顔にはシェリルさんのそこから噴き出した愛液が飛び散ったけれど、まったく気にならなかった。シェリルさんのその声を聞けたから。そしてわたし自身も全身から溢れ出るような快感で満たされていたから。・・・ちょっとだけ、イっちゃったかもしれない。
「はぁッ・・・はぁ・・・ふぅ・・・」
肩で息をするシェリルさん。わたしはゆっくりと顔を上げて、絶頂を迎えた直後の、そのとろんとした表情を見つめた。・・・うん。やっぱり世界で一番キレイで、世界で一番カワイイです。
「もうッ・・・そんなことばっかり言って・・・まあ、私は、銀河の、妖精なんだから、当たり前の、評価では、あるけどね・・・」
呼吸も落ち着いてないのに、そんな風に胸を張るシェリルさん。はい、やっぱりシェリルさんはそうでなくっちゃですよね。
「そうよ?私はシェリルなんだから。・・・さて、それじゃあ・・・」
「ひゃっ」
急にシェリルさんはにんまりと笑ったかと思うと、わたしの秘所にすっと手を伸ばしてきた。
くちゅ、と音を立てて少しだけ指を入れられる。
「私のアソコを存分に味わいながら、自分もこんなにしちゃってたのよね?ランカちゃんってば、エッチなコね?」
うう、否定はしません。そうです、それもシェリルさんがいけないんです。シェリルさんがあんなにエッチな声を上げるから・・・。
「そう?それじゃ私がそんな声を出しちゃったのもランカちゃんの責任ってことで・・・お互いに、責任を取り合いましょうか」
フフッと微笑むシェリルさん。そうですね、わたしもそれに賛成です、と笑い返した。
「ん・・・それじゃ・・・」
前戯の、キスを交わして。シェリルさんは、わたしを優しく組み敷いた。
今度は、世界で一番幸せなデュエットを。奏でましょうね、二人で。
「ええ・・・一緒に、気持ちよくなりましょう」
「あぅん・・・」
私とランカちゃんの脚が交差して、股間が重なり合う。
「はぁ・・・ん・・・」
わたしとシェリルさんの、一番大事な所が触れ合う。
「あ、はッ・・・く・・・んん・・・ふああ・・・」
「う、ん・・・あぅっ・・・い、い・・・で、す・・・」
ゆっくりと腰を動かし始めると、ランかちゃんと私の柔らかな茂み同士が絡み合って、くすぐったくて、でもとても・・・温かい。
シェリルさんの動きに合わせて、わたしも腰を浮かせる。粘膜が擦れ合って、クチュクチュ音を立ててる・・・恥ずかしいけど、でも本当に、気持ち良い。
「ランカちゃんッ・・・んくッ・・・!いい、わよ・・・!」
「シェリル、さん・・・んああっ!わ、わたしもっ・・・!」
可愛い。気持ち良い。もっと。もっと、このコがほしい。このコの事しか考えられない。
シェリルさん。シェリルさん。シェリルさん、シェリルさん、シェリルさんっ・・・!
「んッ!ひぅ・・・ランカ、ちゃん・・・そこは・・・ッ!!」
「あうっ・・・ここ、擦れ、て・・・気持ち、いいでしょう・・・っ!?」
そんなの言うまでもないわよ。すっかり赤くなって膨らんだ私の陰核とランカちゃんのそれが、ピンッと弾きあって、もう意識が飛んでしまいそうなくらい快感でッ・・・!
シェリルさんとわたしの敏感な所、擦れ合って、グチュグチュいってる・・・!わたしのがシェリルさんの中に、シェリルさんのがわたしの中に入ってくる・・・!
「ランカちゃん・・・ッ!私、もう・・・イッちゃいそう、んッ・・・!!」
「わ、わたしも・・・!そろそろっ・・・だめ・・・!」
私の空虚の輪郭をそっと撫でてくれたランカちゃん。転がり出た愛の言葉-
シェリルさん。私の、愛しい人。大好きなあなたに、わたしのことばを、ひとつ-
「も、う・・・イ・・・クッ・・・あ、あああああああ!!!」
「シェリル、さ・・・あ、ひ、ああああああああ!!!」
-愛してる-
「・・・・・・・・相変わらず幸せそうで、いいこったな」
やれやれ、と青年は溜息をついた。携帯に送られてきた『友人』二人の実に良い笑顔で映ってる写真を見てのことだ。
「何回目だこれ。ノロケられる相手くらいほかにいないのか?」
「そりゃ、お前が何だかんだで二人がくっつくのに尽力したからだろ。ほれ、本文見てみろよ。『アルト君へ。その節は本当にお世話になりました。おかげで今わたしはとても幸せです』だと。・・・ククッ。いやマジで幸せそうだな、彼女たち」
そんな青年に笑いかける眼鏡の青年一人。隣ではまったく仕方がない奴だ、とか言いながら青色の髪を二つにまとめた少女が頭を振っている。
「・・・。だいたい、もう一度言うが、ほかにいないのかよ。普通こういうのは女友達なんかに送るべきメールだろ」
「いやあ・・・そこはあれだろ。なあ、クラン?」
「わたしに振るな、ミシェル」
「・・・直接言わないようになったから、殴りつけるのだけは勘弁してやる。有難く思えよ、ミシェル」
そりゃどーもと肩をすくめる友人を睨み付け、長い髪を後頭部で結わえた青年は、空を見上げた。
「・・・お前達のと、お前達の居場所は、俺が守ってやる。・・・だから、せいぜい幸せに、な」
浮かぶ表情は、笑顔。
この星は、今日も暖かい。
おわり
最終更新:2011年08月28日 11:25