アットウィキロゴ

ミドル・フェイズ06
 
   では次、沖那先輩ですか?



 ミドル・フェイズ06 シーンプレイヤー:堅陸沖那


 
GM    さて、間に軽く幕間を挟んで、沖那さんです。


――


「いちいち、凝った演出を用意するのね……」


少し呆れたように、老婆が言う。


「あら、『凝る』には、疑うって字が入ってるわね」


馬鹿にするように、道化は応える。


「おばあちゃんには、必要があるとは思えないの」


穏やかな老婆に対し、


「私たちに、必要は必要?」


うふふ、と、赤い唇は言葉を紡ぐ。


「最後の仕上げよ……そして、
 なるべくなら、納得してもらいたいじゃない」


いつもの仮面を着飾って。


「私は、泣かない語り部。
 泣かないけれど笑いたい」


煙に巻くように、手を振って。


「好きにやらせて頂戴」


物語は進んで行く。


「…………」


諦めたように、老婆は目を瞑る。


――


 
GM    以上。
 
   ふむ、語り部の仮面の下、か。
 
GM    では、沖那さんのシーンです。
 
沖那    ああ
 
GM    侵食率どうぞ。
 
沖那    (ころころ)3・・・ふむ、私も安定しているな
 
GM    ですね。
 
   いいことです。
 
GM    扉を開けて、中に入ります。
   と……
   薄暗い――ここは、舞台裏。
 
沖那    ふむ
 
GM    シルクハットをかぶった人物が、慌てたようにやって来ます。

   「急いで下さい、そろそろ幕が上がります」
 
   アクスかブリキだw
 
沖那    はははw
 
GM    顔は、靄がかかったように……顔があるのに、顔が無いように。
   背けた瞬間、忘れてしまいそうな顔で。
 
沖那    「やれやれ、急がなくちゃ、なら兎だろうに。帽子屋がせかすのか、ははっ」

   歩みを進める
 
GM    舞台に上がると……
   幕が上がる。
 
沖那    「と、いってもあの様子ではどちらかというとノーバディといったところだがな」
 
GM    すすすすす ……。

   観客達の拍手……。
   どの観客の顔も、見分けはつかない。
 
沖那    それらを見やり

   (さて、折角用意してくれたようだからな…一曲ぐらい付き合ってもらおうか)
 
GM    ――曲がかかります。
 
沖那    ん?私の選曲でいいのか?
 
GM    良いですよ。
 
沖那    ふむ、では


息を吸い
目を閉じ
そして、腕を伸ばし


それは、私に出来ぬこと
ただ、想いは届かず


―――――


僕らの無意識は勝手に研ぎ澄まされていくようだ
ベッドの下の輪郭のない気配に
この瞳が開く時は心など無くて
何もかも壊してしまう激しさだけ
静かに消えて行く季節も選べないというのなら


白い手袋が闇に浮かぶ
薄桃色の眼が闇に灯る


願いだけが闇に消えた


アンインストール アンインストール
僕の代わりがいないなら
普通に流れてたあの日常を
アンインストール アンインストール
この手で終らせたくなる
なにも悪いことじゃない アンインストール


君の代わりなどいるはずもなく
明日を夢見て眠ることも無く


アンインストール アンインストール
この星の無数の塵のひとつだと
今の僕には理解できない
アンインストール アンインストール
恐れを知らない戦士のように
振る舞うしかない アンインストール


もう、死ぬことに恐れも無く
ただ、ここに君がいないことに怯え
一人孤独に震え


―――だから


 
沖那    いじょー
   今回は、前回使い損ねた2番
 
GM    ……曲が終わり、踊りも終ると、また拍手が巻き起こる。

   ぱちぱちぱちぱち、ぱちぱちぱちぱち。
 
沖那    一礼をし、舞台裏に下がる
 
GM    がこん と、電気が消えて……
   彼女と、二人になる。

   映詩:「素晴らしかったわ」

   軽く、手を叩いて、にこやかに。
 
沖那    「そう言って貰えるとは嬉しいな」

   嬉しげに笑い
 
GM    映詩:「ねぇ……届かない思いを抱きつづけるのは、悪い事かしら?」
 
沖那    「質問が漠然としすぎて答えかねるが…そもそも良い悪いなのか?」
 
GM    映詩:「そうねぇ……」

   目をゆっくり瞑り、ゆっくり開く。

   映詩:「富来克真君……だったかしら」
 
沖那    「ああ、あってるよ」
 
GM    映詩:「もう、死んでしまったのでしょう?」
 
沖那    「ああ」
 
GM    映詩:「また、会ってみたいかしら?」
 
沖那    「・・・・・
   …会いたい。けれども、会えないと解っている」
 
GM    映詩:「それは……私たちの為そうとしている形では、納得行かないのね」
 
沖那    「ああ。どうしても、な。
   それで納得できれば私も楽だったのだろうがな」

   苦笑して
 
GM    映詩:「何故……と、聞くのは、野暮な事でしょうね」

   薄らと、慈愛に満ちたような笑みを浮かべて。
 
沖那    「ん、そうだな」
 
GM    映詩:「自分でも、わかってないのでしょうから」
 
沖那    「まあ、な。くくっ」

   そう言って小さく笑い
 
GM    映詩:「少し、夢みる乙女のようなお話をしてみない?」

   くすくすと笑って。

   映詩:「もし、もしも、よ。会えたのなら、何がしたいのかしら?」
 
沖那    「そうだ、な。
   んー…と、その・・・なんだな」
 
GM    ゆったりと、老婆は返答を待つ。
 
沖那    「え~っと、ほら…あの、あ~っと、なんというかその、だな…
   ・・・これではとても言えそうに無いな」

   大きくため息を吐き
 
GM    映詩:「あらあら……」
 
沖那    「まあ、なんだ…愛してると、好きだと。そう伝えたい…なぁ、と」

   小さな声でそう何とか言い
 
GM    映詩:「その一言が、中々難しいのよねぇ……
       私も、ずうっと言えてないわ」
 
沖那    「言った所でアイツだとスルーする可能性がありそうなのだよなぁ…」
 
GM    映詩:「そうなのよね。取り合ってもらえなかったら、恥ずかしくて仕方ないもの」

   車椅子に体重を預けた老婆は、共感するように言う。
 
沖那    「まったくだ」
 
GM    映詩:「片想いは……辛いわ」
 
沖那    「ホント…まさか自分がこうなる時が来るなどとは思ってもいなかったよ」
 
GM    少しの、間。

   何か聞きたい事があれば、どうぞ。 無ければ進めます。
 
沖那    んーーー…聞きたいことが無いわけでは無いが、聞かないでおく
 
GM    ですか。
 
沖那    それこそ野暮だからな
 
GM    映詩:「……何故、私達の前に、貴方は立ち塞がるのかしら?」
 
沖那    「仲間のためだな。

   茂野と玉響は、まだ両方生きている。
   折角だからきちんと添い遂げてもらいたい。

   八月朔日は頑張り屋だからな。
   一人で仕事させるわけにもいくまい。

   上成は、アイツが死んだときに泣いてくれた。
   そんなアイツが助けたい人がいるなら、手伝わなくてはならない。

   まあ、そんなところだな」
 
GM    映詩:「そこに、自分の意志が無くても……届かない言葉を抱いたままで、
       そんな曖昧なもののために、頑張るのね」

   首を振って。

   映詩:「いいえ、それこそが貴方の意志、かしら……」
 
沖那    「そう、かもな」
 
GM    映詩:「自分の意志。
       そんな滑稽な言葉も無いけれど……届かなかったところで、
       抱くだけで人は動ける……」

   まどろむように……。
   この老婆は、何を抱いているのだろう?

   映詩:「……昔話、聞いてくれるかしら?」
 
沖那    「構わないよ。長くなるなら、そう。お茶でも飲みながら聞きたいかな」
 
GM    映詩:「そうね……」

   音も無く、二匹の猫がお茶を持ってくる。


……


一人の少女がいました。


彼女を取り巻く環境は、がんじがらめでした。
旧き過去から連綿と続く、家と名前による束縛。
凝り固まった思想、身動きの取れない思惑。
少女は生まれた瞬間から、人生を決定付けられていました。


彼女の生まれた家は、没落の一途を辿る最中でした。
それは、まるで世を鏡に写した絵のように。
周りの大人達は必死でした。
継いできたものを、次へと繋げようと。
長く紡いで来たものを、自分達が断ち切ってはいけないと。
だからその少女は、結ばれる相手も他の誰かに決められて。
おおよそ今までの先祖がそうして来たように、自らもまた。
その家と名前を紡ぐ事を、選ばされました。


選ぶ。
こんなものは選択とは言えない。
しかし。
選んだ事にされた。


少女は、人間なんか嫌いでした。
少女は、世界なんか大嫌いでした。
少女は、自分なんか大々嫌いでした。
少女は、何もかもが大々々嫌いでした。
そして、それが少女の僅かな矜持でした。


夢なんて無い。
ここから見える景色全てが薄汚い。
ああ、なんて澱んでいるんだろう。
微笑みなんて全てが嘘だ。
誰もが腹の内にどす黒い思いを持っていて。
それこそが人間を人間たらしめている。
否定することは出来ないでしょう?
そんな人間たちが紡ぎ建てたこの世界が、汚く見えるだなんて。
なんて自然な事だろう。


絶望する事すらも馬鹿馬鹿しくなって、ただただ嫌悪を抱き。
膝を抱え、傍観を決め込んだ少女は。
やっと、“それ”と出会いました。


“それ”は、少女と同じか彼女以上に、何もかもを見通してました。
しかし、少女が嫌ってきた全てを、愛していました。
悲しみを嘆き、苦しみを嘆き、寂しさを嘆き。
自分と言う認識を廃絶してまで、何もかもを救おうとしていました。


少女は、“それ”と出会い。
“それ”に恋をし、愛を抱きました。
救われたと思いました。感謝の気持ちで満ち溢れました。
夢も、現も、自分も、世界も、“それ”から貰ったのですから。
だから“それ”のために、少女は少女自身を捧げようと決めました。
ここに来て、誰が用意したでもない選択肢を、自ら選び取ったのです。


“それ”と同じ場所から、世界を見て。
“それ”のためだけに、景色を見よう。


世鏡絵我なんて名前は、誰かにあげよう。
妹にでも、あげよう。
私には、必要ない。
私は、うつしで良い。
そっちの方が、映えるもの――


貴方の事を愛しています。
ずっと、出会ったその日から。


自分の存在も認めない。
何もかも愛しすぎる貴方。
だから私は貴方を愛します。
狂おしい程愛しています。
悠久の時を貴方と共に。
それが私の夢だった。


お城を、建てましょう。
せめて、世界に匹敵するほどの。
二人の城――全ての城。
遍く事象を景色と眺めましょう。
それが私の現となる。


やがて少女は、終結と言う思想の一つとなるのでした。


……ただ、話し相手が欲しかっただけかもしれない。
理解してくれるかもしれない、相手が欲しかっただけかもしれない。
届くはずが無い思いを、ずっと抱きつづけてきた身として。
そして、その想いを貫いていく意志を、伝える相手として。


――私も、歳を取ったものね。


 
沖那    「ふう…」

   冷めてしまったお茶を飲み干し
 
GM    映詩:「……長くなっちゃって、ごめんなさいね」
 
沖那    「いや。
   そうやって、まだそんな風に語れるんだったら…
   もし私がこの戦いに生き残っても、なんとか生きていけるかな。
   と思ってな」
 
GM    映詩:「そう……」
 
沖那    「ああ、皮肉でもなんでもないぞ。純粋な感想だ。
   気を悪くしたなら謝るが」
 
GM    老婆は、まるでただの老婆のように、
   本当に、ただの疲れた老婆のように、息を吐いて。

   映詩:「いいえ……。ただ、少し嬉しくて、悲しかっただけ……」
 
沖那    「そうか……」
 
GM    映詩:「だから私達は、対立するしか、ないのだもの」

   己が誰かを想い、己として何かを思うために。
   ふぁ……と……周囲に花畑が展開する。
   気持ちの良い風が、駆け抜ける。


      かちゃ。


           かちゃ。


 
GM    扉の開く音。

   映詩:「さて、と。
       のんびりする時間もそろそろ終わりにしましょうか。堅陸沖那ちゃん」
 
沖那    「ん…少し、残念だがな」
 
GM    映詩:「お互いにもう――」


                思い残す事は無いでしょう。


 
GM    カット。
 
沖那    うむ、時をかける少女思い出した
 
GM    ほふ。
 
   いやいやいや(笑
 
GM    実写版を少し見ただけで、私は見た事無いのですけれど。(苦笑
 
沖那    んー、まあ、昔そうだった叔母と、今そうである少女の会話があってな
 
GM    ふむふむ。
 
沖那    まあ、いいや
 
GM    ええと、突っ込みとかありませんか?
 
沖那    んー。いや。特に。
   ああ、そうだ、ロイスロイス。
 
GM    ああ、受け取ってもらえてませんでしたね。
 
   ああ、シナリオロイス。
 
沖那    んーと、推奨なんだったっけ
 
GM    自由です。(笑
 
沖那    ふむ、正道は外していこう。
   友情/嫉妬、でP表。
 
GM    了解です・・・嫉妬?
 
   想う所でもあるんですか?
 
沖那    ん、まあ。色々とな
   そういう風な道もまたよかったかもな、とか、そんな感じか
 
GM    成る程です。



    ◆ ◆ ◆


 
GM    では、マスターシーンを流します。


こぽこぽこぽ、こぽぽ……。


「あいつは変な奴だったよ。
 変な奴だったが、優しい奴だった」


うっすら白い湯気と、珈琲のアロマに紛れて、そう言う。
“果実の臭い(Yes Sweet)”――北化非。


「でも――今のこの状況は、
 その人が引き起こしているんでしょう?」


“月崩し(Jealous Moons)”――鹿子木朋。
非の娘は、夫を持っても変わらず可愛らしく、そう尋ねた。


「そうだな……」
「悪いのはあいつじゃない、世界だーとか言っちゃう?」
「言わないよ。悪いのはあいつだ。悪いかどうかもわからんが」
「友達……だったんでしょう?」
「友達だったからこそ、救えなくて。友だったから、悔いてるんだな」
「よく、わからん事です」
「朋友でいたかったが――結局、悪友だったのかもな」
「朋――」


珈琲に口をつけ、北化非は不器用にウィンクをする。


「悪友が格好つけてきたら、こっちも格好よく返すしか、無いだろう?」
「……あっほらし。止めるべきだったんじゃないの?」
「若すぎ――いや。……年を、食いすぎてたのさ。お互いな」


夢なんか捨てちまうくらいに――現実にしか興味が無いくらいに。
だから、すまない。 あいつの亡霊を、止めてくれやしないか?
喫茶店のマスターは、無責任な大人らしく。儚く、願う。
――今日も、喫茶:Dearは営業中だ。 誰かへ向けて。


粛々収縮。渦巻き込む。
気付きやしないすぐ其処で、その手を繋げ。
撓む現世に、ごあいさつ――♪


 
GM    以上です。
 
   はい。
 
GM    感想とかあったらお願いします!
 
沖那    とりあえず曲が消費できてよかったですw
 
明彦    まぁ、まさに最終回!という感じだなぁ。ほんと。
 
   精神面で来るものがありますね。
 
GM    一応、これで語り部以外の気になるキャラ(?)
   過去話は軽く触れ終わったわけですが。
   さりげない映詩の以前の名前と鹿子木朋のコードネーム公開。(笑
 
明彦    はははw
最終更新:2020年05月16日 09:55