無題(2-4氏)

二人の時間。



私たちが二人きりになれる時間は少ない。


それは仕事上しょうがないことだし、二人とも分かっていることだから二人でいる時間を大切にしようと決めた。


それでもやっぱり寂しくなる時はあるわけで…

でもそういう時は早く会いたいという気持ちからか仕事が捗ったりする。


今日も案の定そんな状況なわけだ。


たまに一緒の仕事になったりするが大抵はバラバラ。


今日はランカの仕事は早く終わったが、シェリルは夜まで仕事が入っている。


なので今日はランカがシェリルの家に行き、夕食を作っておいてあげようと計画していた。

合鍵を持っているランカはシェリルの家にあがり冷蔵庫の中身を確認しようと思った。


あがってみると家は意外と散らかっていた。

(そういえばシェリルさん最近仕事忙しくて散らかってるからって言ってたっけ…)


よし!と上着を脱いで腕捲りをする。

ランカはまず片付けをしてしまおうと思い散らばっている雑誌などをまとめていく。


(なんか、こうしてるとお嫁さんになった気分かも…)

ランカは考えながら照れていた。




片付け始めて30分程すると部屋は綺麗になった。


「終わったー!次は冷蔵庫に材料があるか確認してー」

ランカは冷蔵庫を開けてみる。

「んー…買ってこなきゃ駄目かなあ」

ランカは上着を着て買い物に出かける。



無事買い物も終わり家に着くと早速作り始める。


(もうこんな時間…早くしなきゃシェリルさん帰ってきちゃう。)


















大体出来上がってきたところで玄関を開ける音が聞こえた。

(シェリルさん帰ってきた!)


ランカはすぐに玄関に出迎えに行く。


「お帰りなさい!!シェリルさん!!」

嬉しそうに迎えの言葉を言う姿はまるで犬の様だ。

シェリルは少し驚いた顔をしてから微笑む。

「ランカちゃん、来てたのね。ごめんね。散らかってたでしょ?」

「いえ!大丈夫です。片付けておきましたから。」

ランカは片付けていた時の心境を思い出してしまい顔が真っ赤になる。

一方シェリルは
(ダメね。ランカちゃんの頭に犬耳が見えるわ…抱き締めちゃっていいかしら…いいわよね)


「ランカちゃん!!」

シェリルは勢いよくランカに抱きつく。

「わっ…シェリルさんどうしたんですか?」

「ランカちゃんに会いたかった。最近仕事でも会わないし寂しかったわ」

「シェリルさん…私も…私も会いたかったです」

二人はきつく抱き締めあった。

「ところでランカちゃん」

「何ですか?」

「あれやってくれないのかしら?ご飯にする?お風呂にする?それとも私?っていうの」
ランカの顔はたちまち赤くなった。

「ダ…ダメです!!せっかくのご飯が冷めちゃいます」

「そう…じゃあ仕方ないわね…」
シェリルは悲しそうな顔をするが内心楽しんでいた。

「じゃ…じゃあ今日はこれで許してください」

シェリルが何かと思い声を発しようとした瞬間、ランカが近付いてきて唇にキスをされた。

まさかそんなことをしてくると思ってなかったシェリルは真っ赤になる。

「ランカちゃん…まぁこれで許してあげるわ」

シェリルは落ち着いたように振る舞っているが鼓動は速かった。

「あ、夕飯もう少しでできるのでちょっと待っててくださいね」

ランカは夕飯を作りかけなのを思い出したのでキッチンへパタパタと向かう。

「ありがとう、ランカちゃん」
シェリルも夕飯ができるまで休もうとリビングへと向かう。

(片付いてる…ランカちゃん本当にやってくれたのね…その上夕飯だなんて…)

シェリルは本当にいい子に出会ったと一人感動を噛みしめる。

シェリルは料理をするランカの様子を見に行こうとキッチンへ向かう。

(なんて可愛いエプロン姿なの!?)

歌を口ずさみながら料理をするランカにシェリルは抱きつきたい衝動に駆られる。


(いいわよね…久しぶりなんだし…もう我慢できないわ!!)

「ランカちゃん!!」

「わっ…何ですか?もうちょっとでできますから」

ランカの可愛らしい笑顔にシェリルはもう止まらない。

「ランカちゃん、もう我慢できないわ…」

シェリルはランカを振り向かせキスをする。
最初は触れるだけ。

そして、だんだん深く口付けていく。

「…んんっ…シェ…ルさ」
ランカは急な口付けに驚くがどんどん深くなる口付けに耐えられなくなりシェリルの服の裾をギュッと掴む。

「ん…ランカちゃん…」
何度も向きを変えて口付ける。

「ん…やぁ…ん…んー!!」

シェリルはランカが苦しそうなので一旦唇を解放する。

「…ん、はぁはぁ…シェ、シェリルさんダメです。まだ作ってる途中なんですから」

ランカは潤んだ目でシェリルを睨む。

シェリルは迷った。
夕飯を待って夜までランカをお預けか、このままランカをいただくか…

だが正直いただいてしまいたい。


「ランカちゃん?私あなたを食べちゃいたい」

シェリルはランカの背中をツーとなぞる。

「ひゃっ…ん…だ、ダメです!!」

「ねえ、いいでしょ?」

シェリルはランカの耳元で囁く。


ランカは段々もうこのまま流されても良いかもと思えてきた。

ランカはシェリルの首に腕を回す。

「…シェリルさんのばか…料理どうするんですか?」

「後で温め直せばいいでしょ…久しぶりに会えたんだもの早く貴女が欲しい」

シェリルはランカの腰に手を回し抱き締める。

「私だって会いたかったんですからね。今日は…ずっとそばにいてください」

ランカはシェリルの頬にそっと口付ける。

「今日だけじゃないわ…一生貴女のそばにいる」


久しぶりの二人の時間。

それはとても長いようで短い。

だから大切に余すことなく過ごす。

それでも二人には足りないくらい。

でもそれでも良い。

ただ貴女がいれば…



END

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最終更新:2009年05月23日 17:38
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