『一緒に』(565氏)

「アルトくーん」
私の…私のランカちゃんがなぜかアルトと仲良くデートをしている。

しかも私のデートの誘いを断って。
偶然私が街を歩いていると2人を発見してしまったという訳だ。

で、こうして後をつけている。

確かにアルトとランカちゃんは仲が良い。
私も普通にアルトとは仲が良いし。
でもこういう光景を見てるとなんかこう胸が締め付けられる。

もう2人の前に出て行ってみるしかない!!
2人に近付き声をかける。

「ランカちゃん、何をしてるの?」
普通に言ったつもりだが少し声が低くなってしまった。

「シェリルさん!?あの、これはちょっとアルト君に買い物に付き合ってもらってたんです」
なんで?私と行けば良いじゃない。

「そう…私とは行きたくないのね」
泣きたくなって俯く。もう帰ろう。

振り返り元来た道を戻ろうとした。自然と早歩きになる。

「シェリルさん!!」
私を呼ぶ声が聞こえたがそのまま歩く。

「ランカ。早く追い掛けろ。あいつなんか誤解してるみたいだからちゃんと話せよ。」

「うん。行ってくるね。アルト君、今日はありがとう!!」

「頑張れよ。2人とも」
アルトは2人の背中を見守っていた。



「シェリルさん!!待ってください」
シェリルはランカが追ってきてくれたことに少し安堵し足を止める。
シェリルは振り返るが気まずくてランカと目を合わせられない。

するとランカが駆け寄ってきてそっとシェリルを抱き締める。

「シェリルさん。私シェリルさんに何かプレゼントをしたくて…アルト君に相談して買い物に付き合ってもらったんです」

「え!?そうだったの!?私の勘違いだったのね…ごめんね」

理由を聞いて自分のためだったのかと気付くとシェリルは一気に恥ずかしくなった。

「私がシェリルさん以外を好きになるなんてあり得ませんから」

「ランカちゃん…私もランカちゃんが好きよ」
シェリルはランカを抱き締めてそっとキスをした。
「これからもずっと一緒にいましょう」

「はい。じゃあ帰りましょうか」
二人は手を繋いで一緒の家に帰るのでした。

「そうだ。アルトにお礼をしてあげなくちゃね」

「そうですね。アルト君は私達の恋のキューピットですから!!」

二人は微笑みあってしっかりと手を繋いで歩いて行く。

これからもずっと一緒に。

END

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最終更新:2009年04月18日 11:15
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